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<解説>防衛生産・技術基盤の抜本的強化に向けた取組

防衛生産・技術基盤は、自国での防衛装備品の研究開発・生産・調達を安定的に確保し、新しい戦い方に必要な先端技術を防衛装備品に取り込むために不可欠な基盤であることから、いわば防衛力そのものと位置づけられるものです。

しかし近年、防衛産業から撤退する事業者が相次ぎ、国内の製造体制が弱体化するとともに、製造設備の老朽化、サプライチェーン上のリスクやサイバー攻撃の脅威といった課題が顕在化しており、防衛生産・技術基盤を取り巻く環境はより一層厳しさを増しています。

昨年12月に閣議決定された国家防衛戦略では、基盤の強化のため、防衛産業の適正な利益の確保のための新たな利益率の算定方法の導入、早期の防衛力抜本的強化につながる研究開発や民生の先端技術の積極的な活用、防衛装備移転三原則や運用指針をはじめとする制度の見直しの検討も含めた防衛装備移転の推進など、様々な取組を進めることとされています。

また、防衛省は、基盤の強化に必要な法整備として、令和5年通常国会に「防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案」(以降、本法律案)を提出しました。

本法律案では、防衛産業の位置づけを明確化するとともに、防衛装備品のサプライチェーン調査、基盤強化のための財政上の措置、装備移転の円滑化のための措置、防衛装備品の機微情報の保全強化に関する措置や製造施設等の国による取得・管理委託に関する措置などを規定しています。

防衛省では、これらの取組を通じて、防衛生産・技術基盤の一層の強化を図ってまいります。

国内の防衛産業に支えられて製造されている「10式戦車」

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国内の防衛産業を支える企業等の社長と防衛大臣が意見交換を行ったプライム15の様子

国内の防衛産業を支える企業等の社長と防衛大臣が
意見交換を行ったプライム15の様子