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<解説>スタンド・オフ防衛能力の強化

各国の早期警戒管制能力や各種ミサイルの性能が著しく向上していく中、自衛隊員の安全を確保しつつ、わが国への攻撃を効果的に阻止する必要があることから、スタンド・オフ防衛能力の強化に取り組んできました。

防衛戦略にもあるとおり、東西南北、それぞれ約3,000kmに及ぶわが国領域を守り抜くため、島嶼部を含むわが国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊などに対して、脅威圏の外から対処するスタンド・オフ防衛能力の抜本的強化に取り組んでいきます。また、わが国の様々な地点から、重層的にこれらの艦艇や上陸部隊などを阻止・排除できる必要かつ十分な能力の保有や、各種プラットフォームから発射でき、高速滑空飛翔や極超音速飛翔といった多様かつ迎撃困難な能力を強化します。

具体的には、多様なプラットフォームから運用を行う12式地対艦誘導弾能力向上型について開発を推進し、地上発射型は早期に部隊配備するため2023年度から量産を開始します。また、諸外国のレーダーや対空ミサイルの性能向上により、迎撃能力が向上しており、脅威圏の外から対艦・対地攻撃を行うためには、今後、誘導弾などの長射程化、迎撃を回避できる高い残存性が必要です。長射程化と残存性の向上を可能とする誘導弾及び滑空型飛翔体を実現するため、必要な技術の研究を着実に推進します。

さらに、衛星コンステレーションを活用した画像情報などの取得や無人機(UAV)、目標観測弾の整備などを行い、情報収集・分析機能などを強化していきます。

※スタンド・オフは、一般的には「離れている」といった意味。

今後のスタンド・オフ防衛能力の運用(イメージ)

今後のスタンド・オフ防衛能力の運用(イメージ)