「将来SAM」関連情報の流出事案に関する報告のポイント

平成18年3月 2日

1 流出した情報

 在日本朝鮮人科学技術協会と関連があると思われるソフトウェア会社(以下「X社」という。)に流出した資料は、平成6年から7年の間に三菱電機㈱が防衛庁から受託した「将来SAM(その1)の研究試作」及び「将来SAM(その2)の研究試作」の成果物であるシステム設計報告書の中の一部資料3点と同一のもので、秘数値が伏せられている箇所に、手書きで当該秘数値が書き加えられていた。(別紙1)(PDF:1.0MB)

2 情報流出の当時の安全保障及び現有「中SAM」への影響

 (1)X社に情報が流出した平成7年頃、防衛庁が将来の中距離地対空誘導弾に関して行っていた研究について、その方向性や内容の一部を知り得る情報が流出したことは、防衛庁にとって深刻な事態だったといえる。

 (2)ただし、流出した情報はごく一部の情報であり、またこれらの情報だけからは、「将来SAM」の能力を推定することは極めて困難である。また、03式中距離地対空誘導弾(以下「中SAM」という。)は、「将来SAM」の研究成果を踏まえ開発されたものではあるが、その実際の機能・性能は、「将来SAM」において前提としていた機能・性能とは異なる部分も多い。したがって、流出した情報から「中SAM」の能力は推定できないと判断でき、本情報流出が「中SAM」の運用に悪影響を与えるおそれはない。

3 情報の流出経緯

 三菱電機㈱においては、防衛庁からの上記受託事業と並行して、将来防衛庁が中距離地対空誘導弾の開発試作へ移行する場合に備えて、平成4年から「汎用ミサイルシミュレータ」の製作を独自で行っていたが、その一部を構成する「SAMシステム用シミュレーションツール」を㈱三菱総研に発注した。
また三菱電機㈱は、この「SAMシステム用シミュレーションツール」が完成した場合のイメージを社内で説明するため、㈱三菱総研に対し、当該シミュレーションツールの完成イメージを展示するためのデモ用プログラム(以下「デモツール」という。)を含むプレゼンテーション用資料の作成を依頼した。
㈱三菱総研は、さらに、このうちのデモツールの作成をX社に下請け発注した。
流出した情報は、このデモツール作成過程で、三菱電機㈱が防衛庁との契約に違反して㈱三菱総研に開示し、さらに㈱三菱総研が三菱電機㈱との契約に違反してX社に開示したものである。(別紙2)(PDF:1.0MB)

4 情報の流出原因

 (1)三菱電機㈱は、防衛庁との契約に違反し、防衛庁の許可なく情報を開示した

 (2)三菱電機㈱及び㈱三菱総研(以下「両社」という。)においては、秘匿すべき情報はそれを業務遂行上必要とする者だけに開示し、必要としない者には決して開示しない、という情報保全の基本原則が守られていなかった。

 (3)両社の担当者はともに重要な情報と認識しつつ開示したと考えられ、情報に対する保全意識が希薄であった。

 (4)さらには、両社において、複数担当者による相互チェックが働かなかったことからも明らかなように、担当者個人の問題というよりは、両社ともに、会社としての情報管理体制が正常に機能していなかった。

5 処分及び今後の対応

 (1)処分

 ア 防衛庁長官から、両社に対し文書で厳重注意処分を行う。

 イ 両社に対し再発防止策の提出を求める。

 ウ 再発防止策が着実に実施され、情報流出の問題が再発するおそれがないことが確認できるまでの間、両社との新規取引は停止する。

 エ 両社との間で継続中の取引については、両社に対し情報保全に万全を期す旨の誓約書を提出させる。
なお、情報流出の問題が再発するおそれがないことを確認し取引を再開した場合には、両社との新規の契約について、「情報セキュリティ特約」注を適用する。

 注:「情報セキュリティ特約」とは、第三者に対する情報漏えい禁止に加え、防衛庁が定めるセキュリティ基準に適合した組織の構築などの体制整備並びに監査の受け入れを求める特約条項である。現在、この特約は情報システムの調達においてコンピュータ関連企業36社に対し適用している。

 (2)本事案を契機とした防衛庁の取組み

 ア 防衛関連の企業に改めて情報保全に関し注意喚起をするとともに、企業における情報保全対策を確実なものとするため、

 (ア)契約企業に対する情報保全に係る検査体制を充実させるとともに、

 (イ)情報システム以外の装備品に対する「情報セキュリティ特約」の早期適用を実施する。

 イ さらに、防衛庁自身の情報保全措置の改善を図るため、

 (ア)防衛秘密の指定や注意表示等による情報保全の徹底を図るとともに、

 (イ)特に、技術情報については、管理の実態について総点検を行い、必要な対策を講ずることとする。

 ウ なお、最近の海上自衛隊の業務に関する資料の流出事案を受け、秘密保全及び情報保証の確保等に関する抜本的な対策について検討を開始したところである。今後この検討を踏まえ、必要な対策を講ずることとする。

・「将来SAM」関連情報の流出事案の概要(PDF:306KB)

・「将来SAM」関連情報の流出事案に関する報告(PDF:3.0MB)


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