防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年3月24日(日)12:00~12:08
場所
陸上自衛隊竹松駐屯地
備考
第3水陸機動連隊新編行事後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

本日、竹松駐屯地の第3水陸機動連隊新編行事に出席をし、隊旗の授与を行うとともに、これから新たな部隊を担っていく隊員諸君を激励する機会を得たところです。四方を海に囲まれ、本土から離れた多くの島々や広大なEEZ、大陸棚を有する我が国にとって、島しょの防衛は、国の存立に直結するものです。3個目の水陸機動連隊が新編されることで、必要な場合にいつでも迅速に機動展開できる体制が構築され、抑止力・対処力がより一層強化されることになります。部隊配備に御理解・御協力をいただいている地域の方々にも、改めて御礼を申し上げたいと思います。竹松駐屯地に配置される隊員には、防衛省・自衛隊に対する国民の高い期待と信頼に一層応え、唯一無二の島嶼防衛のプロフェッショナルとして、任務に励むことを期待します。

2 質疑応答

Q:第3水陸機動連隊の配備が完了したことへの受け止めと、水陸機動団の今後の展望と課題について、例えば部隊を拡大するお考えがあるかということについて伺えたらと思います。

A:まず、前段については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する我が国にとって、防衛力の抜本的強化、特に南西地域の防衛体制の強化というのは喫緊の課題であります。私の防衛大臣就任以来、強い関心をもって、我が国防衛の最前線である南西地域の部隊視察等を行ってまいりました。その中で、本日、南西地域の防衛体制強化の中核を担う第3水陸機動連隊の新編に立ち合い、そして、直接、隊旗を授与できたこと、そして、隊員諸君の精悍な表情をですね、この目でしっかりと見ることができたことを、大変誇らしく思います。水陸機動連隊の3個連隊体制化によって、各連隊が、国外も含めた実効的な訓練、即応態勢の確保、装備品の整備や待機等をローテーションで実施することが可能になります。これによって、部隊の練度が更に向上するとともに、これまで以上に状況に応じて迅速に対応する体制が構築をされて、抑止力・対処力がより一層強化されます。また、災害派遣においても、幅広い対応を迅速に行う能力が高まるということになります。今般の第3水陸機動連隊の新編によって、これまで目指してきた水陸機動団の3個連隊体制が完成することから、後段の御質問につきましてはですね、更なる整備の計画というのはありません。今回整った新たな体制において、その任務をしっかりと果たすことができるよう、日々の訓練等を通じてその練度を高めてまいりたいというふうに思っております。

Q:長崎県には第3水陸機動連隊のほかにも、先日、対馬市に電子戦部隊も配備されました。本県、長崎県の日本の安全保障政策上の位置付けを伺えたらと思います。

A:我が国周辺においてはですね、例えば、中国は近年、軍事力の質・量を広範に、かつ急速に強化をしております。今月にもですね、中国海軍フリゲート艦が南西諸島南方の海域を約2週間にわたって活動するなど、東シナ海、そしていわゆる第一列島線というのを越えて、第二列島線に及ぶ我が国周辺全体での活動をですね、活発化させているという状況にあります。今般の長崎県における、第3水陸機動連隊の新編や、そして今、お話にあった電子戦部隊の配備は、我が国の島しょ防衛能力及び電磁波領域における能力を強化するものであり、力による一方的な現状変更を許容しないという、我が国の意思を示し、我が国の抑止力・対処力を高めることで、我が国への武力攻撃そのものの可能性を低下させるものであります。

Q:今後の南西地域の防衛態勢の強化をどう進めていく考えかお聞かせ願いますでしょうか。

A:今後の南西諸島群の強化についてという、非常に重要な御質問でございますけれども。お答えしますが、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している我が国であります。防衛省として、防衛力の抜本的な強化を進めているところであり、とりわけ南西地域の防衛体制の強化、待ったなしの課題というふうにとらえてます。これまで南西地域の陸上自衛隊の空白を埋めるべくですね、与那国島、そして奄美大島、宮古島及び石垣島への部隊配備を行ってきたほか、本年3月21日には沖縄本島の勝連分屯地に地対艦誘導弾部隊を新編したところであり、来年度、令和6年度には大分県の湯布院駐屯地に地対艦誘導弾部隊を配置する予定です。また、佐賀駐屯地、仮称なんですけれども、そこを開設してV-22オスプレイ等を配備するために必要となる取組も進めるとともに、防衛力整備計画に基づき、沖縄県の第15旅団を師団に改編し、現在の1個普通科連隊を2個普通科連隊に増強することなどを計画しております。更に施設の強靱化にも取り組んでおりまして、例えば福岡県の築城基地や宮崎県の新田原基地における司令部の地下化等の抗たん性の向上などについても進めてまいります。このような部隊配備等は、力による一方的な現状変更やその試みを決して許容しないとの我が国の意思を示し、我が国の抑止力・対処力を高めることで、我が国への武力攻撃そのものの可能性を低下させるものであり、我が国国民の安全につながるものと考えております。また、大規模災害や国民保護における対応の迅速化にもつながるものと考えています。能登半島地震への災害派遣も現在まだ実施中でありますが、九州にも、過去にもですね、熊本地震等、あるいは各種水害等ですね、そういった自然災害なども頻発して、そういう地域であるという、そういう認識をしております。防衛省としては、引き続き、地元の自治体に御理解を得るためにしっかりと説明をしつつ、防衛力の抜本的強化の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っています。

以上