防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年3月20日(水)19:10~19:19
場所
椿山荘2階バンブールーム
備考
日・太平洋島嶼国国防大臣会合後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

第2回の日本・太平洋島嶼国国防大臣会合につきまして、昨日及び本日の2日間にわたって、JPIDDを開催いたしました。本会合においては、インド太平洋の今、そして新たな安全保障課題、そして海洋安全保障、気候変動とHA/DR、それから太平洋島嶼国地域の未来という、そういった幅広いテーマについて、率直かつ活発な意見交換が行われました。私からは基調講演も行いまして、現下の安全保障環境も踏まえ、太平洋島嶼国地域の平和と繁栄を守るべく、我が国の今後の太平洋島嶼国地域における、防衛・安全保障協力をさらに推進するための3つの原則と2つの連携というものをですね、COCONUTSというキーワードで提示し、参加国からはですね、歓迎の意が示されたところであります。また、私はトンガ王国の皇太子殿下への表敬及びパプアニューギニア、フィジーの大臣との2国間の会談において、率直な意見交換を行いました。防衛省・自衛隊としては、第2回の開催となった今回の会合の成果を踏まえまして、地域のパートナーの国々とも連携をしながら、太平洋島嶼国との防衛協力・交流を更に強化し、地域の平和と安定のため、より一層積極的に貢献していく考えであります。

2 質疑応答

Q:大臣、昨日今日と日・太平洋島嶼国国防大臣会合に臨まれました。対面では初めてとなりましたが、改めて手応えや成果について教えてください。

A:今おっしゃるように、今般、第2回目ですけれども、対面では初となる会合でしたJPIDDと申しますが、これをですね、太平洋島嶼国及び地域のパートナー国を招いて開催をし、率直かつ幅広い意見交換を行ったところです。まず、私の基調講演においては、我が国が2021年7月の第9回の太平洋・島サミット、PALM9で発表した、太平洋のキズナ政策の下で、現下の安全保障環境も踏まえて、法の支配の下で自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、平和と繁栄を享受するための協力をですね、深化させることを提案をいたしました。この観点から、先ほど申し上げたCOCONUTSという、一体となった安全保障の取組のための協力コンセプトという意味ですが、Cooperation Concept for United Security Effortsと言いますが、この取組をですね、参加各国に提示をしたところです。このコンセプトは、3つの原則と2つの連携を含んでいるところです。改めてこの3つの原則を申し上げると、1つ目は、太平洋島嶼国の中心性・一体性・オーナーシップの尊重、2つ目は、対等で相互に恩恵をもたらし協力し合う関係の強化、3つ目は、太平洋島嶼国・日本・ASEANの連携の支持からなります。また、2つの連携というものは、1つ目が、JPIDDとSPDMMとの連携ですね、SPDMMというのは、南太平洋国防大臣会合です。South Pacific Defense Ministers’ Meetingのことを言います。そして2つ目の連携は、JPIDDと、この太平洋・島サミット(PALM)との連携の強化からなります。この3つの原則と2つの連携を示しました。太平洋島嶼国及び地域のパートナーの国の皆様方からは、今般の日本側の提案に対して歓迎の意が示されました。私としては、参加国間で今後の協力の在り方に関する活発な議論を実施し、相互理解と信頼の醸成の促進と、また更なる協力・連携を生み出す機会として、このJPIDDは非常に有意義であったというふうに率直に感じます。防衛省・自衛隊としては、今回のJPIDDの議論を踏まえて、地域のパートナーの国々や関係機関とも連携しながら、太平洋島嶼国との防衛協力・交流を更に強化して、地域の平和と安定のために、より一層積極的に貢献していきたいとそういうふうに考えます。

Q:今回の会合で、参加国と確認したり一致した点、もしくは日本側から新たな支援内容がありましたらよろしくお願いします。

A:繰り返しになりますが、法の支配の下で自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、その平和と繁栄を享受するための協力を深化させるために、申し上げた、先ほどの3つの原則と2つの連携を柱とするCOCONUTSという、一体となった安全保障上の取組のための協力コンセプト、これを参加各国に提示して、各国から歓迎の意が示されたということになります。こういう点で言うと、これが確認あるいは一致できたところだというように評価できると思います。今回のJPIDDの議論を踏まえて、パートナー国と連携しつつ太平洋島嶼国と防衛協力・交流を更に強化して、地域の平和と安定のために、一層積極的に貢献していくという、そういう思いを新たにしたということになります。具体的にはですね、太平洋島嶼国の中で、軍隊を有する3か国、フィジーとパプアニューギニアとトンガですが、特にその3か国との相互理解・信頼醸成を深めること、これは有意義であるとの観点から、防衛大臣会合などハイレベル交流から留学生の受入れ、防衛大学校ですけれども、そういったことも含めて、人的交流を引き続き推進していきたいとそういうふうに考えています。また、太平洋島嶼国の中には、その3か国以外は、いわば軍隊を保有しない国々もありますので、そういう国々も含めて、地域のパートナー国や関係機関とも連携しつつ、 能力構築支援、あるいは軍隊がない国でも、自衛隊の艦艇や航空機によってですね、港や空港に寄港するという、そういった親善訓練などですね、そういったことを通じて、協力や交流を一層深めていきたいというふうに考えております。

Q:今言及がありました留学生の受け入れ、これまでやってこなかった島嶼国の中では初めての試みということですけれども、今後この安全保障の協力において現在地というか、どのような位置付けとして捉えられているのかというのを教えていただけますでしょうか。

A:太平洋の島嶼国の中でも、軍隊を有する3か国ですね、PNGとトンガとフィジーですけれども、その3か国との相互理解・信頼醸成を深めることは有意義であると、そういった観点から、人的交流をはじめとする協力を引き続き推進していきたいというふうに考えておりまして、この点に関してですね、今回、私どもから提案をさせてもらいましたけれども、その3か国からはですね、防衛大学校に留学を受け入れるということをですね、喜んで受けますという旨の回答がありました。具体的なその内容、時期とか人数とか諸々あると思いますが、そういったことは今後調整していくことになりますが、私どもとしては、太平洋島嶼国との防衛協力・交流を更に強化する、その一環でもございますので、この点も積極的にやっていきたいというふうに思っております。

以上