防衛大臣記者会見

日時
令和6年3月5日(火)08:41~08:50
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
木原防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

沖縄のロウワー・プラザ緑地ひろばの一般利用開始についてであります。沖縄の基地負担軽減に関して、沖縄市と北中城村にまたがる米軍キャンプ瑞慶覧のロウワー・プラザ住宅地区は、沖縄統合計画において、住宅の移設が返還条件とされ、現在も移設先で工事を進めているところであります。こうした中、令和4年5月の沖縄復帰50周年記念式典において、岸田総理の方から返還実現までの間、緑地ひろばとして地元の皆様に広く御利用いただけるようにするとの表明を行い、それ以降、防衛省において利用の開始に向けて準備を進めてきたところであります。今般、利用の開始に向けた整備の完了の見通しが立ったことから、今月の31日にロウワー・プラザ緑地ひろばとして利用を開始することといたしました。また、これを記念して、30日に記念式典を実施いたします。今般の利用ですが、地元の皆様の生活の利便性の向上に加えて、跡地利用の検討に資する空間と時間を創出するものと考えており、地元自治体からも歓迎する旨、コメントを頂戴しているところです。また、今般の取組は沖縄の基地負担軽減の目に見える成果の一つになるものであり、引き続き、沖縄の基地負担軽減にしっかり取り組んでいく考えです。

2 質疑応答

Q:オスプレイの関連で伺わせてください。報道では、米国防省が来週にも飛行再開を計画していて、今週にも米軍の幹部が来日し、防衛省にも計画を説明するということなんですけれども、いつ説明に来るかなど、現時点での調整状況、また、陸自のオスプレイの飛行再開の見通しについて、この2点お願いいたします。

A:報道承知しておりますが、米側とは、事故の状況、安全対策等について確認作業を行っているという従来からその状況は変わりはないわけですが、お尋ねの点も含めて、そのやり取りの具体的な内容は、米側との関係もあって、現時点ではお答えすることは差し控えておきますが、申し上げているとおり、オースティン長官との間では、米国防省の関係部署に対して、日本国内のオスプレイの運用前には、必ず私ども日本政府と調整をするというように指示が出されていますけれども、これまでのところ、米側から、日本国内のオスプレイの運用に関する事前調整は来ておりません。陸自のオスプレイについても同様です。事故の状況が明らかとなるまでの当面の間は、その飛行を見合わせていますが、今後の措置は、オスプレイの飛行の安全確保等に関する米軍の情報を踏まえて、適切に判断してまいります。現時点においては、運用再開の具体的な時期も含めて、予断をもってお答えすることも困難という状況です。言うまでもなく、飛行の安全というのは、日米共通の最優先事項であって、日米で緊密に連携して対応していくと、これをしっかりと確認をしています。このため、米軍オスプレイの飛行安全の確保のために必要な情報については、米側から情報提供をしっかりと受けて、私ども同種の機体を運用する防衛省・自衛隊としても、米軍のそういった対応が適切であると主体的に判断するに至ることが必要だと考えてますので、米側とは引き続き連携して確認作業を実施して、私どもとして適切に判断をしてまいります。

Q:日本が、イギリス、イタリアと共同開発する次期戦闘機について伺います。政府としてですね、次期戦闘機に具体的にどのような性能を求めるか、どのような性能を重視して獲得したいか現状のお考えをお願いします。

A:次期戦闘機の性能というところですね。2022年の12月に公表した、次期戦闘機の共同開発ですが、日英イタリア3か国の技術というのを結集すると、そして、コスト等を分担するということ、将来の航空優勢を確保する優れた戦闘機を開発しようと、そういう意図であります。我が国は、四つの方面をですね、海に囲まれた島国でありますので、我が国に対する侵略というものは、空又は海というのを経由して行われることになります。そのために、専守防衛というのを旨とする我が国の安全を確保するためには、航空機や巡航ミサイルによる空からの攻撃や、艦艇による海からの攻撃をできる限り洋上で、しかも遠方において阻止することが必要であり、戦闘機は、これらの防御的任務を遂行するための中核的な装備品ということになります。こういった戦闘機の重要性というのに鑑みて、各国とも戦闘機の開発等に注力してるわけですが、周辺国でも第4世代、第5世代の戦闘機の増加や、あるいは第5世代機の開発なども着々と進められています。我が国が求める性能の一例としては、高度なセンシング技術、そしてステルス性、そして量に勝る敵に対する高度ネットワーク戦闘、そういったところが挙げられるのではないでしょうか。こうした性能のほかに、将来にわたる適時・適切な改修の自由度といいますか、改修の自由の確保、そういったことを実現していきたいと考えてます。2035年度までの開発完了を目指し、3か国の共同開発を着実に推進してまいります。

Q:広島県の製鉄所跡地利用について伺います。広島県は昨日、防衛省から去年閉鎖した日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の跡地について、多機能な複合防衛拠点として活用したい旨の説明を受けたと発表しました。この多機能な複合防衛拠点とは具体的にどのようなものを指すのか、現時点でのイメージや完成時期のめど、拠点設置の意義、重要性について教えてください。また、土地の取得など計画の進捗状況も教えてください。

A:防衛力の抜本的強化を私どもは目指しているわけですが、装備品の維持整備・製造、訓練、補給そういったことを一体的に機能させて、部隊運用の持続性を高めるという必要がございます。このため、防衛省として、今後、日本製鉄瀬戸内製鉄所跡地を含む呉地区において、多機能な複合防衛拠点を新たに整備していきたいと考えております。具体的には、民間の誘致を含む装備品などの維持整備・製造基盤、そして、ヘリポートや物資の集積場などの防災拠点及び艦艇の配備、訓練場などの部隊の活動基盤、そして、岸壁などを活用した港湾機能、この3つの機能を同一の地域に一体的に整備し、部隊運用の持続性等を高めていきたい考えであります。また、土地の取得については、本件土地を早期に一括で購入することを視野に、売買の条件等について、現在協議を行っているところであります。防衛省としては、防衛力の抜本強化のため速やかに呉地区における新たな拠点整備を行いたいと考えています。完成時期の目途ですけども、今後の検討等を踏まえ決まっていくものとなりますが、まずは先ほど申し上げた3つの機能に係るゾーニングというものをですね、防衛省において作成することとしております。この辺りではこうやりたい、この辺りはこうやりたいという、そのゾーニングを作成し、それをできるだけ早い段階で地元自治体へ説明してまいりたいと、そこから始まっていくんだろうと思います。

以上