防衛大臣記者会見

日時
令和6年2月22日(木)08:40~08:51
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
木原防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

なし。

2 質疑応答

Q:昨年11月に屋久島沖で米軍オスプレイが墜落した事故に関して伺います。米空軍は事故時の機器の故障を特定したと発表し、また、一部報道では、数週間以内に飛行再開の可能性もあるとのことですが、大臣の受け止めと、米側から飛行再開の調整はあったのか、あったのであれば詳細を教えてください。併せて、陸自オスプレイの飛行再開の見通しについてもお聞かせください。

A:昨年11月の米軍オスプレイ墜落事故に関連しまして、日本時間の2月の20日、米軍がプレスリリースを発表したということは承知しております。具体的には、事故の原因を特定するための分析が進められている、そして、現時点において、発生した物質的不具合は判明しているが、その原因は特定されていない、そういった内容であると承知しています。防衛省としては、米側との間で、引き続き、事故の状況や安全対策等について確認作業をこれまでも行っているところであり、米側における所要の調査や分析作業は、現在も継続しているものと、そういう認識をしております。また、これまでも何度か申し上げているとおり、オースティン米国防長官からは、米国防省の関係部署に対して、日本国内のオスプレイの運用前には、必ず日本政府と調整を行うよう指示が出されておりますけれども、これまでのところ、米側から、日本国内のオスプレイの運用に関する事前調整は来ておりません。このため、御質問にあったような米軍オスプレイの運用再開の具体的な時期を含めて、そういった御質問について予断をもってお答えするということは難しい状況です。一方で、私どもの陸上自衛隊のオスプレイにつきましても、米軍機の事故の状況が明らかとなるまでの当面の間は、その飛行を現在も見合わせているところですが、今後の措置は、オスプレイの飛行の安全確保等に関する、そういった米軍の情報を踏まえて、適切に判断してまいりますので、こちらも現時点においては、運用再開の具体的な時期を含めて、予断をもってお答えすることは難しいということです。その上で、飛行の安全確保というのは、繰り返し申し上げておりますが、日米共通の最優先事項であります。日米で緊密に連携して対応していくということを確認をしているところです。このため、米軍オスプレイの飛行安全の確認のために必要な情報については、しっかりとそういう情報の提供を受けて、同種の機体を運用する防衛省・自衛隊としても、米軍の対応は適切であるというふうに、私どもが主体的に判断するに至ることが必要だというふうに考えておりまして、引き続き、米側と緊密に連携して確認作業を実施して対応してまいります。

Q:昨日21日に、自民党と公明党の両政調会長が会合を開き、他国と共同開発する装備品の直接移転について議論されました。高木政調会長が、輸出の必要性について、国民の理解を得るためにどのように説明するのか、内容や手段についてなどを考えるよう政府に宿題を出したということです。政府として今後どのように説明を尽くしていく考えか、大臣の見解をお伺いします。

A:昨日、自公の政調会長間の協議が開催されて、必要性等の説明に関して、政府に対する御指摘があったことは承知しております。私どもの職員も参加をさせていただきました。政府としては、与党からの御指摘を踏まえつつ、必要性等を更に丁寧に、そして分かりやすく説明をし、与党の合意を得るべく進めていきたいと考えております。また、我が国の政策について国民の皆様の御理解を得るということは重要であるというふうに考えておりまして、政府の考えについては、国会における質疑も含めて適切に説明していきたいと、そのように考えております。

Q:ロシアのウクライナ侵攻が始まって、間もなく2年になりますが、この間の安全保障環境の変化を踏まえた日本の防衛力整備の進捗具合と、あと、今後どのように取り組んでいくかについて、お考えをお聞かせください。

A:現在、世界中の色んなところでですね、いわゆる国際社会というものが戦後最大の試練の時を迎えているという、そういう認識を持っております。既存の秩序というものが、深刻な挑戦を受けて、新たな危機の時代に突入しているのではないかなというふうに思います。我が国としても、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境というものに直面しているということを累次申し上げておりますが、例えば中国は、軍事力を広範かつ急速に増強させているとともに、東シナ海・南シナ海において、力による一方的な現状変更の試みを継続、あるいは強化をしているということ、そして北朝鮮は、ミサイル開発を急速に進展させているということ、また、今お話にあったようなロシアはウクライナ侵略を行うとともに、我が国周辺でも活発な軍事活動を継続しているということ、特に、ロシアによるウクライナ侵略では、戦闘機や艦艇、戦車などの従来型の兵器のみならず、大規模なミサイル攻撃、無人機等による非対称的な攻撃であったり、あるいは情報戦などを組み合わせた新しい戦い方が見られます。また、弾薬の備蓄など継戦能力の重要性も指摘されています。我が国がこのような安全保障環境に置かれる中で、防衛省・自衛隊としては、防衛力整備計画に基づいて、ウクライナ侵略の状況も踏まえつつ、スタンド・オフ防衛能力や、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセット防衛能力等の防衛力の中核となる分野の抜本的強化、可動数の向上、弾薬の確保、防衛施設の強靱化等のために、しっかりと予算を計上しており、順調に進捗しているというふうには考えております。引き続き、防衛力の抜本的強化の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

Q:先日、海上自衛隊の練習艦隊の司令官を始めですね、実習幹部が昨年の5月に靖国神社に集団で参拝をしていたということが明らかになりましたけれども、大臣の受け止めとですね、1月に陸幕の幹部が参拝した際には、防衛省として調査をしたわけですけれども、同様に調査をするお考えがあるのかというのをお聞かせいただけますでしょうか。

A:昨年5月の海上自衛隊の幹部による参拝の件の御質問でありますけれども、この間、陸幕の参拝の際にも申し上げましたけれども、自衛隊員は、やはり憲法により信教の自由が保障されているということ、また、隊員個々の自由意思に基づき、参拝が私人として行われるものである限り、差し支えないというふうに考えております。一方で、憲法には、20条3項ですが、国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない旨が定められておりますので、防衛省・自衛隊においても、誤解を招くような行動は避けなければならないというふうに考えています。その上で、今回の御指摘の案件は、去年の5月の17日に、海上自衛隊の練習艦隊の司令官及び実習幹部等が、史跡研修のため九段下周辺にある史跡等の研修を実施したということでありますが、そういう内容ということを承知をしております。この研修について、参拝に関しましては、当該研修の休憩時間において、隊員個々の自由意思により、玉串料は私費で支払った私的参拝であったというふうに聞いております。現在、詳細な事実関係については確認をしているところでありまして、今、確認中でありますので、今後については、現在は、差し控えさせていただきます。いずれにしましても、事実関係の確認は進めていきたいというふうに思っております。

以上