防衛大臣記者会見

日時
令和6年2月16日(金)09:19~09:34
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

なし。

2 質疑応答

Q:大臣の沖縄出張に関してお伺いします。就任後初の沖縄本島の訪問を今日からされると思いますけれども、このタイミングでの訪問となった狙いと意義について、まずお聞かせください。それから、沖縄県の玉城デニー知事とはですね、辺野古移設を巡って意見に相違がある状況が続いている中ですけれども、今回どういった会談にしたいかという点、また米軍基地の所在自治体の市町村長の方々とも会談されると思いますが、こちらについてもどういった会談にしたいか、併せてお考えをお聞かせください。

A:前段の狙いと意義ということでございますが、防衛大臣として、できるだけ早いタイミングで沖縄本島への訪問を私は希望しておりましたが、様々な日程の都合等もあって、本日、就任後初めて、沖縄本島を訪問するということになりました。今回の沖縄訪問では、玉城沖縄県知事を始め、関係自治体の首長の皆様とお会いをし、沖縄の基地負担軽減や南西地域の防衛体制強化をめぐる課題を中心に、意見交換をさせていただく予定となっております。沖縄には、米軍施設、あるいは区域が集中しておりまして、基地負担の軽減は、これは政府全体としての最重要課題の一つであります。そのため、沖縄本島を訪問し、現場を自らの目で確認した上で、地元の皆様の声を直接伺う機会を持つことは、極めて重要であるというふうに考えております。また、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境にある中で、那覇基地を訪問をし、国防の最前線の状況をこの目で確認するとともに、任務に励む自衛隊員諸君を激励するということも、今回は計画をしております。今回の訪問では、沖縄県知事並びに那覇市長、宜野湾市長、浦添市長、名護市長、沖縄市長、うるま市長、恩納村長、宜野座村長、金武町長、嘉手納町長及び北谷町長とお会いする予定となっております。質問の後段ですけれども、県知事との面会におきましては、玉城知事から、沖縄における基地負担軽減に係る思いというものを伺うとともに、私からは、嘉手納以南の早期返還を実現するため全力で取り組んでいくということ、とりわけ、普天間飛行場をめぐる問題については、この点について政府の考え方というものを丁寧に御説明したいというふうに考えております。また、11市町村の皆様との面会においては、かねてからお引き受けていただいている基地負担の実情というものを、首長の皆様から、私が直接伺いまして、また率直な御意見を賜りたいというふうに考えています。いずれの面会においても、沖縄の基地負担軽減に全力で取り組んでいくことや、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、南西地域における防衛力の抜本的強化をしっかりと進めていくこと、この点もしっかりとお伝えしたいというふうに考えております。

Q:陸自の高機動車が海外に流出した問題について質問させていただきます。去年8月17日、旭川駐屯地で使われていた22台の高機動車が北海道の芽室町の業者によって落札されました。去年の12月4日には業者から自衛隊に対し、この22台が解体されたことを示す写真付きの書類が提出されたと伺っています。私たちの取材では、12月8日まで苫小牧市にある別の業者の敷地内にこの高機動車が置かれていたことが確認できています。つまり、この業者から提出された書類が虚偽ということになると思いますが、防衛省としてこの件を把握されていますでしょうか。また、もし把握されているのであれば、調査を行っているのか、どのような調査をされているのか教えてください。

A:御指摘の陸上自衛隊の旭川駐屯地において売払われた自衛隊の車両の事案ということでございますが、既に昨年12月13日に防衛省の関係部局が、北海道警察、北海道庁とともに、当該事業者への立ち入り調査を行うなど、その契約の履行に関して必要な調査・確認作業を進めているものというふうには聞いております。このため、具体的な事実関係については、現時点ではお答えは差し控えますけれども、確認した事実関係を踏まえて、契約及び法令に基づき、厳正に対処してまいります。既に警察でも立ち入り調査が行われているということですので、その結果を今は待っていると、そういう状況です。また、自衛隊車両の売払いの問題につきましては、昨年既に12月15日でしたけれども、新たな要領というものを策定しております。この事案というのが、その直前ということになるわけですが、車両の解体を原則として自衛隊の施設で行わせ、自衛隊員が立ち会う等の対策を既に行っているところであり、今後はですね、自衛隊車両の処分は適切に行われるものとそういうふうに認識をしております。

Q:今のお答えと重なるところあると思うんですけれども、この22台の高機動車が、今回、私たちの取材によると、12月8日に解体されたというふうに御回答いただいているんですが、防衛省の内規では、引き渡しから3か月以内に解体するというふうに決まったと聞いておりまして、今回の解体期限の12月5日を過ぎたことになっております。これについての大臣の受け止め、あと、先ほどの対策についてお話いただいたと思うんですけれども、改めて今後の対策などがあれば教えてください。

A:先ほども申し上げたとおり、契約の履行に関して必要な調査、確認作業を進めているところです。北海道警察、北海道庁とともにですね、当該事業者への立ち入り調査というものが今行われているところですので、具体的な事実関係については、現時点ではお答えは差し控えます。そして対策ですけれども、繰り返しになりますけれど、こういった自衛隊車両の売払い問題、随分いくつも事案が出てきて、写真などもですね、私も確認しましたけれども、そしてその結果、昨年末に新たな要領を策定をいたしました。車両の解体を原則とすると、そして自衛隊内でそれを行わせるという、そして必ず自衛隊員が立ち会うということなどの対策を、もう既に昨年末から行っているところでありまして、これが12月15日、その要領を作り、即日これが施行されたところでありますから、これからはですね、そういった自衛隊車両の処分は適切に行われるものというふうに思いますが、その直前のこの事案だということでございますので、これから調査の報告が上がってくると思いますが、細部につきましては、担当部局にお尋ねいただけたらというふうに思います。

Q:米軍は、SACO最終報告で原則実施しないこととされている嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を3か月連続で実施しました。SACO最終報告が形骸化している恐れがあると思いますが、大臣の見解を教えてください。また、伊江島補助飛行場の滑走路の修繕工事について日米間で協議しているとのことですが、最新の状況を教えてください。

A:昨日15日ですが、米軍は、嘉手納飛行場においてパラシュート降下訓練を実施したことを確認をしております。今回の訓練ですが、隊員の搭載、MC-130の離陸、そして降下、さらにこのMC-130の着陸、そういった一連の活動を、二度にわたって実施したものであり、だからこそ、現在の伊江島の補助飛行場では行うことができずに、嘉手納を使用せざるを得なかったと、そういうふうに認識をしているところであります。その上で、パラシュート降下訓練については、SACO最終報告やこれまでの日米間の共通認識から、伊江島での実施が基本であり、嘉手納の使用は、あくまでも、例外的な場合に限られるということになります。その上で、伊江島の滑走路がMC-130の離着陸に適さない状況というのは現在も継続している中で、今回の訓練は、定期的なものではなくて、小規模であって、在日米軍の即応性を維持向上させるために緊要なものであることから、例外的な場合に該当するものという認識をしております。こうしたことから、今、御指摘いただいたようなSACO最終報告が形骸化しているとの御指摘は当たらないものと、そういうふうに考えているところです。それから後段の現在の伊江島補助飛行場の状況でありますけども、滑走路の改修計画については、米側から逐次検討状況に係る情報を得ておりますが、その細部について確認を進めているところであり、日米間での所要の調整が終わり次第、適切に情報提供したいというふうに考えております。防衛省としては、伊江島補助飛行場の滑走路が早期に使用再開されるように、引き続き、米側と緊密に連携し、可能な限りの支援や協力をするなど、この点しっかりと取り組んでまいります。

Q:海上自衛隊で試験運用している無人偵察機に関してお伺いします。4月以降、鹿屋航空基地を拠点に加えるとの報道がありましたが、事実関係等お願いします。

A:海上自衛隊では、昨年の5月より、八戸航空基地を拠点に、無操縦者航空機シーガーディアンの試験的運用を行ってまいりましたが、本年4月から6月までの間で、鹿屋航空基地への離着陸を3回程度計画をしており、その後、7月から9月までの間で、鹿屋航空基地を活用した東シナ海での模擬的な警戒監視による運用の検証を3回程度計画をしています。シーガーディアンの試験的運用は、現在有人機で実施している警戒監視等の任務の一部を無操縦者航空機で代替できるのかどうかの検証というのが目的としております。今回鹿屋航空基地における試験的運用を通して得られる知見等を活用し、将来の無操縦者航空機の本格導入に向けて、更に検討を進めていきたいとそのように考えております。

Q:去年にですね、鹿屋航空基地で米軍機のオーバーランがありましたけれども、その原因等がはっきりしない中で、住民不安等があると思いますが、その辺大臣どのようにお考えですか。

A:その点は、私も気になるところではあったんですが、無操縦者航空機の試験的運用で現在使用しているMQ-9Bシーガーディアンについて、運航会社等に確認した結果ですね、MQ-9Bシーガーディアンというのは、新たに再設計された航空機モデルであって、米空軍MQ-9とは異なる機体で大きさも異なること及び、事象発生後実施した機体の追加点検も行いまして、その際には異状が無いこと、このことも確認できたため、引き続き運航をしているという状況であります。また、機体の製造元であるジェネラル・アトミクス社でありますけども、そこからは、MQ-9Bシーガーディアンが運用開始されて以降、現在運用している機体以外を含めて、いわゆるクラスAというですね、そういった事故のランクがあるんですが、クラスAに該当するような、そういった事故は発生していないという、そういう説明を受けたところであります。私はそういう認識であります。

以上