防衛大臣記者会見

日時
令和6年1月23日(火)11:50~12:00
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

〇 私から冒頭2点申し上げます。1点目は、令和6年能登半島地震に係る災害派遣についてであります。本日も自衛隊は、被災地において二次避難支援や生活支援活動等を実施しております。20日から、長期間の不慣れな避難所生活により、大きな疲労が溜まっている被災者に、一時の癒しを提供できるよう、自衛隊音楽隊による演奏を実施しており、本日は、能登町での演奏を予定しております。また、昨日ですが、発災当初から活動を続けている統合任務部隊指揮官や陸海空の各指揮官等とVTCを実施し、隊員達のこれまでの労苦をねぎらうとともに、隊員の健康管理と部隊の安全管理の徹底を伝えたところです。防衛省・自衛隊としては、引き続き、被災者に寄り添った様々な活動を継続するとともに、全国各地で複合的に発生する各種事態に対しても、全力で対応していく所存です。

〇 2点目ですが、2023年度第3四半期までの緊急発進回数についてであります。定期的に年4回報告しているものであります。2023年度の第3四半期までにおける航空自衛隊による緊急発進の回数は、555回でした。このうち、中国機に対する緊急発進回数は、392回であり、ロシア機に対する緊急発進回数は、148回でした。この期間中、中露両国の爆撃機による長距離の共同飛行を2度、6月と12月に確認するなど、我が国周辺空域での中露両国の活発な活動は継続しています。また、根室半島沖で推定ロシア機による領空侵犯も確認されています。引き続き警戒監視に万全を期し、厳正に対領空侵犯措置を行ってまいります。

 

2 質疑応答

Q:オスプレイの墜落事故の関係で伺います。昨年11月に、鹿児島県屋久島沖で米海軍のオスプレイが墜落してから、まもなく2か月となります。現在、アメリカ側の事故調査が続いているかと思いますが、事故状況ですとか、原因、調査結果のめど、オスプレイの飛行再開のめどなど、アメリカ側から寄せられている最新の内容について、おっしゃられる範囲でお願いいたします。

A:米軍機の運用にあたっては、飛行の安全確保が最優先であり、先般のオスプレイの事故について米側からしっかりと情報提供を受けて、飛行の安全確保について確認作業を行っているところであります。米側からは、捜索救助活動により、ボイス・レコーダーやフライト・データ・レコーダーを含む機体の大部分が回収をされ、米側において所要の分析や調査が現在も行われている旨、情報提供を受けておりますが、その調査結果をまとめる時期や運用再開のめどについては、現時点においては予断をもってお答えするということは、なかなか困難であります。飛行の安全確保というのは、言うまでもなく、日米共通の最優先事項であり、日米間で緊密に連携して対応していくことを確認しているところ、引き続き、緊密に連携して確認作業を行い、今回の事故を受けた地元の御不安や懸念の声に対して真摯に受け止めて、その払拭に努めてまいります。

Q:ソロモン諸島への能力構築支援事業についてお伺いします。防衛省・自衛隊は、ソロモン諸島に残る太平洋戦争中の不発弾処理に関し、現地で能力構築支援活動を行う計画ですが、この活動の意義について、大臣のお考えをお願いします。

A:ソロモン諸島においては、ガダルカナルの戦いから80年以上が経過した現在もいまだ多くの不発弾等が残存しており、犠牲者が発生していると承知をしております。このような中、ソロモン諸島政府から、不発弾処理分野での協力及び支援に関する要請がございまして、調整の結果、ソロモン国家警察不発弾処理部隊に対する能力構築支援事業を実施することとなりました。本事業は、ソロモン諸島に対して防衛省が実施する初めての能力構築支援であり、国家防衛戦略にもある太平洋島嶼国の軍隊以外の組織を支援対象とした事業になります。本能力構築支援は、ソロモン国家警察が実施する不発弾処理の安全確実な任務遂行に寄与するとともに、ソロモン諸島での先の大戦に起因する不発弾による不慮の事故の発生を局限し、同国民の安心及び安全に寄与し得るという点で意義があると、そのように考えております。

Q:屋久島沖の米軍オスプレイ事故について2点お伺いいたします。先週、屋久島町長から大臣宛てに要望書が提出されたと思います。その受け止めと対応について1点お伺いしたいのと、もう1点なんですが、鹿児島県の塩田知事からは、事故原因の究明と再発防止が図られるまで米軍に対してオスプレイの飛行停止を求めてほしいとの要望があったと伺っております。その対応について改めてお伺いできればと思います。

A:まず、鹿児島県屋久島町及び屋久島漁業協同組合の皆様におかれましては、米軍オスプレイ事故の捜索、救助、そして回収活動に多大な御協力を賜りましたことに対しまして、改めて厚く御礼を申し上げます。1月18日には、松本防衛大臣政務官が感謝の意を直接お伝えするために現地を訪問いたしましたが、その際、鹿児島県知事及び屋久島町長からいただいた御要望については、防衛省としても、重く受け止めているところであります。1点目の御質問につきましては、屋久島町長からは再発防止と事故原因、環境への影響等についての情報提供を求められているところ、引き続き米側からしっかりと情報提供を受けて、飛行の安全確保について確認作業を行うとともに、今月下旬から水質調査等を行い、その結果を丁寧に説明するなど、今回の事故を受けた地元の御不安や懸念の声も真摯に受け止めながら、その払拭に努め適切に対応してまいります。また、屋久島空港の体制整備に関する御要望というのもございましたが、この点は所管である国土交通省に然るべくお伝えをしたところであります。2点目は鹿児島県知事の御要望に対しましてでございますが、知事からは屋久島町長と同様に、再発防止や事故原因に関する情報提供のほか、事故原因が究明され再発防止策が講じられるまでオスプレイの運用停止を継続するよう御要望を頂いております。この点については、既に私や外務大臣からの要請を含め、国内に配備されたオスプレイについて、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう明確に要請をしており、その後、オースティン長官からですね、米国防省の関係部署に対し、日本政府との事前調整なしに、日本国内のオスプレイを運用させることなく、運用前には、必ず日本政府と調整を行うよう指示が出されているというふうに承知をしております。

以上