防衛大臣記者会見

日時
令和6年1月9日(火)11:52~12:06
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 私から冒頭1点、令和6年能登半島地震に係る災害派遣について申し上げます。本日も自衛隊は、二次被害の防止に細心の注意を払いながら、人員約6,300名、航空機約40機、艦艇9隻での活動を実施しております。主な活動内容については、本日から、孤立集落における医療ニーズに応えるため、航空機や地上からの移動手段を駆使して、医官、歯科医官、看護官等による巡回診療を開始しております。昨日ですが、珠洲市、輪島市、穴水町、七尾市及び志賀町などにおいて、入浴支援や温かい食事の提供を実施しました。また、本日、能登町においても入浴支援を開始する予定です。さらに、DMATとの協力による患者空輸、海上保安庁との協力による給水支援に加えて、消防庁からの依頼による大規模震災用高度救助車の空輸などを実施しております。本日以降、即応予備自衛官が活動に加わります。また、今後、さらに予備自衛官も活動に加わることとなります。即応予備自衛官及び予備自衛官は、普段は企業等に所属している方々が多く、この点で関連する企業等の皆様方に御協力いただいていることに、防衛大臣として感謝を申し上げます。防衛省・自衛隊としては、引き続き、捜索救助活動に全力を尽くすとともに、被災者の方々に寄り添った、よりきめ細やかな生活支援活動を継続してまいります。引き続き、被災地での様々な支援活動について、関係省庁や自治体と連携して対応していく所存であります。

 

2 質疑応答

Q:話題変わりまして、幹事社より1問質問いたします。北朝鮮は、昨年末、党の中央委員会の総会を開催し、2024年の方針として、偵察衛星3基を打ち上げる計画や、対韓国政策で根本的な方向転換を行う旨などを決定しておりますが、防衛省の分析や受け止めをお願いいたします。

A:北朝鮮の発表については承知をしておりますが、その一つ一つに対してですね、コメントすることは避けたいと思います。その上で申し上げれば、北朝鮮はこれまで、核・ミサイル能力を強化していく意思を一貫して示してきており、今後も、各種ミサイル発射や衛星打ち上げ、あるいは核実験などの更なる挑発行為に出る可能性があるというふうに考えております。こうした北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであります。防衛省としては、引き続き、必要な情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国等の関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。

Q:能登半島地震の災害派遣活動について伺います。既に大臣からも、以前に御説明があったと思いますけれども、現地に派遣している人員の規模の適切さですとか、今回の地震ならではの対応の難しさがあれば教えてください。また今後海路、あるいは空路を使った支援をですね、更に加速させる考えがおありかどうか教えてください。

A:防衛省・自衛隊は、地震発生直後から、直ちに災害派遣を行いました。翌2日には、統合任務部隊、JTFを編成した上で、約1万人の即応態勢を確立いたしました。本日9日ですが、先ほど申し上げたとおり、約6,300人の隊員が、人命救助や生活支援を懸命に実施しているところであります。災害派遣に従事する隊員の規模については、要救助地域やインフラ等の被害状況に係る情報収集を迅速に行い、政府全体での災害対処における警察官、あるいは消防隊員といった関係機関が派遣するそういった行政職員との連携も含めて、その時点で必要となる最も効果的な活動を見極めつつ、人員を振り向けることとしております。その上で、令和6年能登半島地震への対応につきましては、能登半島という特性、そして、半島の中でも特に先端部分、北部における被害状況が大きいことを踏まえて、初期の段階では、空中機動力を重視した航空機を活用した被害状況の把握に全力を尽くしたところでありました。また、消防や警察といった関係機関の航空機による人員輸送、地上における道路啓開、輸送艦等を活用した重機や物資の輸送を実施してまいりました。こうした活動を実施しながら、活動可能な地域においては、人命救助に全力を挙げてきたところであります。また、特に道路が寸断されている所が非常に多かったわけでありまして、自衛隊自ら活動地域を拡大をしていき、これに応じてですね、線がつながった所には躊躇なく人員及び重機を増強しながら、さらに、被災者の皆様のニーズを把握するため、各避難所を回り、きめ細かな対応を実施しているところであります。このように、刻々と変化する状況に応じて、自衛隊は、必要な態勢をもって求められる役割を迅速に力強く実施しているというふうに考えております。ちなみに、自衛隊の艦艇によってですね、半島のですね、国道の249号線から「おおすみ」に搭載されているLCAC、クッション艇によって輸送というのも今回実施したところであります。こういった、今後、能登空港も今修復中であります。あるいは、港湾なども復旧中でありますから、そういったインフラ整備の復旧に伴って、部隊運用における検討の幅が広がることになりますが、被災者の皆様方のニーズをくみ取りつつ、多数のヘリが今回運用されてる中で、安全確保等を考慮しながら、陸海空各自衛隊が持ち得るアセットを効果的に活用し、最大・最速の対処を実施してまいります。

Q:能登半島地震の災害派遣に関して伺います。陸自のUH-60が、今回災害派遣任務に参加するということを防衛省が昨日発表されましたが、出動すれば昨年4月の事故以来、初めての任務ということですが、今後具体的にどのような活動を実施するのか教えてください。

A:UH-60JAについての御質問でございましたが、今般の地震による道路網等の寸断、あるいは、被災地域が沿岸部に集中している特性を踏まえると、航空輸送等の任務において、狭い地域にも着陸ができる中型のヘリコプターの運用が必要な状況となっております。また、輸送艦を活用した海上からの物資輸送にヘリを活用することが効果的であるというふうに考えております。現在それを実施しているところであります。このような運用に最適な陸上自衛隊のUH-60JAについて、現地の天候次第ということにもなりますが、この北陸地方の今の冬の気候、非常に難しい環境でありますが、本日以降、小松基地より輸送艦「おおすみ」に展開の上、孤立地域等に物資輸送を実施することを予定しているところであります。

Q:普天間飛行場の名護市辺野古移設について、大浦湾側での着工に向けた準備作業が本日実施されているようですが、具体的にどのような作業を実施しているのか伺います。また、2013年に、当時の仲井真知事から埋め立て承認を得た際、工事の実施設計について事前に県と協議を行うことという留意事項が付されていると承知していますが、沖縄防衛局では県との協議を実施しているのでしょうか。協議が整うまでは工事に着手しない考えと理解してよろしいでしょうか。

A:今、3つの御質問をいただいたというふうに承知しておりますが、1つ目につきましては、普天間飛行場代替施設建設事業については、現在、キャンプ・シュワブへの資機材の搬入など、大浦湾側の工事に向けた準備作業を行っているものというふうに承知しております。2番目と3番目につきましては、現在、沖縄防衛局において、沖縄県と実施設計協議を行っておりまして、引き続き適切に対応していくものというふうに承知しております。これらが2番目と3番目の答えになるかというふうに思います。

Q:現在、協議中ということなんですけども、沖縄県の方はまだ協議を始めていないという認識で、現状食い違いがあります。双方、協議を開始したと認識してから協議が始まり、その後、協議が整ったと双方、認識するというのが通常、事前協議だと考えますが、着工については、県も協議を終えたという双方の認識がそろった後と理解してよろしいでしょうか。

A:私どもとしては、9月以降、協議はしているという認識をさせていただいておりまして、沖縄県の土木建築部長から私どもの沖縄県防衛局調達部長宛の文書の中でも、代執行訴訟の判決後に対応を検討いたしますというふうなことも文書でいただいておりまして、これについても継続している中での私どもとしては、協議を引き続き適切に行い、そして対応していくものというふうに承知しているところであります。

Q:協議しているかしていないかというところが、食い違いがあるというのは置いといても、防衛省として協議実施している中ではありますけど、協議を終えるというのは、どのタイミングになるのかっていうことを伺いたいんですけども、県の方も協議、整ったと認識、双方の認識がそろってからということでよろしいかということ、防衛省の方で判断して、協議がもう終えたというふうに、防衛省の方で判断するのかという、どちらなんでしょうか。

A:若干繰り返しになりますけども、沖縄防衛局において、沖縄県と実施設計協議というのが、今、行われているという中で、その点、引き続き適切に対応していくものというふうに考えております。

Q:通常、一般的な理解だと協議というのは、双方で認識がそろって終えるものだと思いますが、それ、今、言い切らないというのはちょっとおかしいんじゃないかなと思うんですけれども、今言えないんでしょうか、双方そろってから協議を終えますということを、結果がどうなるにせよ、一般的な理解からも言えないんでしょうか。

A:正に協議の内容に関わるものなので、当事者同士の、今、話し合い、協議の中でですね、今進められていると思いますが、正に適切な対応をしていく中で、様々なことが決められていくものと承知しております。

以上