防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年1月7日(日)15:32~15:44
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
第6回非常災害対策本部会議後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど、第6回目の非常災害対策本部に出席をいたしました。昨日、発災から約124時間ぶりに救助された方がいらっしゃいました。私ども自衛隊も、まだ生存している要救助者がいると信じて、二次被害にも細心の注意を払いながら、人命救助活動を継続をいたします。本日、被災地は雨や雪の予報となっており、悪天候が予報されていることから、小松基地からの航空輸送は見合さざるを得ませんが、輪島沖や富山湾における艦艇からの航空輸送を実施しているところであります。また、被災者の皆様方は、悪天候や低気温に加えて、長期間の避難所生活によって大きな疲労が溜まっていらっしゃるというふうに考えられます。このため、温かい食事の提供を拡大いたします。具体的には、珠洲市、輪島市、七尾市、それと富山県の氷見市において実施しています。さらに、被災者の皆様の御希望が大変強かった入浴、お風呂の支援を珠洲市において開始いたしました。また七尾市においても、先ほどからですね、実施をしているところであります。昨日、被災地の通信環境が悪いということで、その改善のために、私どものLCACによって、通信局舎の復旧のための通信事業者の作業員や車両の輸送も実施をいたしました。航空自衛隊の医官や看護官、そういった医療従事者を輪島の病院や救護所に派遣し、医療支援活動も実施しております。防衛省・自衛隊としては、孤立集落等におられる被災者の皆様への支援に重点を置いております。被災者一人一人のニーズを丁寧にくみ取り、そのニーズにしっかりと応える活動を、これをまた引き続き実施してまいります。これらの活動を強力かつ確実に推進するため、本日から約5,900名に隊員を増強し、被災者の支援を実施してまいります。

 

2 質疑応答

Q:大臣は5日に、予備自衛官と即応予備自衛官の召集を発表されましたが、その後召集状況など、進捗はありますでしょうか。

A:予備自衛官等の召集状況ということでありますが、おっしゃるように1月5日の金曜日にですね、召集の実施を命じまして、現在、準備を進めているところですが、即応予備自衛官については、明日8日月曜までに部隊での受入れを完了させる予定です。予備自衛官については、少し遅れますが、10日水曜日までに部隊での受入れを完了させる予定です。予備自衛官の方は、医官や看護官など有資格者となっておるので、少し手続きに時間が要します。それぞれ受入れ部隊での準備が整い次第、各々の任務に従事していただくものというふうに報告を受けております。

Q:関連で、人数については、合わせて100人ということでしたけれども、どのような召集状況。

A:100名それぞれ、予定した数以上の応募がありました。それを選考しながらですね、予定の人数には十分達するものというふうに思っております。

Q:先ほど大臣、習志野演習場での降下訓練始めを視察されました。能登半島地震への対応続いている中でですね、国民の中にはですね、今実施しなくても良いのではないかと感じる方もいると思います。現地でも私、訓示の内容聞きましたけれども、今日、訓練を実施した必要性について大臣どのようにお考えでしょうか。

A:降下訓練始めは、陸上自衛隊の第1空挺団が、1年の降下安全を祈願するとともに、国民の皆様に隊員の活動を知っていただくため、習志野演習場において落下傘による降下訓練の展示等を実施してきているものであります。公開の上で行っている、これは訓練であります。本年は、令和6年能登半島地震への対応を踏まえて、当初の予定よりも縮小して実施をしたところであります。また、訓練の内容としては、米軍、イギリス軍、カナダ軍、フランス軍、ドイツ軍、オランダ軍、インドネシア軍が参加するともに、カンボジア軍がオブザーバー参加し、同盟国・同志国との連携強化を図りました。防衛省・自衛隊は、能登半島地震への対応に必要な装備品、人員を躊躇なく投入し、全力で対応すると同時に、警戒・監視活動をはじめ、我が国の防衛に必要な活動を実施しています。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、このような状況にあっても、国の守りに揺るぎのないことを、我が国内外にしっかりと示し、そして同盟国・同志国との協力連携を示すことが非常に大事だというふうに私自身思っております。また、自衛隊が今回のこういった大規模災害との複合的な事態を含む、あらゆる事態に対応することができる精強な自衛隊であるということを私自身の目で確認することができたということは、隊員の士気向上の観点からも意義のあることだというふうに考えております。なお、ちなみに申し上げますと、もしですね、私が緊急時に習志野にいる間にですね、東京に戻ってくる、あるいは防衛省に戻ってくる必要があるという場合には、速やかに帰京できる態勢というのを維持をいたしました。ちなみに習志野から市ヶ谷までは、ヘリで15分ということになっております。また、この市ヶ谷にはですね、副大臣はじめ政務官もしっかりと待機をしていたということにもなります。いずれにしても、緊急事態発生時に備えてですね、こういった我々政務三役が交代で在京する態勢という確保も含めて、危機管理に問題があるというふうには考えておりませんので、是非、ここは御理解をいただきたいなと思います。

Q:大臣、訓示の中で災害対応との複合的な事態に備えるということをおっしゃってましたが、複合的な事態というのは具体的にどういうことが当たるのか、教えてください。

A:例えば、今現在こういった災害派遣をしていると同時にですね、北朝鮮による弾道ミサイル発射事案が起こるとか、あるいは北朝鮮のミサイル発射事案と同時にですね、これはあってはなりませんが島嶼において武力攻撃事態が発生するとか、あるいは今回の災害のようなものがですね、違う地域において同時に発生するとか、そういったことが起こり得る可能性は否定できませんので、そういったものを私どもは複合事態と、2つ以上のそういった事態が同時に発生するということを複合事態というふうに考えており、そういった事態にも対処できなければいけないというふうに考えておるところです。

Q:今日の降下訓練ではですね、自衛隊の大型ヘリも数多く参加しましたが、被災地にそういった航空機を回すべきではないかというような指摘もありますが、この件について大臣どのようにお考えですか。

A:おっしゃるようにですね、降下訓練始めには航空機、特にヘリを投入したところであります。今後もですね、必要とされる装備品だとか人員を能登半島地震への対応にちゅうちょ無く投入しですね、全力で対応するとともに警戒・監視をはじめとする各種の活動や、また、大規模災害との複合的な事態を含むあらゆる事態に対応するために、対処力及び抑止力を強化し、同盟国・同志国との連携を強化するため、必要な訓練を行わないといけないというふうに思っておりますし、先ほどはちょっと詳しく申し上げませんでしたけれども、今日も引き続き航空機等はですね、30機を使用しまして、態勢を整えております。しかし、残念ながら悪天候で今日は小松基地からの離発着ができないということですが、それ以外にも消防の航空機あるいは警察の航空機なども使用しているところであり、これは私どもはですね、政府全体としては、最適な数の航空機を投入するという中で、自衛隊の航空機の役割分担というのが決まっているところでありですね、まだまだ必要があれば、それは私どもは投入するということは全くちゅうちょしておりませんが、現在においてですね、最適な数の航空機が投入できているものというふうに思っております。

以上