防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年1月4日(木)11:44~11:55
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
第3回非常災害対策本部会議後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど、第3回目の非常災害対策本部会議に出席をいたしました。その際、報告もありましたが、死傷者が大変増えてきている状況であります。重ねてではありますけれども、今回の震災によってですね、亡くなられた方には心からお悔やみを申し上げ、また、被災者はじめですね、御家族等と、また負傷した方々、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。本日は4日でありまして、発災から72時間が経過することとなります。私ども自衛隊はですね、ここを正念場と捉えて、本日も被災地域において全力で人命救助活動を実施いたします。一方で、被災者への生活支援活動も、もう既に始まっているところでありますので、この人命救助活動とこの生活支援活動、これを車の両輪として捉えて、双方とも決して抜かりのないようにしっかりと対応してまいる所存であります。昨日、官邸において総理大臣から指示がありました。そこでは、自治体が十分に把握しきれない避難所ごとの救援物資の具体的なニーズを、自衛隊が避難所を回って聞き取って把握し、救援物資の輸送・提供を行ってほしいと、そういう指示でありました。自衛隊としては、これを踏まえましてですね、1個連隊規模を投入し、避難所におられる被災者の方々が、今、何が必要なのか、具体的な内容をお聞きして、それを速やかにお届けする、被災者のニーズにきめ細かく寄り添った生活支援活動を行ってまいります。こうしたことを踏まえますと、本日の活動といたしましては、昨日は、約2,000名ということでありましたが、本日は倍増させて、約4,600名程度において活動をしていきます。また、人員以外ではですね、人員捜索犬も12頭、そして航空機約30機、そして艦艇9隻、艦艇については、また後ほど申し上げますが、そういった人員、航空機、艦艇あるいは、人員捜索犬という態勢で本日は臨んでまいります。昨日までの具体的な活動内容について、一部申し上げると、被災地における行方不明者等の消息を含め、様々な情報の収集、人員捜索犬を活用した人命救助活動、そして患者の搬送、そして重機を使用した道路啓開、給水支援、消防隊員、そして警察官の輸送、食料、水、毛布などのそういった支援物資の輸送などを行い、本日も引き続き継続してまいります。具体的な実績としては、人命救助活動、患者搬送122名、これまでの累積です。道路啓開は約4km、給水支援約67トン、警察、消防の輸送、人員を把握しましたので申し上げると、警察官307名、消防隊員52名、それから食料、水、毛布の輸送、糧食約5,000食、飲料水、これは給水以外のですね、ペットボトルの水ということですが、約6,000本、毛布約1,150枚ということになります。特筆すべきは、昨日、輪島市内においてですね、私どもの人員捜索犬が15時50分頃ですね、家屋内にいた高齢の女性をですね、発見し、救出したということであります。犬の名前はジェニファー号ということであります。加えて、先ほどの艦艇の話なんですが、本日から海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」からLCACですね、ホバークラフトを発進させて、輪島市の北側の海岸にある大川浜に上陸をし、海上から重機や支援物資を積載したトラック等を輸送いたします。既に9時27分に1艇目のですね、ホバークラフト、LCACが上陸をし、ビーチングは無事に終わりですね、重機を積み下ろし、そして今、2回目に向けて今、準備中ということであります。こういったことも輸送力の向上に繋がっていくというふうに思います。また、これまでは石川県への支援が主でしたけれども、本日の朝の9時に、富山県氷見市における避難所の給食支援に係る災害派遣要請を、これをJTFとして受理をしまして、速やかに活動を開始する予定となっております。防衛省・自衛隊としてはですね、今も助けを待っている要救助者の方々の救助に全力を尽くしてまいります。さらに、困難な状況に直面している被災者の方々がより安心できるように、政府全体で今、進めておりますプッシュ型の支援物資の輸送といった被災者に寄り添った生活支援活動を、強力かつ迅速に推進してまいります。

 

2 質疑応答

Q:冒頭でおっしゃられたように、生存率がですね、低下する発災後72時間を間もなく迎えることになると思います。今、言われたように重機の陸揚げとかですね、人員の増強を始めるということですが、改めて、今後どのようにですね、人命救助などについて取り組んでいくお考えか改めてお聞かせください。

A:まずは、第一義には人命救助が第一だということです。そして既に非常に、この北陸地方のですね、寒い環境の中で避難所で非難されている方もおられますから、そういった方々への被災者の支援活動、生活支援の活動、これを車の両輪としてやっていくということに尽きると思います。そして先ほど申し上げましたが、昨日総理から指示が出たように、避難所ごとの救援物資の具体的なニーズをですね、把握するということ。確かに、私も熊本地震の経験から言うとですね、小さな自治体、珠洲市でいうと1万5,000人ぐらいの自治体で職員の数も限られています。そして職員さん自身が被災者ということもありますので、なかなか、その避難所までには目が行き届きにくい環境というのは大体想像ができますね。それぞれの避難所、数百ある避難所において、まだまだですね、混乱状況が続いているものと思われます。場所によっては消防隊員の方が陣頭指揮を執っていたり、あるいは、リーダーシップを発揮した自治会長さんが陣頭指揮を執ったり、そういう様々なケースがあるかと思いますが、そういった避難所の自治というものが確立されるまでしばらく時間を要すると思われますので、そして、支援物資もですね、いろんなものが届いている、あるいは届いていないと、物資が偏っているという状況もあると思います。そういった状況を考えると、それぞれ避難所によってニーズが異なるというふうに思います。段々、この避難所の自治が成熟してくるとお互いに物々交換をしたりということが始まってくるんですが、それまでの間は私ども自衛隊員の方でですね、やはりニーズを聞き取る、そして必要なものを届けるということが必要だろうと思っていますから、もちろん、人命救助というのが第一義でありながらですね、そういったことを想定しながら、生活支援の方もしっかりと活動していきたいというふうに思っております。

Q:避難所のニーズの把握なんですけれども、自衛隊として、これまでそういう活動を行ってきて、ノウハウがあるのかどうかというようなことと、あと、オペレーションとしては、ニーズを聞くだけなのか、それともそれを集約して配給する計画を立てるとか、順位付けするとかですね、どこまでの作業になるという考えなんでしょうか。

A:過去の実績としては、東日本震災の際にですね、同じように自衛隊員がそれぞれの避難所のニーズを聞き取るということをやったという実績があって、非常にこれは効果があったし、被災者の方々から大変重宝されたという実績がございますので、そういったノウハウは残っているというふうに承知しております。そして、これはなかなか現場によってですね、状況が変わってくると思うんですが、今現在、総務省などもですね、非常に知見のある方がそれぞれの自治体に派遣をされるというふうに聞いております。同時に、全国の地方自治体からですね、同じように知見のある自治体職員が、私の地元の熊本市で言うと、4名のですね、自治体の職員が能登半島の方に派遣をされると、そういう方々が恐らく全国から集まってくると数百人規模になると思います。そういう方が、恐らくそれぞれの避難所等に配置をされると、段々そのニーズというのを、彼らがくみ取って、そして適切に要望してくるということになると思いますが、その間の、我々は繋ぎとしてですね、やっていくということになるんではないかなというふうに思いますから、当然、走りながら考えていくということになりますので、当然、その計画を立ててとか、というのはなかなか難しい状況かもしれませんが、しかし、そういう中でも、私どもは、届けるという仕事がありますから、届けた時にですね、今度は何が必要なのか、実際に届けた際に、その避難所では何が不足しているのかというのは、実際目の当たりにすることができるので、そういうニーズを持ち帰って、そして情報を共有して、そして届けていくということに当面はなるんだろうと思います。現場対応の部分が大きくなるかもしれないですね、当面は。

以上