防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年1月3日(水)11:30~11:40
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
第2回非常災害対策本部会議後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど、第2回非常災害対策本部会議に出席してまいりましたが、まず、令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、また、被災された方々、あるいは御家族に対しましてですね、心よりお見舞いを申し上げるところでございます。昨日、陸上自衛隊の中部方面総監を長とする統合任務部隊、JTFを約10,000名の態勢で編成をいたしました。本日中にはですね、現地で約2,000名に増強した陸海空自衛隊の隊員が人命救助や給水等の生活支援活動を実施してまいります。昨日の具体的な活動内容について一部を申し上げると、人命救助活動として77名を救助いたしました。これに加えて、新たに輪島市及び珠洲市内で、人員捜索犬12頭による捜索救助活動を実施することとしております。内訳は輪島市に6頭、珠洲市に6頭ということになります。そのほか、昨日同様、警察官、消防隊員の航空輸送支援、そして、穴水町、七尾市での給水支援などを行っております。また、現在活動中のヘリによる輸送に加えて、自衛隊の艦艇、船ですね、その自衛隊艦艇が毛布、紙おむつ、ミルクといった災害救援物資を輸送するとともに、重機を使用した道路啓開を実施し、支援物資の陸上からの輸送を実施いたします。防衛省・自衛隊といたしましては、一つのめどの発災後72時間というものが迫ってくるわけですが、二次被害の防止に留意しながら、更にスピード感を重視しながら支援活動を実施してまいりたいというふうに考えております。また、プッシュ型支援として、パンであるとか、パックご飯であるとか、あるいはペットボトルの水であるとか、あと毛布、おむつ、携帯トイレ、生理用品と、様々ございますが、そういった物資の輸送を実施するということを考えております。また、今後ですね、本格化する生活支援においても、被災者にしっかりと寄り添った活動を実施していきたいと考えております。

 

2 質疑応答

Q:石川県内では場所によっては孤立している地域もあるという情報もあります。先程プッシュ型の支援というお話もありましたけども、支援物資が十分に行き届かせるための今後の具体的な何か対策、輸送方法などあれば教えてください。

A:そういった孤立した地域が確かにございますが、先程申し上げたように、重機などを使用してですね、道路啓開をしていく、そして、支援物資のその陸上からの輸送を実施したいというふうに思ってます。具体的に言うとですね、輪島に繋がる県道1号というのがありますが、それはですね、3日の未明までにですね、土砂を啓開して大型車4トンまで通行可能になったというふうに報告を受けておりますので、そういったことが着実に進んでいくだろうというふうに思います。

Q:昨日、羽田空港で海上保安庁の航空機に事故がありましたけども、この事故を受けて計画に変更が出た部分などありますでしょうか。

A:羽田での事故については、まだ全容が分かっておりませんが、少なくとも海上保安庁機に搭乗されていた6名中、5名の方がお亡くなりになられたということで、心から御冥福をお祈りいたします。また、1名の方は重傷ということでございますので、そこは是非回復に向かって欲しいなというふうに考えております。また、JAL機についてもですね、乗客乗員、全員救出されたということでありますが、怪我人もいらっしゃるということなので皆様方の御健康をお祈りしております。そういった中で、私どもとしては、そういった二次被害の防止というのは、留意しなければいけないだろうと思っております。二次被害に留意しながらもですね、スピード感というのは非常に大事だと思っておりますから、そういった支援活動を、これはしっかりと遅れのないように実施してまいりたいというふうに考えております。

Q:本日中に1,000名から2,000名に拡充するという話ですけれども、このタイミングで拡充するに至った判断の根拠について、もう少し詳しく御説明ください。例えば、活動が進んでいく中で活動領域が広がってきたですとか、あるいは、やはり人員が不足しているですとか、また今後、更に増やす予定も今の時点であるようであれば教えてください。

A:昨日でJTFにいたしまして、陸上自衛隊中部方面隊を中核としながらもですね、航空自衛隊そして海上自衛隊、これはジョイントタスクフォースとして実施しております。そして、ヘリによる輸送に加えて、自衛隊の艦艇、船においても、どういう港に着けるかなどもですね、今、検討しているところであります。実際に近くまで行ってですね、今、調査もしているところでもあります。それから、ヘリによってですね、主に輸送はヘリが主力で担っているわけですが、自衛隊員だけでなくて、警察官とか消防隊員なども、あるいは、D-MATといってですね、これ厚生労働省の隊員もですね、輸送するそういうニーズもありますし、また生活支援といって、ヘリは支援物資なども運ばなければいけないと、そういう事情もあるかと思います。ですからそういうことを総合的に勘案しながらですね、今日中に2,000名というのは、自衛隊員を2,000名というふうに増強したいというふうに考えているところであります。

Q:今後も、さらに、例えば、明日以降も第2弾、第3弾という形で、今の時点でお考えありますか。

A:また天候などもですね、あまり良くないという状況もありますので、あるいは、陸上の道路についてもですね、これから啓開が進んでいくということでありますから、そういうことを総合的に勘案をしながらですね、陸海空の自衛隊の隊員の数については、検討していきたいと思っておりますし、そろそろ交代要員もですね、これも必要になってくる、そういうフェーズになってきておりますから、そういうことも考えながらということになるかと思います。

Q:海上輸送の見通しについてお伺いしたいんですけれども、現状、アクセス、陸路で難しいところはということで、今ヘリでということなんですが、「おおすみ」も昨日、呉を出てですね、現地に向かっているということなんですけれども、今後の見通しについて教えてください。

A:当然、孤立した、特に半島部においてはですね、ヘリに加えて、船というのも重要な輸送手段になるというふうに考えております。今、それぞれ既存の港をですね、調査しているところですが、なかなか自衛隊の艦艇がですね、この港に着くというのはなかなか難しいというような報告を受けておりますが、しかし、私どもは、それ以外にも様々な手段をもっておりますので、例えば「おおすみ」からは、LCACと言ってビーチングができるような、そういう手段もございますし、あとは、ヘリを搭載した搭載艦などもあるので、港に着けなくても、接岸しなくてもですね、沖合まで進出をしてそこからヘリによって物資の支援、輸送などもできると、そういう可能性もありますから、そういったことを今、検討しているところであり、様々な手段を講じながら、最善を尽くしたいというふうに考えております。

Q:関連で、自衛隊の艦艇がなかなか着くのが難しい港というのは、津波で例えば被害を受けて、港の機能が損失していて着けないとか、そういうことではなく、もともと港の規模として着くのが難しいということ。

A:もともと港湾のスペックの問題であるというふうに思います。

以上