防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年12月19日(火)13:47~13:55
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
令和6年度予算案大臣折衝後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど財務大臣とですね、財務省において予算折衝を行ってまいりました。令和6年度の予算案につきましては、イージス・システム搭載艦の建造費等の経費を認めていただいたところであります。御承知のとおり、イージス・システム搭載艦の建造は、北朝鮮のミサイルの脅威が差し迫る中、我が国の弾道ミサイル防衛能力を早期に抜本的に向上させるために必要不可欠であります。一方で、防衛省としては、防衛力強化に向けて、43兆円程度の範囲内で、安全保障環境や為替・物価の状況を踏まえつつ、事業の内容を柔軟に検討・精査し、一層の効率化・合理化を図ってまいります。これらを踏まえて、イージス・システム搭載艦については、実効的なプロジェクト管理体制の構築を行うとともに、今後イージス艦を取得・更新する場合においては、レーダー選定については、白紙的に検討していくことを前提として、同艦の建造等に必要な経費として3,731億円を、令和6年度予算案に計上することを認めていただいた次第であります。本事業を含めて、令和6年度予算案において必要かつ十分な予算を確保し、防衛力整備計画期間内の防衛力抜本的強化実現を図ってまいります。

 

2 質疑応答

Q:北朝鮮が2日連続で弾道ミサイルを発射して、ミサイルへの脅威が高まる中ですね、本日の大臣折衝を終えられて、改めて今後の防衛力強化に向けて具体的にどのように取り組んでいかれるかその意気込みも併せてお聞かせください。

A:それを話すと少し長くなるんですけども、短く端的に言うとですね、防衛力整備計画については、今年度が1年目で令和6年度が2年目ということになります。5年の計画、43兆円程度、2年度目とは言いながらですね、まだ前半でありますが、しかしながら、傾斜配分で言うと前半に大分予算というのは計上されているわけで、来年度、令和6年度の予算案についてもですね、これは、しっかりと執行できるような省内の体制を構築していかなければいけないと思ってます。あわせて、昨日、一昨日と北朝鮮のミサイル発射事案ありましたが、そういった弾道ミサイルへの脅威であるとか、あるいは、今後、国家安全保障戦略等にも記載されている反撃能力を担うですね、スタンド・オフ・ミサイル防衛能力の強化、こちらも私の指示でですね、前倒しを指示し、具体的に国産あるいは外国製のですね、スタンド・オフ・ミサイルの前倒し導入というのも、これも具体化、具現化できるめどがですね、付きつつあるところであります。そういった直近の脅威、あるいは中長期的な様々な、今日本を取り巻く安全保障環境にしっかりと対処していくためにですね、必要な予算をいただいておりますから、これから、今年度来年度含めて、しっかりと執行に向けてですね、省一丸となって取り組んでいきたいと、そういうふうに考えております。

Q:今の大臣折衝の関係で、後段おっしゃられた今後のイージス艦の取得で、レーダー選定など白紙的に云々という、そこの関係なんですけども、それは、今の防衛力整備計画5か年の整備計画のイージス艦の取得に関わるものという理解でよろしいでしょうか。

A:そういったレーダーの部分については、43兆円の範囲内かどうかということだとしたら、もちろん範囲内ということになります。イージス艦につきましては、その防衛力整備計画の別表の3というところに、ちゃんと書いておりますが、イージス・システム搭載艦とは別にですね、イージス・システム搭載護衛艦として、概ね10年後までに10隻態勢とする計画でもあり、今後、イージス艦の増勢を行うことというのを予定してます。ですから、5年の計画と10年の計画とあると、そういうことですね。増勢にあたっては、「こんごう」型の現行のイージス艦の建造からもう一定の年数が経過しておりますから、当然その当該艦艇についてはですね、後継艦となるイージス艦の取得や、また艦艇の更新が想定されているところであって、その際の搭載レーダーについては、白紙的な検討を行う必要性というのを財務省と確認したところであります。つまり、今の現行のものはSPY-1ですよね、今回、イージス・システム搭載艦は、SPY-7を使うということで、それ以外のSPY-1を更新する時に何を使うかといった時にですね、そこをまた、ゼロベースで考えていこうと、今、イージス搭載艦がSPY-7だから全部SPY-7になるかというとそうではなくて、米軍などはSPY-6を使ったりしてると思いますからね、様々な、そういう予断を持たずに、白紙的にというとちょっと言い方が違うかもしれません、ゼロベースで検討していこうと、そういうことであります。

Q:それによって、価格低減が図られるということですか。

A:今後のイージス艦の取得や更新についてですね、現時点で具体的な計画が定まっているわけではありませんが、取得あるいは更新を実施する場合に当たっては、搭載レーダーについては、当たり前ですけど、公平、公正を期して選定を行っていくということは、これは他の装備と同様、当然のことだと思っております。

Q:レーダーに関してですが、米軍のイージス艦は、これからSPY-6にどんどん代わっていきますが、日米が連携する上で、米側とそういったアセットは合わせることができるのかどうか、これは大臣どういった御見解なんでしょうか。

A:ある意味、そういったレーダーが米軍と仕様が異なるから連携が取れないかというと、決してそうではないわけでありまして、更新あるいは取得するに当たっては、そういった日米同盟、これ基軸でありますから、当然、米軍とは様々な角度で連携を取っていくことになると思いますから、当然、その連携が取れないようなものはできませんので、しかし、もう事前にそういった情報というのは十分に把握できると、お互いにそういった関係にありますから、ですので、これは適切に公平・公正にですね、選定を行っていくということになろうかと思います。

以上