防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年12月12日(火)22:39~22:50
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日米防衛相電話会談実施後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど、米国のオースティン国防長官と電話会談を実施いたしました。冒頭、私からですね、屋久島沖における米空軍CV-22の墜落事故における犠牲者に対しまして、改めてお悔やみを申し上げるとともに、速やかな収容そして回収のために協力をしていきたい旨を述べました。また、飛行に係る安全が確認されてから、飛行を行うことを改めて要請し、事故の状況や今後の安全対策についての情報提供を求めたところです。これに対して、オースティン長官からはですね、日本側の捜索・回収任務への支援に感謝する旨、国防省にとって、米隊員及び日本のコミュニティーの安全が最優先である旨の発言がございました。また、紅海及びアデン湾における情勢について意見交換を行い、海洋安全保障及び国際社会の平和と安定のため、日米で連携して対応していくことで一致をいたしました。更に、日米韓の協力について議論をしました。3か国の安全保障協力の取組を加速させることで一致をいたしました。次に、拡大抑止について、日米間の実質的な議論が深化していることを歓迎し、今後も継続的に突っ込んだ議論をしていくことで一致いたしました。その上で、日米両国が引き続き緊密に連携し、「自由で開かれたインド太平洋」を確保するため、日米同盟の抑止力及び能力の一層の強化に取り組んでいくことを改めて確認したところであります。本日は短い時間ではありましたけども、今まさに両国が直面している防衛・安全保障上の課題について、オースティン長官と率直な議論を行うことができたと私自身は感じています。本日の成果を踏まえて、引き続き、日米同盟の強化に向けた具体的な取組を進めてまいります。

 

2 質疑応答

Q:オスプレイに関連して、米軍のオスプレイは現在全機飛行を停止していまして、陸自のオスプレイの運用も停止していますが、今後のオスプレイの運用について、いつまで飛行を停止するかなど、また、停止の理由など、どのようなやり取りがありましたでしょうか。

A:会談では、私から米空軍CV-22オスプレイの墜落において亡くなった乗員、そして御家族に対してのお悔やみを申し上げるとともに、防衛省・自衛隊としては速やかな、まだ搭乗員残り1名おられますから、収容あるいは機体の回収の協力をしていきたいということを述べました。今回の運用停止措置を踏まえて、米側との間では飛行の安全確保等について、確認作業を行っている最中でありまして、そのやり取りの詳細については、現時点では、まだお答えできないということを御理解いただけたらと思います。その上でですね、私からオースティン長官に対しましては、日本に配備されたオスプレイについて、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう改めて要請をするとともに、事故の状況や安全対策について引き続き情報提供を求めたところであります。両者の間ではですね、飛行の安全確保は日米共通の最優先事項であり、日米間で緊密に連携して対応していくことを確認しています。

Q:紅海、アデン湾の件、意見交換されたということなんですが、やはりこれはイエメンのフーシ派が今タンカーを攻撃したりして、情勢が緊迫化していることが念頭にあるのかということと、アメリカが今、同盟国と枠組みを作ろうと呼び掛けている中でそれへの参加への要請があったのかどうか、2点お願いいたします。

A:最近のアラビア半島周辺海域における各種事案を含む中東情勢を踏まえて、船舶の自由かつ安全な航行の確保について議論をしたところです。その上で私からは、防衛省・自衛隊としては、引き続き、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を適切に実施するとともに、中東地域のシーレーンの安定的な利用を確保し、国際社会の平和と安定のため、関係国と引き続き緊密に協力してまいりたいという、そういった旨を述べたところであります。それ以上のやり取りの詳細については、米軍との関係もあって、これ以上はお答えしにくいところでありますが、いずれにしても防衛省・自衛隊としては、引き続き、諸外国の部隊を含む国際社会と緊密に連携しながら、部隊の安全に万全を期しつつ、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を適切に実施するとともに、中東地域のシーレーンの安定的な利用を確保すべく、関係国と引き続き緊密に連携していきたいというふうに考えております。

Q:オスプレイの関係で、大臣、5日の会見で米側に対しては更なる要請は考えていないというふうに発言されてたと思うんですけれども、このタイミングになってですね、こういう形で要請を行ったその事情とか理由について教えてください。

A:今まであらゆるレベルでやり取りをしていたところでありますが、米側に対して、今回のオスプレイの事故を受けてですね、そのあらゆるレベルの中で私からはラップ在日米軍司令官への要請を含めて、あらゆるチャンネルを通じてですね、飛行に係る安全が確保されてから飛行を行うよう、要請をしてきたところであります。そういった私の思い、あるいは、日本政府の要請については、米国国防省にもこれを伝えてきているところです。実際に伝わっているというふうに考えています。その上で、今回改めて電話会談をしまして、その機会を捉えて、この件に関する私の考えをですね、オースティン長官に今回は直接、間接的ではなくて直接お伝えしたというところであって、両者の、私とオースティン長官の間では、その飛行の安全確保は日米共通の最優先事項であり、日米間で緊密に連携して対応していくこと、そのことを改めて確認をしたというところになります。

Q:飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう求めたということなんですけれども、停止している状況ですと、原因が分かってからじゃないと安全が確認できないのかなと思うんですけど、その辺りの原因究明までですとか、そういった確約は本日取れたんでしょうか。

A:今の質問は一旦止めてからでないと。

Q:止めている状態で再開する、安全が確認されてから飛行するとしても、原因が明らかになってからでないと安全の確認というのはできないんじゃないかなと思うんですが、その辺りの議論について本日出ましたでしょうか。

A:飛行を行うにあたってはですね、その飛行に係る安全が確認されることが何よりも重要であるという認識は、今日改めて日米間で共有されているということを確認しました。米側に対しましてはですね、事故の状況等についての情報提供を求める中で、事故の原因究明についても要請しているところでもあります。飛行の安全の確認を行う中にあっては、事故に関する可能な限り詳細な情報もですね、透明性をもって共有されるものというふうに改めて認識したところです。防衛省としては、飛行の安全が確認されることが何よりも重要であるということ、そういったことを十分に踏まえて今後も適切に対応していきたいというふうに思ってます。

Q:つまり安全が確認されるという言葉について、米側とどのように擦り合わせたのかっていうのを伺いたいんですが、原因究明までは少なくとも飛ばさないということでよろしいですか。

A:飛行の安全が確認されてから飛行再開するというところであります。原因究明については、それは原因究明をちゃんとしてくださいという要請を、それはまたしたところであります。

Q:また別であって、原因究明の前に再開する可能性もあるということですか。

A:あくまでも飛行の安全が確保されてからの再開、つまり逆に言うと、飛行の安全性が確保されるまでは飛行は再開はしてほしくないと、するべきではないということを申し上げたところですね。

Q:今のに関連してですが、つまり、飛行の再開には原因の究明は条件だという認識なのかどうかという質問だと思うんですが、それはその点は大臣どのようにお考えですか。

A:私も再三申し上げてますけども、繰り返しになりますけども、飛行の安全が確認されてから飛行再開だというところですね。

以上