防衛大臣記者会見

日時
令和5年12月12日(火)10:49~11:06
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 なし。

 

2 質疑応答

Q:元陸上自衛官の五ノ井里奈さんへの強制わいせつ事件の公判について、本日にも、福島地裁で判決が言い渡されますが、大臣のお受け止めをお願いいたします。また、このような中、10月に判明した海自のセクハラ被害を始め、いまだハラスメント事案は相次いでいますが、防衛省として、改めてどのように対策を講じていくお考えでしょうか。お願いいたします。

A:今日が判決という御指摘の公判でございますが、刑事事件でありまして、国が当事者でないものですから、個別の訴訟に関わることであり、コメントをすることは差し控えさせていただきますが、その上でですね、ハラスメントを一切許容しない環境というものは、防衛力の中核である自衛隊員の能力を発揮するための基盤強化のために必ず構築しなければならないものであります。そのため、私が先頭に立ちまして、ハラスメント対策を鋭意講じているということは、今までも御説明をしてきたところであります。具体的には、私から、全てのハラスメント案件に対して厳正な措置を求める指示を既に発出するとともに、全隊員及び指揮官・管理職にハラスメント防止に係るメッセージをそれぞれ別の形でですね、発出いたしました。また、来年の1月にですね、防衛省・自衛隊におけるハラスメント防止月間として、ハラスメント防止教育等を集中的に行うことといたしました。その中身については、今まだ詰めているところであります。防衛省・自衛隊としては、有識者会議の提言もいただいておりますので、そういったことを踏まえまして、検討を加速しているところであり、各種様々な施策について、迅速に実行していきたいというふうに考えております。

Q:政治資金パーティーを巡る問題についてお伺いします。岸田首相は、安倍派所属の政務三役を全員交代させる意向を固めたとの一部報道があります。防衛省にも安倍派所属の政務三役がいらっしゃいますが、大臣の御見解と、また、政権の一員として、今の状況をどのように認識されているか、受け止めをお聞かせください。

A:その件については、様々な報道、各社によってですね、なされているということは、私も承知をしておりますが、その一つ一つについて、コメントすることはなかなか難しいということであります。その上で、総理はですね、昨日、参議院の本会議、私も全閣僚出席ということで、そばで聞いておりましたけども、総理は、国民の信頼回復の観点から必要な対応を行っていくと、そして自由民主党の総裁としてですね、党として必要な対応を行うことはもちろんのこと、政府として、一層の緊張感を持って引き続き与えられた課題に全力で取り組んでいく、そういった旨の答弁という形でですね、述べられたということであります。私としても、岸田内閣の一員として、しっかりと身を引き締めてですね、引き続き全力で職務に取り組んでいきたいというふうに考えております。

Q:オスプレイの墜落事故に関連して伺います。日本時間の7日、米軍がオスプレイを保有する全ての軍種において、オスプレイの運用を停止する旨を発表しましたが、事故から1週間以上経ってからの判断でした。事故後からそれまでの間、不具合の可能性を抱えた機体が国民の頭上を飛行していたことになるのですが、大臣としては、この米軍の決定のタイミングについては適切だったとお考えでしょうか。もし遅かったというふうにお考えであれば、この点、改めて抗議や申し入れする考えはありますでしょうか。

A:今回の事故でありますけども、まず地域の方々に大きな不安を与えるものでありまして、米側に対しては、事故発生を受けて、私や、あるいは外務大臣からのですね、要請を含めまして、国内に配備されたオスプレイについて、飛行にかかる安全が確認されてから飛行を行うように、これは明確に要請をしてきたところであります。これらの要請を踏まえて、米側からは、12月の1日にですね、今般事故を起こしたCV-22の飛行を現在行っていない旨の説明があったところでありまして、防衛省が目視情報で確認する限り、CV-22の離着陸は確認されておりませんでした。そして次の段階として、日本に配備されているすべてのオスプレイは、徹底的かつ慎重な整備と安全点検を行った上で運用されていると説明を受けました。そしてさらにですね、これは4日でしたけども、全てのオスプレイの部隊は、CV-22の事故をしっかり踏まえた上で、安全点検及び予防的な整備を継続的に行っているとの説明を受けたわけであります。そういう随時ですね、説明がある中で米軍は7日に、調査が継続している中、リスクを軽減するため、オスプレイを保有する全ての軍種において、オスプレイの運用を停止する旨を発表したと、そういう流れがあります。1日の米国の国防省の会見では、調査が進められている中で、追加的な措置が必要であれば着実に実施する、といった発言もございまして、その時々において必要な措置が講じられてきているものというふうに認識をしているところであります。米軍機の運用にあたっては、飛行の安全確保が最優先になることは言うまでもありません。今回の運用停止措置も踏まえ、米側から、しっかりと情報提供を受けて、飛行の安全確保について、確認作業を引き続き行ってまいります。米軍と緊密に連携して対応していくことが重要だというふうに考えております。

Q:今のお答えですと、その時々において必要な措置を講じられているということなんで、タイミングには問題なかったという理解でよろしいでしょうか。

A:事故が起こってから1週間の間にもですね、そのフェーズフェーズにおいて、私を含めて様々なレベルで連携を取っていく中で、必要な措置というものが取られてきた結果、7日を迎えたというふうに理解をしております。

Q:防衛装備品の移転についてお伺いします。他国と共同開発した装備品の日本から第三国への輸出について、与党のワーキングチームは先週、年内に結論を出すことを見送る方針を示しました。次期戦闘機の開発に当たりですね、こうした与党の方針が今後の開発にどのような影響を与えるか、お考えをお願いします。

A:防衛装備移転三原則や運用指針を始めとする制度の見直しの件でございますが、具体的な内容や今後の見通し等については、現在も与党ワーキングチームにおいて議論中であるというふうに承知しておりまして、現時点では決まっていないということですので、具体的な内容に関わる質問については、お答えは難しいというところであります。その上で、一般論として申し上げれば、これまでも申し上げてきておりますが、防衛装備品の海外への移転というものは、同盟国・同志国との協力を強化することを通じて、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出や抑止力の強化に寄与するものというふうに考えております。なお、次期戦闘機の協議の詳細については、これは相手方との関係もあることから、お答えできないことを御理解いただきたいと思いますが、いずれにしましても、共同開発の実現に向けて、日英伊3か国の政府・企業で緊密に連携をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。

Q:京都で起きた事件の関係でお尋ねします。京都府警が先日の10日に、京都市で80代の男性を殺害したとして、陸上自衛官を逮捕しました。防衛省として把握されている事実関係と、事件についての大臣の受け止めをお願いします。

A:まず、事実関係からですけども、本件は、陸上自衛隊中部方面後方支援隊、京都の祝園分屯地に所属しておりますが、そこの3等陸曹水島千翔21歳が、今月2日土曜日に外出を許可されて、その後、所在不明となっていたところ、3日の日曜日に京都市東山区内のマンションにおいて発生した男性刺殺事件について、10日の日曜日に殺人の容疑で逮捕され、現在、捜査機関による捜査が行われているということであります。国民の生命と財産を守るべき自衛官が殺人の容疑で逮捕されたということは、言語道断であり、誠に遺憾であります。防衛省としては、事実関係について情報提供するなど、捜査機関の捜査に協力をしてまいる所存であります。

Q:先程のオスプレイの質問で関連なんですけども、7日に飛行停止の発表があって、その後、大臣、先週の会見でもですね、確認作業を進めていくというふうにおっしゃっていたかと思うんですけども、これ以降、新たな情報が米側から今日までには何も寄せられていないという理解でよろしいのか、それとも何か情報はいろいろあるけれども、今この場ではできないということなのか。

A:随時、様々なレベルでのやり取りをしている中でですね、お尋ねの点も含めまして、米軍の運用停止措置の詳細についてはですね、現在確認中ということでありますので、その点また何か公表、発表できることがあれば、その時点で発表していきたいと思っております。現在、確認中ということであります。

Q:オスプレイに関連してお伺いします。大臣は事故後、ラップ在日米軍司令官に安全対策を申し入れをされましたが、なぜオースティン国防長官には要請されなかったのか教えてください。

A:私のレベルで、ラップ在日米軍司令官とは直接こちら市ヶ谷でお話をさせていただいたところでありますが、今後、必要に応じて様々な形で引き続き要請をしていきたいというふうに考えております。

Q:関連しまして、大臣は御存じかと思いますが、米軍の指揮系統は複雑で、在日米軍司令官には海兵隊の運用に関する権限はありません。事柄の重大性を鑑みれば、速やかに同盟国のトップ同士で安全対策の徹底を確認されるべきだと思いますが、その辺いかがでしょうか。

A:当然、私が要請した内容というものは、米国防省、ペンタゴンにも伝わっている、そのため、副報道官などがですね、ああいう会見をしたというふうに承知しておりますが、今後、必要に応じて、私も含めてあらゆるレベルでですね、情報提供を求めていく、あるいは必要な要請があれば行っていくということを行っていかなければいけないと思っております。

Q:大臣は当初から飛行停止という言葉は使わずに、米軍に要請をされていました。なぜ飛行停止という言葉をあえて使わなかったのか、その理由を教えてください。

A:すみません、私は個人的なところで恐縮ですが、航空会社に勤務したこともありましてですね、飛行停止という言葉は一般的ではないんですね。英語にどういうふうに表現されるかということも含めまして、ですので、私の中で定義というものが、そういうものを使ったことがなかったので、しかしながら、今回、運用停止というような形で、そういう表現になった、落ち着いたと言いますか、そういうことになったと思いますが、今回の事故に際しても、米軍に対して、その国内に配備されたオスプレイについて、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うようにというような表現をずっと続けてきたわけでありまして、逆に言うと、飛行に係る安全が確認されなければ飛行を行わないということ、そういう要請ということを、私の言葉で要請をしてきたということになるわけであります。

以上