防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年11月30日(木)19:15~19:29
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
ラップ在日米軍司令官来訪後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日17時30分頃から、今般の、屋久島沖での米空軍のCV-22オスプレイの墜落に関して、ラップ在日米軍司令官の訪問を受けたところであります。冒頭、私から、今般の事故において亡くなった乗員に対してお悔やみを申し上げるとともに、今は人命救助が最優先であり、自衛隊や海上保安庁、あるいは、漁業の関係者の地元の皆さんたちが全力で捜索救難活動にあたっているところ、引き続き全力を尽くしていくということを申し上げたところであります。その上で、私から、ラップ司令官に対して、我が国において活動するオスプレイの飛行について捜索救助活動を行う機体を除き、飛行に係る安全が確認されてから、飛行を行うよう要請するとともに、早期の情報提供を求めたところであります。

 

2 質疑応答

Q:まず、大臣の申し入れを受けてのアメリカ側の反応と、改めて今日午前中にも地協局長が飛行停止を求めてからも、飛行が続けられていたことへの大臣の受け止めをお願いいたします。

A:ラップ在日米軍司令官からは、困難な捜索救難における自衛隊、あるいは、海上保安庁、そして、更には漁業関係者を含む皆様の協力に対する心からの謝意がまずはございました。それから、米国にとって、米国人と日本国民の安全が最重要事項であると、そういう話もありました。私からは、普天間飛行場でのオスプレイの飛行が継続していることを踏まえて、飛行の安全確保のために米軍が今採っている措置、今後、採ろうとしている措置について、具体的な情報提供を改めて求めたというところであります。

Q:そうしますと、米側からはオスプレイの飛行停止の申し出に対して確たる発言はなかったということなんでしょうか。

A:冒頭発言でも申し上げたとおり、私から、そういった捜索救助活動を行う機体を除いて、飛行に係る安全確認されてから飛行を行うよう要請をしたということであります。

Q:それに対しては、いつ頃に止めるとか、何かしら説明はあったんですか。

A:今回は、朝もそういう書面でですね、要請をしたところですが、私から対面でラップ司令官にですね、直接要請をしたというところであります。

Q:相手側の反応はいかがだったんでしょうか。

A:今日のところは、私からの要請をしっかりとお聞きになったというところだろうと思います。

Q:念のため確認ですけれども、安全が確認されてから飛行をすることというのは、飛行停止を求めたというふうに理解してよろしいでしょうか。

A:飛行停止という定義がまだあいまいなので、そういう意味では私は使っておりませんが、あくまでも飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう要請をしたということであります。

Q:今現状飛び続けていることについては、飛行停止を求めているわけではないので、問題はないことになるんでしょうか。今現状飛び続けてるんですけども、飛行停止を求めたというわけではないのであれば、安全が確認されているのであれば、飛んでても構わないという理解になるんでしょうか。

A:普天間飛行場で今もそういったオスプレイの飛行が継続しているということを踏まえてですね、その飛行の安全確保のために、現在、米軍が今どういう措置を採っているのか、そして、あるいは、これから採ろうとしている措置、今、人命救助のために飛行をしているというケースもあるかもしれませんので、そういったこと、具体的な情報提供を改めてこちらから求めたというところであります。

Q:2016年のオスプレイの事故のときは、飛行の自粛を求められたと思うんですけども、今回、飛行の停止なり自粛を求めない理由を教えてください。

A:今回は、もう、今まだレーダーロストして実際に墜落をしてですね、24時間と少したったところでありますから、まずは捜索救助活動を行うその機体を除き、飛行に係る安全が確認をされてから飛行を行うように要請をしたということになります。そして、そういったことについて、早期の情報提供というのを、全体像をつかむために早期の情報提供を求めたというところであります。

Q:まだ救助活動が続いているので、まだ停止は求めていないということでしょうか。

A:繰り返しになりますけども、捜索救助活動というのが、あるいは、人命救助というのが第一ということ、これはもうお互いの認識でありますから、そういった機体を除いて、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように要請をしたと、そしてそのために、今現在米国がどういうことを行っているのか、そして今後どういうことを行おうとしてるのかということ、そういった情報提供について、しっかりと早期に行っていただきたいということを求めたということになります。

Q:今日、国会で防衛省側が午前7時までの時点で、目視調査で普天間飛行場の近くでオスプレイが飛行してるっていう話ありましたけども、その後も防衛省として、当局としてオスプレイが普天間飛行場で飛んでるというのを確認しているのでしょうか。

A:目視調査をですね、防衛省の沖縄防衛局でやっているわけですが、地方協力局長からの要請以降、30日の15時30分までの間にですね、米海兵隊のMV-22が普天間飛行場においては計18回、嘉手納飛行場においては計2回の離着陸を実施したこと、これを目視で確認をしているところであります。

Q:確認した最初の時点というのは、事故の発生した直後からその時間までという理解でよろしいですか。

A:そのあたりの細かい時間等は、事務方に聞いていただければと思います。何時からというのは。

Q:今回の事故を受けてですね、関係地の鹿児島県であるとか、米軍のオスプレイが配備されている基地の周辺自治体からはですね、一旦は飛行停止してほしいという要望、防衛省にも届いているかと思っています。その一方、現時点で米側は今話にもあったように回答がなかったということですけれども、現状のその乖離というか、現状認識について大臣、現状についてどうお考えか。

A:松本防衛大臣政務官におかれては、今日ですね、鹿児島県並びに屋久島町を訪ねてですね、その時点における状況の報告と同時に、今回の事故に対してのお詫びを申し上げたところであります。同時に、この週末に予定をされていたですね、佐賀県における陸上自衛隊のMV-22のオスプレイのデモフライトについてもですね、そういった地元の懸念もあるということですので、これは中止をさせて頂いたというところであると同時に、今陸上自衛隊のMV-22オスプレイというのは、今フライトを見合わせているという状況であります。

Q:陸自のオスプレイが運行を取り止めている中でですね、事故を起こした当の米軍のオスプレイが飛行を継続していることに対してどのように考えられていますか。また、安全上問題があるのか、ないのかどうお考えですか、お聞かせください。

A:今日、国会での答弁でもしましたけども、飛行の安全というのは大前提という基にですね、ラップ司令官に対しては、朝の要請に更に加えて対面で私から、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように、しっかりと要請をさせていただいた。すみません、後段の質問は。

Q:今米軍が飛び続けていることをどのように感じてらっしゃいますかというのが一点目、今飛ぶことに安全上問題はないんですかというのを聞いています。

A:そこで、今日ラップ司令官に対しては、もちろん自衛隊が止めているのはMV-22ですけども、今回のはCV-22ですけども、陸上自衛隊のものはV-22ということですけども、今、普天間、あるいは、嘉手納でフライト継続しているのはMV-22ですけども、MV-22がですね、フライトを継続してることについて、今米軍がどういう措置を採っているのか、あるいは、今後、どういうことをやろうとしているのかということを、今日はそれを是非情報提供を具体的にお願いをしたという、そういう状況です。

Q:大臣自体はそれをどう捉えているかっていうのをお聞きしているんですけど。

A:ですから、そういう国民の懸念もあるので、そういうことを具体的な情報を提供してくれということを申し上げたところであります。

Q:今回墜落したオスプレイの機体は放射性物質が使われていますか。使われているとしたら、海洋汚染への影響はないのでしょうか。

A:放射性物質の使用の件ですけども、一般的に航空機のエンジン、点火装置等に放射性物質は広く使用されているというところであり、オスプレイのエンジン、点火装置にも他の航空機と同様に放射性物質のクリプトンが使用されています。航空機のエンジン点火装置に使用されている放射性物質であるクリプトンは、希ガスであることから、水や食品の中に蓄積されることなく、装置中のクリプトンから放出される放射線量も極めて小さいことから、人体や環境への影響について問題のないレベルであるということを承知しております。

Q:問題はないレベルなんで、特段その汚染の状況とかを防衛省として確認されることは、今後ないんでしょうか。

A:一般論としてですね、1機の航空機のクリプトンの量、当然使用されているということでありますけども、それが、今回は、海洋、海に放出された量というのは放射線量極めて小さいということでありますから、人体や環境への影響というのは問題のないレベルであると。まずは、人命救助・捜索活動ということに専念をするということでございます。

Q:南西防衛の強化を進めていく中で、正に南西地域でこのような事故が起きてしまったということ、大臣としてどのように受け止めてらっしゃいますか。

A:誠に遺憾なことだと思っています。決してあってはならないことだと思っています。

下線部:大臣発言中、MV-22(誤)をV-22(正)に修正

以上