報道官会見

日時
令和5年11月28日(火)16:00~16:11
場所
防衛省A棟10階会見室
備考
報道官会見

1 発表事項

 なし。

 

2 質疑応答

Q:21日に北朝鮮が打ち上げた何らかの物体が地球を周回しているということで防衛省が説明されてるんですけども、この何らかの物体というのは衛星であるとみているんでしょうか。それとも弾道ミサイルである可能性もあると考えているのでしょうか。

A:お尋ねは、21日に発射された、北朝鮮の発射が衛星打ち上げとみるべきなのか、それとも弾道ミサイルの発射とみるべきなのか、というふうに御理解をしてお答えをいたしますけども、正にお尋ねの点については、分析中ということに尽きるわけでございます。少し詳しく申し上げますと、防衛省といたしましては、今回の発射につきましては、御案内のように発射直後から、衛星打ち上げを目的とした発射であると申し上げてきたところでございます。その上で、地球を周回している何らかの物体が、いかなる機能を果たしているかといった点を含めまして、今回の発射が、全体、あるいは、総体としてみて、結局果たしていかなるものであったかという評価につきましては、様々な角度から技術的、あるいは、専門的な分析を積み重ねた結果として初めて確定するものであると認識してるところでございますので、この時点で予断をもって申し上げる段階にはないと、こういうことでございます。引き続き、しっかりと分析を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

Q:関連してなんですけども、防衛省は、「弾道ミサイル」と「弾道ミサイル技術を使用した発射」、「衛星」という用語使われてますけれども、それぞれ、今回に限らず、どういった意味合いで使っているのか教えてください。

A:御指摘の用語でございますけども、それらが一般的に使われているものと同様の意味で防衛省においても使用しているものでございますが、具体的に申し上げますと、「弾道ミサイル」と申しますものはロケットエンジン推進で弾道軌道を描いて、長距離を飛翔するミサイルというふうに理解して使っているところでございます。また、「衛星」という言葉でございます、これは人工衛星のことを指すわけでございまして、地球などの天体を継続的に周回する人工物体という意味で使用させていただいてるところでございます。最後に、「弾道ミサイル技術を使用した発射」ということをお尋ねがございまして、これは、先ほど言いました弾道ミサイルの技術、具体的には、ロケットエンジン推進技術などということになるわけですが、こうした弾道ミサイル技術を使用した発射という意味で使っているところでございまして、御存じのところと思いますが、「弾道ミサイル技術を使用した発射」という言葉はですね、北朝鮮が行うことを禁じられております行為としまして、累次の国連安保理決議においても用いられている用語でございますので、私どもこの用語を使って御説明申し上げていると、こういうことでございます。

Q:ライセンス生産品について伺います。自衛隊が保有している装備品のうちライセンス生産品は、およそどのくらいの種類を所有してるのかというのを把握してれば教えてください。また、アメリカからのライセンス生産品とそれ以外の国からの総数の内訳みたいなのも分かれば教えて下さい 。

A:御案内のように自衛隊の装備品は、中には長い年月継続的に使われるものもございます。ライセンス生産というものは、民間企業間で締結される契約に基づいて実施されるものでございますけども、長い年月を経る間には、契約条件の更新などがございまして、ライセンスの対象から外れるといったこともあるところでございます。こうした事情もあるところでございますので、自衛隊が保有する装備品の全てのライセンス生産品につきまして、網羅的に正確にお答えするというのはなかなか難しいということは御理解いただきたいと思いますが、その上で今、手元にあるものといたしまして、防衛省が中央調達で現在把握している範囲でお答えいたしますと、自衛隊が保有する装備品のうち、ライセンス生産品は79品目に上ります。このうち、米国からのライセンス生産品が32品目、それ以外の国のライセンス生産品が残余47品目ということになります。これ中央調達の現在把握しているものということでございます。なお、ライセンス生産品につきましては、装備品全体がそもそもライセンス生産というものもあれば、その装備品の部品の一部がライセンス生産というものもございます。例えばエンジンだけライセンス生産とか、そういうものでございますが、今回のお示した数字は、その両方を含んだ総数ということで御理解いただければと思います。

Q:関連でお伺いします。今御紹介されたアメリカ以外のライセンス生産品についてですが、ライセンス元国が何か国に及んでいるのかというのと、具体的な国名と主なものがどういったものがあるかっていうのも紹介していただきたいのと、その中に弾薬というのもあるのか教えてください。

A:繰り返しを避けますが、先ほど申し上げたような事情がございますので、いわゆる総数や数につきまして網羅的、正確にお答えすることは困難でございますが、その上で、今手元にあります防衛省の中央調達で把握している範囲でお答えいたしますと、自衛隊が保有する装備品のうちライセンス生産品につきまして、米国以外のライセンス元国ということになりますが、総数は7か国ということで私も把握をしております。具体的に申し上げますと、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、スウェーデン、ノルウェーということになっております。また、具体例をということでございます。多岐にわたりますが、一例だけ申し上げていきますが、イギリスでございますと、掃海・輸送ヘリコプターのMCH-101、あるいは、81mm迫撃砲、あるいは、16式機動戦闘車の砲身、大砲の砲身の部分、こういったものがございます。フランスでございますと、120mm迫撃砲、あるいは、機雷探知機、こういったものがございます。ドイツでございますが、155mmりゅう弾砲FH-70というもの、あるいは、90式戦車の砲身、この部分ということ、イタリアでございますが、艦船に搭載する大砲でございます54口径127mm速射砲、あるいは、62口径76mm速射砲、ベルギーでございますが、5.56mm機関銃MINIMI、スウェーデンでございますが、84mm無反動砲、ノルウェーでございますが、12.7mmの小火器用徹甲弾、などがございます。弾薬の具体例ということでございますが、英国でございますと、81mm迫撃砲用のりゅう弾、あるいは、155mmりゅう弾砲用のりゅう弾といったものがございます。フランスでございますと120mm迫撃砲用りゅう弾、ドイツでございますと25mm、あるいは、35mmの機関砲用の徹甲弾、スウェーデンでございますと84mm無反動砲用のりゅう弾、ノルウェーでございますと12.7mm小火器用の徹甲弾などがございます。

Q:先程の御回答に関連してもう一度お伺いしたいんですけど、分析中ということなので、何であるかっていうのは確定できないと思うんですけども、少なくともミサイルではないということは言えるんでしょうか。それともミサイルが地球を周回している可能性もあるというお考えなのでしょうか。

A:冒頭に申し上げましたように、私どもが認識しました御質問の趣旨は、その今回の発射が総体として衛星の打ち上げとしてみるのか、それとも弾道ミサイル発射としてみるのかということでございます。そう理解いたしますと、目的につきましては先ほど、発射直後から申し上げておりますように、私ども衛星打ち上げを目的とした発射であるということは、随時申し上げてきたところでございますけども、では、全体・総体として結局その地球を周回している物体といったものがどういう機能・役割を果たしているかということも含めて総体・全体として今回の発射がどういうものであったかということにつきましては、今後、専門的・技術的な分析を待たないと確定的に申し上げることができないということでございますので、そういった思考過程をたどりますと、お尋ねにつきまして、現在この時点で確定的に申し上げるは難しいということになるわけでございますが、ただ目的として私どもは衛星打ち上げを目的としたものだということは随時申し上げておるところでございます。

Q:さっきの関連で1点確認なんですけども、中央調達で現在把握している範囲という御説明だったんですけども、これは例えば、昨年度の中央調達の実績から今御紹介いただいたものだったのか、いつの時点での把握している範囲っていうのがもし分かれば教えてください。

A:その点につきまして、今手元にございませんので後ほど調べまして、御報告させていただきます。

以上