防衛副大臣臨時記者会見

日時
令和5年11月22日(水)00:34~00:40
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射事案後の宮澤防衛副大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は本日22時43分頃、北朝鮮北西部沿岸地域の東倉里地区から衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射を強行いたしました。発射された1発は複数に分離いたしまして、1つ目は、22時50分頃、朝鮮半島の西約350kmの東シナ海上の予告落下区域外に落下をいたしました。2つ目は、22時55分頃、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過いたしまして、22時57分頃、沖ノ鳥島の南西約1,200kmの太平洋上、我が国のEEZ外である予告落下区域内に落下をいたしました。これ以上の詳細については現在分析中でございますけども、現時点におきましては、地球周回軌道への衛星の投入は確認されておりません。これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含めまして、一連の北朝鮮の行動は、我が国地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものでございます。特に、今般北朝鮮が行った日本列島上空を通過する形での発射は、航空機や船舶はもとより、付近の住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為でございます。また、このような発射は、衛星打ち上げを目的としたものではあったとしても、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止としている、関連する国連安保理決議に違反するものでございまして、国民の安全にかかわる重大な問題でございます。我が国といたしましては、北朝鮮に対して厳重に抗議をいたしまして、最も強い表現で非難をいたしました。また、国民の生命・財産を守り抜くため、引き続きアメリカや韓国等の関係国とともに、緊密に連携いたしまして情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げるとともに、今後追加して公表すべき情報を入手した場合には、速やかに発表することとしています。

 

2 質疑応答

Q:ソウルの報道などではですね、通告期間より先に少し前に発射したのは気象条件などを考慮したためという報道もありますが、そういったあの通告期間よりも先に打ったことへの分析ですとか受け止めなどありましたらお願いいたします。

A:それはまさに、意図に関することでございますので、今それについては、分析中でございますし、確たることを今ここで言える状況ではございません。

Q:先ほど軌道等には確認されてないとおっしゃいましたけれども、今の時点で失敗したというふうに判断してるんでしょうか。

A:その失敗か成功かについても、今分析中でございます。それについては、確たることを今言える状況ではございません。

Q:衛星は軍事偵察衛星といも言われていますけども、成功した場合ですね、日本の安全保障環境にとってどのような影響があるというふうに分析されていますでしょうか。

A:これも、成功した場合ということで、仮定の問題ではありますけれども、仮に成功した場合はですね、やはり北朝鮮が核やミサイルの戦力の増強を継続している中でございますので、もし偵察衛星を保有するに至った場合はですね、このミサイル運用能力、更に向上するわけでございます。ですので、我が国と地域、国際社会の平和と安全を一層脅かす恐れがあると我々は認識しているとこでございます。

Q:北朝鮮の今回の発射なんですが、ロシアの技術が使われているという可能性についてはいかがでしょうか。

A: それについても正にこれは分析中でございます。すべてを分析した上でないと、なかなかそれについてはお答えすることはできないですね。

Q:否定も肯定もできない状況だと思ってもよろしいですか。 

A:すべて分析中でございます、そこについては。

Q:衛星自体は載っていたという理解でよろしいんでしょうか。そこも分析中なんでしょうか。

A:確かに1段目、2段目、それから3段目ということですけども、それが衛星かどうかも確認しなければなりません。それについては多少時間がかかることでございます。

Q:破壊措置命令に基づいてですね、沖縄にPAC-3配備されて、海上自衛隊のイージス艦等が展開していると思いますけども、そのあたりの今後の態勢については、今のところはどういったお考えでしょうか。

A:確かにイージス艦、それからPAC-3、必要な態勢をとらさしていただいておりますけども、破壊措置命令に基づくこれらの展開につきましてはですね、今後、各種の分析と評価を続ける中で適切に判断していきたいと思います。現時点において、いろいろ判断することはちょっと困難だと思います。

以上