防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年11月6日(月)15:18~15:28
場所
陸上自衛隊補給統制本部A庁舎玄関ロビー
備考
陸上自衛隊補給統制本部、海上自衛隊補給本部及び航空自衛隊補給本部視察後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、防衛大臣直轄の部隊である陸上自衛隊の補給統制本部、海上自衛隊の補給本部及び航空自衛隊補給本部を視察いたしました。これらの機関は、自衛隊の後方支援業務の中枢を担っています。私は、着任後、南西防衛の最前線である宮古島駐屯地や石垣駐屯地を皮切りに、様々な現場をこの目で視察を、これまでしてまいりました。こうした前線で活動する部隊を支えているのは、他ならぬ後方支援部隊であります。本日ここ十条地区を視察したのは、大臣として、後方支援の重要性を強く認識しているということに他ならないということになります。先ほど隊員への訓示でも申し上げましたけども、私の叔父が海上自衛官で、護衛艦のエンジンの整備をしていたということを、そういうエピソードを話しました。叔父の話を聞く中で、日々の着実な整備というものがあって初めて自衛隊は活躍できるのだというふうに日頃から感じていたところです。そして、今日、なお続くロシアによるウクライナ侵略を見ても、日本の防衛において、戦い続ける力、すなわち継戦能力の重要性というのは明らかになっているところであります。今日は陸海空と一連の視察では、この継戦能力を確保・維持するために、後方支援を担う一人一人の隊員たちが、弾薬類から被服まで多岐にわたる物品をきめ細かく管理をし、そして前線部隊と変わらぬような緊張感をもって任務に当たっている状況を確認することができたわけであります。私としても、このような隊員たちの姿をですね、目の当たりにして大変頼もしく感じたところであります。

 

2 質疑応答

Q:自衛隊の後方支援を担う十条地区を視察されましたが、大臣の御所感とですね、そして視察した結果を今後どう、厳しいと言われるですね、日本の安全保障にいかしていくお考えでしょうか。

A:後方支援の中枢であり、その装備品等の調達の実務を担っているこの十条地区であります。そこを視察し、それぞれ現場の若い隊員とも直接懇談をしました。陸海空それぞれですね。一人一人の隊員が、緊張感と誇りをもって任務に当たっているということをあらためて認識をしました。昨年末に策定された3文書では、有事においても戦い続けるために必要となる持続性・強靱性の強化がしっかりと書かれておりまして、これからの防衛力整備では、弾薬や燃料、そして装備品の可動数の向上、そういった分野にも、十分に予算を投入していくこととしています。同時に、南西地域における補給処支処の新編や、また、補給統制本部の改編など、持続性・強靱性の強化に必要な体制強化も同時に進めていきます。こうした分野の体制強化においてその中心的な役割を果たすというのが、この十条の地で働く隊員諸君でありまして、正にその職責は今まで以上に重要なものとなっていくわけであります。新たな3文書では、防衛力の抜本的強化の裏付けとして、43兆円というかつてない防衛費の規模が決定されたところですが、その防衛費の増額に伴って、調達を始めとして各種業務が、特にこの補給本部は業務量がですね、増加しているところであります。正に防衛力の抜本的強化は、こうした隊員諸君の平素からの活躍なくしては成り立ちませんので、先ほど、ここで働く自衛官、事務官、技官の諸君に対して、心を一つにして進めていくことを強く期待している旨を、激励したところです。有事において自衛隊が粘り強く活動できて、また、実効的な抑止力となるように防衛力の抜本的強化を1日も早く実現させていく所存であります。

Q:人口が減っている時代に募集するのは難しい様子になると思いますので、どのように対応しますか。

A:日本はもう既に人口が減少社会になってきております。そして、防衛省・自衛隊に限らずそれぞれの産業がですね、人手不足と言われてる中で、やはり人材の確保というのは重要な課題だろうと思っております。防衛省・自衛隊に対するその仕事に対する理解と同時にですね、処遇の改善であったり、あるいは、ハラスメントを一切許容しないという、そういう職場環境をつくるであるとか、そういったことを通じてですね、若い方たちにしっかりと働きかけていかないといけないというふうに思っております。

Q:陸海空自衛隊の補給に関連してお伺いします。防衛力整備計画には、火薬庫の確保に当たっては、各自衛隊の効率的な協同運用を追求、促進するとあります。火薬庫の協同運用というのは具体的にどういうことなのか教えてください。

A:国家防衛戦略であるとか、あるいは、防衛力整備計画においては、自衛隊が十分な継戦能力の確保・維持を図る必要があることから、必要十分な弾薬を早急に保有することとしているところです。このためですね、弾薬の取得量に見合う火薬庫の確保を進めることとしております。今後、取得していく弾薬を適切に管理するためには、陸海空の自衛隊が個別に火薬庫を増設していくことも重要ですが、それだけでなくて、他の自衛隊の施設内の火薬庫を活用してですね、各自衛隊のそれぞれの弾薬を柔軟に保管していくことが重要です。火薬庫の整備に当たっては、そういった観点を踏まえて、陸海空自衛隊の効率的な協同運用を進めていく所存です。

Q:イスラエルからの邦人輸送の関係なんですけれども、先週2度目の輸送を行われましたが、現時点での更なる輸送のニーズというのがどのような状況にあるのかということと、現地ヨルダンに駐機しているC-2輸送機ですとか、あとは帰国したKC-767輸送機の今後の運用、扱いについてお聞かせください。

A:防衛省・自衛隊は、その空自のですね、KC-767空中給油・輸送機によって、11月3日の金曜日の夜にですね、46名の邦人等を羽田空港まで無事に送り届けることができました。在留邦人に対する出国の意向調査であるとか、搭乗希望調査というのを政府として行っているわけですが、そういったことを踏まえれば、今回の自衛隊機の輸送によって、現時点でのイスラエルからの帰国を希望する邦人の退避を実施できたというふうに現時点では考えているところです。また、御質問にあった、これまでヨルダンに待機させていたC-2輸送機1機については、3日の夜にギリシャのアテネに移動させて、現在、C-2輸送機2機をヨルダンとアテネにおいてそれぞれ待機させているところです。今後、事態が、例えば、あってはなりませんけど急変をしてですね、イスラエルに滞在する邦人等を輸送する必要が更に生じた際にも対応できるように、当面はC-2輸送機による必要な待機態勢は維持をして、そして関係省庁とも緊密に連携しながら、引き続き、在留邦人等の安全の確保に全力を尽くしたいというふうに考えております。

下線部:大臣発言中、3日の夜に(誤)を3日午後に(正)に修正

以上