防衛大臣記者会見

日時
令和5年10月24日(火)09:55~10:13
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 11月の15日の水曜日から11月26日の日曜日までの間、我が国において、陸上自衛隊と英国の陸軍による実動訓練、ヴィジラント・アイルズ23を実施いたします。本年で4回目となる本訓練は、英陸軍から過去最大規模の約200名の参加を得て行われる予定となっております。本日、今月15日に発効した日英円滑化協定を、このヴィジラント・アイルズ23に初めて適用することを、日英間で決定をいたしました。日英両国は、アジア及び欧州における相互の最も緊密な安全保障上のパートナーであります。防衛省・自衛隊としては、自衛隊と英軍間の相互運用性を向上させ、日英防衛協力を深化させていく考えであります。

 

2 質疑応答

Q:22日、航空自衛隊は九州北西の空域において、アメリカ、韓国の空軍と3か国では初めてとなる共同訓練を実施しました。米軍のB-52戦略爆撃機の参加など、核・ミサイル開発を高度化させる北朝鮮への抑止力を高める狙いがあるとも言われていますが、今回の訓練の意義について改めてお聞かせください。

A:10月22日の日曜日に、航空自衛隊のF-2戦闘機は、米空軍のB-52爆撃機、F-16戦闘機等及び韓国空軍のF-15K戦闘機と編隊航法訓練を実施いたしました。これは、航空自衛隊と米韓空軍との間においては初となる3か国による共同訓練となります。本訓練の目的ですが、航空自衛隊の戦術技量の向上や米空軍及び韓国空軍との連携強化を目的として実施したものであり、地域の安全保障上の問題に対応するための3か国協力を力強く推進するものと考えています。私も、10月4日に日米防衛相会談において、DCにおいてオースティン長官と、引き続き日米韓の3か国で防衛協力を推進することを確認してきたところでありまして、防衛省・自衛隊として、今後も引き続き、日米韓3か国で一層緊密に連携していく所存であります。

Q:イスラエル・パレスチナ情勢に関する邦人輸送についてお伺いします。先日、KC-767でイスラエルから日本までの輸送行われましたけれども、改めてこのKC-767を現地に派遣する予定はあるでしょうか。また、併せて、今ジブチとヨルダンに待機中のC-2今後の予定についてもお願いします。

A:KC-767とC-2のこれからという御質問でありますが、航空自衛隊のKC-767空中給油・輸送機によって、21日土曜日の未明に、83名の邦人等を羽田空港まで無事に送り届けたところであります。今後のKC-767の運用につきましては、これは自衛隊の運用に関わることであり、お答えすることは現時点では困難であるということを御理解願います。その上で、現地の緊張度はですね、これ日々刻一刻と緊張度を増しているところでありまして、情勢は全く予断を許さない状況であるというふうに考えます。防衛省・自衛隊としては、今後、イスラエルに滞在する邦人等を輸送する必要が生じた際には、より迅速に対応できるよう、現在、C-2輸送機2機をヨルダンにて待機させています。いずれにせよ、防衛省・自衛隊としては、必要な待機態勢を維持し、引き続き、関係省庁とも緊密に連携しながら、在留邦人等の安全確保に全力を尽くしてまいります。

Q:関連して、ジブチからヨルダンに移動させたのはいつになるのでしょうか。

A:今ジブチの1機はヨルダンに移動させて、現在ヨルダンに2機待機ということになっております。

Q:移動させたのはいつになるのでしょうか。

A:これまでですね、ジブチで待機していたC-2輸送機なんですけども、今後、イスラエルに滞在する邦人等を輸送する必要が生じた際に、より迅速に対応できるようにヨルダンに移動させたわけですが、日本時間の本日ですね、ジブチに待機していたC-2輸送機はヨルダンに到着をしまして、計2機のC-2輸送機が、今ヨルダンにおいて必要な待機態勢を維持しているという状況になります。日本時間の本日です。これ今初めて申し上げたところです。

Q:米軍嘉手納基地への米軍の無人機MQ-9の配備について伺います。基本的な任務は情報収集だというふうに伺ってるんですけれども、米空軍は取材で質問されて、緊急時の武装の可能性について否定しませんでした。武装の可能性があるのであれば、その点も明確にして地元などに説明すべきと考えますが、大臣のお考えを教えてください。また、鹿屋航空基地への一時展開に当たって、防衛省が説明した資料では、情報収集用に仕様が変更されており、攻撃に使えないというふうにされていたと認識してるんですけども、米空軍は嘉手納基地への移駐に当たって、質問に対して、弾薬搭載可能であるというふうにしています。この説明の違いについて、理由がもし分かっていれば教えてください。

A:琉球新報さんは米軍に取材されたということですが、その取材の内容は存じ上げませんけども、一般論として、MQ-9というのは仕様によって武器を搭載できるものであるというふうに私は承知しておりますが、そういうことを前提でありますが、鹿屋航空基地への一時展開に際して展開される機体は、これは情報収集用の仕様であり、武器を搭載することはできない、と米側から説明を受けています。その上で、嘉手納飛行場への米空軍MQ-9の展開に際し、これらの機体の仕様変更が行われたとは承知しておらず、また米側からは、鹿屋への一時展開時と同様に、我が国周辺海域における情報収集、警戒監視及び偵察活動を行うことを目的として運用されるものであって、攻撃の目的で配備するものではないと説明を受けておりまして、現時点で武器を搭載する計画があるとは承知しておりません。いずれにしましても、防衛省としては、嘉手納飛行場に関する、いわゆる三連協と緊密に連携しながら、引き続き丁寧な説明や適切な情報提供を行うなど、真摯に対応していきたいと思っています。

Q:緊急時も含めて武装、攻撃機能を搭載して運用される予定は一切無いというふうに考えてよろしいでしょうか。

A:現時点では、そのような仕様の目的が変わったというような説明は受けておりません。

Q:武装はできないという状態で、鹿屋の時と変わらないということでよろしいですか。

A:鹿屋の一時展開時と同様にISR活動を行なうもの、これが目的として運用されるというふうに承知しております。

Q:目的というよりは、情報収集用の仕様で一切攻撃機能というのは使えない状態なのか、緊急時には可能性があるか、目的はISRというのは承知しているんですが、可能性があるのかないのかというところで、もしあるんであれば、説明をしておいたが良いでしょうし、ないのであれば米軍にもきちんと確約を取った上で、そういった旨を明言していただいた方がよろしいかなと思ってですね、どちらでしょうか。

A:MQ-9の性能上と言いますか、装備としての性能上、一般論として問われた場合には、米軍にどういう問い合わせをされたかは存じ上げませんが、一般論としてお聞きになった場合には、仕様によっては、武器を搭載できるものであるというふうにお答えに米軍はなったんではないかなと想像できますが、今回展開するものは鹿屋に対して説明をした際にも、米側からは、武器を搭載できるよう仕様を変更することには相当の時間を要するというふうに説明を受けているところでありまして、そういった意味で言うと、何かそういった仕様の変更等がある場合にはですね、我々もおそらくそういった情報が入手されることもあり得るかなと、そういうことは今時点では全く無いわけでありますが、そういう様々な前提の変更が今後あったならばですね、三連協とは緊密に連携しながら丁寧に説明していくということになるんだろうと思います。仮定のお話なのでお答えできませんが、何かそういう前提条件が変わった場合には、丁寧に説明するということに今後なっていくということになります。

Q:先日、陸上自衛隊のオスプレイが新石垣島空港に着陸して訓練を実施しました。さらに今日も本格的な訓練を行うという報道もあります。一方、沖縄県は知事も含めて自粛を要請しているかと思います。そのことに対するオスプレイの着陸についての大臣の認識と、今日の動きについての情報を改めて何かありましたらお願いいたします。

A:オスプレイの話でありますけども、繰り返し申し上げておりますが、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、我が国の領土・領海・領空を守り抜くために、日米が共同してこの島嶼防衛のための連携要領を演練をして日米同盟の抑止力・対処力の強化を図ること、このことは極めて重要だということはこれまでも説明してきているところであります。特に、島嶼部への隊員等の輸送のための重要な装備品であるオスプレイでありますが、日頃からの実地での訓練、演習することは事態の対処、または、国民保護、そして災害対処を含めた能力の向上のために不可欠であるというふうに考えます。そういった面で、今後、そういった地元の自治体に対して、その重要性を説明するとともに、安全面に十分に配慮しながら、住民の皆様方への影響が最小限にとどまるように努めて、今後も訓練を実施したいと、そしてこれまでもそうしてきたというふうに承知をしております。

Q:衆院の長崎4区の補欠選挙で自民党候補が当選したわけですが、大臣の自衛隊政治利用発言がどの程度影響を与えたというふうにお考えでしょうか。

A:私の一議員としての、党活動の一環として応援をした候補者が当選したという話ですが、申し訳ございません、まだ分析を精緻にできておりませんので、もちろん結果は存じ上げておりますが、どのような影響があったかというのはまだ分析ができてない、党からもそういった報告を受けていないということであります。

Q:この期に及んでまだ一議員としての政治活動とおっしゃいますか。防衛大臣としての発言じゃないから免責されるということを今おっしゃったんでしょうか。

A:今の私の発言がですか。

Q:要するに、冒頭に一議員としての政治活動とおっしゃいましたけど、防衛大臣としての政治活動じゃないんで、自衛隊の政治利用発言については問題がないということでしょうか。

A:御質問が今変わられたと思いますけども。

Q:いや、変わっていません。

A:分析はできておりませんというお答えをいたしました。

Q:では、どの程度大臣の自衛隊政治利用発言が選挙結果に影響を与えたというふうにお考えでしょうか。

A:それは分析ができておりません。

Q:与えたと思いますか、与えてないと思いますか。

A:それは、一議員として応援に入ったわけですから、私どもにとって良い影響が出るように応援に入ったわけですから、それは良い影響が出てればいいなというふうに思っております。

Q:大臣の自衛隊の政治利用発言が良い影響を与えたというふうにお考えでしょうか。

A:まず、政治利用発言というふうに断定されるのはいかがなものかと思います。

Q:じゃあ何でしょうか、何が問題で撤回したんですか。

A:繰り返しになりますけども。

Q:笑っている場合じゃないと思うんですけど、それ余裕の笑いですか。

A:いえ、笑ってはおりません。

Q:今笑顔見せられましたよね。

A:そう見えたのであれば分かりませんが、私は笑っているつもりはありません。

Q:結果に影響を与えたというのは、どのように責任をお取りになりますか。

A:影響を与えたかどうかというのは分析ができておりません。

Q:与えない、ゼロということはありえませんよね、論理的に言って。

A:どちらともあると思います。そういう大きく取り上げられたことによって、良い影響だったのか悪い影響だったのかということはあると思います。

Q:プラスにしろマイナスにしろ影響を与えたということはお認めになるわけですね。

A:分かりません。まだ分析をしておりませんので。

Q:影響はゼロということはあり得ないんじゃないですか。影響がゼロだったら応援演説なんか誰も入んないんじゃないですか。

A:ただし、大きく報道されるということを想定しておりませんでしたので、応援に入った時点ではもちろんそれはプラスの影響だと思って入っているわけですが、結果としてどうなったのかというのは分からないと。

Q:結果責任はどうお取りになりますか。

A:何の結果責任でしょうか。

Q:影響を与えたことに対する。

A:結果責任ですか。

Q:結果に対して影響を与えたら、結果について責任を取らなきゃいけないと思いますがいかがでしょうか。

A:必ずしも結果に対しての責任を取るというふうには考えておりません。

Q:選挙戦に影響を与えたのは間違いないわけじゃないですか。

A:質問の御趣旨がよくわからないんですが。

Q:影響を与えたかどうかというのは認めないんですか、影響も与えてないんですか。

A:どのような影響を与えたかというのは、まだ精緻な分析が分かりませんので、まだ時間がありませんでしたので、申し訳ありません。

Q:プラスにしろマイナスにしろ影響を与えたということは認められるわけですね。

A:影響があったかどうかというのは、まだ党の分析を待たねば分からないというふうに申し上げております。

Q:影響があった場合にどういう責任を取られますか。

A:仮定の質問にはお答えはできません。

Q:仮定じゃないですよ、影響を与えてるに決まってるじゃないですか。プラスにしろマイナスにしろ、選挙に影響を与えるために選挙の応援演説に入られたわけですよね。そこで自衛隊の政治利用発言が出たわけですから、それが影響を与えないなんてことは、論理的にあり得ないと思いますが。

A:自衛隊の政治利用発言とは思っておりませんので、御質問の前提がちょっと分かりませんので。

Q:政治利用発言じゃなきゃなぜ撤回したんですか、発言を。

A:誤解を招くとすれば、それは私の本意ではないということで撤回をしたというふうに繰り返し申し上げている。

Q:御自分が正しい発言をしたけれども、有権者に理解力が無い人がいるんで誤解をすると困るからということですね。

A:前回と同じ御質問をされているので、同じ答えになるんですけども。

Q:前回もはっきりした答えがいただけなかったんで、今回も繰り返し質問させていただいています。

A:有権者、聞いている方の理解力が足りないというふうには思っておりません。そういう答えになります。

以上