防衛大臣記者会見

日時
令和5年10月20日(金)11:14~11:29
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 現下のイスラエル・パレスチナ情勢を受けて、これまでヨルダン及びジブチにて自衛隊機を待機させていたところですが、外務大臣からの依頼があって、在外邦人等の輸送の実施を18日に命じたところであります。本日、KC-767空中給油・輸送機はヨルダンからイスラエルに移動し、83名の邦人等を乗せたのち、現在、経由地であるヨルダンを経て、本邦に向けて移動中であります。この他の自衛隊機、C-2輸送機2機は、今後の任務に備えてヨルダン及びジブチにて待機中です。防衛省・自衛隊としては、関係省庁と緊密に連携しつつ、現地邦人の安全の確保のため、引き続き全力を挙げてまいります。

2 質疑応答

Q:イスラエル・パレスチナ情勢に関連して、自衛隊の在外邦人輸送に関する活動について、最新の状況と今後の活動予定について、予定があれば教えてください。

A:最新の状況ということですが、現下のイスラエル・パレスチナ情勢を受けて、これまでヨルダン及びジブチに自衛隊機を待機させていたところですが、申し上げたとおり外務大臣からの依頼があって、在外邦人等の輸送の実施を18日水曜日に命じたところです。本日未明でありますが、KC-767空中給油・輸送機はヨルダンからイスラエルに移動し、83名の邦人等を乗せたのちに、現在、経由地であるヨルダンを経て、羽田空港に向けて移動中です。到着は、21日土曜日の未明を予定しております。邦人等の内訳ですが、邦人60名及び外国籍の御家族4名、韓国人18名及び韓国籍の御家族1名の計83名となっております。また、この他の自衛隊機、C-2輸送機2機は、今後の任務に備えてヨルダン及びジブチにて待機中であります。防衛省・自衛隊としては、関係省庁とも緊密に連携しながら、邦人等の方々を本邦へ確実に送り届けるとともに、引き続き、必要な待機態勢を維持し、在留邦人等の安全の確保に、全力を尽くしてまいります。

Q:元自衛官の五ノ井里奈さんをですね、インターネット上で中傷したとして、現役の自衛官が侮辱罪で略式起訴されました。取材で確認しております。ハラスメントを一切許容しない組織づくりの難しさがですね、改めて浮き彫りになったと思うのですが、大臣の御所感をお伺いしたいと思います。併せて、どのようなハラスメント対策が具体的に必要になっていると思われるのかもお尋ねしたいと思います。

A:御指摘の件につきましては、陸上自衛隊の施設学校所属の幹部自衛官、41歳の男性ですが、その自衛官が、元陸上自衛官の五ノ井里奈氏をインターネット上で中傷したとして、10月13日金曜日に、侮辱罪で略式起訴されたというふうに承知をしております。幹部自衛官がこのような行為をしたことは、国民の皆様の信頼を著しく損ねるものであり、誠に遺憾であります。本件につきましては、現在、陸上自衛隊において事実関係を調査中であり、判明した事実に基づき厳正に対処いたします。ハラスメントを一切許容しない組織環境は、防衛力の中核である自衛隊員の能力を発揮するための基盤強化のために、必ず構築しなければならないものであります。防衛省・自衛隊としては、有識者会議の提言も踏まえた検討を加速しているところであり、各種施策について、迅速に実行してまいる所存です。

Q:総額43兆円程度とする防衛力整備計画についてお伺いします。円安・物価高などが仮にこの水準で推移した場合、本紙の試算で8千億円以上超過するおそれがあることが分かりました。防衛省としての見解をお願いします。併せて、本紙が試算できたのは一部の主要装備品で調達数量など公開されていないミサイル、弾薬、自衛隊施設の強靭化などの分野でも、計画額より超過するおそれがあると見込まれますが、今後、防衛省として実態や超過見込みについて調査する考えがあるかお願いします。

A:防衛力整備計画の43兆円という規模は、防衛力の抜本的強化が達成でき、防衛省・自衛隊として役割をしっかり果たすことができる水準としてお示ししたものであり、閣議決定をされた金額であります。したがって、この定められた金額の範囲内において、必要な防衛力の強化を着実に行っていくことが防衛省の役割であるというふうに考えております。そういったことを前提に、昨年来の円安を伴う為替レートの変動や国内外の全般的な物価上昇は継続をしていますが、このような厳しい状況においても、防衛力整備の一層の効率化・合理化を徹底するとともに、経費の精査や、まとめ買い、長期契約のスケールメリットを活かした価格低減策の取組を行いつつ、閣議決定された防衛力整備計画等に基づいて、防衛力の抜本的強化を達成すべく努力をしてまいります。この時点ではそういうことを申し上げるということでございます。

Q:確認ですが、今後、防衛省として実態とか超過見込みについて調査する考えはないということでよろしいでしょうか。

A:年末の予算編成に向けた過程の中で、各装備品等の単価を含めて、一層の精査を行っていくことは当然でありまして、昨年もそのようにいたしました。そして、5年の計画の中の令和6年度とは2年目になるということでもあります。これからまだ、3年、4年、5年目という、その5年間の総額が43兆円ということにもなります。毎年毎年こういった努力を積み重ねることによって、防衛力の抜本的強化を達成してく考えであります。

Q:先日撤回された佐世保市での発言の関連で何点かだけお伺いいたします。そもそも行われました相浦、佐世保への視察ですけれども、このタイミングでこの日程でこの場所に行くということは、どなたが、どの時点でお決めになったんでしょうか。

A:前回も申し上げたと思いますけれども、この最初の視察地が私は、健軍駐屯地、西部方面総監部、そして翌日に宮古島、そして石垣島というふうに正しく最も厳しい安全保障環境の中でも、とりわけ南西地域の視察を優先させていただいたわけであります。そして、その南西地域に展開する部隊、正しく相浦駐屯地に所属する水陸機動団であり、また、海上自衛隊で言うと、この佐世保地方総監部に所属する様々な艦艇ということにもなります。あるいは、水陸機動団とこの海上自衛隊が統合運用の基にですね、南西地域に展開するということになります。そういった点で一日も早く、この佐世保市には行かないといけないと、これ私自身の判断であり、速やかにその行動に移したということになります。私自身の判断、着任早々、着任直後から、佐世保に速やかに行くということを決めていたということになります。

Q:その関連なんですけども、その日程と同時にですね、特定候補の応援演説をするということは、どなたが決められたんでしょうか。

A:私の一議員としての党活動の一環として、補欠選挙が行われているということで、あくまでも衆議院議員としての活動として、私自身がもちろん決めたものであります。もちろんその党活動の一環ですから、そういったことについては、自由民主党の公認候補者ですから、党の方とも相談をしながら日程等は決まったものであります。

Q:一個人の、一議員としての活動ということですけれども、佐世保というですね、自衛隊員またその家族、また、関連企業の関係者など、自衛隊に関わる有権者が非常に多い街でですね、現職の、予算・人事に影響力ある大臣がですね、特定候補への投票を呼び掛けるというのは、やはり有権者の自由な投票意思の妨げになる、もしくは、そのような誤解を招きかねない行動かと思うんですが、その点の御見解を伺えますか。

A:特定の候補者に投票を呼び掛けるというようなことはしておりません。それは、議事録等が出ておるとすればそれを見ていただけると、御理解いただけるものと思っております。しかし、誤解を生じる恐れがあるということで、前回指定しましたその部分については、撤回をさせていただいたところであります。

Q:今ちょっと御発言で、特定の候補を応援してらっしゃらないと言いましたけども、大臣が行かれたのは、衆議院長崎4区補欠選挙の自民党候補の集会で演説をしている、なんでそれ特定候補の応援してないんですか。

A:ちょっと言葉足らずでありましたけども、自衛隊員に対して特定の候補を応援するようにお願いしたという趣旨ではありません。

Q:そこには自衛隊員もいるかもしれないし、報道を見て、聞いたり見たりする自衛隊員も当然いる可能性があるわけですから、それは言い訳じゃないですか。

A:私自身、その会場というものがある施設の中で、限られた人数の中のその候補者の支援する方々に向かってお話をさせていただいたということであります。

Q:それあくまで一般有権者ですからどういう人がいるかどうかっていうのはわからないわけですね。その中に自衛隊員だとか自衛隊員の家族がいる可能性もあるわけですし、その報道を見て、大臣の発言を見たり聞いたりして、自衛隊員に影響が及んだ可能性もあるわけですね。違いますか。

A:街頭演説などで不特定多数の方に申し上げた演説ではなくて、個人演説会という形で、その限られた会場の中の皆様に向かってお話をしたということであります。

Q:別の質問します。大臣が就任以降、政務ではなくて公務の重要な事務報告の時に、政務秘書官の篠田さんが同席されるようになったと、それについてセキュリティクリアランス上、問題はないか教えてください。

A:すいません。もう一度、最初の方、聞こえなかったので。

Q:防衛省の公務の重要な大臣への報告の際に、今までは例がなかった政務秘書官が同席するようになったと、それについて問題はないかどうか教えてください。

A:私の秘書官、何人かいる中で防衛省の職員ではなかった篠田の話でしょうか。

Q:そうです。

A:その点については、これ必要な手続きがちゃんと防衛省内で決まっておりまして、そのプロセスを経て、政務秘書官ということになっておりますので、省内の手続き上は問題がないというふうに承知しております。

Q:歴代の大臣は政務秘書官をそういった場に同席させてきませんでしたが、それについてなぜ、大臣になられて、木原さんになられてそういった措置を採るようになったのでしょうか。

A:歴代の大臣がどのようなことをやってきたかというのは承知しておりませんが、私の立場として、省内のルールに基づいて所要の手続きを取って同席をできるということでございましたから、そのような措置をしていると。

Q:クリアランス上、問題はないんでしょうか。

A:法律上、あるいは様々な規定上、問題はないというふうに承知しております。

Q:各社報道がありましたけども、篠田さんはかつて防衛のコンサルタント会社の代表取締役をやられてその後辞任したということですが、そういった方が、公務上の重要な大臣報告の席に同席されるっていうことに問題はないと思いますか。

A:それぞれ、過去にどういう職業をしていたかというのはそれぞれあると思いますが、現時点においてはその民間の企業の職は辞しており、そして、党内の所要の手続きを経てですね、現在のそういったポジションであるということですので、そこは問題がないというふうに思います。

Q:防衛省の背広組、制服組の方々の中から、公務の大臣報告の席に政務秘書官が同席するのには非常に問題があるという声が結構出てますが、それについて大臣のお考えを教えてください。

A:そのような声が上がっているということは初めて伺いましたけども、そういったことを、今記者さんからの発言をお聞きしまして、そこはそういう考えがあるのだなということは考えたいというふうに思います。

下線部:大臣発言中、韓国籍(誤)を外国籍(正)に修正

以上