防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年10月19日(木)18:55~19:02
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日豪防衛相会談及び日ウクライナ防衛相テレビ会談実施後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 〇 本日、15時20分から約50分間、オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防大臣との間で日豪防衛相会談を実施いたしました。マールズ大臣とは初めてお会いしましたが、非常に率直な意見交換を行い、日豪防衛協力の方向性をしっかり確認できたというふうに私自身感じております。私からは、日豪間では防衛協力があらゆる分野に拡大してること、次の目標として、緊急事態においてもしっかりと連携ができるように、防衛協力の実効性を高めていきたい旨を述べました。その上で、マールズ大臣との間では、両国の同盟国である米国を含めた3か国協力が重要であること、日豪防衛協力の実効性を高める上で、運用協力・共同訓練の深化及び相互運用性の向上が重要であるとの認識で一致をいたしました。この点から、本年8月に日豪RAAが発効し、日豪両国のF-35A戦闘機が日豪それぞれに展開した訓練に適用されたことなどをはじめ、日豪間・日米豪間で各種運用協力・共同訓練が進展していることを確認いたしました。更に、本年11月末から日米で行う指揮所演習ヤマサクラに加えて、来年の2月になりますが、日米で行う指揮所演習のキーン・エッジにオーストラリア軍が初めて参加しますが、これは、日米豪3か国間で指揮統制の連携を強化する上で、非常に重要なものであります。また、本日、オーストラリアの国防省が三菱電機オーストラリアとの間でのレーザー技術を活用した共同開発事業の契約締結を公表しましたけども、本件は、日豪間で初めての共同開発案件であり、両国の防衛装備・技術協力にとって象徴的な事例である旨、マールズ大臣との間で一致したところであります。日豪間では、日米同盟に次ぐ緊密な協力関係を構築しておりまして、私としましても、引き続きマールズ大臣との個人的な関係を深めつつ、日豪防衛協力の深化に共に取り組みたいと思っています。

 〇 先ほどですが、18時から約35分間、ウクライナのウメロフ国防大臣との間で、テレビ会談を実施いたしました。会談では、ウメロフ国防大臣から、私の就任を祝っていただくとともに、防衛省・自衛隊によるウクライナへの装備品等の提供について、改めて深い謝意が述べられました。私からは、ロシアによるウクライナ侵略は、国際社会が長期にわたる懸命な努力と、多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがすものであり、このような行為は断じて認められず、我が国としても、国際社会と結束し、断固たる決意で対応している旨を改めて述べました。また、防衛省・自衛隊として、自衛隊装備品等の提供のほか、ウクライナ負傷兵の受入れ等、引き続き可能な限りの支援を行っていく旨を伝達いたしました。今回のロシアによる侵略は、ウクライナの主権及び領土一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法と国連憲章の深刻な違反であり、このような力による一方的な現状変更は、決して認められない行為であります。防衛省・自衛隊としては、今後もウクライナと緊密に意思疎通をとりつつ、国際社会と連携しながら、同国を可能な限り支援していく考えであります。

 

2 質疑応答

Q:冒頭、発言の中で、オーストラリアとの防衛相会談の中で、両国の間で初めてとなる共同開発事業の発表がありました。自衛隊とオーストラリア軍との間での共同訓練の実施など運用協力が進む中、改めて、装備品分野においても両国が協力を進める必要性や意義についてお聞かせください。

A:この契約は、日本企業が有する電子・光学システム技術、レーザー技術ですね、それを活用して、オーストラリア軍の装備品の警戒能力や残存性を高めるために行う共同開発事業であると承知してます。その上で、今般の日本の防衛関連企業とオーストラリア国防省との間で契約に至った共同開発事業は、日豪間で初めての共同開発案件として、両国の防衛装備・技術協力にとって象徴的な事例であり、更なる協力の深化に資するものであるというふうに思います。防衛省としては、今後とも企業と連携しつつ、官民一体となった装備移転を推進していきたいと思っております。

Q:ウクライナ情勢について話をされたということなんですけども、具体的に情勢等どういうお話をされたんでしょうか。

A:ウクライナ情勢については、私からはロシアによるウクライナ侵略が開始されてから既に1年半以上が経過したことにまず触れまして、このような暴挙は、国際社会が長期にわたる懸命な努力と、多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を揺るがすものであるということと、我が国としても、国際社会と結束し、断固たる決意で対応していくというのを、改めて述べたところであります。

以上