防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年10月13日(金)16:01~16:09
場所
海上自衛隊横須賀地区逸見岸壁
備考
海上自衛隊部隊の初度視察後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、防衛大臣としての海上自衛隊部隊の初度視察として、海上作戦センター及び護衛艦「いずも」を視察いたしました。ここ横須賀は、自衛艦隊司令部を始めとする海上自衛隊の多くの司令部が集まる我が国防衛の中枢であります。ここで任務に当たっている隊員は、我が国周辺海域における平素からの警戒監視のほか、弾道ミサイル防衛の最前線を担うイージス艦の展開、そしてソマリア沖・アデン湾での海賊対処行動、中東における情報収集活動など、海上自衛隊の様々な任務で中心的な役割を果たしています。また、護衛艦「いずも」ですが、先月まで実施していたインド太平洋方面への長期派遣などを通じて、地域の平和と安定にも寄与しています。本日の視察では、海上自衛隊の隊員が、世界の様々な海域において、日本のため、そして地域のため、そして国際社会のためにも、日夜を問わず、緊張感をもってそれぞれの任務に当たっている状況を、改めてこの目で確認をいたしました。訓示でも言いましたけども、日々額に汗し、厳しい任務に当たっている隊員たちを改めて誇りに思うとともに、そして隊員にですね、敬意を表したいとそういうふうに思っています。

 

2 質疑応答

Q:重複になるかもしれないんですけれども、実際にですね、後ろにある護衛艦「いずも」などですね、視察したその感想とですね、あと、中国の軍事力強大や北朝鮮の弾道ミサイルなどですね、日本のその厳しい安全保障環境の中で、後ろにあるですね、「いずも」をどのように活用していくお考えでしょうか。お願いします。

A:まず、感想ということでしたけれども、海上自衛隊の多くの司令部が集まる横須賀のこの地において、常にそれぞれの部隊が緊張を強いられながらも、国の安全を守るという崇高かつ厳しい任務に日夜、24時間365日態勢で従事している隊員の姿を直接確認することができたことは、今日ここに来て大変有意義だったと思っております。また、本日視察した司令部や護衛艦において、様々な世代のですね、隊員たちがひたむきにそれぞれの任務に取り組んでいる姿を目の当たりにし、防衛力の中核はまさに一人一人の隊員たちであることを、改めて認識をいたしました。厳しい現場で働く隊員たちが働きやすい環境を作ること、そして、これからの国防を担う優秀な人材を確保すること、これは極めて重要な課題であり、私として、しっかりと取り組んでいきたいと改めて思いました。こうした観点から言えば、艦艇の乗員が長期間の行動時にも家族と連絡を取れるように、艦艇の通信環境を改善するなど、必要な取組を更に進めていきたいというふうに考えています。以上が感想になります。2番目は、「いずも」の活用ということでありましたけど、ただいま視察を終えたばかりですが、周辺国の特に航空戦力の近代化に伴って、軍用機や空母の活動が拡大・活発化しているそういう現実であります。広大な空域を有する一方で飛行場が少ない太平洋側を始めとする我が国の防空態勢を強化することが必要だというふうに改めて思いました。こうした認識の下、「いずも」型護衛艦にF-35Bの運用機能を付与するための改修を、今進めているところであります。改修後の「いずも」型護衛艦の具体的な運用要領については現在検討中でありますけども、今後はこうした「いずも」型護衛艦を中核として、この広大な空域を有する太平洋側においても我が国の隙のない防空態勢というものをしっかりと築いて、防衛省・自衛隊に対する国民の高い期待と信頼に応えたいと思います。

Q:今日大臣は海上作戦センターを視察されましたが、防衛出動がかかった場合に、海上作戦センターはどういう役割を果たすのか教えて下さい。

A:海上作戦センターを視察をしました。自衛艦隊司令部、あるいは護衛艦隊司令部、潜水艦隊司令部、そういった司令部を始めとしてですね、海上自衛隊の各司令部が集約されているところであります。ここでは、海上自衛隊のあらゆる活動状況を一元的に、即時かつ広範に把握するとともに、的確な部隊行動を指揮するという極めて重要な役割を担っておりまして、海上自衛隊の運用のまさに中枢となっています。反撃能力の行使を含めて、防衛出動時の自衛隊の行動の態様の詳細については、これは具体的な運用に係るものであるから、お答えはこの場では差し控えますけども、この海上作戦センターが海上自衛隊の運用の中枢としての機能を発揮することによって、あらゆる事態に対して迅速かつ的確な対応ができるものというふうに考えています。

Q:話題変わるんですけども、今日の視察とは関係ないんですけど、イスラエル・パレスチナ情勢についてなんですが、政府は、イスラエルにいる日本人の国外退避にチャーター機の手配に加えて、周辺国で自衛隊の拠点があるジブチに自衛隊機を派遣することも検討しているという報道があります。防衛省・自衛隊として、どのように取り組まれていくのか、教えて下さい。

A:今日の視察とは直接関係ないところですが、政府としては、引き続き、その現地の情勢を注視しつつですね、今おっしゃったチャーター機の手配を含めて、緊張感を持って、まずは邦人の安全確保に万全を期しているところであります。防衛省・自衛隊としましては、外務省を始めとする関係省庁と緊密に連携を取りつつ、情勢の推移に応じながら、適切に対応してまいるところです。

以上