防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年10月10日(火)17:17~17:25
場所
航空自衛隊横田基地司令部庁舎基地会議室
備考
航空自衛隊横田基地視察後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、防衛大臣としての航空自衛隊部隊の初度視察として、「航空総隊司令部」を視察をいたしました。現代においては、我が国では、空からの脅威への対応は極めて重要であります。弾道ミサイル、巡航ミサイル、有人・無人の航空機のほか、極超音速ミサイルの出現などによって、我が国への空からの脅威は、多様化、複雑化、高度化しております。このような脅威の変化に対応すべく、昨年策定した国家防衛戦略等では、統合防空ミサイル防衛能力等を強化することとしたところですが、本日視察した航空総隊司令部は、日々のスクランブルなどを通じて、日本の空を日夜守っている全国の戦闘機部隊等を指揮していることに加え、弾道ミサイル防衛における統合任務部隊の指揮もその任務としておりまして、我が国防衛において極めて重要な役割を担っている組織であります。本日の視察を通じまして、航空自衛隊のいわば中枢を担う部隊の隊員たちが、常に緊張感を強いられながらも、国の安全を守るという崇高な任務に、士気高く、そしてひたむきに取り組んでいる姿を直接、この目で確認できたことは、大変意義のあるものであり、私としても、このような隊員たちの姿を大変誇りに思ったところであります。

2 質疑応答

Q:BMD対応の中枢ともなるこの航空総隊司令部を初めて視察された受け止めをお願いいたします。

A:先ほど申し上げたとおり、我が国の防空の中枢でありますので、その航空総隊司令部をこの目で視察する中で、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、やはり隊員たちの皆さんですね、今日は本当に緊張感を持って日々の業務に国の安全を守るという、そういう崇高かつ厳しい任務にですね、ひたむきに取り組んでいる隊員諸官の姿を確認ができたということは大変良かったなと思ってます。また、私自身、先日は、米国を訪ね、オースティン国防長官と日米同盟の重要性について確認したばかりでありますけども、正にここ横田でですね、日米の隊員が日頃顔を合わせながら、緊密に連携して任務に当たっている姿、これもまた今日も拝見することができ、日米の絆をですね、改めてここ横田でも確かめることができました。そういった意味でも、大変意義のある視察だったと考えております。我が国領空を断固として守り抜くために、航空自衛隊が果たす役割は大変重くなってると訓示でも申し上げました。複雑化・高度化する空からの脅威に対処するに当たっては、宇宙領域を活用した情報収集、通信、測位などの機能の更なる向上を図っていくことが極めて重要であります。こうした点も踏まえまして、航空宇宙自衛隊へ改称し、名実ともに充分な宇宙作戦能力を備えた自衛隊を作ってまいりたいと思っております。

Q:訓示の中でも大臣言及されておられましたけれども、日米間の連携の在り方について改めて御質問したいと思います。大臣先般のオースティン国防長官との会談の中でも、常設統合司令部設置を受けた日米間の連携要領の在り方に関する協議等々ですね、日米間の更なる防衛強化に向けてお互い議論されたということですけども、今後の日米間の防衛協力、また、その中でこの横田が果たすべき役割について大臣の御所見をお伺いできればと思います。

A:正にここ横田はですね、航空自衛隊と米空軍が所在をし、日々緊密に連携している正に現場であります。日米の連携の重要性をですね、私も今日は肌身で感じたところであります。ちょうど先週の訪米、今週は横田ということでですね、間を置かずにこういう現場視察ができたということは大変良かったと思ってます。常設の統合司令部ということですけども、もう発表しているとおり、令和6年度に市ヶ谷に創設することとして現在検討を進めているところでありますが、先週実施された日米のオースティン長官との会談でもですね、この常設統合司令部の設置を前提としてですね、今後の日米間の連携要領の在り方について、議論をしていこうということで確認できたところであります。現時点で今後の議論の内容についてですね、予断をもってお答えすることは差し控えますが、新たな体制において日米間の連携をいかに強化できるか、これからしっかりと議論を進めたいということを改めて今日は思った次第です。

Q:航空自衛隊は近年宇宙領域での活動に力を入れているかと思いますけども、先ほど大臣少し言及ありましたけれども、改めて宇宙領域の重要性とですね、今後、どういった活動に特に力を入れて行きたいか、大臣の考えをお願いします。

A:宇宙空間の安定的な利用という観点から、宇宙空間の利用を確保するということは、国民生活と防衛と双方にとって、死活的な問題、重要なものだと考えております。極超音速兵器などは、複雑化・高度化する空からの脅威といっていいと思っておりまして、そういった脅威に対処するに当たっても、宇宙領域を活用した情報収集、通信、測位等の機能の更なる向上を図っていくこと、これは必要不可欠であろうと考えております。そのために、国家防衛戦略等にも書いておりますけども、米国との連携等を強化しつつ、目標の探知・追尾能力の獲得を目的とした衛星コンステレーションの構築、それから、極超音速滑空兵器の探知・追尾等の対処能力の向上に向けた技術実証、また、デブリや不審な衛星の動向等を把握するための宇宙領域把握、これSDAと言いますけどね、の能力の強化、こういったものに注力したいというふうに考えております。

以上