防衛大臣記者会見

日時
令和5年9月26日(火)10:55~11:09
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 なし。

 

2 質疑応答

Q:大臣は昨日、アメリカ宇宙軍制服組トップのサルツマン作戦部長と会談されました。中国、ロシアが宇宙領域に注力しているとされる中で、日本は遅れをとっているとの指摘があります。日本が置かれている現状をどう評価されますでしょうか。宇宙領域で優位性を確保することの必要性、重要性と併せてお聞かせください。

A:御指摘のとおり、昨日、米軍宇宙軍のサルツマン作戦部長とですね、懇談をいたしました。宇宙領域における能力は、防衛力を発揮するに当たっての基盤であるとともに、国民生活にとってもこれは死活的に重要となってきています。そのために、我が国周辺国を含む各国はですね、この宇宙領域における能力の強化に、もう注力をし始めているところであります。ロシアによるウクライナ侵略の例、あれを見ましてもですね、我が国としては、宇宙領域を活用した情報収集、そして通信、測量等の機能の向上により、領域横断作戦能力を強化するなど、宇宙領域における優位性を確保していくことが極めて重要であり、引き続き、その各種能力の強化に取り組んでいく所存であります。

Q:日本が置かれている現状については、どのように評価されていますでしょうか。

A:3文書の中で、しっかりと書かせていただいておりますので、米軍については、宇宙軍というですね、一つの軍が作るほど、非常に積極的にやっているということであります。日本においてもですね、3文書に基づいて、そしてしっかりと計画を立てて、より宇宙領域における能力の強化が円滑に進むようにこれから進めていく所存です。

Q:ウクライナ負傷兵の受け入れについて伺います。ウクライナの負傷兵の第2陣の受け入れに向けて調整していたと思いますが、調整状況を教えてください。

A:防衛省・自衛隊においては、ウクライナからの要請に基づいて、9月21日の木曜日に第2回目の受け入れとしてウクライナ負傷兵2名を自衛隊中央病院に受け入れました。2名の負傷兵のうち、一人はですね、右足の膝下の切断、もう一人は左足の膝上の切断になります。防衛省・自衛隊は、今後も国際社会と緊密に連携しながら、ウクライナをできる限り支援していきたいと思っております。

Q:第1陣を受け入れた際に、第2陣の受け入れは、課題等の整理をして今後の方針を定めたいと、防衛省としてしていたと思うんですけど、今回どういう判断で受け入れたのか、また、受け入れの意義とですね、今後の方針についても重ねて教えてください。

A:御指摘のとおり、第1陣を受け入れた際、浜田前防衛大臣、課題等を整理してということを防衛省として発言をしているところですが、今回の負傷兵の受け入れは、国際法違反の侵略を受けているウクライナからの要請ということであることに鑑みまして、費用について原則日本側が負担する形で実施しているものであります。また、当初いろいろ問題提起などもありましてですね、憲法との関係なんかもありましたが、憲法との関係においては、戦闘が行われているウクライナからこの日本は、非常に遠く離れているということでですね、その遠く離れた我が国で治療を実施するものであるということから、およそ憲法上の問題が生じることはないというふうに考えているところです。また、今回、第1回目の受け入れにおいては特段問題なく治療できたことから、今回の第2回目の受け入れについても同様に実施することとしたものであり、何をもっても人道的な観点からですね、受け入れというのは意義があるものというふうに考えております。今後もですね、ウクライナ負傷兵の受け入れについては、できる限りの支援を行っていきたいなと考えております。

Q:日英伊3か国の次期戦闘機開発についてお伺いします。3か国による共同開発機関が来年秋にイギリスを本部に発足し、トップに日本人が就任する方向で最終調整に入ったとの一部報道があります。事実関係、調整状況をお伺いします。

A:次期戦闘機の共同開発のために、2024年度ですから、令和6年度中を目途にですね、国際約束に基づく国際機関と、これに対応する企業体による開発体制を構築する方向で検討を行っておりますが、まだその所在地であるとか、人事であるとか、そういったことを含めてこれ以上の詳細については、現在、これは3か国でですね、検討中でありまして、これは相手のあることですから、相手といいますか、3か国でやっていることですから、現時点で具体的に今、お話しすることはないと同時に具体的に何ら決まったものはないというふうに申し上げておきます。引き続き、この日英伊3か国で緊密に連携しながら、次期戦闘機の共同開発を着実に、円滑に進めていきたいと思っております。

Q:冒頭の質問があった宇宙軍のサルツマン作戦部長との会談の関係なんですけれども、会談の中で、米側が検討する在日米宇宙軍の設置についてやり取りがあったかということと、現在の検討状況について教えてください。加えて、米国の宇宙領域における日本防衛の関与の強化の意義についても教えてください。

A:「在日宇宙軍」ということを報道で知りましたけども、昨日のサルツマン作戦部長との表敬訪問においてはですね、そういった「在日米宇宙軍」の設置についてはですね、そのようなやり取りはありませんでした。現時点で具体的に決まっているものではないというふうに承知しております。いずれにしてもですね、日米共同による、宇宙・サイバー・電磁波を含む領域横断作戦を円滑に実施するための協力を一層深化させることは重要なので、サルツマン作戦部長とも宇宙領域における日米間の協力を加速していくこと、これは昨日確認しましたので、引き続き米側と議論を重ねてまいりたいというふうに思っております。

Q:米軍基地内に残されているPCB廃棄物について、沖縄や九州地域の高濃度PCB廃棄物を処理するJESCOの北九州処理事業所は、今年度末での処理を終えるため、今年12月末までの受付としています。年内に全てのPCB機器を見つけて、JESCOに依頼するか、米軍に本国へ持ち帰ってもらうしかないと思いますが、年内にその検討、対応は終えられる見通しでしょうか。年内に間に合わない場合は、どのように対応される方針なのか教えてください。

A:PCB廃棄物に関する御質問ですが、現状はですね、在日米軍施設・区域内で使用又は保管されているPCB含有物の現況について、環境省などの関係省庁と連携して米側と協議を行い、その把握に努めているということであります。米側とのやりとりの詳細についてはですね、今後の米側との調整に支障を生ずるおそれがあるために、現時点ではお答えできないことを御理解いただきたいと思いますが、御指摘のとおり本年12月末とされている、その受付期限も念頭に置きながらですね、米側が適切に対応するように取り組んでまいります。

Q:この北九州事業所への延長を求めたり、ほかの地域の処理施設に持って行ったりとかいうことはないように対応されるということでよろしいでしょうか。

A:米側とのやり取りの詳細に、それはもう関わってくることですので、調整に支障を生ずる恐れがあるために、お答えできないということで御理解ください。

Q:今週末、石垣、宮古の方に視察に行かれたと思うんですけども、そのような日程が固まる前の弊紙の取材の段階だったんですけども、その段階では、最初本島内の自衛隊基地を視察するという話もあったんですけども、それが石垣、宮古の方に変わった理由というか、その経緯を教えていただけますでしょうか。

A:今回の視察についてはですね、これはもう宮古、石垣でも申し上げたことなんですけども、限られた日程でございました。その中で、南西地域の防衛体制の強化が喫緊の課題であるという、これ私の現状認識でありますけれども、そして、まずは現場を自らの目でしっかり見たいという私の強い希望があったということで、そういうことを総合的に考えた結果ですね、我が国防衛の最前線である宮古島とそして石垣島を訪問することとしたということであります。いずれにしましても、現時点で何ら決まったものではないんですけども、今後、沖縄本島を訪問し、そして、県知事を含む地元の皆様と意見交換をする機会を作っていきたいというふうに考えております。

Q:今お伺いした範囲だと、大臣の御希望というかですね、大臣の御判断でそういうふうな視察先が宮古、石垣に変わったというふうに理解してよろしいでしょうか。

A:変わったというふうには言っておりません。私の最初からの強い希望で現場を見たいということであります。

Q:最初から宮古、石垣を希望して、そこで調整したという。

A:初日は、熊本に所在する健軍駐屯地、西部方面総監部、これ九州、沖縄の司令部であります。そこで、司令部を視察をし、併せて北熊本駐屯地、高遊原分屯地も行きました。高遊原分屯地で宮古島、今年4月のヘリの事故によるですね、ヘリのいわゆる機体の一部もこの目で確認をさせていただきました。そして、二日目も日曜日一日しかございませんが、その中で、今度は正しく現場ですね、宮古島、ヘリの事故の現場近くをお邪魔したり、あるいは、駐屯地にも行きました。そして訓示をしっかりと、現場の隊員に話しました。そして石垣島に移りですね、石垣島は日本で最も新しい駐屯地でありますので、そういった開設に対して協力していただいた市長をはじめですね、そういった行政の方々にお礼を述べたり、そしてまた部隊視察ということで隊員に激励をしたりという、正に現場をですね、しっかりとこの目で確認するということを、私の気持ちの中で最優先にさせていただいたといところになります。

下線部:大臣発言中、測量(誤)を測位(正)に修正

以上