防衛大臣記者会見

日時
令和5年9月22日(金)11:01~11:22
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版①
動画版②

1 発表事項

 なし。

 

2 質疑応答

Q:鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地で、米軍が運用している無人偵察機MQ-9についてお尋ねします。運用期限は今年11月までの1年となっておりますが、鹿児島県は今月19日の県議会で、あくまでも運用開始から1年に限られる、日米間の合意事項で延長の計画が無いことを国に確認している、というふうな答弁をしました。現在、オーバーランを受けて飛行停止となっていますが、期間の延長はないということでよろしいでしょうか。また、鹿屋MQ-9の運用は南西諸島の監視、情報収集を強化する狙いがあったかと思います。運用終了後は、MQ-9が担っていた監視、情報収集に穴ができるということになると思いますが、海自のシーガーディアンを配備するなど、計画、お考えはございますでしょうか。 

A:鹿屋航空基地における米軍の無人機MQ-9の件でございます。関係自治体にこれまで説明しているとおりですね、運用が開始された昨年の11月の21日から1年間であると、そういう認識にはですね、これは変わりはございません。これを前提に米側と調整していく考えであります。また、鹿屋航空基地における一時展開終了後の計画ですよね。これについては、現時点で何も決まったものはございません。いずれにしても、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しておりますから、そういった中で引き続き様々な検討を行っていきたいというふうに思っております。

Q:関連してMQ-9の関係でお伺いいたします。オーバーランの発生からちょうど1か月となるわけですけれども、米側から現在、事故原因や飛行再開のめどについてどのような説明を受けているのかお聞かせください。また、鹿児島県がですね、先日の県議会で米軍に関する情報は、国が責任をもって速やかに公表すべきだというような答弁をしています。地元自治体からのこのような指摘に対し、今後の情報提供をどう考えているかお聞かせください。

A:引き続きMQ-9の件でございます。本事案につきましては引き続き、米側において調査を行っているところでありまして、現時点で、米側からの事案の原因や、あるいは飛行時期についての説明は受けていないというふうに聞いております。情報提供のあり方に対する御質問でございました。今般の事案に関しては、防衛省としては、速やかに関係自治体に情報提供をさせていただいているというふうに承知をしておりますが、米軍機の運用にあたっては、地元住民の皆様方に不安を与えないように対応していくことが重要と考えておりまして、引き続き、関係自治体の御意見も踏まえながら、今後の情報提供については適切に対応していきたいと思っております。また、浜田大臣時代にですね、そういう御質問があった際にもですね、防衛省として発表することを含めて、検討させていただくという発言があったというふうに聞いておりますが、私といたしましても、鹿屋市の御意見も踏まえながら、防衛省による発表を含めて今後の状況については検討していくということでですね、浜田大臣と同じ認識でいるということを申し添えておきます。

Q:重ねてなんですけれども、1か月たって、新たな情報が出ていないということなんですが、滑走路の逸脱というのは、通常、航空事故に当たるような事案かと思いますが、この1か月の間情報が更新されないという状況というのは日米同盟の強化という観点からも、さらに地元理解を得ていくという上でも問題ではないかと思うんですけれども、大臣の受け止めをお願いいたします。

A:米側には引き続きですね、この事案の原因、飛行時期についてですね、これは説明を求めていく、引き続きこれは求めていくということでございまして、おっしゃるとおり、日米同盟は強固なものでなければなりませんので、そういう前提の下で、引き続き米軍とはあらゆる点でですね、連携をしていきたいと思っております。

Q:防衛力整備計画についてお伺いします。24年度の概算要求とかを見てもイージス・システム搭載艦とか新型護衛艦など、円安や物価高などの影響で整備計画の見積もり単価がより大幅に上昇した装備品があって、今後の動向次第ですが、総額43兆円という計画の所要経費を超える可能性もあると思いますが、大臣はそのような可能性があると考えるのか、超えた場合、どういう対応をするつもりか教えてください。また、昨年末の計画策定時点で物価上昇などをしっかり反映して検討を行ったと考えているか、お願いします。

A:非常に重要な御質問だというふうに認識しております。防衛力整備計画の43兆円程度というその規模は、いわゆる防衛力の抜本的強化が達成でき、防衛省・自衛隊として役割をしっかり果たすことができる水準として、これは昨年ですね、閣議決定をされた金額であります。御指摘のとおり、昨年来、円安を伴う為替レートの変動、あるいは国内外の全般的な物価上昇というのは、現時点では継続をしているところであり、このような厳しい状況においても、防衛力整備の一層の効率化・合理化を徹底することによって、防衛力整備計画に定められたこの金額の範囲内で防衛力整備を行う方針、これは今の時点では私どもは、それを徹底していくということであります。5年の計画の中の来年度は2年目ということになりますので、この時点では、もうその言葉に尽きるというふうに私は考えております。具体的には、そういった経費の精査というのを引き続きですね、努めるということ、あるいはもうすでに実施しているところですが、まとめ買いの更なる効率化であるとか、あるいは、長期契約のそういったスケールメリットを活かしたですね、価格低減策を更に追求していくと、そういった取組を行いながら、閣議決定されております防衛力整備計画に基づく防衛力の抜本的強化について、これを必ず達成していきたいというふうに思っております。

Q:昨年の時点で、計画を作っている段階でしっかり物価高をちゃんと見込んで反映するように、査定段階ではやっていたというふうに大臣は、大臣着任されてなかった時ですけども、事務方とかに聞き取りはできると思うんですけど、その計画作りに甘さはなかったのか、見積りに甘さはなかったのか、ということに関してはどうでしょう。

A:世界情勢というのは、日々刻々と変わっていくことでありますし、為替などもですね、これも自らコントロールできるものではありません。私も、3文書策定時には、党の側でですね、ずっと関わってきたものでありますが、その中で、その時点でのですね、世界情勢あるいは様々な経済情勢に基づいて策定された金額でありですね、おっしゃるように見積りが甘かったという指摘には当たらないというふうに思っております。

Q:国会議員の公設秘書と地方議員との兼職の問題についてお伺いします。防衛省の松本政務官が地元町議を公設秘書として雇っていることが明らかとなりましたが、防衛大臣としての受け止めをお願いします。

A:御指摘のようにですね、松本政務官の事案が報道等で出たことは、私も承知しているところであります。あくまでも、これは松本政務官の衆議院議員、松本先生というですね、個人のいわゆる政治活動に関わることでありですね、個々の議員の政治活動に関することは、私の現在の防衛大臣という立場からコメントは差し控えたいというふうに思います。その上でですね、松本政務官はですね、しっかり法令に則り、適切に対応されるものというふうに考えております。

Q:昨日、米海兵隊普天間飛行場所属のオスプレイが、昨日も奄美空港に緊急着陸しました。これだけ高い頻度で緊急着陸を繰り返している理由や背景について、大臣の見解を教えて下さい。

A:ご指摘のように昨日ですね、米海兵隊の普天間基地所属のMV-22オスプレイ1機が、飛行中に警告灯が表示されたということで、奄美空港に予防着陸したということで承知しております。この際ですね、民間機の遅延を含め、部外への影響はなかったということであります。また、先ほどの情報でですね、今朝ほど必要な整備が完了して普天間基地に帰投したというふうに聞いております。その上で、米軍機の予防着陸については、安全確保の手段の一つであると理解しておりますが、米側には、事案の原因に関する情報提供を引き続き求めていくとともに、安全管理を徹底するように申し入れております。米軍機の運用に際しては、安全の確保が大前提でありますから、引き続き米側に対し、安全管理に万全を期すように求めてまいります。

Q:なんでこれだけ連続して行われているのかということも含めて情報提供を求めていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。

A:新たな申し入れという形でその都度させていただいておりますので、その点御指摘のとおりでございます。

Q:発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFASの漏出についてお尋ねします。東京多摩地域の水道水源からPFASが高濃度で検出されて、その発生源としての米軍横田基地の影響が指摘されています。先日、立川の酒井市長が周辺自治体と連携して横田基地への立ち入り調査を求めていくという旨発言されました。また、今日のですね、東京新聞、弊紙の方では市民団体の調査で、特に米軍横田基地の地下水の下流域とされている東側の自治体の方で住民のPFASの血中濃度が高いという影響が出ているという旨も報道されています。防衛省として今後、米軍横田基地の方に立ち入り調査を求めるなど、対応ですとか対策をお考えでしょうか。

A:防衛省としましては、自治体の取組について一つ一つお答えする立場にはありませんけども、PFOS等を巡る一連の問題については、地元住民の皆様方が大きな不安を抱えているということ、そして、PFOS等に対する関心も高まっているという、そういう受け止めをしているところです。その上で、立ち入り調査については、立川市をはじめとする関係自治体の皆様方と相談しながら、適切に対応していこうというふうに考えてます。

Q:米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関係してお伺いします。先日、国土交通大臣の方から埋立変更承認申請の承認をするよう勧告がなされておりますけれども、今のところ県側としてはまだ対応を決めていない状況です。大臣としてはどういうふうに県が対応すべきというふうにお考えか見解をお願いします。

A:沖縄防衛局が令和2年4月に行った埋立変更承認に関しまして、国土交通大臣が沖縄県に対して、9月19日付で勧告文書を送付したというふうに承知しております。本件は、公有水面埋立法を所管する国土交通大臣の判断に係る事柄であり、私からお答えすべき立場でないことをまずは御理解願います。そういった上で埋立変更承認につきましては、先般、司法による最終判断がなされたところでありますので、沖縄県において判決に沿った対応が速やかになされるものというふうに考えております。

Q:陸上自衛隊員の削減についてお伺いします。防衛力整備計画の中で共同の部隊などに約2,000人の陸上自衛隊員を共同の部隊などに振り分けるとされていますが、陸上自衛隊の駐屯地を抱える自治体の方からは人員削減について懸念の声が上がっています。そういった懸念の声、大臣はどのように今受け止められていて、そしてまた防衛力整備計画に、この中で計画の実施にどのように反映していくお考えかお願いできますでしょうか。

A:これもまた防衛力整備計画の中に書かれていることであり、統合の運用体制の強化、あるいは、海上自衛隊及び航空自衛隊の増員所要に対応するために、おおむね2,000名の陸上自衛隊の常備自衛官の定数をですね、共同の部隊、あるいは、海上自衛隊及び航空自衛隊にそれぞれ振り替えることというふうにしているわけでございます。このために、陸上自衛隊においては、即応予備自衛官を主体とした部隊の廃止等、組織の最適化というのを図りつつ、所要の部隊改編を行うことというふうにしております。こうした部隊改編にあたって、駐屯地を抱える自治体の中には、所在隊員の削減について強い懸念があることは、累次の要請をいただいているということでもあり、私もこれまで様々な駐屯地を視察した経験、あるいは私自身の選挙区にもですね、陸自の駐屯地があることから、そういったことはしっかりと私は認識をしているところです。各駐屯地・基地の将来の体制については、地方によっては、自衛隊の部隊の存在が地域コミュニティーの維持・活性化に大きく貢献をし、あるいは、自衛隊による緊急輸送が地域医療を支えている場合が存在すること等を踏まえて、これは一概に言えませんが、地域によって特性があると思ってますので、そういったことに配慮しつつ、今後検討していきたいと思っております。

Q:今の関連でもう一点、今、大臣、地域の特性ということを挙げられましたけれど、地域の特性に配慮する、今、例として離島の患者輸送を挙げられましたけれども、それ以外、例えば北海道とかでは、これまで歴史的にも駐屯地に対して理解を示して受け入れたところもあると思います。特性の部分、もう少し具体的にお考えあれば教えていただけますか。

A:北海道として、あるいは北海道の中のあらゆる自治体から、駐屯地に関わるところについては、様々な御要望これまでもいただいているところでありまして、今ここで個別的なことを言うことは控えますけども、十分地元の自治体の声、あるいは地域住民の声を聴きながらですね、適切に対応して行きたいというふうに考えております。

Q:米軍オスプレイの関係で1点だけ確認させてください。前回の会見の中で、大臣の方から、奄美、新石垣、大分空港への予防着陸の関係で、米側に対して事故原因に対する情報提供を申し入れたというお話があったと思うんですが、この件については、現時点で何らか米側から情報提供というのはあったんでしょうか、教えてください。昨日の件はもちろん、申し入れをされたばかりだと思うんですけれども。

A:まだ、現時点でですけれども、詳細については私自身に報告は受けてないという状況ですが、これは非常に関心の高い事案でもありますので、米軍の情報ですので、これは情報が入り次第私の耳には入ることなっております。現時点では詳細までは聞いておりません。

Q:もう1点だけ、MQ-9に関する御説明の中でですね、11月21日まで1年間、これを前提に米側と協議していくというお話あったと思うんですけれども、つまり、米側から延長の要請があれば、この1年間という期限というのが当然変わり得る余地があるという、そういう意味でおっしゃられているんでしょうか。

A:そういうことではなくてですね、あくまでもこれは当初のMQ-9を鹿屋航空基地に受け入れると、その段階から鹿屋の自治体についてですね、1年間であるというのが前提でしたので、その認識には変わりがないということであります。そして、あくまでもこれが前提となっておりますので、米側とはそういったことに基づいて、ここはある意味ピン止めした形で調整しているという状況です。

以上