防衛大臣記者会見

日時
令和4年6月17日(金)10:28~10:40
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 防衛省の内閣承認人事について申し上げます。本日の閣議において、7月1日付及び7月4日付の防衛省幹部人事について、内閣の承認がなされました。7月1日付で退職する島田事務次官については、引き続き、防衛大臣政策参与として勤務して頂く予定であります。私は、6月21日、22日の2日間、カンボジアを訪問し、3年ぶりの対面での開催となる日ASEAN防衛担当大臣会合に出席する予定であります。ASEAN加盟国の防衛担当大臣とインド太平洋地域の安全保障問題について意見交換を行う有意義な機会と考えております。わが国の考えや取組をしっかり説明したいと考えています。各国との個別の会談も行ってまいります。現時点では、主催国であるカンボジア、インドネシア、ブルネイ、ベトナムなどの各国の国防大臣など、時間が許す限り会談を行うべく、最終調整を進めております。わが国とASEANの間の相互理解・信頼関係を増進するとともに、協力関係を一層強化し、そしてFOIPの維持・強化に努めてまいります。

2 質疑応答

Q:昨日ですね、自民党の国防議連が大臣にも提言を提出されました。その中で、研究開発費の5年間での1兆円ですとか、一般競争入札を原則とすることの見直し、あと防衛産業を支援するための法人の設立といったことも求めておりますけれども、これらについての大臣のお考えをお願いいたします。

A:国防議連からは、防衛産業、生産力・技術力の抜本的強化に向けて大変力強い提言をいただきました。新たな国家安全保障戦略等の策定の議論に際して、制度整備を含む防衛産業の抜本的な強化の検討を進めるとともに、AIあるいは無人機、こういった将来の戦い方を根本から変え得る先端技術について、研究開発に全力で取り組んでまいります。

Q:冒頭の人事の関係でお伺いさせていただきますけれども、このタイミングで3文書改定を控えるこのタイミングで次官を含め、首脳陣を変えることの意義と、政策参与ということで、久々の就任になると思いますけれども、島田次官を政策参与に就任させる狙いについてお願いいたします。

A:人事については本人の能力、業績を踏まえて、適材適所で配置をしているつもりであります。これからの国家安全保障戦略の策定に向けて、引き続き、着実に検討を進めるとともに、その他の諸課題についても、しっかりと対応してまいりたいと考えています。

Q:ロシア艦艇について、お尋ねいたします。昨日、統合幕僚監部より発表された千葉県沖で確認された、7隻のロシア艦艇の最新の動向と、先週の会見で大臣が、三陸沖で演習をする可能性について注視する、とお話しなさっていましたけれども、今後の動向について何か分析等あればお教えください。

A:6月15日の正午頃、海上自衛隊は、襟裳岬の南東約280kmの海域において、同海域を南進するロシア艦艇のウダロイⅠ級の駆逐艦2隻、ステレグシチーⅡ級のフリゲート艦1隻、ステレグシチー級のフリゲート艦3隻、マルシャル・ネデリン級のミサイル観測支援艦1隻、合計7隻を確認しております。16日午前9時頃、これらの艦艇が犬吠埼の南東約180kmを引き続き南西進したことを確認しました。なお、ウダロイⅠ級駆逐艦1隻及びマルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦1隻を除くこれらの艦艇は、6月9日に根室半島の南東約170kmの海域で確認されたものと同一であります。防衛省・自衛隊は、海上自衛隊の第7護衛隊所属「ゆうだち」及び第5護衛隊所属の「こんごう」による情報収集・警戒監視を行ってまいりました。現時点では、自衛隊の艦艇等に危険な行為やわが国領海内の航行といった行為は認めておりません。防衛省としては、ロシア軍艦艇のわが国周辺の海域における動向について、引き続き注視し、わが国周辺海空域における警戒監視活動に万全を期してまいります。

Q:23日、三菱重工長崎造船所において、護衛艦の命名式・進水式が実施されると思いますが、防衛省の考える式典の意義と、この日に沖縄戦の組織的戦闘が終結した慰霊の日になるんですけれども、この日に設定した意図や理由があれば教えてください。

A:今月23日、三菱重工長崎において、FFMもがみ型第5番艦の進水式・命名式が行われます。命名式については、防衛省が行う儀式であります。地方総監が執行者となり、防衛大臣が当該自衛艦の命名を行うものであります。進水式については、一般的な慣習として造船所が行う儀式であります。造船所が執行者となり、建造中の自衛艦を進水させる式典となります。令和2年度の計画護衛艦の命名式・進水式の実施を今月23日にした理由としては、納期を考慮しますと、まず、建造工程上許容される期間である今月20日から30日の間に進水させる必要があります。それと進水式は、通常、大安の日が慣例であります。今月23日はそういう理由で選ばれたものと承知をしております。

Q:その条件に合致する日は、もうその日しかなかったということですか。

A:はい。

Q:昨日ですね、衆議院の小選挙区の区割りの改定案が発表されまして、大臣のご地元である山口はですね、定数が4から3に1つ減ることになりました。防衛大臣の所掌外で大変恐縮なんですけれども、ご所感があれば教えてください。

A:山口県は、10増10減の対象となって、今おっしゃられたように4区から3区に変更になります。今後、様々な必要な手続き、法的なものも含めてやっておられると思いますけれども、粛々と対応してまいりたいと思います。県連としては、4区から3区になるということを受け止めて、まだ対応については、決まっておりません。今後、党本部とも調整をしてまいると思います。

Q: アメリカの環境保護庁がですね、PFOS、PFOAの生涯健康勧告値というものをですね、これまで1リットルあたり70ナノグラムというものに設定していたんですけれども、これについてPFOAを0.004グラム、PFOSを0.02ナノグラムということでかなり大幅に基準を引き下げております。今、あの日本政府はですね、この環境保護庁の勧告値というものを参考に暫定指針値や1リットルあたり50ナノグラムというものを設定をしてますけれども、このアメリカの環境保護庁の見直しで日本政府の対応もかわってくるのかと思うんですけれども、それについて大臣のご見解があればお伺いしたいのと、あと防衛省としてですね、今後、米側に事実関係というか、色んなものを確認したりという対応をされるお考えがあるかどうかということについてもお伺いします。

A:まず、この件は防衛省としては所管外であります。厚労省や環境省にお尋ねをいただきたいと思っております。防衛省としては、PFOSを巡る問題に関して政府全体の取組を進める中で、関係自治体や関係省庁、米側と緊密に連携をして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。

以上