防衛大臣記者会見

日時
令和3年6月11日(金)09:40~10:05
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 まず、新型コロナの関係です。前回の定例会見以降、13名の新規の感染が確認されました。累計は1,927名ということになります。ツイッターを用いた情報の発信についてであります。6月9日、第9回日豪「2+2」を実施し、FOIPの維持・強化のために、「特別な戦略的パートナー」であるオーストラリアとの安全保障・防衛協力を新たな次元に引き上げることの重要性を確認したところでありますが、防衛省としては、この機会に、安全保障・防衛協力を含めて、日豪関係に関する主な出来事を防衛省の公式ツイッターを通じて発信していくことといたしました。こうした発信を通じて、日豪防衛協力の「あゆみ」と両国が培ってきた「絆」を国内外の皆様に御紹介をし、日豪関係をより身近なものに感じていただけるようにと考えております。

2 質疑応答

Q:自衛隊の運営している大規模接種センターの対象地域を全国に拡大したとの発表がありました。あらためて今回の発表の意義と大臣の受け止め、お願いします。

A:防衛省・自衛隊では、予約状況を常に把握しつつ、1人でも多くの国民の皆様にワクチン接種を受けていただけるように、不断の検討を実施をしております。今回の地域制限の撤廃は、政府全体におけるワクチン接種の加速化といった方針に基づき、自衛隊の持つワクチン接種の能力をより広範囲の国民の皆様に提供させていただくことを目的として実施をするものです。防衛省・自衛隊は、1人でも多くの方にワクチンを接種できるように、引き続き全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

Q:ワクチン接種センターについてなんですけれども、全国に対象を広げたということで、一方でですね、緊急事態宣言のなんかも出ていてですね、移動に伴うリスクというのもあると思うんですけれども、この辺りの大臣としてどのようにお考えなっていて、移動する際にですね、注意等について教えていただけますでしょうか。

A:7月31日までにワクチン接種を希望する65歳以上の方に、2回の接種を完了するべく取り組んでいるところでございますが、今回の地域制限の撤廃につきましては、政府全体におけるワクチン接種の加速化といった方針に基づいて、自衛隊のワクチン接種能力をより広範囲の国民の皆様に提供させていただくことを目的としたものであります。大規模接種センターにおけるワクチン接種のための移動は、これは不要不急の外出にはあたらず、かつ、感染拡大の防止のために必要なものであると考えています。その上で、大規模接種センターの接種に当たっては、新型コロナウイルスの集団感染のリスクを極限するという観点から、フロア毎の動線を分けるとともに、感染予防のための十分な空間を確保することなどですね、密にならないような措置を講じておるところであります。

Q:まだ予約が埋まっていないと、まだ枠が余っている状況だと思うんですけれども、今後ですね、64歳以下の方とかですね、基礎疾患の方とか対象を広げていくことについては、今の時点でどのように検討されていますでしょうか。

A:予約状況を常に把握しつつですね、1人でも多くの国民の皆様にワクチンを受けていただけるように、検討を実施をしているところですけれども、今後、基礎疾患のある方、また、高齢者施設等で勤務されている方々を含めて、64歳以下の方々にも接種券が送付されてくると、こういうふうに承知をしております。予約状況等を踏まえつつ、更なる対応を必要ならば進めていきたいと思っております。

Q:先日、フィリピンのロレンザーナ国防大臣とのVTCでの会談の際に、岸大臣の机の上に置いていたフィリピンゆかりのものというのがフィリピンの中で話題となって、ロレンザーナさんのツイッターで、会談後に謝意を示していたかと思うんですけれども、フィリピンでこういった話題になっていることに対する大臣の受け止めと、あとこれまでほかの会談でもこういった机の上に色んなものを置いてきたと思うんですけれども、そういたことの狙いを教えていただけますでしょうか。

A:こうした新型コロナウイルスの状況の中で、諸外国との直接の往来が困難であるという時期が続いておりますが、こんなときだからこそ、電話やテレビ会談を通じて、各国との意思疎通を図っていくことが重要であると考えております。その際、少しでもわが国に対しての親近感を持っていただけるように、そして円滑なコミュニケーションを図ることができるように、相手国の先方大臣のゆかりの品等々があれば、そういうものを机の上に置くようにしているところです。今回、ロレンザーナ・フィリピン国防大臣がテレビ会談について「オンライン形式であっても、日本の皆さんが敬意と礼儀をもって応じてくれた」というような、自身のツイッターに投稿していただいたことについては、まず、気が付いてくれたということ、私の気持ちが伝わったというふうに受け止めております。大変ありがたく思っております。いつもそうした形で、机の上には様々なものを担当部署の方々と相談しながら色々探して、置くようにしているところでございますけれども、今後ともこうしたテレビ会談といった手段を積極的に活用しながら、FOIPの維持・強化に向けて、防衛協力・交流を戦略的に推進していきたいと考えています。

Q:昨日の政府専用機のトラブルに関して、防衛省の方から昨日の時点で機内の照明の不具合があったというふうに説明を受けておりますけれども、その後現時点までにどういった状況があったか、もし分かっている範囲があればお願いいたします。

A:昨日、菅総理大臣のG7サミット出席のための政府専用機の任務機の出発前の点検において、機内の一部の照明に不具合があったということが発見されました。これを受けて、政府専用機の任務機の入れ替えを行って、任務機については、昨日20時20分頃にイギリスに向けて羽田空港を出発しました。任務機は、現地時間本日0時頃、日本時間で言えば本日8時頃、イギリスのコーンウォール空港に到着しているところでございます。今回の機内一部の照明の不具合ということですが、不具合の処置は行った上で、復路の運航のため、本日英国に向けて出発する予定であります。

Q:本来任務機だったやつは、今日出発するということですね。

A:そうです、昨日の時点では飛んでいません。不具合の原因については、ソフトウェアの不具合ということで、必要な措置を講じてから飛び立つということです。

Q:それに関連して、昨日御説明いただいた感じだと夕方5時ぐらいに不具合が発見して、それから直るんじゃないかということで、色々と取り組んでいて、途中で見切りをつけて予備機の使用に切り替えたということだったんですけれども、もちろん安全が一番だと思うんですけれども、一方で結果的にですね、菅総理の出発が予定された時刻よりは遅れてしまったことに関して、今回の対応はどういった点があったかと思ってらっしゃるのでしょうか。

A:一部の照明の不具合が5時頃発見されたということで、運航自体の影響に及ぼすような不具合ではなかったわけですが、当初は短時間でこれを修復できるというこういうふうに考えで復帰を試みてたわけです。しかしながら、少し時間がかかっていたということから、任務機の入れ替えを行っていたということであります。その関係で若干の遅れが生じました。到着ベースではだいたい20分ぐらいの遅れということです。夜中の到着ということで、G7のイベント自体には全く影響を及ぼしてないということでございますが。今後とも機材の整備については、万全を期してまいりたいというふうに考えています。

Q:最後に1点だけ、中山副大臣の先日のイスラエルのツイッターに関してお伺いしたいんですけれども、今日の閣議でですね、白眞勲議員の質問主意書に対する答弁書で、政府として閣僚や副大臣の対外的発言に当たっては、内閣の基本方針や既に政府として徹底したものを踏まえ、無用な疑念を抱かれることのないように十分留意する必要があるといったことを答弁書でまとめました。こういった点を踏まえまして、大臣これまでも個人の見解でとかいうこともおっしゃっていましたけれども、あらためて今回の副大臣のツイッターは適切だったかどうか、お考えをお願いいたします。

A:これは何度も繰り返してまいりましたけれども、ツイッター自体は個人の見解を述べる場であるというふうに考えております。政府側の答弁書にもあったとおり、そういった考え方を踏まえてですね、今後もツイッターの使用については、各自の認識において適切に判断し、運用されていくというふうに考えております。

Q:大規模接種センターに関してなんですけれども、先日、菅総理が党首討論の際に、全国民が希望する、接種できるのは11月ぐらいまでにそういうことをしたいというような話があったと思うんですが、それに関連して、その頃まで大規模接種センターの運営を引き続き検討しているというような話もあるようなんですけれども、現時点での検討状況とですね、大臣としては8月下旬までとしていたものを今後どうしていきたいかというお考え、現時点でいかがでしょうか。

A:大規模接種センターにつきましては、政府の方針の下で7月31日までにワクチンを希望する65歳以上の方に対してですね、2回の接種を一人でも多くの方に受けていただくと、そして完了していくことをすべく取り組んでいるところであります。今後、高齢者の方々に引き続いて、64歳以下の方々に接種券が送付されてくると思います。基礎疾患を有している方、そして高齢者施設に従事する方々が対象として追加をされてくることからですね、対象者が追加される時期にかけても、自治体の接種体制を後押ししていくということで設置期間を5月24日からの3カ月ということにしておるところであります。防衛省・自衛隊として、この3カ月の運用期間において、一人でも多くの方にワクチンを接種していただけるように、まず、引き続き全力を挙げてまいりたいと考えています。

Q:先日、防衛省の近畿中部防衛局の桝賀局長がですね、F-35Aの戦闘機の小松基地への配備計画を巡って、地元の市議会での全員協議会の場で、「あまりでかい声では言わないが、私は他の基地はどうでもいい。この小松さえよければ」という発言をされました。御地元の理解を得るためとはいえですね、日本の防衛は小松基地だけでは担えないと思いますし、他の自衛隊基地を抱える自治体にも失礼な話だと思いますけれども、この件に関してですね、大臣の受け止めと、発言の撤回を求める考えはあるのか。それから加藤官房長官は、「防衛省幹部が業務上指導した」というふうな話をされてますけれども、具体的には誰がどのような形で指導されたのかを教えてください。

A:御指摘のあったような発言について、あったということは承知をしております。わが国の防衛は、基地等の周辺の方々を始めとして、国民の理解と協力の上に成り立つものであります。この観点からしますと、桝賀局長の発言というものは、不適切な発言であったというふうに考えてます。6月9日に、桝賀局長の発言の意図を確認をいたしましたところ、小松基地への配備について全力で取り組むとの趣旨からの発言だったという説明があったわけですが、鈴木地方協力局長から桝賀局長に対して、地元に対して適切な表現で説明をするように、業務上の指導を行ったところであります。

Q:これ、どなたが指導されたということでしょうか。

A:鈴木地協局長です。

Q:新型コロナのワクチン接種について伺います。昨日、米軍基地内で基地従業員にワクチン接種できるようになったとの発表がありました。米軍の安定的な運用を確保する観点でも重要な取り組みだと思いますけども、あらためて今回の意義とですね、今後職域接種というものも検討されていくのかどうか併せてお願いします。

A:在日米軍の従業員につきましては、装備品の維持整備、施設・区域の維持管理といった日々の業務を通じて、米軍の様々な活動を直接支えています。在日米軍の即応性の維持、ひいては日米同盟の維持・強化、こうした観点からも極めて重要な役割を果たしていると認識をしているところです。そのため、米政府の方針の下で在日米軍人等へのワクチン接種が進む中で、同じ職場で働く従業員のワクチン接種を加速させることは、この在日米軍施設・区域の安定的な運用を確保するという点から、日米両政府として重要な課題であります。今般、米軍が保有するワクチンの接種を希望する従業員が、米軍からの接種を受けられるようになったことは、従業員の安全・安心の確保、在日米軍施設・区域における感染対策の強化、さらには在日米軍の安定的な運用の維持といった観点から、大変意義の深いものだと考えているところです。新型コロナウイルス感染症対策については、引き続き日米で緊密な連携を取って適切に対処してまいります。

Q:G7の関連でお伺いいたします。現地時間の今日ですね、2年ぶりの対面での外征となるG7が開幕となります。専制主義的な動きを見せる中国やロシアへの対応なども大きなテーマになる見通しですが、大臣は今回でのサミットの議論にどのようなことを期待されますでしょうか。お願いいたします。

A:本日から英国で開かれますG7サミットでは、新型コロナウイルス対策、国際保健、世界経済、自由貿易、気候変動、地域情勢、こういった重要な課題について、G7の首脳間で議論が行われることとなっております。昨日、菅総理から「日本の立場を説明をして、サミットの議論に貢献したい」との発言があったものと承知をしてます。私としては、今般のG7において首脳間で率直な議論、意見交換が行われ、地域と国際社会の平和と安定の観点から実りの多い会合になることを強く期待しております。

Q:先ほどの中山副大臣のツイッターについて1点だけお伺いします。大臣、先ほども個人の見解を述べるものということで強調されておりましたけれど、今回の閣議決定にあります無用な疑念を抱かれることのないに留意しなければならない、この点については今回中山副大臣のツイッターをどうのように評価されるか、監督権者として見解をお願いできますか。

A:これは中山副大臣の個人のアカウントでの発信ということでございました。副大臣としての個人のアカウントですから、そうした点も踏まえて副大臣も発言されたものだと思いますけれども、今後も政府からの見解を踏まえて、適切に発信をしていかなければいけないと考えておるところであります。

Q:パレスチナの大使にあたる方が感想を述べたように、疑念を抱かれた事実があるのではないかと思いますけれども、その点についてはいかがですか。

A:これは受け取る方々、様々おられるとは思います。この対処については、それぞれアカウントの保有者、中山副大臣なら中山副大臣がしっかり対応をしていかねばならないことだというふうに思っております。今後も適切に運用していかれるものと考えております。

Q:大規模接種センターについて確認で2点伺わせてください。まず1点、移動の関係なんですが、冒頭ありましたように不要不急だということを理解した上でですね、やはり全国に地域拡大するとどうしても移動自体が増えると思うんですが、とはいえ、やはりそのワクチン接種を加速化させるということが今回優位するんだという判断の上でのこの全国拡大という理解でいいのかという点が1点と、もう1点、期間の話なんですが、先ほどもありました3カ月よりやるのかという点については、先ほどの答弁だと現時点では、3カ月以上の延長をして運営することは今のところお考えはないという理解でいいのかという、この2点をお聞かせください。

A:まず、ワクチン接種はですね、この新型コロナウイルスの感染拡大防止のある意味切り札になるという観点からですね、このワクチンの接種のまず一人でも多くの方に進めていくべきというふうに考えております。その中で、地域を拡大して人の移動はありますけれども、その際には感染の防止の措置をきっちととっていただいて、また、接種センターの方でも先ほど申しましたような、その密を作らない対策をしっかりとった上で、こうした方々を受け入れて、ワクチン接種を拡げていくべきというふうに判断をしたところであります。それから、7月末までの65歳以上の方の接種、それから、それに続く基礎疾患、あるいは高齢者施設の従業員の方、こうした方々を中心にですね、1人でも多くの方をこの当初の3カ月という中で、できるだけ多くの方に接種をしていくと、こういうことをまずは考えていきたいと思います。

以上