防衛大臣記者会見

日時
令和3年4月13日(火)09:25~09:44
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 私から3点申し上げます。新型コロナの関連ですけれども、前回の定例会見以降、22名の隊員が新たに感染していることが確認されました。合計で1,259名ということになります。第1回日独「2+2」についてです。本日、日独間で初めてとなる「2+2」をテレビ会議形式で実施をする予定です。防衛省からは私、外務省からは茂木外務大臣が出席をし、ドイツのクランプ=カレンバウアー国防大臣、また、マース外務大臣と「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けた協力を含めて、日独間の安全保障・防衛協力や地域情勢等について幅広く議論する予定であります。クランプ=カレンバウアー大臣とは、私の着任以来、テレビ会談、また、日独防衛相フォーラムの場で意見交換を行ってまいりました。これに続いて日独間では初となる閣僚級の「2+2」を実施できますことは、日独間が一層緊密になっていることを示す証左であって、大変うれしく思うと同時に、本会合を通じて、更なる日独防衛協力の強化を目指したいと思います。次は、NATOサイバー防衛協力センターによるサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2021」への参加についてです。本日から16日まで開催されます、このNATOサイバー防衛協力センター主催のサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2021」に、初めて正式に参加をいたします。この演習は、国家のITシステムや重要インフラへのサイバー攻撃を想定した演習であります。防衛省・自衛隊の要員を中核に、他省庁や民間の重要インフラ事業者とも含めたチームを編成し、参加する予定にしております。この参加によって、わが国としてのサイバー攻撃対処の練度向上、参加国等との連絡・調整等を通じたサイバーセキュリティ動向の把握が可能になることなどの意義があると考えております。引き続きサイバー攻撃への対処能力の向上に一層努めてまいりたいと考えています。

2 質疑応答

Q:先ほど冒頭に大臣も触れられました日独「2+2」なんですけれども、どのような連携強化を期待されていますでしょうか。また、この枠組みがアジア、欧州にまで広がっておりますけれども、この枠組みの重要性についてどのように認識されてますでしょうか。

A:日独両国は、基本的価値を共有するパートナーであって、昨年9月、ドイツは初めてとなる「インド太平洋ガイドライン」を策定しました。本年3月にはフリゲートの派遣を発表するなど、ドイツがインド太平洋地域に関心を高めていることを、わが国として歓迎しているところです。このように日独両国の関係は強化されていく中で、今般、ドイツとの間で「2+2」を開催するとこういうことになりました。防衛省としては、昨今の情勢を踏まえて、この基本的価値を共有する両国が、地域情勢、国際社会の最新の課題についてですね、幅広く議論を行うことは、大変大きな戦略的意義を持つと考えております。私としても、「2+2」において充実した議論が行えることを楽しみにしているところです。

Q:昨日ですね、馬毛島の自衛隊基地の建設を巡って地元の八板市長がですね、反対の意向をあらためて示されましたけれども、なかなか平行線が続いていると思いますが、今後どのように地元の理解を得ていく考えでしょうか。

A:昨日、八板市長が御挨拶に来られました。大西政務官と鈴木地方協力局長が対応したところです。当方からは、馬毛島における自衛隊施設の整備について、わが国を取り巻く安全保障環境が非常に厳しさと不確実性を増す中で、馬毛島の自衛隊施設整備の重要性が高まっているということ、日米同盟の抑止力・対処力を強化するための喫緊の課題であり、地域における平和と安定につながるものであること、こういうことを御理解いただきたいということを申し上げたところです。昨年10月から12月にかけて、合計19回住民説明会を実施するなど、これまでも説明を重ねてまいりました。その後も、地元の方々から様々な御意見、御質問、御要望が寄せられております。こうした疑問にお応えしていくためにも、環境アセスや詳細検討などの調査を、検討を進めて、事業の進捗に併せて、その内容をあらためて皆様に御説明をしてまいりたいと考えています。

Q:昨日ですね、韓国のメディアの方で、北朝鮮のSLBMを搭載できる潜水艦のですね、建造を終えたという報道がありましたけれども、防衛省の分析としてはどのようになっていますでしょうか。

A:従来から、北朝鮮はSLBMを発射できる別の潜水艦の開発を追求しているというようなご指摘があることは承知をしております。個々の具体的な情報は、わが国の情報分析能力を明らかにするおそれがあるので差し控えますけれども、いずれにいたしましても、北朝鮮の軍事動向については、引き続き重大な関心をもって、米国や韓国と緊密に連携をしながら、必要な情報の収集・分析、警戒監視、こういったことに全力を挙げて、わが国の平和と安全の確保に万全を期してまいりたいと思います。

Q:関連しましてですね、その報道によりますと、そのSLBMの発射の兆候もあるということなんですけれども、日米首脳会談も迫っていましてですね、発射する軍事的な挑発を行うと可能性もあると思いますけれども、そのあたりの発射の兆候については、どのように分析されてますでしょうか。

A:情報については承知をしていますけれども、そのひとつひとつコメントすることは差し控えたいと思います。いずれにいたしましても、北朝鮮のそういった状況については、引き続きしっかり注視してまいりたいと考えます。

Q:米軍那覇港湾施設の浦添移設を巡り、昨日、沖縄県知事と浦添市、那覇市の両市長による3者会談が行われ、玉城デニー知事は代替施設の面積を可能な限り縮小するように、日米両政府に求めていくという考えを示しました。受け止めとですね、今後の対応、また、移設計画の取りまとめに向けたスケジュール感も併せてお願いします。

A:那覇の港湾施設につきましては、3月下旬に民港の形状案が地元で合意されたことを受けて、防衛省において、代替施設が当該形状案に整合する形で決定されるように、引き続き検討を進めているというところであります。代替施設の面積や形状については、現在、米側とも調整中であって、具体的に定まってはおりません。いずれにしましても、この代替施設の配置が民港の港湾計画と整合する形で決定するよう、引き続き調整をしてまいりたいと、こういうふうに考えてます。スケジュール感については、今、予断をもってコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:関連なんですけれども、知事、県側が求めた、この面積の可能な限りの縮小ということについては、米側とも相談していくことになるのでしょうか。

A:この、まず、平成25年4月の「沖縄統合計画」においてですね、「那覇港湾施設の機能の浦添ふ頭地区に建設される約49ヘクタールの代替施設への移設」が返還条件として定められているところでございますけれども、代替施設の形状等については、現在、米側と調整中ということであります。具体的に定まったものではございませんので予断をもって申し上げることは差し控えたいと思うんですけれども、いずれにしましても、代替施設の配置が民港の港湾計画と整合的な形で決定されるように、引き続き調整をしてまいりたいと思います。

Q:先日、アメリカの国務省の報道官が、米国と国交のない台湾との政府間接触を拡大するために新たな指針を策定したと発表しました。詳細な内容は不明なんですけれども、「米台の非公式な関係の深化を反映させ、交流強化を促す」と表明されています。1つの中国という原則もある中でですが、この件について大臣の受け止めをお願いします。

A:アメリカの発表については承知をしておりますけれども、アメリカ政府の個別の措置の発表について、コメントは控えたいと思います。台湾情勢につきましては注視をしているところでございますけれども、わが国の台湾に関する基本的立場というものはですね、1972年の日中共同声明のとおり、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくということで変更はございません。台湾情勢等々、今後とも注視してまいりたいと思います。

Q:関連なんですけれどもですね、大臣、今おっしゃられた「わが国の立場としては、非政府間としての実務の関係を維持する」ということですけれど、大臣個人としては、台湾ともかなり関わりが深いのかなと思うんですけれども、日本政府と台湾との政府間接触ということについては、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:これまでも様々な形で、この実務関係というものを維持・発展をしていると思います。台湾との関係においては、政府間ということではなくてですね、民間レベル等で考えますと、非常に人的な往来も増えてますし、コロナ以前の話ですが、そういう状況から、全体的な関係というものは非常に深くなっているというふうに考えています。その中で、台湾との関係、政府としては先ほど申しましたように、実務関係をしっかり維持をしていく、こういう立場に変更はないというところです。

Q:新型コロナウイルスのワクチンに関連してお伺いします。昨日、菅総理は衆院の決算行政監視委員会で、ワクチンの接種を巡って自衛隊にお願いしたいというふうに発言をされました。医官や看護官の派遣等が念頭にある発言かと思いますけれども、現在の防衛省内での検討状況ですとか、決まっていることがありましたらお願いします。

A:この新型コロナのワクチン接種については、埼玉県からの依頼を受けて、防衛医大病院において、所沢市内の医療機関に勤務する一部の医療従事者に対するワクチン接種に協力することで県と調整を進めております。ワクチン接種への自衛隊の活用については、現時点においては、これ以上決まっているところはありません。他方、昨日から高齢者の方々に対するワクチン接種が開始をされて、今後一日も早く多くの方々に対してですね、円滑に接種を進めていかなければならないということから、防衛省としても自衛隊の能力やこれまでの新型コロナウイスル対策に係る活動で得られた知見、経験を活かして、どのような支援が可能か、引き続きしっかり検討してまいりたいと思います。

Q:昨日のインド太平洋軍のデービッドソン司令官との会談についてお伺いします。台湾情勢について、台湾海峡の平和と安定の重要性について、一致点を見い出したなど、どのような協議が行われたのでしょうか。

A:デービッドソン司令官とは、司令官は少し前にも台湾情勢について非常に厳しい認識をお示しになられました。昨日の会談の中身の詳細については、差し控えさせていただきたいと思いますけれども、司令官の幅広い見識についてですね、お伺いする良い機会だったというふうに思います。

Q:先ほどの北朝鮮のSLBMのお答えで一点だけ確認ですが、SLBMの兆候があるという報道があるとの質問に対して、情報は承知しているとお答えだったですけど、要するにそういう報道があるということは承知しているという理解でよろしいでしょうか。

A:そういう意味です。報道については承知しているということでございます。

Q:別件で1つお伺いします。沖縄の米軍普天間飛行場に関してなんですが、辺野古移設の埋め立て工事が進捗しているかと思いますが、区域①-2と②の現状の最新の進捗状況と今後のスケジュールについて、あらためてお伺いできますでしょうか。

A:辺野古の埋め立ての状況、詳しい部分については、事務方にお問い合わせいただければというふうに思います。

Q:3月25日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルについてお伺いします。韓国メディアが変則的な軌道で飛んで、最終的には北朝鮮の主張どおり約600km飛行したのではないかとの見方を韓国の政府筋の話として報道されていますが、あらためて防衛省として、今回のミサイルの飛距離や軌道をどう分析をされていらっしゃるかお願いします。

A:3月25日に発射されました、この弾道ミサイルについて、これまでに防衛省として、その時に公表いたしましたけれども、それ以降、新たな情報というのはございません。これ以上の詳細については、引き続き、分析中ということでございます。

Q:ジブチでのコロナの感染状況なんですけれども、その後、まず感染経路について何か新たに分かったことがあれば教えていただきたいのと、また、130人参加していたというこの親睦会、それから13人参加していたという懇親会、これは感染者21人おりますが、それぞれ、どのような出席状況だったのか、その整理ができていれば教えてください。

A:21人という状況について、その後変化はございません。その他の詳細については、引き続き、今調査中でございますので、詳細分かりましたら、またご連絡いたしたいと思います。 

以上