防衛大臣記者会見

日時
令和2年10月30日(金)09:11~09:18
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 まず新型コロナウイルス関連です。前回の会見以降、2名の隊員が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。これで、本日までに合計200名の自衛隊員が新型コロナウイルスに感染したことが確認されております。次に、次期戦闘機の令和2年度事業に関する契約締結についてです。次期戦闘機の基本的な開発体制については、戦闘機全体のインテグレーションを担当する機体担当企業がエンジン担当企業やミッション・アビオニクス担当企業を下請けとする、いわゆる「シングル・プライム」体制とすることとしております。本日、この機体担当企業として、令和2年度事業に関し、三菱重工業株式会社と契約を締結し、開発に着手しました。同社とともに、F-2戦闘機の退役・減勢が始まる令和17年頃までに量産初号機を配備できるよう、次期戦闘機の開発を着実に進めてまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:一部報道で、イージス・アショアの代替策について、地上イージスレーダーSPY-7を搭載した多機能型のイージス艦を建造するということで政府は方針を固めると報じられております。事実関係について、大臣からお願いします。

A:現時点では、イージス・アショアの代替策については、移動式の洋上プラットフォームの方向で検討を進めており、それ以上のものはありません。

Q:F-Xの契約についてですが、三菱重工は民間の小型ジェット機の凍結をする方針を固めたと報道がありますけれども、次期戦闘機の開発に影響がないのかどうかについてお願いします。

A:次期戦闘機の開発に、三菱重工の民間の航空機の開発中止の影響があるかということについて、全く影響はないと考えています。

Q:木更津のオスプレイについて、飛行再開に向けた進捗はいかがでしょうか。

A:まず陸自のオスプレイについて、7月10日、7月16日に1機ずつ木更津駐屯地に納入されました。ひとつひとつ、これまで点検を行ってきたところでございます。その上で、当初の予定よりコロナの関係もあって1カ月程度遅れましたけれども、今般、受入点検の最終段階となる試験飛行を実施するということになりました。飛行日程については、天候等の変更の状況によって変更になる可能性がありますけれども、まず、木更津駐屯地内のホバリングを11月6日に、場外飛行を11月10日以降に実施をする予定となっております。点検終了後には、機体や搭載装備品の様々な機能・特性を確認するための機能確認飛行や陸自要員の練度維持・向上のための飛行等を順次進めていくということになります。防衛省として、地元の皆様の声にも真摯に耳を傾け、安全を万全にしていきたいと思います。

Q:ホストネーション・サポートの更新について改めてお伺いしますが、先般、準備会合も始まりましたけれども、今後どういう姿勢で臨まれるのか、特に負担の軽減等を求めていくということなるのかについてと、一応、報道では現行協定を暫定的に1年延長するというものも出ていますが、こうした方向性も検討しているかどうか、2点お願いします

A:今、お話がありましたとおり、HNSの会合については15日、16日に準備会合が行われました。同盟に対する相互の貢献についての考え方を述べ合ったほかに、正式交渉の時期及び、あり方について、引き続き、事務方で事務的に調整を進めるということで一致をしたところであります。ただ、正式な交渉については、まだ現時点では時期等決まっておりません。一層厳しさを増す地域の安全保障環境、また、わが国の厳しい財政等を踏まえて、適切に対処していきたい、こういうことでございます。

Q:日米共同演習の共同記者会見でシュナイダー司令官が、日米の統合な運用能力は、尖閣諸島を防衛するための部隊の輸送を行うことも可能であるということをおっしゃられましたけれども、尖閣諸島の防衛の際に、米軍と自衛隊が連携して対処する、このようにお考えでしょうか。

A:尖閣諸島については、米国は、累次の機会に日米安保5条の尖閣諸島への適用と、こういうことを言っております。それから、尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する旨表明している、そういうふうな状況であり、日米安保の下で米国の条約上の義務へのコミットメントを確認しているところです。その上で、各種の事態における我が国及び米国の具体的な対応に関わることについては、事柄の性質上お答えをすることは控えたいと思いますが、一般論としては、日米共同対処能力の向上は我が国の平和と安定にとって重要なことであります。日米間では常に緊密に連携しながらやって参りたいというふうに思います。

以上