防衛大臣記者会見

(英語版/English

日時
平成31年2月26日(09:35~10:05)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:明日、ベトナムのハノイで2度目の米朝首脳会談が開かれますが、この会談に向けて、どのようなことが期待されるのかということと、特に、前回非核化に向けてのコミットメントがなされたわけですが、この点についても、どのようなことを期待されるかを教えて下さい。

A:わが国としては、昨年の6月の第1回目の、ある意味歴史的な米朝首脳会談で、トランプ大統領と金正恩委員長が朝鮮半島の非核化に合意し、共同声明に署名した意義は大変大きいと考えております。今般、2回目の会談が行われるわけですが、今度の会談が、拉致、核・ミサイルといった問題の解決に結びつく、具体的な成果が上がる会談であってほしいと願っております。いずれにしても、今般の会談が東アジア地域全体の平和と安定につながっていくということを強く期待をしております。わが国としては、北朝鮮問題の解決に向けて、今後とも同盟国、米国を始めとする関係各国と緊密に連携していきたいと考えております。

Q:米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」が、安倍総理と当時の仲井真知事が約束してから間もなく5年、この約束が果たされないまま期限を迎えることになりますが、これについての受け止めと、なぜこの間、約束が果たされないまま今日に至ってしまったのかということについて、大臣なりの御所見をお伺いできればと思います。

A:普天間飛行場の「5年以内の運用停止」につきましては、これまでの経緯を踏まえて申し上げれば、やはり、辺野古移設について地元の御協力が得られるということが、当時前提であったと思います。しかし、その後、沖縄県が埋立て承認を取り消し、更には埋立て承認を撤回するなど、安倍総理と仲井真知事の間で共通の認識に立った時点とは、その後大きく状況が変化したことは事実だと思います。こういう状況の中で、誠に残念ながら、「5年以内の運用停止」を実現するのは、非常に難しくなっているということを、これまでも累次にわたって申し上げてまいりました。その上で、これも以前に申し上げたことですが、できれば新たに国と沖縄県の双方が、移設が完了するまでの間における普天間飛行場の危険除去について、認識を共有できるような環境を作っていくことが大事ではないかと思っているところでございます。そういう御理解が得られるように、今後とも粘り強く取り組んでいきたいと思っております。

Q:米朝首脳会談ですが、非核化が焦点になるのはもちろんですが、北朝鮮の中距離弾道ミサイルについて議題にされるのではないかという面もありますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。御認識をお願いします。

A:是非、そのことも含めて取り上げていただきたいというふうに思っております。

Q:各国と緊密に連携していきたいということですが、大臣が何度も申し上げられているように、日米韓3ヶ国の緊密な連携が現状できているという御認識でしょうか。

A:大きな文脈においての考え方は変わっていないというふうに思っております。日韓の間で緊張がありましたが、それも徐々に解消に向かっているというふうに考えておりますし、今後とも、日米韓、日韓、あるいは関係国ということでいうと、北朝鮮の問題で言えば中国、ロシア、そういった国々としっかりと意見交換・意思疎通を図っていかなければいけないと思っております。

Q:今、大臣は「徐々に解消に向かっていると考えている」とおっしゃいましたが、これは、どういうことをもって、そういうふうなお考えになったのでしょうか。

A:防衛当局間というのは、常時色々な交信を行っておりますけれども、緊張を高めるような発信というものがなくなってきていると感じております。

Q:再三、日本が求めている、事実関係を認めた上での再発防止策を講じるという観点においては、進展はあるのでしょうか。

A:明確なお答えは現段階でもないわけですが、現にそういう事案はその後発生しておりませんし、これからも発生しないということを強く求めたいと思います。

Q:今、海上自衛隊幹部学校でセミナーが行われておりまして、韓国の中佐がいらっしゃると思いますが、レーダー照射以来、初めての公の交流であると思いますが、その受け止めと、改めて今後どのような韓国との防衛交流を続けていきたいかをお聞かせください。

A:参加していただいたことは評価し、歓迎したいと思います。現場でいろいろな会話が交わされるだろうと思いますが、それもまた、未来志向のものであってほしいと期待したいと思います。

Q:昨日のぶら下がりで、観艦式の招待について諸情勢を考えて判断していきたいと仰いましたが、どのような条件が整えば、韓国を呼べる状況になるのでしょうか。

A:条件を明示するというわけにはいかないところがありますが、全体状況が更に改善をして、韓国の参加を得るということが、日韓相互にとっても、地域社会全体にとっても、非常にプラスになるという状況であると判断されれば、御参加いただきたいと思っております。

Q:昨日、大臣はぶら下がりにおいて、県民投票の結果の受け止めについて、「辺野古の埋立も民意の一つであるが、基地返還も強い沖縄の民意である」と仰いましたが、投票結果を見ると普天間基地のある宜野湾市でも、基地の建設に対して3分の2が反対という結果がありましたが、この結果をどのように受け止めて、これを受けても返還が強い民意だとお考えでしょうか。

A:宜野湾の方々も新しい施設は、できれば造って欲しくないという思いがそこに現れたのではないかと思っておりますが、普天間飛行場を是非、返還してほしいという願いも、きっと強いものがあると考えております。普天間飛行場の返還を果たすためにはどうしたらいいのかということを、政府はずっと考えてきたわけでありまして、それがためには、普天間基地の機能、大きく三つあるわけですが、そのうち二つは県外に移すと、残された機能は辺野古に移設するということで、全面返還を成し遂げたいという思いで、事業を進めてきておりますので、引き続き、粘り強く丁寧に、政府の考え方、国の考え方を御説明して、御理解をいただいていきたいと思っております。

Q:普天間飛行場の返還ですが、辺野古に新しい滑走路ができれば、確実に返還されるものなのかということですが、2013年に日米の間で、返還に向けた8条件というのを確認しているかと思いますが、8条件が整わなければ、辺野古に新たな滑走路ができても返還されないという懸念はありませんでしょうか。

A:普天間の辺野古への移設、そして、普天間飛行場の返還ということは、累次にわたって日米間で合意を重ねてきておりますので、もちろん、諸条件というものをそれぞれ満たしていかなければいけないと思いますし、実際の返還に当たっては、更に詰めた協議を米側と行っていかなければいけないと思っておりますが、普天間飛行場の返還ということに関しては、揺るぎのないものだと考えております。

Q:石垣島への陸上自衛隊配備計画についてお伺いいたします。3月1日にも予定地の造成工事に着手するとのことでしたが、予定通りに3月1日に着工されるお考えか、お聞かせください。

A:石垣島への陸自部隊配備に関しましては、昨年12月以降、造成工事等6件の契約を締結してきたところでございます。今後、事前の安全対策として仮設安全柵の設置、赤土等流出防止の方策としての土のう等の設置を行いまして、その後3月には造成に係る掘削工事を開始する予定でございます。ただ、いつ実際に開始するかというのは、天候や受注者の準備状況等にも左右されることでございますので、現時点でしっかりと決まっているということではありません。

Q:市有地を含む土地全体の取得が済んでいない中での着工には、4月から適用される沖縄県の環境アセス改正条例逃れというような批判もあります。そのことについて、どのようにお受け止めでしょうか。

A:そのようなことを目的としていることではございません。既に南西地域においては、与那国は部隊を開設しておりますし、本年度中に、奄美、宮古部隊開設の予定でございます。石垣についても、できる限り早く部隊を開設して、南西地域の防衛態勢というものを確固たるものにしたいと考えておりますので、契約ができたところから工事に着手させていただきたいと考えております。

Q:冒頭の普天間の「5年以内の運用停止」に関連してなのですけれど、辺野古について地元の御協力が得られることが当時前提だったと大臣はおっしゃいましたが、辺野古の計画が当初通り進んでいても、普天間の返還が22年度以降ということで、今月の時点ではまだ移設は完了していなかったと思います。大臣のおっしゃるその地元の協力が得られていれば、今月で本当に運用停止はできていたとお考えでしょうか。

A:今月中に本当にできていたかどうかというのは、中々難しいところだと思いますけれども、やはり、知事と共通の認識に立てていたのは辺野古への移設ということが前提になっていたと思います。もちろん、沖縄側に責任があるということを申し上げているわけではなくて、政府の方も様々なそれまでの間、紆余曲折があって方針がダッチロールした、その後、何とか普天間の機能停止、全面返還ということを成し遂げたいということで、当時、総理と知事がそういう共通の認識に立ったということだったと思います。残念ながら、5年以内ということは実現が事実上できなくなっているわけですけれども、1日も早い普天間飛行場の機能停止というか、全面返還ということに向けて、政府として、なし得る努力をしっかりしていきたいと思っております。

Q:宜野湾市の緑ヶ丘保育園に、2017年12月に米軍ヘリの部品が落ちているのが見つかった件なのですけども、防衛省が近く職員を派遣するという報道が出ていますけれども、事実関係や目的等を教えてください。

A:本事案については、米軍等関係機関において、引き続き、調査中ではありますけれども、今、お話にあったように事案の発生から1年以上が経過していることを踏まえまして、防衛省の取組や現状について、沖縄防衛局から保育園関係者に説明をさせていただきたいと考えております。

Q:どういった内容を説明されるのでしょうか。

A:この間のヘリのドアが落ちてしまったところは、様々な対策を講じたり、もっと大きく言えば、この間の基地負担の軽減の取組等行ってきておりますけれども、そういうことも御説明し、御要望があればお伺いをするということで近々に訪問をさせていただきたいと思っています。

Q:新たに防衛省として検証、あるいは調査に取り組むというお考えもあるのでしょうか。

A:防衛省の調査というのは、どうしても限界があろうかと思いますので、米軍においても、引き続き、しっかり調査を進めてもらいたいと考えております。

Q:米朝の関連ですが、大臣は在韓米軍のこの地域における存在の意義についてどのように考えますでしょうか。

A:在韓米軍を含む地域の米軍の抑止力というのは、この地域の平和と安定にとって、重要であり不可欠なものだと思っておりますので、在韓米軍にまつわる様々な課題についても、今後とも、米国並びに韓国と緊密に連携していきたいと思っています。

Q:辺野古に関して2点お伺いします。これまでかかる費用について沖縄県の試算が2兆4000億と、そんなことはないと思うと答弁していらっしゃったりしていますが、例えば1兆は超えないだろうとか、埋立てだけで5年はかからないという、そういった具体的な年数、工法、金額については、これからだと思うのですが、おおまかに、少なくともここまではいきませんという見立て、お考えというのは、どういうところをお持ちなのでしょうか。

A:いずれかの時期、しかるべき時期に、そういうこともしっかり説明しなければいけないと考えているのですけれども、これも再三申し上げてきておりますが、私ども、今、国交省に審査請求中、審査を受けているところでございますので、審査への影響ということも考えて、私どもが提出した報告書については、今、公表するのは控えさせていただいているところでございます。当然、設計変更をしなければなりません。地盤改良もしなければなりませんので、それがどういう工法になるのか、そうなれば期間としてどれぐらい要するのか、費用としてどのくらい要するのか、工事自体は進んでいかなければ確定的なものは出てこないかもしれませんが、概算としてどういう形の工事になるのかということは、しかるべき時期にしっかり説明をさせていただきたいと思っております。

Q:今回、安全保障は国の専権事項ということは、ある程度共通した認識だと思うのですけれども、それに対して、国ではない地方自治体の直接投票によってこういう民意が出された、そういうこれまで自治体のまるまるで賛否を問うというのは、そんなに例があるということではないと思いますが、こうした手法を県という自治体がとったことについて、大臣としてはどう思われますか。また、仮にこういうことが続いてしまうようなことに対しての懸念や危惧というのはお持ちなのでしょうか。

A:なかなか難しい質問ですけれども、まず専権事項という言葉は使いたくないと私は思っておりまして、非常に語感がよろしくないというか、そういうふうに感じておりますが、沖縄には沖縄の当然民主主義があり、しかし、国には国の民主主義というものがあるのだと思います。それぞれに民意に対して責任を負っているということだと思います。したがって、今度の県民投票で示された沖縄の民意というものは、私どもしっかり受け止めなければいけないと思っておりますが、一方、国も民主的に選挙された国会によって、内閣が構成され、やはり時の政権には日本の国の安全保障という大きな責任を担っているわけでありまして、私どもは、その責任もやっぱり、しっかり果たしていかなければいけないと思っております。そういう意味で非常に難しい困難な課題ではありますけれども、やはり対話というものをしっかり行って、できるだけ御理解をいただき、御協力をいただけるように、これからも誠心誠意対応してまいりたいと思っております。

Q:先ほど大臣は設計変更のことをおっしゃいましたけれども、先日の沖縄県議会で、県の執行部は設計変更が出された場合には、出せない立場だというような、出さないという考えを示していますけれども、先ほどできるだけ丁寧に説明をして協力得られるようにとおっしゃいましたが、県の立場表明についてどのようにお考えでしょうか。

A:ちょっと残念に思います。やはり、来たる設計変更の中身を見ていただいて、是非を御判断していただきたい、是非、承認をしていただきたいと思っております。

Q:来年の自衛官の募集が全国各地で行われていますけれども、自衛官候補生の入隊は4年連続で採用計画数が減少していますが、こういったなかなか厳しい採用環境の背景には何があるとお考えでしょうか。また、今後どういう対策を打っていくのでしょうか。

A:今、御指摘があったように、任期制の自衛官となる自衛官候補生の採用につきましては、約9,400名の計画数に対しまして、約7,500名にとどまっておりまして、非常に厳しい採用状況にあるというふうに認識しております。自衛官候補生につきましては、4年連続で採用計画数を下回っております。これは自衛官の採用対象者そのものの人口の減少というものもございますし、高学歴化が進んでいるという背景もあると思います。また、景気が比較的堅調に推移しておりますので、労働市場が売り手市場であることなど、諸々の原因で自衛官の採用を巡る環境は厳しさを増していると考えております。先般来、自衛官募集のための地方自治体に対する防衛大臣の依頼について、様々議論がなされましたけれども、私どもも更に努力をしていかなくてはいけないと思っておりまして、そういう取組もしっかりやっていきたいと思いますし、今後、採用年齢の引き上げを含む採用層の拡大、それから、今、申し上げた地方公共団体や関係機関との連携・強化、そして、任期満了退職後の公務員への再就職や大学への進学等に対する支援を充実する等の取組を是非行っていきたいと考えております。

Q:観艦式の話に戻りますが、先程大臣が、「全体状況が更に改善して、韓国の参加が、日韓双方にとってプラスになると判断されればご参加いただきたい」と仰っていらっしゃる点について、言い方を変えると、現状ではなかなか、今の状況、今の環境で招待するのはまだハードルが高いという認識で良いのでしょうか。

A:まだそういう判断をしているところではありません。検討中でございます。

Q:韓国は今、現時点で招待はだされていないと思うのですが、他国に関しては、もう大筋で招待は終わっているという状況なのか、今後準備している段階なのか、その状況についてお伺いします。

A:それぞれ、相手国との関係がございますので、どこに今、どういうふうにしているということを申し上げるのは控えさせていただければと思います。

Q:辺野古の問題なのですが、先程大臣は「対話を重視する」と仰っておられましたけれど、その一方で、工事を続行していらっしゃるというのはどうしてですか。

A:恐らく、今般の県民投票を受けて知事もまた上京されると思います。総理は会っていただけると思いますが、是非、私にも申入れがあれば、お会いしたいと思っております。4ケ月で4度、知事にはお目にかかりましたけれども、対話というか、意思の疎通を欠かしてはいけないと思っておりますが、一方で、この23年来の課題の解決に向かって一歩ずつ前進をさせていただきたいと思っておりますので、工事については続けさせていただきたいと思っております。

Q:それは沖縄県民が示した民意に対して、諦めろという指示要請ですか。

A:いえ、そういう気持ちではありませんが、私ども国としての責任、抑止力の維持と沖縄の負担軽減ということの実現のために、前に進ませていただきたいと思っております。

Q:国に歯向かっても何にもないぞと、国は強大な力を持っているぞということを示そうとしていらっしゃるのですか。

A:私は決してそういう言葉遣いをいたしませんので、先程来申し上げているとおりでございます。

Q:そういう言葉遣い、ワーディングはしないけれども、そういうことなのだということですね。

A:いや、そういうことではありません。沖縄の皆さんにも、もちろん多くの悩みはあるかと思いますが、国は国で悩み、考えながらこの政策を進めさせていただいているところでございますので、誠心誠意を尽くして御理解がいただけるように努力したいと思います。

Q:対話の姿勢を示しながら工事を続けるということは一体どういうことなのか、ということを説明していただきたい。

A:これは先程来申し上げているとおりです。対話をするということは、説明を丁寧にする、ということだと思います。一方で、長きにわたる課題の解決に向けて前に進めさせていただきたいと思っています。

以上