防衛大臣記者会見

(英語版/English

日時
平成31年2月19日(09:34~10:24)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:米軍普天間飛行場の辺野古移設についてなのですけれども、昨日、総務省の国地方係争処理委員会で、埋立承認撤回の効力停止をめぐり、県からの申出がありましたが、それについて却下という結論を出しました。これについて、大臣の御所見を伺わせてください。

A:昨日、国地方係争処理委員会において、沖縄県の行った審査の申出は不適法なものとして却下する決定がなされたと承知をしております。これは、地方自治法によりまして総務省に設置された第三者機関である委員会の判断でございまして、私どもからその結果についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、防衛省の審査請求の手続きに瑕疵はなかったというふうに判断をいただけたと思っております。いずれにいたしましても、私どもとしては、普天間飛行場の一日も早い全面返還に向けて、引き続き、住民の皆様の生活環境、あるいは自然環境に最大限の配慮をしながら、移設作業を進めさせていただきたいと思っております。

Q:県はもう既に提訴する構えをしていて、再びまた法廷闘争に入ることも予想されますけれども、県に対してどのように理解を求めていくのか、また、県と対立が決定的になってしまう構造になっておりますが、この点について、どのように、また工事への影響をどのように考えておりますか。

A:沖縄県の今後の進め方については、まだしっかりと承知をしているわけではありませんので、我々としては、引き続き、丁寧に説明を行って、抑止力を維持しながら沖縄の負担を軽減するという基本方針の下に御理解をいただきながら、作業を進めさせていただきたいと思っております。

Q:ノーベル平和賞に、トランプ大統領が安倍首相から推薦を受けたというふうに述べたことに関してなのですが、昨日の予算委員会で、首相はトランプ大統領の実績として、北朝鮮への核・ミサイルの対応だとか、米朝首脳会談の開催というものを挙げましたけれども、大臣御自身として、こうしたトランプ大統領の実績がノーベル平和賞に値するものだとお考えでしょうか。

A:首脳間のやり取りについては、実際に私は何も承知しておりませんので、それについてコメントすることは控えたいと思いますけれども、確かに膠着していた朝鮮半島情勢が動き出したということは事実であって、そこはトランプ大統領の指導力に敬意を表したいと思いますが、まだ途中段階でございまして、我々2回目の米朝首脳会談も注目をしておりますけれども、是非、北朝鮮の完全な非核化、我々は更にミサイルの放棄ということも求めておりますけれども、そういったことについて、具体的な前進が図られるということを強く期待したいと思います。

Q:普天間飛行場の辺野古への移設について、政府はこれまで辺野古移設が必要な理由として抑止力と言ってきましたが、沖縄県以外に受け入れ先があるならば、抑止力の観点では、辺野古である必要はない、辺野古以外でも構わないという考えはあるのでしょうか。

A:これは今まで長きにわたって議論をされてきたことだと思います。そして、細かく申し上げませんが、御承知のように、海兵隊というのはそれぞれの機能がばらばらに存在していては用をなさないというか、力を発揮できない組織でございますので、司令部、陸上部隊、航空部隊及び後方支援部隊の4つが統合されていなければならない、ということが1点、それからもう一つは、沖縄という地理的特性、地理的重要性があると思います。東アジアの各地域に近い位置にあり、また、わが国の周辺諸国との間には一定の距離を置いており、そして、日本の守りの最前線は南西地域にあるわけですけれども、そのほぼ中央にあり、わが国のシーレーンにも近いということで、安全保障上、極めて重要な位置に沖縄はあると思います。従って、先ほどの海兵隊の特性と、沖縄の地理的重要性を考え併せた時に、日米同盟による抑止力を維持するためには、やはり沖縄において、機能の移設は沖縄の中で進めさせていただきますけれども、辺野古という選択肢しかないというのが、これまで累次にわたって日米の間でも確認をされ続けてきておりますので、是非、これは御理解をいただいて、その代わり今の沖縄の負担というのが少しでも軽減されるように、普天間飛行場という危険な飛行場が返還されるように、政府としては、その責任を果たしてまいりたいと思っております。

Q:過去の大臣経験者の中には、「軍事的には沖縄でなくてもよい」ですとか、「分散しようと思えば九州でも分散できる」ということを言う方もいらっしゃるのですけれども、辺野古が唯一の解決策というのは、そこは見解は変わらないでしょうか。

A:過去の大臣経験者の方々の発言は全部を承知しているわけではないのですけれども、例えば、訓練というのは当然外でもできるわけで、訓練移転ということは、これからもしっかり進めていきたいと思っておりますけれども、その機能が存在するというのは、やはりそれぞれの機能が近接している必要性があると思っておりますので、やはり、普天間の移設先ということで言えば、今作業を進めさせていただいている辺野古しかないと考えております。

Q:過去の大臣の発言を全部把握されているわけではもちろんないと思うのですけれども、2012年に当時の森本大臣が、「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると沖縄が最適だ」と。あくまで政治的に考えた際に最適だというふうな発言をされていて、それは閣議後の会見での話なのですが、政府としての見解が何か変わったということなのか、それとも安全保障上の環境が何か変わったとか、そういった事情があるのでしょうか。

A:その森本先生の御発言は今初めて聞いたのですけれども、政治的には、という意味が私にはよくわかりません。従って、同意できません。安全保障上の観点から言って、現在の移設計画が適切だと考えております。

Q:週末の辺野古の県民投票について、弊社の電話世論調査で、投票に行った人や行くと答えた人のうち、埋め立てに反対と答えたのは67.6%を占めました。大臣は告示日に普天間の辺野古移設の必要性について言及されていましたが、今回の調査結果をどのようにお受け止めでしょうか。

A:自治体が取り組んでおられる取組ですから、それについてコメントすることは差し控えたいと思いますが、政府には政府の責任というのがあると思いますので、先ほども申し上げたように、国全体の安全保障の観点から、抑止力はやはりしっかり維持しないといけない。一方、未だに米軍基地の大半が集中している沖縄の負担は少しでも、できる限りこれからも軽減していかなければいけない。これも国の責任だと思うのですね。この両方の責任をしっかり果たしていかなければならないと思っております。

Q:今月5日に福岡地裁で、防衛大学校で起きた「暴力」、「いじめ」事案の判決が出されまして、これについての防衛大臣としての見解をお聞かせください。

A:防衛大学校では、平成26年8月に不適切な学生間指導等が行われたとして関係学生8名が刑事告訴された事案が発生し、防衛大学校長をトップとする調査委員会を設置し、事案調査の一環として、学生に対してアンケート調査を実施し、上級生が下級生に対して不適切な指導を実施している例が多数判明いたしました。誠に遺憾なことだと思っております。今後、二度と同種の事案が発生しないように、引き続き、再発防止に努めてまいりますが、28年2月には、アンケート調査の結果も踏まえまして、調査結果を公表し、関係者の処分を行うとともに、再発防止策を徹底することとしたところでありまして、現在も継続的に取り組んでおります。将来の自衛隊の幹部候補を養成する学校でありますから、こういうことはあってはならないと考えております。

Q:今おっしゃったアンケート調査というのは、まさに防大の中で、殴る、蹴る、体毛を燃やすといったものが結果として出てきた、このアンケート調査のことを大臣はおっしゃっているのでしょうか。

A:そうです。

Q:こういうことが起きている防衛大学校の状況については、改めてどのようにお考えでしょうか。

A:今申し上げましたように、誠に遺憾なことであって、将来リーダーとなって、人を指導していかなければいけない学生たちですから、やはりこういうことがあってはならないと思います。しっかりと大学校において取組をするように改めて指示をしたいと思います。

Q:再発防止等の取組とおっしゃいましたけれども、今回の事案に関連して、防衛大学校としての責任についてはどのようにお考えでしょうか。

A:先ほど申し上げたように、しっかり調査を行って処分をし、再発防止策を作って、今、その取組をやっているということですから、そういう形で責任を取らせていただいているということだと思います。

Q:韓国艦艇によるレーダー照射事案について伺います。昨年12月20日の発生から間もなく2カ月、防衛省として最終見解を公表してから明後日で1カ月となります。大臣はこの間、再発防止の重要性を強調されてこられましたけれども、その取組の進捗状況、また今後の日韓の防衛協力の見通しについてお聞かせください。

A:この問題については、先にお示しをした最終見解に尽きておりまして、私どもとしては、韓国側にレーダー照射の事実を認め、再発防止を図られたいということを申し上げております。この姿勢に変わりはありません。一方、この地域の安全保障を考えた時に、やはり、日韓、あるいは日米韓の連携というのは極めて重要なことだと思っておりますので、レーダー事案については、しっかりと私どもの考えを伝えた上で、防衛交流については、適宜適切に判断して、できるものは続けていくという方針で取り組んでおります。おそらく、韓国サイドにも私どもの思いは届いているのではないかと思いますので、先般のようなことが二度と起こらないようにしていくと同時に、防衛交流は、適宜適切に行っていきたい、続けていきたいと思っています。

Q:韓国の報道ですが、1月下旬に韓国の国防部と外交部の幹部が日本の国連軍の後方基地を30日から31日の日程で訪れるという報道がありました。日米韓の3者で火器管制レーダーの問題が討議される見通しというのが報じられていたのですが、事実関係は如何でしょうか。

A:報道については承知をしておりますが、本件は基本的に外交当局間のやり取りであるために、防衛省からお答えするのは控えるべきものだと思いますけれども、先月末、金泰珍韓国外交部北米局長による国連軍後方司令部訪問のための訪日の際に、日米韓3ヶ国の関係者による意見交換が行われたという事実はない、というふうに承知しております。

Q:シナイ半島のMFO派遣についてなのですけれども、先日の日エジプト外相会談で、エジプトの外相からも歓迎の意が示されておりますけれども、今の検討状況と、改めてになりますが、この地に、MFOに自衛官を派遣する意義についてお聞かせください。

A:御指摘のように、今、政府ではMFO司令部への自衛官若干名の派遣について検討しているところでございます。先般、薗浦国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官が現地を視察してまいりまして、私もその報告を受けたところでございます。この薗浦補佐官の報告も受けた上で、今、更に検討を重ねておりまして、現地の状況をしっかり見極め、わが国の国益に資する活動であるか、要員の安全が確保できるか、PKOでいうところの参加5原則が満たされるか等を十分に検討して判断をしていきたいと思っております。このMFOという活動は、もちろんシナイ半島、エジプトとイスラエル間の停戦監視を行うという活動でありまして、中東の平和と安定に貢献してきた活動であると思っておりますので、もし、わが国がここに参加し、貢献することができるならば、わが国としても中東の平和と安定に資することができると考えております。

Q:自衛隊としての調査チームを派遣したいという話をおっしゃっていたと思いますが、今、現状はどのようになっていますでしょうか。派遣して、今、言われているような、要員の安全とかについては。

A:まだ調査チームの派遣については、現時点では具体的な予定はありません。現地調査の必要性に関する確認作業を行っている。薗浦補佐官は現地に泊まって、キャンプに泊まっていただく等して、詳細に調査をしてきていただいておりますので、更に追加の調査が必要かどうかということを、今、検討しているところでございます。

Q:派遣の最終決定は、いつぐらいまでにしたいというお考えでしょうか。

A:中々確たることをこの段階では申し上げられませんが、調査もしっかりしてきたというところでございますので、できるだけ早く判断できればと考えております。

Q:日韓関係ですが、先ほど大臣は防衛協力の重要性について、韓国サイドに思いは届いているのではないかという御発言がありましたが、この数週間の間に大臣から御覧になって、日韓関係改善に向けた糸口と言いますか、そういったものは見えているでしょうか。

A:日韓の間には、他の外交案件もあります。それらはどちらかというと、更に厳しい方向に残念ながら向かっていると思います。しかし、その中にあっても、防衛当局間は意思の疎通ができている必要があると思っておりますので、私どもはそういう考えでおります。そして、韓国サイドからもレーダー照射等に関して、ここのところ目立った御発言はないと思っておりますので、しっかりと意思の疎通を図っていく環境が徐々に生まれつつあるのではないかと思っております。

Q:意思の疎通ができている必要があるとおっしゃられましたけれども、現状意思の疎通ができているとお考えなのか、意思の疎通ができる環境が生まれつつあるということですが、韓国側から再発防止に何も言及がないまま、また、そのやり取りが活発になっているということは望ましい、あるいはあり得べしといったお考えなのでしょうか。

A:防衛交流について適宜適切に判断していくと申し上げましたが、例えば、今後、行われるADMMプラスの専門部会による演習等については、釜山に海上自衛隊の自衛艦が入港しないものの、その後のプログラムには参加するということを決めましたが、そういうやり取りを日韓の防衛当局間で様々行っておりまして、そこに障害があるというわけではございませんので、そういった意味で意思の疎通は図られているということだと思います。後段の御質問は何でしたか。

Q:意思の疎通を図っていく環境だということでしたけれども、韓国側は再発防止策やそういったことを示さないまま、そのまま元に戻っていくことはあり得べしことなのでしょうか。

A:再発防止を強く求めるという、我々の姿勢に何ら変化はありませんが、防衛交流できるものはやっていく、つまりお互いに意見交換をする、意思疎通をするパイプがなければ、そういった問題についても答えが出てこないと思いますので、当然のことながら、あのような事案が二度と起こらないように引き続き求めていきたいと思っております。

Q:FLCP移転候補地の馬毛島に遺跡が見つかって、西之表市が現地調査を始めると発表しておりますけれども、西之表市長は、調査結果次第では国の構想に影響がでると思うという見解を示されておりますが、このような報告が西之表市から来ているのかどうか、また、国の調査に影響がでるとお考えでしょうか。

A:昨日、西之表市が馬毛島で古墳時代から江戸時代のものとみられる土器や人骨が見つかったと、今月にも調査を始める旨を発表されたということは承知しておりますが、まだこの段階で西之表市から具体的な説明は受けておりません。しかし、御要請があれば適切に対応したいと思っております。こういう遺跡等については当然定めもありますし、適切に対応しなければならないと思いますが、いずれにしても、年来の課題がありましたFCLPが、ようやく候補地が、まだ正式に決まっておりませんが、確定しつつあるという状況ですので、FCLP施設の確保に向けて、防衛省として、引き続き、最大限の努力をしてまいりたいと思っております。

Q:年度内の決着を目標にされてらっしゃったと思うのですけれども。

A:決着というと。

Q:年度内に正式に契約をすることです。

A:先般、これまでの合意事項を確認する文書を交わしたということなので、できる限り早く正式な契約にもっていきたいと思います。

Q:今回の遺跡の調査が与える影響についてどうお考えでしょうか。

A:それはあまり影響しないのではないのでしょうか。正式に契約するけれども、工事に先立って、遺跡等について適切に対応しなければならなくなる可能性があるということですから、場所を決める、契約をするということに影響があるということではないと思います。

Q:辺野古移設の関係でお伺いします。土砂の埋立の材料、岩ズリについて、2014年に調達した土砂の単価と、2017年の単価、これが3倍位の価格に上がっているという状況がありました。この理由と、こういった価格の上昇というのがやむを得ないものなのか、妥当なのか、それとも何か問題があったのか、そのあたりの認識をお願いします。

A:岩ズリの単価は、当然、流通している商品ですから、調達時期や需給状況によって変動するものであると考えております。例えば、那覇空港滑走路の増設事業という大型事業等がございましたので、岩ズリの需要が増加したこと等によって価格が変動したものと認識しております。いずれにしても、全体の経費を抑制していくということは、大事な課題だと思いますので、各年度の予算要求の段階において、しっかり所要額を精査して、適切な予算執行に努めてまいりたいと思っております。

Q:2017年に調達した価格は妥当なものであったという御認識ということでよろしいでしょうか。

A:需要が大変増えた中にあって、この段階では妥当な価格であったと考えますけれども、今後についてもしっかりと精査をして、できる限り経費を抑制することに努めていきたいと思っております。

Q:自衛官の募集についてお伺いします。安倍総理が6割の自治体から協力を得られていないと発言したことについて、弊社の取材によると、全国の自治体からは、住民基本台帳の閲覧等は行っているので、協力していないという発言には違和感を覚えるという反応が多く寄せられました。この自治体の反応についての大臣の受け止めと、今後、防衛省が望む形で名簿を提出してもらうためにどのように取り組むのか、自衛隊法の改正の必要性等を含めてお考えをお聞かせください。

A:私も国会で幾たびか御説明申し上げましたけれども、御案内のように、自衛隊法97条、また自衛隊法施行令第120条の規定に基づいて、防衛大臣はすべての都道府県知事及び市町村長宛てに公文書によりまして、自衛官等の募集に必要な資料の提出を求めております。防衛大臣の求めに対しては、残念ながら6割近い自治体が資料を提供していただくという協力はしていただいていないということを申し上げたわけでございます。従って、そういうところは住民基本台帳を閲覧させていただいて、自衛官が書き写すことによって、情報を入手しているわけでございますけれども、でき得れば、紙媒体や電子媒体という形で情報提供をしていただくと、自衛官募集の作業も効率的に進めることができると思いますので、防衛省としては、引き続き、一つでも多くの自治体の皆様に法令や政令の趣旨を御理解いただき、御協力をいただけるように、お願いをしてまいりたいと思います。また、これを機会に、一部には必ずしもわが方の働きかけが十分でなかった地域もおそらくあろうと思います。今、精査をしているところで具体的には申し上げられませんけれども、自衛官募集に対する取組も、もう一回点検して必要なところは見直して、そして、充実・強化をしていきたいと考えております。そして、最後の御質問の法律の改正が必要かどうかというところについては、当面、そのような考えは持っておりません。今の仕組みの中でできる限り多くの自治体の皆様に御理解・御協力をいただけるように、防衛省として、誠心誠意努力をしてまいりたいと考えております。

Q:施行令第120条を読むと、「必要な報告又は資料の提出を求めることができる」とあって、自治体よっては、閲覧行為が必要な報告に当たる、あるいは提出に当たると判断する自治体もあります。そう考えると、大臣、現状では法改正の考えはお持ちではないということですけれども、より法改正で明示した方が、より名簿提出に望ましいという考えもあるかと思うのですが、そのあたりいかがお考えでしょうか。

A:一部の自治体では、閲覧に供するということを持って、それが報告だと解釈していることがあるというお話でしたが、報告及び資料の提出ということについて、確かに防衛省側と自治体側で解釈の違いがあるところもあると思います。私どもとしては、あくまでも当該情報を紙媒体か電子媒体でいただけるとありがたいというのが、依頼の中身でございますので、そういうことも含めて、しっかり説明をして協力をいただけるように努力をしてまいりたいと思います。

Q:先ほど、働きかけが十分でなかった地域もあろうかと思うとおっしゃいました。報道によれば、そもそも情報提供の要請を受けたことがないと答えている自治体もあるのですが、提供の依頼をそもそもしていなかった自治体もあったのでしょうか。

A:いえ、防衛大臣からの公文書としての依頼書は、すべての自治体にお届けをしておりますので、その中に具体的に当該情報の提供をお願いしたいというふうに書いてございますので、まずは文書において、すべての自治体にお願いをしているということでございます。もちろん、紙だけを届ければいいということではないと思いますので、地方協力本部において、やはり出向いて御挨拶をし、お願いをする等の努力がしっかり必要だと思っておりますが、そういうことがしっかり全部できていたかどうか等も含めて、私ども点検をして、もし見直すべき点があれば、見直して一層取組を充実・強化していきたいと思っております。

Q:先ほど法改正の必要はないというお考えということだったのですが、そもそも、この問題に焦点が当たったのは、総理がこれを理由の一つとして、憲法改正にまで言及されているから、こうして大きな問題になっているわけですが、それは必要でしょうか、必要ではないでしょうか。総理の考え、憲法改正で自衛隊を明記することが、こういう状況を改善されることに繋がるということが、この問題に焦点が当たった大きなポイントだったのですけれども、これについてどういうふうにお考えでしょうか。

A:今の御質問にお答えするということは、防衛大臣が憲法改正についてコメントする、とりわけ9条の改正についてコメントするということになろうかと思いますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:法改正は必要ないとおっしゃっていましたけれども、施行令第120条のところを「求めることができる」というところを書き換えれば、「提供するものとする」とすれば、任務的な解釈がより明確になると思うのですけれども、政令を変えるということはお考えないでしょうか。法律は改正しないとしてもですね。

A:他の法律や政令との横並びというのは、全部子細に確認したわけでもないし、理解ができているわけでもありませんが、およそ第97条の法令と第120条の政令の書き振りからすれば、お願いをすれば自治体の事務として、対応していただけるという構成になっているのではないかと思いますので、これは立法技術的な知識がないと正確には答えられませんけれども、そこの書き振りを細部変えるということで、大きく変わるということではないのかなとも感じますし、法令や政令で定められた自治体の事務とはいえども、やはり、我々としては、積極的・自主的に依頼に応じていただける環境を作るということが大切だと思っておりますので、まずは、その努力をしっかりさせていただきたいと思います。

Q:今おっしゃった点ですけれども、まさに依頼に応じていただける環境を作るということが法律にきちんと4情報を提供してもらうということを明記することだと思うのですが、こういった個人情報みたいなものを18歳、22歳といったようなかなり大きな枠で、ごそっと提供しろというようなことをきちんと法律に明記せずに求めるということが適切な行為なのでしょうか。

A:それは自衛隊法第97条と施行令第120条の規定によって、そういう情報資料を求めることができるというのは、しっかり法的に担保されていると私は思います。

Q:今は4情報という規定ですけれども、そうすると資料の解釈というのは、防衛省側にあって、例えば4情報以外のものであったり、18歳、22歳のみならず、他の個人情報といったものも防衛省が必要と考えればそれは自治体に対して提出を求めることができるという、そういう拡大解釈の余地を残したものにならないでしょうか。

A:そういうことにはならないと思います。住民基本台帳というのは、実は4情報以上に他の情報も含まれていると承知しておりますけれども、個人情報保護法の段階で、そういうことにも十分、留意・配慮しなければいけないということで、4情報に限定して防衛省としては、情報の提供をお願いすることにしたと承知をしておりますので、その枠が更に拡大する等ということはまったく考えておりませんし、あり得ないことだと思います。

Q:今はそうだと思うのですけれども、法律を変えないまま情報提供を受けることができるのだと言い続けてしまうと、後に資料の提出ということの解釈もどんどんと広がっていく可能性はありますよね。

A:私はそうは思わないのですけども、法律を変えたらどうかということに対しても、各党、各会派、あるいは国会の中で議論してみていただければ、それはそれで結構なのですが、様々な御意見、御議論が出てくるのだろうと思います。前向きの考え方もあるかも知れないし、消極的な反対の御意見もまたあろうかと思います。我々としては、そういう法改正について御議論いただくことは各党、各会派においてやっていただいて良いと思うのですが、この段階で防衛省として、そこの法律を変えてですね、自衛官募集に対応しよう、取り組もうとは思っておりませんので、今の仕組みの中で最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。

Q:先ほどの質問に関連するんですけど、総理の発言というのは、自衛官募集に対して非協力的な自治体が多いと。ところが、そういう自治体で災害とかがあると自衛隊員が行くと。そういう矛盾があるので、憲法9条に自衛隊を書き込む必要があるという趣旨のスピーチだと思うのですけれども、それについて主管大臣の防衛大臣として、どのように考えられるかということを伺いたい。

A:総理も本会議でも、あるいは委員会でも、一定の前提を置いてこの話をされていると思います。本来、行政府の長、内閣総理大臣としては、その憲法改正についてコメントするのは適切ではないけれども、質問に答える形で自由民主党の総裁としてご意見を述べられたものだと思います。私の立場は、一閣僚ということで党を代表する立場でもありませんし、とりわけ防衛大臣というのは、主権者である国民の皆様によって確定をした憲法、あるいはその憲法解釈に基づいて自衛隊を運用する立場にございますので、総理の憲法改正についての御発言に、防衛大臣の立場でコメントするというのは、私は適切ではないと思いますので、そこは控えさせていただきたいと思います。

Q:政治家としてはどうですか。自由民主党の衆議院議員としてはどうですか。

A:私も自民党の憲法調査会の当時副本部長の一人でもございましたので、憲法改正については私なりの考え方も持っておりますし、当時、私案を本部に提出したこともありますが、現在、防衛大臣という立場で政治家としての考えを述べるというのは適切ではないと思いますので、そこは是非、御勘弁をいただきたいと思います。

Q:先週14日に自民党が各議員に対して自治体に状況を調べるようにというような要請を送っています。圧力ととられる指摘もあるのですけれども、それについてどう思われるか。そして、何日か経ちましたが、自治体側の対応に変化はあったかどうかお聞かせください。

A:まず、当該文書については全く関知をしておりません。党においておやりになったことだと思います。それから、特段、その後、自治体の対応に変化があったとは聞いておりません。

Q:自衛官募集の件ですけれども、住民基本台帳の閲覧については十数年前に法改正があって、営業目的の閲覧というのは基本的に禁止されました。それは例えば、新小学1年生にランドセルを売りたい業者の方であるとかというのはできませんということになった訳です。それは個人情報の意識の高まりがありました。今、自衛官募集のためにやっている防衛省の活動というのは、国の機関の活動ではあるのですけれども、通常の、例えば、税の給付のために一定情報を利用するですとか、あるいは何か緊急事態の時に独居老人の方の住居を特定して、救出にあたるとかですね、そういった公益目的の個人情報の活用と言えるのかどうかという点、つまり自衛官の募集ということが性質としては営業行為とは思いませんけれども、通常、想定されているような公益目的と言えるのか。それとも自己の組織のための営業行為とは違うのですけれども、住基台帳が十数年前の法改正で禁止したような行為に近いのではないかというような印象も受けるのですけれども、自衛官募集ということは、いかに公益かということについて御説明をお願いします。

A:優れて公益目的の作業だというふうに私は考えております。国の安全保障を司る自衛隊の自衛官募集の作業ですから。住民基本台帳法上にも、他に法令の規定がある場合は、国はそういう情報の提供を受けることができる、閲覧することができるとなっていると思いますが、法令上もしっかり担保されていることでありますし、優れて公益に資する事柄だと思っております。

Q:今、人手不足の状況で、民間企業も含め、自衛隊に限らず公務員の方々の人材の募集というのも非常に厳しい状況があると思うのですけれども、その中で自衛隊だけそういった個人情報を集めてダイレクトメールを送るというようなアプローチの仕方が、適切であるというふうにお考えになる何か理由というのはあるのでしょうか。

A:先ほども申し上げたように、国民の安全、国土の安全というものを担保するために防衛省・自衛隊という組織はあるわけでございますから、法令に基づいて、そういう状況を提供していただくということに問題があるとは考えておりません。民間会社の皆様、まさに民間に数多ある情報を基に、私も経験がありますが、卒業間近になると電話帳みたいなやつが何冊も送られてくるみたいな活動をやっておられると思いますが、防衛省・自衛隊の場合は、法令・政令に基づいて、自治体の御協力をいただいて、防衛省・自衛隊という組織はどういう組織なのかということをお知らせさせていただいて、進路選択の一つの材料にしていただけるとありがたいということでございますので、そこは特段の問題はないのではないかと考えております。

以上