日仏外務・防衛閣僚会合共同記者発表

日時
平成31年1月11日(22:52~23:12)(日本時間)
場所
大西洋海軍管区司令部
備考
岩屋大臣仏国訪問(日仏外務・防衛閣僚会合))

1 発表事項

(ル・ドリアン欧州・外務大臣)

 本日ここブレストで、パルリ大臣と共に、河野大臣及び岩屋大臣をお迎えでき大変喜ばしいことです。政治・外交・防衛に関する議論を行う日仏外務・防衛閣僚会合は今回5回目を迎えますが、日仏両国の首都以外で開催されるのはこれが初めてのことです。 昨年中には、日本から多くの要人をフランスにお迎えすることができました。特に、昨年9月の皇太子殿下の御訪問、10月の安倍総理の訪問は、日仏外交関係樹立160周年を迎えた両国関係が活発なものであることを象徴しています。また、昨年7月14日の革命記念式典に名誉招待国として日本をお招きし、河野大臣に御出席いただきましたが、これは両国の共通の意思を更に強固にするものであるとともに、両国間のパートナーシップの戦略的性質を強化するものでありました。 今日、国際社会は、国際秩序の安定や環境保護の分野において大きな挑戦を受けています。これらの挑戦には海洋が大きく関わるため、本日、日仏包括的海洋対話の立ち上げを発表することができたのは、大変喜ばしいことです。この対話の立ち上げにより、安全保障、環境、科学技術、経済等の面で、海洋に係る両国間の対話・協力が一層強化されることとなります。2019年中に第1回対話を行いたいと考えています。ブルターニュ人として、海からの声が聞こえる象徴的な港町かつ横須賀の姉妹都市であり、レオン・ヴェルニーを通じて歴史的つながりを有する海軍基地を有する、ここブレストで新たなステップを踏むことができました。また、ブレストには、JAMSTECと協力関係にある仏海洋開発研究所も拠点を構え、今朝行われた経済ラウンドテーブルにも出席した海洋関係を含む多くの日本企業も進出しております。また、我々は今日の「2+2」を通じて、特にインド太平洋地域を始めとする国際・地域情勢に係る共通の見方が極めて近いことを確認しました。仏日は今後とも、平和、開発、テロ対策、気候変動、核不拡散等について、緊密に連携して共に対処していきたいと思います。ワーキングランチでは地域情勢を取り上げましたが、特に北朝鮮については、日仏間で完全に意見は一致いたしました。シンガポール及び平壌における会談はあったものの、CVIDの実現までは圧力を維持し続けなければなりません。イランについては、我々の目的は一致しており、優先課題はJCPOAの維持です。他にも多くの点について日仏間で意見の一致を見ることができました。今晩、パリにおいて、マクロン大統領を表敬した後、河野大臣と会談を行って政治・貿易等の二国間関係の強化について議論いたします。日本はフランスにおける第1のアジアの投資国であり、アジアにおける第2の投資パートナーです。日仏協力の重要な柱の一つである民生原子力分野について議論が行われる他、我々としては、ルノー・日産アライアンスについては、安定性が維持されることを願っています。また、日EU・EPAについても議論を行う予定であり、2月1日には発効予定のこの協定により、世界のGDPの30%、約6億人の人口を擁する一大市場が成立することになります。2019年のG7/G20議長国として、多国間主義の強化、開発、アフリカ、デジタル・AI、環境保護、テロ対策、不平等への対応等について、日仏が緊密に協力して取り組んでいきたいと思っております。河野大臣及び岩屋大臣におかれては、ブレストにお越しいただいたことに改めて感謝申し上げます。

(河野外務大臣)

 ル・ドリアン大臣とパルリ大臣から、美しい港町ブレストでおもてなしいただき、心から感謝いたします。大西洋を臨み、ブルターニュの海の幸も頂き、今までにない「2+2」でした。日仏両国は、基本的価値を共有する「特別なパートナー」として、また、今年のG20/G7の議長国として、国際社会の平和と安定に対する責任を負っています。両国はまた、共に「太平洋国家」として、自由で開かれたインド太平洋構想の実現に共通の利益を有しています。本日、ここブレストで「2+2」を実施できたことは、海洋に関する協力を更に強化する決意の表れです。具体的には、今日、日仏包括的海洋対話の立ち上げを決定しました。安全保障・防衛分野を含む様々な分野において、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化に向け、具体的な協力を推進していきます。更に、海洋状況把握を含む海洋安全保障、海賊・テロ対策、沿岸国の能力構築支援等の分野において、インド太平洋地域を中心に、日本とフランスとの間の協力を更に強化していくことを確認しました。そのほか、サイバー、軍縮・不拡散等の分野でも、両国間の緊密な連携を確認したことは重要な成果です。また、アジア太平洋や欧州の地域情勢についても、極めて建設的な意見交換を行いました。力による一方的な現状変更の試み等により、法の支配に基づく国際秩序が挑戦を受け、国際社会の安全保障環境が厳しさを増していることについて、両大臣と認識を共有し、緊密な連携を確認することができました。特に、北朝鮮については、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄の実現及び安保理決議の完全な履行の必要性につき改めて一致しました。この点、「瀬取り」を含む違法な海上活動への警戒監視のため、フランスが本年上半期に艦艇や航空機を派遣することを決定したことに謝意を表し、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また、拉致問題の早期解決についても、フランス側の支持を得ました。ル・ドリアン大臣及びパルリ大臣と一層緊密に連携して、インド太平洋地域における日本とフランスとのシナジーをこれまで以上に促進していく決意。具体的な協力を積み重ね、外交・安全保障を担う我々の手で、「特別なパートナーシップ」を更に深化させた日仏関係へと導いていきたいと思っております。

(パルリ仏軍事大臣)

 「2+2」は、日仏間の戦略的なパートナーシップを維持し、更に深化させる重要な機会です。今日の仏日のパートナーシップは、これまでにないものです。仏日は「インド太平洋国家」であり、民主主義、共通の立場や利益、多国間主義等を共有しております。こうした両国のパートナーシップは当然の帰結。大量破壊兵器の拡散は国際社会にとっての脅威です。昨年5月、豪州及びNZにおいてマクロン大統領が「インド太平洋の軸」を発表し、安倍総理ともインド太平洋の重要性を共有しています。だからこそ、フランスと日本が、共通の視点から、これまで以上に共に行動していかなければなりません。国防の観点からは、まずはインターオペラビリティの向上が重要です。この点、2018年7月の日仏ACSAの署名は決定的な一歩です。今後、別の協定も検討していきます。本日、日仏包括的海洋対話を立ち上げたことも、両国間の更に深い議論を可能とするものです。そして本年春には、空母「シャルル・ド・ゴール」のインド洋展開に際し、海上自衛隊との共同訓練を実施し、日仏の共同運用能力を強化していきます。能力構築支援等、国防分野での協力も意見が一致しており、宇宙、サイバー、ドローン、海洋監視、水陸両用の分野を中心に具体的なリストにしたがって協力していきます。また、海洋協力を強化していきます。ここブレストの地で「2+2」を行ったことは偶然ではありません。仏海軍と海上自衛隊との協力に期待できるでしょう。昨年12月13日及び14日には日仏海洋セミナーが開催され、新たなチャンネルが開かれました。両国間の海洋協力を包摂する形で、更なるシナジーが期待されます。フランスと日本は、価値、分析、懸念など非常に多くの分野で意見を共有します。共通のビジョンを是非活用したいと思います。両国の協力強化の意思は確認されており、防衛強力を更に具体化していきたいと思います。

(岩屋防衛大臣)

 第5回目となりました、日仏「2+2」会合をブレストにおいて、開催できましたことを大変嬉しく思います。軍港として名高い、このブレストは海上自衛隊の基地があります横須賀市と姉妹都市でもあります。また、第一次世界大戦中に友好国フランスへ食料を輸送中に撃沈され、亡くなった日本人の船員が手厚く葬られ、慰霊されている地でもあります。こうした日本と深いつながりのあるブレストの地において、日仏の安全保障協力について、話し合えたことは大変意義深い機会となりました。協議では、まず、私から、昨年に策定した新防衛大綱の狙いについて説明をさせていただきました。特に、新しい大綱では、友好国との間で、自由で開かれたインド太平洋の実現を図るために、多角的、多層的な安全保障協力を進めるとの方針を明示している点を踏まえまして、フランスとの防衛協力を更に深化させていく考えであります。こうしたわが国の新しい方針につきまして、両大臣に御理解をいただき、歓迎をいただいたことを、とても心強く思っております。また、フランスの国防政策につきましては、パルリ大臣が昨年の6月に発表した、フランス及びインド太平洋地域の安全保障の中で示されたお考えが、わが国の自由で開かれたインド太平洋というビジョンと合致するものであると確認し、フランスが地域の安全保障に力強く協力している考えであることを歓迎させていただいたところでございます。防衛当局間の交流・協力に関しましては、昨年のフランス海軍フリゲート艦「ヴァンデミエール」と海上自衛隊の護衛艦との共同訓練等、1年間で積み上げた成果を確認するとともに、本年、空母「シャルル・ド・ゴール」を含む艦隊がインド洋に展開する機会を捉え、日仏共同訓練を実施することで一致いたしました。また、全ての軍種間で、より実戦的かつ定期的な共同訓練の機会を追求していくことで合意をいたしました。インド太平洋に国土を有する海洋国家であるフランスとの間では、海洋分野での連携を一層強化したいと考えております。また、地域において、海賊対処といった海洋安全保障に係る協力がPKO、HADRといった分野での連携を強めていくことでも一致をいたしました。地域情勢に係る意見交換では、北朝鮮について、「瀬取り」といった制裁解除の抜け道を塞ぐことが重要である点で一致し、このために、フランスが、本年上半期に航空機と艦艇を派遣して、国際的な監視活動への貢献の強化を表明されたことを心から歓迎を申し上げたいと思います。また、中国について、軍事力の急速な強化に加え、東シナ海、南シナ海における活動の拡大・活発化が安全保障上の強い懸念となっている状況について意見交換をいたしました。本日の会合を通じまして、ル・ドリアン大臣及びパルリ大臣との間で、より一層、関係を緊密にしていく土台を築くことができたと確信しております。日仏の防衛協力を更に強化してまいりたいと存じます。

以上