防衛大臣記者会見

日時
平成31年1月8日(11:11~11:39)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 私から、1月15日付の防衛省の幹部人事について、御報告をいたします。本日の閣議におきまして、平成31年1月15日付の防衛省の事務官等の幹部人事3件について、内閣の承認がなされました。1人は防衛審議官真部朗氏が退職をいたします。そして、西田安範整備計画局長が防衛審議官に昇任をいたします。もう1人は、大臣官房鈴木敦夫政策立案総括審議官が整備計画局長に昇任をいたします。

2 質疑応答

Q:昨年、防衛大綱・中期防を新たに策定されました。今年はその元年となるのですけれども、大臣の抱負、どんな年にしたいと思われますか。

A:今仰っていただいたように、昨年末に新たな防衛計画の大綱、そして新しい中期防衛力整備計画が策定をされました。今年はそれぞれその元年、新しい中期防の元年ということになりますので、大綱に示された考え方であります「多次元統合防衛力」というものを、防衛省・自衛隊一丸となって作りあげていく1年にしていきたいと思っております。わが国の防衛力の強化ということも必要でございますが、それと同時に、わが国の安全保障の基軸であります日米同盟の充実・強化も、これまで以上にしっかりとやってまいりたい。特に、ガイドラインの下に緊密に連携をして、宇宙やサイバーといった、新しい領域における協力・共同訓練、また防衛装備・技術協力などもしっかり行ってまいりたいと思っております。さらに、各国との安全保障協力の推進も重要だと思っており、わが国にとってより良い安全保障環境を、関係各国との協力によってつくり上げていく努力をしていきたいと思っておりますし、東南アジア諸国の能力構築支援もしっかりやっていくと同時に、オーストラリア、インド、欧州諸国をはじめとする国々との防衛交流をしっかり進めてまいりたいと思っております。それに加えまして、基地負担の軽減ということもしっかり進めてまいりたいと思います。特に沖縄につきましては、負担軽減を目に見える形で実現をしていかなければいけないと思っておりまして、これまで以上に沖縄の皆様にも丁寧に御説明を行いながら、基地の負担軽減に向かって着実に進んでまいりたいと思っております。これらの課題を、防衛大臣として、国民の命と平和な暮らしを断固守り抜いていくという決意を新たに、全身全霊をもって職務に当たってまいりたいというふうに決意をしています。

Q:韓国軍駆逐艦からの火器管制レーダー照射問題なのですが、1月4日に韓国側が動画を公開しました。4つの論点を挙げた上で日本側に謝罪を求めているわけですが、この件に関して、与党の側からも協議の打ち切りを求める声もあがっているかと思います。今後、この韓国に対してどのように防衛省として対応していくお考えでしょうか。

A:昨日の与党での議論というものも、私は報告を受けております。様々な御意見があるということは、承知をしておりますし、その思いは受け止めなければいけないと思っておりますが、何度も申し上げてまいりましたように、わが国の安全保障上、あるいは北東アジアの安全保障上、日韓の防衛当局間の連携というのは非常に大事なことだと思っておりますので、韓国側が公表した反論の内容については、相当に我々と立場、認識が異なっているということではありますけれども、当局間での協議は引き続き行ってまいりたいと思っております。

Q:なかなかこの間に協議が膠着状態ということに対して、立場が異なっているということで、与党の中でも何回も出ているわけですけれども、今後、この火器管制レーダーが照射されたという証拠として、防衛省側が持っている電波情報というものを公表していくお考えはありますか。

A:例えば、日韓の協議の中において、韓国にとっても電波情報というのは「秘」の扱いになっていると思います。わが方もそうでございますが、協議をしっかりと深めるために、お互い「秘」をかけた状態で交換するということは協議の行方次第ではあり得るかなと思っておりますが、現段階でそれは公に公表するというのは、わが方にとりましても、自衛隊の能力に関わる事柄でございますので控えておきたいと思っております。

Q:韓国側がかなり多くの言語に翻訳して情報発信をしておりますけれども、国際的に情報発信という側面で、日本側もさらに多くの言語で発信するということはあるのでしょうか。

A:わが方はまず国民の皆様に、自衛隊のEEZ内における警戒監視行動が適正に行われていた、決して言われるような低空の威嚇的な飛行ではなかったということを御理解いただく必要があると思い、まずは日本語で公開をいたしましたし、英語にも変換して公開をしているところでございまして、できれば韓国の皆様にも是非御理解をいただきたいということで、韓国語にも変換をいたしましたが、その他の言語については、今後必要に応じて検討していきたいと思っております。

Q:現時点で決めていないけれども、今後、そういうこともあり得るというお考えでしょうか。

A:通常、英語に変換できていれば、大体御理解いただけるのではないかと思っておりますが、もし、どうしても必要だということになれば、その時考えたいと思います。

Q:昨日の自民党の合同会議の中で、国連安保理等を含めた第三者機関に協議の場を移すべきではないかという意見も出ていましたが、それに対するお考えと、国際社会に対してどのように訴えていくお考えでしょうか。

A:まずは、国際社会に対しては、わが国の警戒監視活動は適正・適切に行われていたということは御理解をいただかなければいけないと思っておりまして、そこはしっかり説明していきたいと思っておりますが、本事案を第三者機関に預けるべしという御意見があるということは承知をしておりますが、でき得れば日韓の関係の中で解決をしていきたいというふうに考えております。

Q:できれば二国間の関係でということですが、共通する同盟国であるアメリカの関与だったり仲裁を求める声というのはあると思いますが、それに関して大臣のお考えは如何でしょうか。

A:日米韓の防衛当局間の連携というのは非常に重要でございます。これまでも日米韓で協議を行ったりしてまいりました。そういう中で、日韓の関係があまり思わしくないということは、この日米韓にも影響を及ぼしかねないということでございますので、様々な形で米国の協力もいただければと思っておりますが、具体的にそういう作業を進めているというわけではありません。

Q:この件に関して、アメリカとの情報交換・意見交換というのはどういう御対応でしょうか。

A:日米間は常に緊密な情報を相互に提供しあっていますので、もちろん今般の事案についても、こういうことがあって韓国とは協議中だということは伝えておりますが、米側に特段の、今、仰ったようなことをお願いしているということはございません。

Q:情報交換の中にあった現状の説明だけではなく、例えば電波情報の提供であったりとか、そういうものは含まれるのでしょうか。

A:そこまで詳細は、米側とのことであっても、相手国との関係もありますので、その点は差し控えさせていただきたいと思います。

Q:先ほど韓国の映像について、相当に立場が異なっているということでしたが、4つ向こうが主張していて、今、照射していないとか、音が明確に聞こえていないとかということがあるのですが、これを御覧になってどう思われたのかということと、韓国側の反証というのは成立しているというふうにお考えでしょうか。

A:私が逐一それに反論というか、意見を申し上げるのも如何なものかなという感じでございますが、音楽を使われたり、合成画像を使われたりしていたのには、正直ちょっと驚きはいたしました。色々、御指摘が中にありましたけれども、海自のP-1哨戒機は私どもが公開した動画でも示しておりますとおり、十分な高度と距離をとって飛行しておりまして、韓国側の御指摘は当たらないというふうに考えております。それから、韓国側は今回の飛行を低空脅威飛行に当たると主張しておられますけれども、実は、海上自衛隊ではこれまで韓国軍艦艇等に対しまして、今回と同じように必要に応じて写真撮影等を行ってきておりますけれども、これまで一度も韓国側から警告や抗議、ましてや火器管制レーダーの照射等はなかったわけでございます。従来の飛行との違いも含めてその具体的な韓国の御主張の理由は説明されていなかったというふうに思いますので、こうした御指摘は当たらないと考えております。それから、例の韓国艦艇が、捜索救助活動を行っていたのに、というお話がございましたけれども、わが方としてはEEZ内で活動している艦艇を見に行かなければ、そこで何が行われているかというのはわからないわけでございまして、またそういうお知らせもなかったし、無線による問いかけについてもお答えもなかったということから、それを承知することは非常に難しかったというふうに考えております。

Q:韓国側と協議をされたのですけど具体的にいつとか、計画があるのかどうかを教えて下さい。

A:今、それを調整中でございまして、連絡というかコンタクトは取れておりますので、それを今調整しているところでございます。できるだけ早く行えればいいと思っております。

Q:二国間でできれば解決と仰いましたが、そのためには、前提として事実関係の認識の一致というものが前提となるとお考えになるのか、そうではないのかということもあると思うのですが。

A:基本的には、言うまでもなく、事実関係について認識を共有するということが、そのスタートになるべきだというふうに思いますけれど、協議をやってみないと、どこまでいけるのかというのはこの段階では、予断をもってお答えするわけにはいきませんが、やはり事実関係をお互いにしっかり認識できれば、再発防止についてもさらに話が進んでいくということになりますので、そういう方向を我々としては目指していきたいと思っております。

Q:馬毛島について伺います。馬毛島の売買交渉に関して百数十億円を軸に本年度内にも合意の見通しとの一部報道が出ていますけれども、この件についての事実関係についてお願いします。

A:その報道については承知をしておりまして、これまでも馬毛島の所有者とは累次にわたって交渉を続けてきておりますが、この段階でまだ確定をしたわけではありませんので、具体的な内容についてお答えすることは差し控えたいと思いますけれども、FCLP、いわゆる空母艦載機着陸訓練の施設については早期に必要な施設だというふうに我々考えておりますので、恒久的な施設を整備できるように、引き続きしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

Q:今年の抱負の中で、沖縄の負担軽減を目に見える形で進めると述べられました。これまでも北部訓練場の返還等に取り組んでいると思うのですが、具体的に今年何を進めていく、取り組んでいくというものがあれば教えていただきたいということと、これまで以上に沖縄の皆様へ説明を、ということも仰っておられましたが、辺野古に関して、知事なり県側とお話をするお考えはありますか。

A:まず負担軽減については、これまでできる限りの努力をしてまいりました。空中給油機を移転したり、オスプレイの訓練を県外に展開するなどしてまいりましたが、そういった訓練の県外への展開という努力は引き続き行っていきたいと思いますし、米軍再編計画の着実な前進というものも図っていきたいというふうに考えております。それから、今、辺野古移設のための工事を進めさせていただいておりますが、必要に応じて、私もまた現地に赴く機会を得て、しっかりと説明をさせていただきたいというふうに考えております。

Q:辺野古の移設ですが、辺野古に基地が完成した場合、米軍が設定する高さ制限を超える建物が358件あるという調査結果概要ですが、事実関係について教えて下さい。

A:高さ制限越えが358件という記事に関することですが、個々の建造物が、統一施設基準に照らして航空機の航行の障害となるか否かにつきましては、飛行場の運用形態等を踏まえて、米軍等の個別の調整を経て判断されるものでございまして、今のところ、米軍がこの統一施設基準に照らして一部の鉄塔、沖縄電力とか、通信会社の一部の鉄塔を除いて、地形や建造物の存在がいわゆる水平表面との関係で、飛行の支障になるという問題意識を示したことはございません。このようなことから、米側との調整状況を踏まえまして、沖縄防衛局から平成27年6月11日に各通信事業者、あるいは沖縄電力に対しては、8月12日に、制限表面について説明を行った上で、これらの鉄塔の移設に係るお願いをさせていただいたところでございます。また、本件に関する地元の御懸念を払拭するために、沖縄防衛局が去年の4月11日に沖縄高専や地元の自治会等へ、また、12日に名護市に対して、また16日に沖縄県に対して既に説明を行っているところでございます。

Q:支障がある建物として鉄塔等の一部ということですが、これは実際何件あって、撤去するのにどれぐらいの費用がかかるのかということについては如何でしょうか。

A:沖縄電力株式会社の鉄塔は14基ございます。それから、通信事業者の鉄塔は4基ございますので、それらの移設に係る調整を行っているところですが、費用がどのくらい掛かるかというところは、まだはっきり出ておりません。

Q:撤去が必要なものは、今おっしゃったものだけということでしょうか。

A:現段階では、米側との調整の中で申し上げますと、こういった鉄塔については、移設の必要があるということでございます。

Q:今週、フランスを訪問されると思いますが、欧州の中でもフランスで「2+2」に臨まれて、防衛協力の強化に臨まれる狙いといいますか、意義をお願いします。

A:御承知のように、フランスはインド太平洋地域に拠点を持っている国でございますので、私どもが目指している、「自由で開かれたインド太平洋」というものを作っていくに当たっては、是非、フランスの協力も得たいと思っております。様々、課題はございますけれども、そういったことを中心にお話をしていきたいと思っております。

Q:フランス、そしてイギリスは、「自由で開かれたインド太平洋」という意味合いで、「航行の自由作戦」を実施する、あるいはそういう考えを示しているのですけれども、日本政府として「航行の自由作戦」に参加する考えというのは現時点であるのでしょうか。

A:「航行の自由作戦」については、私どもは、しっかり支持をしております。しかし、私どもが、例えば南シナ海で常時、警戒監視活動を行うということは、現段階では計画をしておりませんけれども、様々にこの地域において、関係国と共同訓練を行ったり、能力構築支援というものを行っていく中において、「航行の自由作戦」そのものに自衛隊が参画するということではなくても、環境整備にしっかり汗をかいていきたいと思っております。

Q:地理的には日本が一番近いところに存在するわけですけれども、そういう中で意義は支持しながら参加されないというのは、どういう御判断になるのでしょうか。

A:なかなか難しい質問ですが、あらゆる面からわが国にとって、より良き安全保障環境を作っていくという中にあって、わが国が果たすべき役割というのはどういうところにあるのか、あるいはどういうところに留めるべきなのかということを色々総合的に勘案した結果、今そういう形を執らせていただいていると御理解いただければありがたいと思います。

Q:レーダー照射問題に戻りますけれども、確かな証拠がレーダー照射ですけれども、公開していない理由をお伺いしたいのですけれども。そして、今回の問題が2013年の尖閣の中国との対立に似ていますが、それについてどのような考えかお伺いしたいのですけれども。

A:やはり、電波というものをどのくらい収集する能力があるのか、または分析をする能力があるのかというのは、極めて重要な防衛機密だと考えておりますので、私どもはそのデータから、残念ながら照射を受けたことは事実だと確認をしておりますけれども、そのデータそのものを公表するというわけには、わが方の能力を開示するということになるので、控えなければいけないと思っているところです。それから、今般の事案は必ずしも、尖閣での事案とは性質が異なるものではないかと思います。韓国軍、そして海上自衛隊、通常はパートナーとして行っているのですが、残念ながらこういう事案が発生したものですから、これはしっかり事実を確認した上で、こういうことが二度と起こらないように、しっかり話し合いをしていきたいと思っているところでございます。

以上