防衛大臣記者会見

日時
平成30年12月28日(11:15~11:37)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 日仏「2+2」について、御報告がございます。来年1月11日、フランスにおきまして日仏防衛相会談及び日仏外務・防衛閣僚会合、いわゆる日仏「2+2」を開催する予定です。アジア太平洋地域に常続的な軍事プレゼンスを有する唯一のヨーロッパの国でありますフランスとは、2014年以降、これまで4回の「2+2」を開催してきました。今年5回目になる日仏「2+2」を開催するこの機会に、フランスとの間で安全保障分野における協力関係を一層促進できるように議論してまいりたいと思います。また、「2+2」に先立ちまして、フランスのパルリ軍事大臣と日仏防衛相会談を行う予定でございます。その際には、新たに策定いたしました防衛計画の大綱、あるいは、中期防について説明し、御理解をいただくとともに、日仏防衛協力の今後の方針に関しまして、幅広く議論を行いたいというふうに考えております。

2 質疑応答

Q:本日が今年最後の記者会見となりますが、今年一年間の安全保障環境を振り返って、どのような一年だったか、また、来年の展望についてもお聞かせください。

A:私自身は、就任してちょうど3ヶ月というところでございますが、最大の仕事、課題は新しい防衛計画の大綱、そして中期防の策定でございました。そこに関わらせていただいたことは非常に光栄に思っているところでございます。ご案内のとおり、わが国を取り巻く安全保障環境は、従来の想定以上に速いスピードで変化をしている、その状況に対応できる新たな大綱を作り、中期防を作るということを、防衛省・自衛隊の諸君と一緒に成し遂げることができたということを大変光栄に思っているところでございます。各国の動向については、いちいち申し上げませんが、中国にしても活動を活発化させておりますし、北朝鮮については、依然まだ非核化について具体的な進展が図られているというわけではございません。そして、宇宙・サイバーといった新しい領域においても、脅威が増大しているということの中で、新しい「多次元統合防衛力」というものを来年以降しっかり作り上げていきたいというふうに思っております。そういった中で、日中関係は改善基調にありまして、防衛交流も徐々に進みつつあります。防衛当局間での相互理解・信頼醸成を深めていきたい、他の国についてもそういう努力を続けていきたいと思っております。

Q:韓国軍によるレーダー照射事件についてですが、昨日、日韓実務者協議が行われ、日韓で話し合いが行われましたが、協議の中で韓国側の回答等も含めた具体的な内容と、防衛省としての今後の対応について教えていただけますでしょうか。

A:今、御指摘のとおり、昨日、先般20日に発生いたしました事案につきまして、韓国軍艦艇による火器管制レーダー照射事案でございますが、統幕の課長級担当者と韓国軍の担当者との間で、テレビ会談による実務者協議を行ったところでございます。相手国との関係もありまして、協議の詳細についてのお答えは差し控えたいと思いますが、本協議を通じまして、私どもの方からは、本件についての遺憾の意を改めて伝え、再発防止を求めたところでございます。また、本事案に関する事実関係を中心に、それぞれの立場を説明し合ったという報告を受けております。現時点で、次回の協議の日程はまだ未定でございますが、防衛省としては、引き続き、韓国側と必要な協議を行ってまいりたいと考えております。

Q:当時の映像を公開するという話も耳にするのですが、これについての今後の対応について教えてください。

A:防衛省には、御指摘の動画も含めて、韓国軍の駆逐艦から火器管制レーダー照射を受けた事実を裏付ける具体的なデータというか、証拠というか、それを有しておりますので、現在、御指摘の動画につきましては、情報保全の措置を施しつつ、国民の皆様に御理解いただき易いように、字幕を付ける等の作業を行っておりますので、作業が済み次第、本日午後にでも公表させていただきたいと考えております。

Q:その動画を公表することによって、韓国側と様々な点で説明の食い違いがあるわけですが、何を狙っていると見ることができるのでしょうか。

A:本事案については、様々な論評がなされておりますが、中には自衛隊が不適切な行動をとったのではないかなどという御指摘もあったりするわけですが、海上自衛隊の側が国際法や国際取決めに従って、適切な行動をとっていたということを、是非、国民の皆様には御理解をいただいておきたいということでございます。

Q:火器管制レーダーの照射を浴びたということを裏付けることが、その動画を見れば分かるというものでしょうか。

A:御理解いただけると思います。

Q:動画については、ある程度の編集が必要であると思いますが、あまり編集すると、韓国側からも編集して事実と異なるという指摘もあるかと思いますが、基本的には撮影された一部始終を映されたものが公開されるということでしょうか。

A:韓国との信頼関係は大事でございますので、韓国側にはフルで、お互い軍と自衛隊というミリタリー同士ですから、お渡しをしておりますが、その中にはたくさんの「秘」というものが含まれております。韓国側に渡したものも、わが方の機密はカットさせていただいておりますが、それ以外にも秘匿すべき情報、具体的に言いますと、わが方の能力を広く知らしめるおそれがあるという情報についてはカットさせていただいておりますが、できるだけ現場の状況がよく御理解いただけるような編集をするように指示しておりますので、今、その作業をしてもらっていると思います。

Q:先ほどから出ている韓国側に示す動画と、広く国民に示す動画は、それぞれ何分ずつあるものになりますか。

A:いや、そんなに大きく変わらないと思います。ただ、飛んでいるだけという時間等は割愛したりしていると思います。

Q:照射されていたとされる数分位のものなのでしょうか。

A:その位のものになると思います。ただ、自衛隊の航空機がどういう活動をしたかということは、御理解いただけるような内容になっていると思います。

Q:最初は、当時、韓国側は、漁船を捜索するためにあらゆるレーダーを使っていたというような説明をされていたと思うのですが、今回の映像からは大臣も御覧になられたと思うのですが、率直に言って、その辺りはどういうふうに理解していますか。

A:見ていただければわかると思いますが、かなり天候も良い状態にあったと承知をしておりますし、漁船の姿も十分目視できる位置にあったというふうに感じておりますので、全てのレーダーを展開するという必要はなかったのではないか、という感想を私は持ちました。

Q:今回の動画については、韓国側には既に渡して見せたという理解でよろしいでしょうか。

A:はい。今回、公開するものについても、お知らせをしてお渡しをしたいというふうに思っております。

Q:既に渡しているのですか、これから渡すのですか。

A:今、編集中ですから。ただ、公開はさせていただくという御連絡はさせていただきました。

Q:公開するという連絡に関して、韓国側から何か反応等ありましたでしょうか。

A:今、具体的な反応は、私は報告を受けておりません。

Q:照射を受けたことがわかる動画になっているというおっしゃり方をされましたけども、周波数とかそういうのは中々明らかにするのは難しいとは思うのですが、どういった形で照射を受けたかわかるのか、ビープが鳴って、何故、目に見えないものを受けたというのが動画を見ればわかるのか、というのを御説明いただけますでしょうか。

A:もしかすると、その点は動画だけではわからないかもしれませんが、自衛隊は当然、電波収集も同時にして記録も残しております。それもまたわが方の能力でありますので、どこまで公開できるかというのは難しいものがあると思いますが、韓国側とのやり取りの中では、必要なデータはお示しをして、相互理解が進むようにしたいというふうに思っております。

Q:そうすると、動画を見れば照射を受けたのが誰にでもあまねくわかるという形なのか、それとも、漁船が近くにいるのもわかるし、低空飛行もしてない、無線呼びかけもしているという内容なのか、それはどちらなのでしょう。

A:今、御指摘あった点については御理解いただける記録になっていると思っています。

Q:照射を受けたということも。

A:はい。自衛官は非常に訓練されておりますし、航空機も含めてしっかりとした能力を備えております。従って、そういう傍受を間違うということはないと信じております。

Q:この間、この問題を巡って、防衛省、岩屋大臣は非常に抑制的に、慎重に対応してこられたと思うのですけれども、今回この協議している、しかも、初回が終わったこの段階で、世論に訴えかける形でこういう動画を公表することが、日韓の協議に、今後、支障を与えかねないという懸念はないでしょうか。

A:協議の場が設けられたということは、非常に前進だったというふうに思います。私どもから、そこは事実関係をしっかりと説明させていただいているつもりなのですけれども、なかなかまだ、相互の見解が一致しているというわけではありません。この間、様々な先ほども申し上げたように論評がございまして、必死にわが国の海・空を日頃、警戒監視して守ってくれている自衛隊の諸君に、いささか不名誉な論評も中にはあったりするので、特に国民の皆様に自衛隊が国際法規、あるいは、国際取決めに則って、しっかりと活動していた、適切に活動していたということを是非、御理解いただきたいと考えたからでございます。

Q:このタイミングで出すべきものだとお考えなのでしょうか。

A:その上で、韓国側との協議はこれからも進めてまいりたいと思っております。大事なことは、この種の事案が、日韓の間で二度と起こらないということが一番大事なことであって、様々、日韓の間には困難もありますけれども、安全保障上は極めて重要な二国間関係だというふうに思っておりますので、こういった問題を乗り越えて、やはり日韓の防衛当局間の意思の疎通、交流ということを前向きに進めてまいりたいと考えております。

Q:今、大臣がおっしゃったように、再発防止が最も大事なことであるということですけれども、再発防止のためには、事実関係がどうであったか、相互の理解が一致しなければ、なかなか前に進まないということがあると思うのですけれども、防衛省が主張しているように、まったく日本側に何の齟齬もないということであれば、韓国が悪いということにはなると思うのですけれども、その場合、防衛省として、相手方に謝罪だとか、責任者の処分だとか、そういうのがないと、なかなか再発防止に繋がっていかないという指摘もあると思うのですが、大臣はそういったことに関しては、どういうお考えでしょうか。

A:もし、わが方にこのような事案が発生したということであれば、当然、原因を究明して、もし現場、あるいは隊員の方に問題があったとするならば、しっかり処分も含めて行うと、そしてまた、当該国に対してはきちんと謝罪をするということになるのだろうと思いますが、これはやっぱり、韓国側において考えていただくことでございますので、この段階でこちらから、そういうことを申し上げることは控えたいと思っております。

Q:動画を公表するということで、それは昨日の協議が平行線にいって、証拠を示さなければいけないという認識に立ったものなのか、また、今回動画を公表することで、国際社会に日本の立場を示したいといったそういった思いがあるのでしょうか。

A:日本の立場を示したいというよりも、まずは、国民の皆様に自衛隊の適切な運用を御理解いただきたいということと、その延長線上で、国際社会に対しても、日本が適切に自衛隊の運用を行っているということは御理解いただきたいと思っております。

Q:動画を見ればすぐ分かると、例えば、まだ渡していないということですけれども、韓国側にもそれを見せると、そこまで言っていて、捜索のためにやっていたという主張を続けていたこれまでの韓国側の姿勢というのは、どのように評価されますでしょうか。

A:日韓というのは、これまでも大事な二国間関係ですから、防衛当局間の交流というのもありましたし、これからもしっかり続けていきたいと思っておりますので、お互い事実関係をしっかりと明らかにして、もし、自分達の側に非があれば、それは友好国でございますから、申し訳なかったと、こういうことは二度と起こさないようにしたい、というお話がお互いにできるような関係というものを、ぜひ築いていきたいと思っているところでございます。

Q:先程、大臣は、電子データで電波のデータも昨日の会議で韓国側に示した、と仰いましたけれども、それに対して韓国側はどういう反応をしたのでしょうか。決定的な証拠だと思うのですが。

A:まだ、電波のデータは渡していない、示していないということでございます。いくら友好国と言えども、お互い「秘」にしなければいけないというところもございますので。

Q:最後の会見となりますが、今年を漢字1字で表現するとどうでしょうか。

A:準備をしてまいりました。「真」でございます。これは、冒頭に申し上げたとおり、今年最大の課題は、大綱・中期防の改定ということだったわけですが、日本を取り巻く厳しい安全保障環境を真正面から見据えて、真に実効性のある、実行力のある防衛力を構築していかなければいけないという使命を担ったということで、「真」という字にさせていただきました。

以上