防衛大臣記者会見

日時
平成30年12月21日(11:30~11:45)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:本日、2019年度予算が閣議決定されまして、防衛予算が過去最多の5兆2,500億円となりました。財政状況が厳しい中で、7年連続の増加となったわけですけれども、これについて、どのように説明して理解を進めていくお考えでしょうか。

A:確定した平成31年度予算案につきましては、新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画の初年度の予算ということになります。真に実効的な防衛力としての多次元統合防衛力の構築に万全を期すために必要な予算といたしまして5兆70億円、これは対前年度比で682億円の増、プラス1.4パーセントになりますが、これを計上いたしております。わが国を取り巻く安全保障環境は、何度も申し上げてまいりましたが、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増している中でございますので、防衛装備品については、事態が切迫してから取得しようとしても、長時間を要するということでございますので、いかなる事態にも対応できるように、万全の備えをするためには、平素から必要な防衛力をしっかりつくっておくことが大事だと考えております。また、FMSによる防衛装備品の調達が増加傾向にあるのは事実でございます。FMSというのは、わが国を守るために必要不可欠な装備を調達する手段でございますけれども、イージス・システム、あるいはF-35A戦闘機といった装備品は、FMSでしか調達できないことも事実でございます。しかし、FMSの改善についてもしっかりと努力をしてまいりたいと思っております。他方ですね、防衛関係費につきましては、中期防の事業費である物件費の契約額について、しっかりしばりをかけるということになりまして、おおむね17兆1,700億円の枠内として示されているところでございます。後年度負担を含め適切に防衛関係費を管理してまいりたいと思っております。

Q:アメリカのトランプ大統領が、マティス国防長官が来年2月に辞任すると発表しました。受け止めと日米安保、防衛政策への影響について、どうお考えかお願いいたします。

A:私も今朝のニュースに少し驚きましたけれども、トランプ大統領が、ツイッターにおいて、マティス長官が2月末に辞任する旨述べられるとともに、マティス長官が発出された大統領へのレターの中において、来年2月28日をもって辞任する旨述べていると承知をしております。マティス長官は、2017年1月20日の就任以来、約2年間にわたって、日米同盟のために大変尽力いただきました。私を含めてですね、マティス長官と防衛大臣との間では、電話会談を含めると18回にものぼる会談を実施してきております。私も先般、シンガポールで初めてマティス長官との日米防衛相会談を行ったところでございます。マティス長官におかれては、日米が緊密な連携を図る上で大変力強いリーダーシップを発揮していただきました。同長官のこれまでの御貢献に感謝いたしますとともに、任期の限り、緊密に連携していきたいと考えております。

Q:今のマティス長官の離任に関してですけれども、マティス長官はアメリカと同盟国を繋ぐ重要な役割を担ってこられたと思うのですが、今後、離任したことによって、同盟国とアメリカの関係、それから更にいうと、在日米軍、在韓米軍に対するコスト論みたいな、米国との論議の高まりみたいなのが今後、盛り返してくる懸念というのはありますのでしょうか。

A:現在、マティス長官はまだ在任中でいらっしゃいますので、その後の影響について、この段階でコメントすることは控えたいと思いますが、マティス長官も御努力いただいたように、同盟国としっかりと連携していくという方針は、受け継がれるものというふうに期待をしております。

Q:FMSについて言及がありましたが、イージス・アショアやF-35Aといったものはそれでしか買えないと思うのですが、一方で、これまで振り返ると、当初の契約額よりも増えてくるという傾向もあると思いますが、そういったところに対して、アメリカ側にどのように向き合っていくのか、また、決して安くはない装備品を、31年度予算というものをどのように国民に対して理解を得ていこうとお考えでしょうか。

A:まとめ買いをすることによって、価格低減を図るといった努力はこれまでも行っております。早期警戒機E-2D、これは長期的に見れば、約14パーセント減、325億円程度になりますが、コスト減を図ることができましたし、SM-3ブロックⅠBというものについては、約25パーセントの低減を図ることができております。このような努力をしっかりと続けていくことと、精算が遅れているということもございますので、そういったプロセスの改善についても、米側としっかりとこれから交渉をしてまいりたいと思っております。

Q:防衛予算の対外的な示し方についてお伺いいたします。政府内ではNATOの指針に基づいて、従来の防衛予算の示し方の他に、対外的にはPKOの負担金であるとか、戦没者の遺骨収集に伴う予算であるとか、他府省の予算も合わせた形で示す方針があると報道されておりますが、現在の考え方について教えてください。

A:御指摘の件は、いわゆるNATO基準ということについてのお尋ねであると思いますが、NATOにおいては、防衛費の算定基準として、国防当局が管理する予算以外の予算も含まれるということにしていると承知しておりまして、共通定義はNATOの防衛政策計画委員会において議論され、公表されていると承知しております。しかし、それぞれの国が独自に判断して、何を入れ、何を入れないかの判断をしているということでございます。日本は言うまでもなく、NATO加盟国ではありませんので、今期の中期防において、NATO定義を適用した整理を行っているわけではありません。前から申し上げてまいりましたが、GDPと防衛予算を機械的に結び付けるということは適切ではなくて、あくまでも、必要最小限のものを積み上げていた結果ということであると考えております。ちなみに、平成30年度は対GDP比でいいますと0.875パーセント、31年度は0.884パーセントになる見込みです。

Q:対外的な示し方としては、NATO基準に合わせた示し方はしないということでよろしいでしょうか。

A:全くしないということではなくて、そういう必要があれば、わが国の場合、どういう算定の仕方をすべきかということを政府全体で議論して、お示しをすることもあり得ると思います。

Q:防衛大綱の内容に関して、中国外交部が、「事実ではない中国の脅威を煽った」として日本側に抗議をしました。中国側の抗議、中国側の反応をどのように受け止めていらっしゃいますか。

A:大綱・中期防等の記述で、各国の活動、あるいは日本を取り巻く安全保障環境について記述しておりますが、その中で、尖閣周辺での活発な中国の活動、あるいは南シナ海での活発な活動についても触れております。しかし、それは事実でございますので、私どもはこの地域の緊張、テンションというものが低くなっていくことが望ましいというふうに考えておりますので、そのために各国ともにそれぞれ努力をしていくことが必要ではないかというふうに思っております。

Q:中国が「日本には専守防衛を守ってほしい」というコメントがありましたけれども、これについてはいかがでしょうか。

A:これも従来から申し上げておりますように、専守防衛の基本方針は今後も変わりません。それは今回の大綱・中期防において、全く同じでございます。

Q:プーチン大統領が、普天間飛行場の辺野古への移設を念頭に、北方領土交渉をしていく上で、米軍基地問題に対する懸念の意を示されていますが、受け止めについて伺えますでしょうか。

A:ロシア大統領の御発言の逐一について、防衛省としてコメントすることは差し控えたいというふうに思っております。

Q:FMSの調達の改善の関係でお伺いします。大臣もお話になりましたE-2Dはまとめ買いということなのですが、FMSとしては初めての長期契約を適用するという形になると思います。ただ、制度上、FMSが米側の価格は見積りであり、納期も予定であるという制度的な問題というのは残ったままだと思うのですが、今回、長期契約をするに当たって、価格低減も含めて何か特別な条項の契約を結ばれたり、従来と違うような取り決めをされるのか、どうかその辺りを教えてください。

A:FMSの改善については、今触れていただいたように、まとめ買いをすることによってコスト削減を図るという方法も一つあると思います。それから、納期の遅れとか精算の遅れということについては、是非、業務の迅速化を図っていただくようにお願いもしていかなければいけないというふうに思っておりますし、一回一回、契約の度に努力するということももちろん大事ですけれども、できればもう少しFMSの改善について、何らかのルールというと大袈裟ですけれども、日米間でしっかりと、これこれこういうことについてはこういうやり方でしっかりやりましょうねと、これまでの問題点が無くなるように改善しましょうね、という取り決めができればいいなと考えておりますので、そのために事務方にもしっかり努力してもらうように指示しておりますし、私も今後、累次の機会を通じて、そういった申入れ、また交渉を行っていきたいというふうに思っております。

Q:E-2Dの価格低減が実際にどうやって担保できるかという部分なのですけれども、米側の見積価格というものが、最後まで日本側として拘束できるものなのかどうか、本当に実現できるのかどうか、その辺りの認識は。

A:FMSの仕組み上、完璧に拘束できるというものではないと思いますが、このとおり実現するように最大限の努力を行っていきたいと思います。

Q:マティス長官の辞任の関係で、大臣としては、マティスさん、ないし後任の方と早期に対談するお考えというのはございますでしょうか。

A:もちろん、できればマティス長官にももう一度お目にかかりたいと思っておりますし、後任の方がお決まりになれば、やはり大事な日米関係でございますので、できるだけ早い時期にお目にかかりたいというふうに思っております。

以上