防衛大臣記者会見

日時
平成30年12月18日(11:37~12:22)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 本日の閣議におきまして、新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」が決定されました。その内容につきまして、私から簡潔に御説明をさせていただきたいと思います。我が国を取り巻く安全保障環境は、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しております。この中で、平和国家として今後も歩んでいくためには、我が国自身が、国民の生命・身体・財産と領土・領海・領空を主体的・自主的な努力によって守る体制を強化する必要がございます。専守防衛を前提に、従来の延長線上ではない、真に実効的な防衛力のあるべき姿を見定めるために、防衛省内での検討や、閣僚間での議論を重ね、本日、結論を得るに至ったところでございます。新たな大綱では、まず、望ましい安全保障環境の創出、脅威の抑止、さらには、万が一の場合における脅威への対処といった3つの防衛の目標を明確に示しております。また、これを達成する手段である、我が国の防衛体制につきまして、すべての領域の能力を融合させる領域横断作戦等を可能とする、真に実効的な防衛力として、「多次元統合防衛力」を構築してまいります。また、ガイドラインの役割分担の下、引き続き日米同盟を強化してまいります。さらに、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを踏まえまして、防衛力を活用しながら、多角的・多層的に安全保障協力を推進してまいります。このための防衛力強化は安全保障環境の変化に対応するため、従来とは異なったスピード・速さで行う必要があると考えております。新大綱・中期防におきましては、優先事項を早急・早期に強化するために、既存の予算・人員の配分に固執せず、資源を柔軟かつ重点的に配分することとしております。具体的には、領域横断作戦に必要な能力を優先的に強化することとしており、特に、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力の獲得・強化を目指しております。また、従来の領域につきましては、太平洋側を始め、防空態勢を強化するために、有事における航空攻撃への対処、警戒監視、訓練、災害対処といった必要な場合に、短距離で離陸し垂直に着陸できる、いわゆるSTOVL機の運用が可能となるよう、「いずも」型護衛艦を改修し、多機能の護衛艦として多様な任務に従事させることといたします。また、F-2の後継となります将来戦闘機については、国際協力を視野に、我が国主導の開発に早期に着手することとしており、我が国主導で総力を結集して、将来の防空態勢の中核となり得る能力の高い戦闘機を作るべく、今後、全力で取り組んでまいりたいと思います。同時に、少子高齢化の進展や、軍事技術の発展に対応するため、人的基盤、技術基盤、産業基盤等の強化にも優先的に取り組んでまいります。これらに必要な事業を積み上げました結果、中期防の防衛力整備の水準は、おおむね27兆4700億円を目途としております。その上で、装備調達の最適化を含め、一層の効率化・合理化を進めることによって実質的な財源の確保を図り、おおむね25兆5000億円を目途に、各年度の予算編成を実施することとしております。また、新規後年度負担に係る説明責任を果たしていく観点から、新たな事業に係る物件費の契約額を、おおむね17兆1700億円の枠内として示しております。今後、防衛省・自衛隊としては、ただいま申し上げたような方針に基づいて防衛力を強化し、これまで以上に我が国の防衛に万全を期してまいります。国民の皆様の期待と信頼に応えられるよう、今後とも全力を尽くしてまいる決意です。

2 質疑応答

Q:防衛大綱に関して、ご説明のあった「いずも」型の護衛艦の改修についてですが、STOVL機の搭載によって、専守防衛を逸脱するのではないか、という懸念が指摘されております。これに対してどのように説明されていかれますか。

A:今も申し上げましたとおり、また、中期防にも記述をさせていただいたとおり、戦闘機を常時搭載するという使い方ではございませんで、「いずも」型の護衛艦につきましては、今後とも、例えば対潜ヘリを載せての哨戒活動、あるいは、場合によっては医療、輸送といったような多様な目的のために使用していきたいというふうに考えておりまして、先程申し上げたような、必要な場合にのみ、STOVL機を運用することとさせていただきたいと考えております。したがいまして、「いずも」型の護衛艦は今後も、多機能・多用途の護衛艦として運用されるということでございまして、そういう運用の仕方は、専守防衛の範囲内であるというふうに考えているところでございます。

Q:今回の大綱は、前回の大綱から5年で見直しという形になりました。前回の大綱はおおむね10年を念頭においていたと思うのですが、短期間での見直しに至った背景や意義について御説明いただけますでしょうか。

A:前回の大綱・中期防策定の際は、私も党の安全保障調査会長として党側で作業に関わったのですけれども、その時の想定とは違って、格段に早いスピードで安全保障環境は変化をしてきたと思っております。北朝鮮にしても、ミサイルの脅威ということについては、まだ我が国を射程に含める弾道ミサイルが数百発配置されているという現実もあります。実際のミサイル発射については、小康状態にあると思いますが、この5年間、北朝鮮が獲得してきた能力というのは、我々の想定を超えていたことは事実でございます。それから、中国につきましても、東シナ海・南シナ海における非常に活発な活動というのも、こういったスピードで進んでくるとは想定をしておりませんでした。今回の大綱・中期防の柱の一つになっております新領域、サイバー・宇宙・電磁波といった領域における軍事技術の進展ということも、正直、想定を超えていたものがございます。こういった安全保障環境の早いスピードでの変化にきちんと対応するためには、この段階で大綱をしっかり見直す必要があったというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。

Q:話題変わりまして、滋賀県饗庭野演習場で、先月、自衛隊の迫撃砲によって民間車輌が損害を受ける事故がありました。その調査結果が本日公表されたのですが、大臣の受け止めと再発防止のための取組をお願いします。

A:去る11月14日に発生した滋賀県の饗庭野演習場における迫撃砲の事故につきましては、改めて、被害者の方はもとより、関係自治体、また、地域住民の皆様に深くお詫びを申し上げたいと思います。今、お話ししていただいたように、中部方面総監部に設置されました事故調査委員会が事故調査を実施してきましたけれども、本日、調査結果を公表させていただいたところでございます。具体的には、すでに陸幕長から説明したとおりでございますけれども、本事故の原因につきましては、安全点検を十分に実施せず、射撃の方位角を誤ったまま射撃をするなど、人的要因によるものと判断をしております。このような事故が2度と起きることがないように、訓練の安全管理についての教育の徹底、安全確認要領の具体化・明確化、そして安全管理施策の強化、更には高島市等の地元自治体への連絡要領の明確化、そしてその徹底といった再発防止策を実施し、国民の皆様に安心していただけるように、今後、安全確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

Q:今回の防衛大綱、大臣として初めて作られて、一言で言ってどのような大綱だというふうに評価していらっしゃるのか、またいずもの改修によって、憲法で保有を許さない攻撃型空母かどうかという認識と、もしそうでないとするならば、どのように国内外の懸念や批判に応えていこうとお考えでしょうか。

A:「多次元統合防衛力」と銘打った大綱を作らせていただいたのですけれども、現在の我が国を取り巻く安全保障環境に適切に対応できる防衛力の構築を、しっかり盛り込んだ大綱を作ることができたというふうに思っております。一方で、最も大事なことは国民の皆様の御理解、共感、あるいは御支持を、防衛方針について、いただくということが大事だと思っておりますので、今後、国会はもとより、あらゆる機会を通じて、この大綱・中期防の考え方を丁寧にお伝えをして、その御理解をいただいてまいりたいというふうに考えております。

Q:攻撃型空母か否かということについて。

A:いわゆる攻撃型空母というのは、例えば非常に爆発力の強い弾薬を積んだ戦闘機、あるいは支援戦闘機、あるいは早期警戒機といった一群の武力、打撃のための武力による、相手国を壊滅的な破壊に至らしめるほどの攻撃力を持った部隊を常時搭載している、艦載しているようなものを従来指してきたのだというふうに考えております。そういう意味で言いますと、先ほども申し上げましたように、今回の「いずも」型護衛艦の改修は、あくまでも多用途に使うためのものでございまして、今後とも、ヘリコプターの運用能力、あるいは医療機能、指揮中枢機能、人員収容機能、輸送機能等を備えた多機能の護衛艦として運用してまいりたい。そして必要に応じて、STOVL機を運用していくという、そういう運用の仕方をしていきたいというふうに考えておりますので、いわゆる今まで言ってきた攻撃型空母というものには当たらないというふうに考えているところでございます。

Q:憲法の範囲内というお考えですか。

A:はい、当然そのように考えております。

Q:専守防衛について大臣のお考えを伺いたいのですけれども、今回、このように専守防衛にそぐうのかどうかという論点があるわけなのですが、そもそもこれからの日本の専守防衛というのは、専守防衛を越え得る装備・能力を一切持たないことによって、物理的に専守防衛を担保するという考え方なのか、もしくは用途を変えれば、他国の攻撃等、専守防衛を越えるものに使い得るけれども、日本の意思として、政府の政策として、そういう用途には使わないのだということで専守防衛を担保するのか、つまり能力を持たないことで専守防衛を担保するのか、意思として専守防衛を担保するのかということに関しての大臣のお考えがもしあればお聞かせください。

A:中々難しい御質問だというふうに思いますけども、専守防衛というのは憲法から導き出される、言ってみれば受動的な防衛の方針でございます。その考え方が今後変わるということはない、変えてはいけないというふうに思っておりますが、軍事技術が想定以上のスピードで進んできている時に、どのような装備であれば専守防衛の枠内で入るか、あるいはどのような運用の仕方であれば専守防衛という枠内に入るか、ということは、常時検討して専守防衛という考え方・方針を逸脱することがないようにしていかなければいけないというふうに思っております。「いずも」で言うと、先ほど申し上げたような運用の仕方であれば、それは憲法の精神や専守防衛の方針を逸脱するものではないというふうに考えているところでございます。

Q:つまり単純に装備のスペックのみで専守防衛というのは縛られるべきではないというお考えでよろしいでしょうか。

A:中々難しい御質問ですけれども、あくまでも受動的な、つまり日本が攻撃を受けていないのにその能力を使うということはない、この方針は変わらないということでございますが、仮にあってはならないことですが、攻撃を受けた時には当然持てる能力を使って必要最小限の反撃をしなければいけないということでございますので、装備の能力だけでもって専守防衛の範囲なのかどうかというのを判断するというのは、中々難しいのではないかなと正直思います。

Q:今回、中期防の中に具体的にどういう場合に運用するかということが列挙されていますけれども、中期防はあくまでも計画の文書でしかないわけで、そういった運用を枠にはめて、いわゆる攻撃型空母となり得る、あるいは攻撃型空母と見なされないような運用をしっかりする歯止めの担保というのは、何か制度とか文書で作るお考えはおありでしょうか。

A:中期防の記述については、与党協議を通じて、一部修正があったということは御承知のとおりだと思います。そこには、STOVL機の運用について「有事における航空攻撃への対処、警戒監視、訓練、災害対処等、必要な場合にはSTOVL機の運用が可能となるよう検討の上、海上自衛隊の多機能のヘリコプター搭載護衛艦(「いずも」型)の改修を行う。同護衛艦は、改修後も、引き続き、多機能の護衛艦として、我が国の防衛、大規模災害対応等の多様な任務に従事するものとする。」という記述で、元々そういう考え方でしたけれども、もっと具体的に記述をさせていただいたところでございます。当然、この方針に基づいて、運用をしていくということになりますので、そういう意味で言いますと、これがしっかり歯止めになっていくというふうに考えております。

Q:その中に「等」という言葉があると思うのですけれども、今後、改修されたいずも型護衛艦に米軍機がそこから発艦したり、あるいは着艦することも可能性としてはあり得るのでしょうか。

A:例えば、米軍機が事故で緊急着陸する基地が周辺にない、そこに「いずも」型の護衛艦があるといった場合には、当然、救助のために緊急着艦を認めるということはあると思っておりますし、それから通常の訓練で共同訓練等の際によくクロスデッキと言いますが、お互いに搭載している航空機等をお互いの船に載せ合うという訓練がございますけれども、そういった共同訓練の際には米軍の航空機が「いずも」から離発着するということはあり得ると思いますし、これもあってはならないことではありますが、いよいよ我が国有事等ということになった場合は、当然、日米の持てる能力を使って、危機を回避しなければいけませんから、そういう場合はお互いに持てる装備を活用し合うということにはなると思っております。

Q:今回の大綱見直しに当たって、総理も大綱見直し指示で、今までの延長線上にない防衛大綱ということですが、今までの延長線上にないというのは、どういう点が今までとは異なるとお考えでしょうか。

A:一つは、大綱の名前に象徴されておりますように、「多次元統合防衛力」でございます。前回までの大綱というのは、あくまでも陸・海・空の統合というのを中心に考えていたわけでございますが、それに加えて、サイバー・宇宙・電磁波といった新領域に渡っての防衛力をしっかり構築していかないと、現在の安全保障環境の中で、我が国の平和をしっかり維持していくことができないという判断で、今度の大綱を作らせていただいたので、これを一つとってみても、従来の延長線上ではないということになると思いますし、それも、格段に早いスピードで進んでいる安全保障環境に適切に対応していくという意味では、優先順位をしっかり決めて、そこに資源を集中的に配分して、早いスピードで、大綱に示された防衛力を作っていくという意味でも、従来の延長線上ではない、そういう大綱になっていると思っております。

Q:今回、5年での防衛大綱の見直しになりました。前回、25大綱、22大綱が3年での見直しとなっていましたが、防衛大綱はおおよそ10年を目途に策定するということになっていたのですが、その2回は全くそこに至らない期間で改定されていましたが、これは安全保障環境の早い変化が根底にあると思いますが、そもそも防衛大綱は10年を目途にという前提というか、性質そのものが今の状況に合わないのではないかという指摘もあるかと思うのですが、この10年を目途に作っていく方針というのは、このまま継続していくのでしょうか。

A:前の前の大綱から、直近の大綱に変えたというのは、政権交代というものがあって、当時の民主党政権が作られた大綱、もちろん、有用な部分もたくさんあったと思いますが、それではまだ足りないのではないか、ということで政権に戻らせていただいた政権与党が作った大綱なので、あの3年というのは少し意味が違うと思いますが、ただ、先程も申し上げたように、我々の想定以上に早いスピードで、この安全保障環境が刻々と変わってくる中でございますので、今回、大綱を見直したばかりで、将来のことを軽々に予測はできませんけれども、10年というスパンが果たして、今後、適切なのかどうかということは、よくよく考えて行かなければいかないと思っております。

Q:「いずも」型の改修についてですが、大臣の方に確認ですが、必要な場合に応じてということですが、「いずも」型を改修してSTOVL機を運用するという行為が、他のことでは代替えできないということなので、その必要性をおっしゃっていたと思うのですが、このあたりをお伺いします。

A:今、周辺国の航空戦力の近代化に伴いまして、従来とは異なって、太平洋側を始め、我が国周辺の海空域の爆撃機や空母の活動が非常に拡大・活発化していることは御承知のところでございます。南西地域、北方のみならず、太平洋側においても防空態勢の強化が必要であるというふうに考えておりますが、御案内のとおり、太平洋側には硫黄島以外に航空機が離発着可能な基地、空港はないわけでございまして、そういう意味で「いずも」型の護衛艦にSTOVL機の必要がある場合、搭載できるということになれば、太平洋側の防空態勢も強化することができると考えておりますし、例えば、戦闘機に緊急事態が発生した場合、飛行場が近くになければ、緊急着陸ができません。パイロットの安全を確保するためにも、洋上の「いずも」型護衛艦に離発着できれば近くに飛行場が存在するのと同じ効果が得られるのではないかというふうに考えた次第でございます。もちろん、南西地域にも空港はあるわけでございますけれども、万が一、南西地域の空港が攻撃によって破壊されたりするような場合には、やはり、このような能力を備えておくということが必要なのではないか、という考え方もございまして、今回の「いずも」型の改修、STOVL機の導入といった考え方に至った訳でございます。

Q:必要な場合と言っても、艦船に離発着するのは相当練度が要求されると聞いていますが、実際運用するとなると、平時から相当程度の訓練を、緊密に、長時間かけてしなければならないと思うのですが、そのあたりは、常時艦載機としては運用しないとおっしゃっていますが、どの程度のスパンで使っていくことになるのでしょうか。今のところの想定というか、大臣としての御認識を教えて下さい。

A:「いずも」型の改修もこれからですし、STOVL機も機種を選定して、これから導入をしていくということでございますので、まだ、今おっしゃったような具体的な運用の計画ができているわけではありませんが、御指摘のとおり、いくら垂直に着陸できる航空機であるとはいえ、洋上の、例えば動いている艦船に航空機が着陸するというのは、それほど容易な技術ではないと思っておりまして、仰るとおり、相当程度の訓練をしっかり積まなければ、そういう運用はできないと考えております。したがって、STOVL機については、基本的に陸上に基地を設ける、これまでの13飛行隊の一部であるという位置付けをしっかりしているわけでございまして、陸上の基地でまずは運用するわけですが、いわゆる艦船に離発着ができるような訓練というのも同時にしっかりとやっていかなければいけないと思っております。訓練はしっかりやっていかなければ、実際、そのような運用はやろうと思っても、なかなか容易にできないというふうに考えております。

Q:今回、5年で見直しとなったのですが、この5年間を見ていても、「ハイブリット戦」があり、トランプ政権の誕生があり、それから「自由で開かれたインド太平洋」というのがありますが、5年前に策定した国家安全保障戦略の見直しも必要ではないかという声も聞こえますが、これを見直さなかった理由を教えていただけますか。

A:それは、前回もどこかの会見の機会に御質問があったとは思いますが、国家安全保障戦略は、国防の基本方針に代わるものとして、わが国が掲げる理念や国益等を含め、国家安全保障に係る基本方針、外交の方針も含めて、書かれたものでございまして、日本で初めて作られた国家安全保障戦略ではありますが、そこに示された考え方というのは、現在もなお有効であるという評価をしているところでございます。ただ、その評価については、内閣官房において、どういうふうにこの国家安全保障戦略を現在評価しているかということをまとめた文章を、ほどなく公表することになっていると承知をしております。したがって、現時点においては、同戦略の見直しということは必要ないというふうに考えているところでございます。

Q:文書というのは、この5年間、NSSの安全保障戦略がどういうふうに機能して、安全保障環境が変わったかということを取りまとめた内閣官房としての文書ということになるのでしょうか。

A:そういうふうに承知をしています。

Q:辺野古の埋立てに関してですが、埋立て工事の現場近くで、重機等が破壊される被害が出ているということがあり、沖縄県警が土砂投入の妨害目的もあったと見て捜査をしているようですが、防衛省として把握している事実関係をお願いいたします。

A:沖縄防衛局から、本日、琉球セメントの安和桟橋におきまして、複数の建設重機の鍵穴に接着剤が塗られて鍵が掛けられなくなったとか、また、給油タンクに穴が開けられていたり、給油口に砂糖が入れられていた形跡があった等の報告を受けております。これらのことは、現在、警察において事実関係の確認が進められていると報告を受けておりますので、このような行為はあってはならないことだと我々は考えておりますが、捜査機関において、厳正に対処されるものと考えております。

Q:工事への支障はいかがでしょうか。

A:今のところ、工事に大きな支障が出ているという状況にはございません。

Q:中国は空母「遼寧」については攻撃型空母にあたるとお考えでしょうか。

A:空母というものの、国際的な定義というのはしっかりと定まっていなくて、各国がそれぞれの持っている機能に応じて名付けているのが実態だと思います。中国が運用している「遼寧」については、これがどのような種類の空母に当たるのかということを、私どもから申し上げるのは控えたいと思います。

Q:同盟国である米軍が横須賀で運用している「ロナルド・レーガン」についてはどのようにお考えでしょうか。

A:これも、攻撃型空母という定義がはっきりと無いという状況でございますが、先程申し上げた、かつてはこのような能力を備えものが、いわゆる攻撃型空母と呼ばれていたという考え方からすると、米軍の運用の在り方、打撃能力として非常に大きなものがあると考えております。数十機の戦闘機を運用し、なおかつ、関連する支援機や警戒機を常時搭載して、運用している姿でございますので、しかもそれを支援する、日本でいうところの護衛隊群も含めての運航・運用ということになっていると思いますので、そういう意味でいうと、打撃力というのは非常に大きなものがあると考えております。

Q:「レーガン」については、攻撃型空母ということでしょうか。

A:攻撃型空母という定義がはっきりとしておりませんので、そのように申し上げていいのかなという、正直迷いはありますが、従来言っていた攻撃型空母に匹敵する大きな打撃力を持った艦船であると認識しております。

Q:何が攻撃型空母かということをはっきりさせない限りは「いずも」型が攻撃型でないということを言うのは難しくなると思うのですが。

A:先ほどから累次申し上げておりますとおり、常時、戦闘機の艦載・搭載を考えているわけではありませんし、そのような運用はしないということを申し上げております。先ほど申し上げた、中期防にもしっかりと書かれているような、必要な場合に搭載ができるようにする運用でございますので、どこから見てもいわゆる攻撃型空母には当たらないと考えております。ただ、先ほど御指摘のあったように、そうは言えども、訓練も十分に積まずに、ある日突然、行って着艦できるなどというほど簡単なことではないと思いますので、やはりしっかりと訓練は行っていかなければいけないと、そのような運用はできないと思っております。

Q:今回、一連の検討やプロセスの中で、海上自衛隊や航空自衛隊からのニーズというのは、どのようにお感じになりましたでしょうか。

A:海上自衛隊や航空自衛隊から、具体的なニーズや要請があって、このような考え方ができていったということではなく、あくまでも防衛政策上の観点から検討して、今後40年近く使っていかなければいけない「いずも」型の護衛艦に、さらに機能を付け加えるべきだという考え方に至ったわけでございまして、実際には海上自衛隊が運用している艦に、航空自衛隊が運用することになる航空機が載る場合があるという運用になりますので、はたして、どのような連携をすることが最も適切かということは、これからじっくりと、海上自衛隊と航空自衛隊の間で検討していかなければいけないと思います。ただ、海・空ともに、太平洋側の防空態勢が手薄になっているのではないかと、これを埋めていく手段を考えていかなければならないと、今持っている装備を有効に使うことはできないかという議論は海上自衛隊でも航空自衛隊でもしっかりとやってきたわけですが、こうしてくれと下から言われて、決まったということではなく、あくまでも防衛政策を全体として考える中で、こういう考え方が出来上がってきたと御理解をいただきたいと思います。

Q:今回の中期防で、2兆円規模の合理化目標が設けられたわけですが、前大綱からすると、約7000億円の3倍ということで、この実現性ということと、どうやってこれを達成できるかという御所見をお願いいたします。

A:正直、厳しい道のりだと感じておりますが、やはり、この目標に向かってしっかりと防衛力整備の一層の効率化・合理化を図っていかなければいけないと思っております。例えば、重要度の低下した装備品の運用停止、そして、費用対効果の低いプロジェクトの見直し、徹底したコスト管理・抑制、あるいは、長期契約を含む装備品の効率的な取得などの装備調達の最適化といったようなことを真剣に取り組んでいかなければいけないと思っておりますし、FMS調達についても、今後とも更に取組を強化して、調達の効率化、合理化というものも図っていかなければいけないと思っております。大変高い、厳しい目標であると思いますが、そこに向かって全力を尽くしていきたいと思います。

Q:「いずも」の関連ですが、先ほど、ニーズや要請があったわけではないという点ですが、今回、検討の主体になったのは、防衛省内局なのか、官邸なのか、どこが中心になったのでしょうか。

A:防衛省の中でも、私が長を務める検討委員会を累次開催してまいりまして、陸・海・空からの検討結果も聞いておりますし、また、内局からの検討結果も聞いてまいりましたし、あるいは、政府の有識者懇談会の検討の内容についても報告を受けてきましたし、それに加えて四大臣会合、国家安全保障会議等の議論もございましたので、そのようなものがずっと積み上がってくる中で、最終的に政治的に決定したという意味であって、どこか一ヶ所からの一方的な声でこのような考え方が決まってきたことではないということで、先ほど申し上げたところです。

Q:先日、15日に沖縄防衛局の職員が酒気帯び運転の疑いで沖縄県警に逮捕されたと聞きますが、前日の土砂投入の夜に忘年会を開いていたということですが、どういった報告を受けておりますでしょうか。

A:御指摘の沖縄県での酒気帯び運転事案については、国民の皆様の信頼を著しく損ねるものであり、誠に申し訳なく思っております。隊員の服務指導については、一層徹底して再発防止に万全を期してまいりたいと思いますし、処分も厳正に行っていきたいと思います。

Q:14日の夜に忘年会を開いていたようですが、それに関していかがお考えでしょうか。

A:事案の詳細までは承知しておりません。酒気帯びの事案があったという報告は受けております。

以上