防衛大臣記者会見

日時
平成30年11月9日(09:46~10:17)
場所
防衛省記者会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 冒頭、私からお詫びが1件、そして御報告が1件ございます。まず、11 月7日(水)午前8時30分頃に、航空自衛隊三沢基地第6高射群所属の車両が青森県上北郡おいらせ町において、民家に衝突するという事案が発生いたしました。これによりまして、民家が大きく損壊いたしましたが、住民の方は御無事であり、また、車両に乗車していた隊員2名の生命に別状はないということを確認しております。同日午後には鈴木防衛大臣政務官を現地に派遣いたしまして、被害に遭われた住民の方、また、おいらせ町、三沢市、青森県庁といった地元関係者の皆様に謝罪を行ったところでございます。このような事案が発生したことは、大変申し訳なく思っております。私からもこの場をお借りして被害に遭われた住民の方をはじめ、地元関係者の皆様へお詫び申し上げますとともに、今後、原因究明と再発防止に努めてまいります。また、事後の対応もしっかりと行いたいと思います。次に、御報告ですが、国家安全保障会議及び閣議が開催され、ソマリア沖・アデン湾における自衛隊による海賊対処行動が1年間延長されることとなりました。防衛省・自衛隊としては、引き続き、関係省庁及び関係各国とも連携しながら、海賊行為の防止に万全を期してまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:普天間飛行場の米軍ヘリのトラブルが相次いでいて、自衛官派遣を求める中で会合の設置に至ったということですが、これについて、大臣としてどのように評価しているのかということと、今後どういった協議を進めていきたいとお考えでしょうか。

A:昨日実施された日米専門家会合は、日米双方の飛行安全を更に向上させるための最初のステップとして実施したものです。本会合においては、日米の専門家が相互理解をより一層深めるための方策として、今後、現場への相互訪問、定期整備手順、予防・緊急着陸についての考え方、これは整理が必ずしもしっかりとされていないところもあろうかと思いますので、そういったものの認識を共有するということなども含め、耐空証明などについて、意見交換を行ったと聞いております。これからも日米の専門家同士が相互の考え方や手順等について情報を共有し、認識も共有し、理解を深めることによって、自衛隊機及び米軍機の飛行安全の向上が図られていくことを期待しております。

Q:その一方で、米軍機の整備状況を点検すると求めてきたものの、当初の姿勢から後退したように見受けられますが、当初掲げていた目的や今後米軍機のトラブルがあった場合に検証作業を求めていくというお考えはありますか。

A:日米間のやり取りのため、詳細についてのお答えは控えたいと思いますが、最初の段階で認識が共有できなかったところがあったと思います。それから、メディアの皆さんの報道の影響ということもあったと思います。米軍機の管理権は米側にあるわけであって、ただ、情報はしっかりと提供してもらわなければならないと、整備をしたという状況についての確認もさせていただかなければならないということでありました。検査するといった類のことを防衛省として申し上げたつもりはなかったわけでありますが、様々な要因によって相互理解が十分でなかったということもあったということは事実だと思います。したがって、今後は広く飛行安全をテーマにして、包括的な議論を日米間で実施した方が相互にとってよりメリットがあると、そして飛行安全にもつながっていくと考えたため、今回の専門家会合をまず行ったということでございます。これから、議論が進展していくと思いますが、相互理解の方策として、日米相互に専門家がそれぞれの基地を訪問することも含めて、これからこの会合の中で議論をされていくと思っております。

Q:メディアの報道にも原因があったという発言がありましたが、具体的にはどういったことを指しているのでしょうか。また、防衛省として発信の方法、説明の方法に問題があったとの認識はないのでしょうか。

A:当時の小野寺大臣も「検査に行く」とは申し上げてはいないと思います。「米側が実施した点検や整備について確認することを検討しております」という前大臣の御発言だったと思いますが、あたかも検査に行くというように受け取られた向きもあったのではないかと考えております。いずれにしても、当時、意思の疎通が必ずしも十分ではなかったということもありましたので、この際、広くお互いの飛行安全について、専門家同士が意見交換をし、理解を深めるという枠組みを作らせていただいたということでございます。

Q:冒頭に車両事故について言及されましたが、それに先立って航空自衛隊でも事故が起きています。そういった全体をどのように受け止めているのか、また、再発防止と仰いましたが、具体的にどのようにお考えなのか、また、青森県に訪問されるお考えはあるのかをお聞かせください。

A:冒頭に申し上げましたように、一昨日は鈴木政務官が現地にまいりまして、関係各機関、あるいは、被害に遭われた方々へお詫びをさせていただいたところでございます。現時点において、私が行く予定はありませんが、今後の対策・対応には万全を期してまいりたいと思っております。F-2の接触事故の発生や、今般の事案が発生したということにつきましては、私どもは深く反省をしなければならないと思っており、私から再発防止を指示させていただいたところでございます。今後もこのようなことが起こることがないように対策に万全を期してまいりたいと考えております。

Q:海賊対処行動について閣議決定されましたが、エスコートする船の数が減っているという実態がありますが、こうした中で海賊対処を更に1年間延長することの必要性、また、護衛艦派遣等の態勢について、今後考えていくことは念頭にあるのかをお聞かせください。

A:ソマリア沖・アデン湾については、御承知のとおり、当初は何百件という海賊事案が発生していたわけですが、現在は極めて低い水準で推移しております。これは、わが国のみならず、各国がしっかり対応を取っているからだと考えております。しかし、残念ながら、海賊を生み出す原因になっているソマリアの国内の状況というのは、今に至っても、なお改善をしていないと承知をしており、例えば、EUでも2020年12月までは活動を継続しようと決めておられると承知しております。そのような国際社会全体の動向も考えた上で、向こう1年間、延長させていただきました。

Q:横田空域の管制について米側と調整されていると思いますが、現在の調整状況と、この件に関して防衛省として、米軍、あるいは、米側と調整・協議している事実があるかお願いいたします。

A:基本的には国土交通省が米軍と交渉を行っておりまして、防衛省側としては、米軍との関係ということでサポートさせていただいております。オリンピックに向けて、更に航空便を増設することができるように調整が整うということを期待したいと思っております。

Q:先ほどの飛行安全の専門家会合についてですが、先ほど大臣が仰った、小野寺前大臣が予算委員会などで、「AH-1の整備・点検状況について、自衛官を派遣して確認したい」という自衛官派遣が、今回の専門家会合に変わったということでよろしいでしょうか。派遣自体は無くなったということでしょうか。

A:先ほども申し上げましたように、一つだけの事案にとらわれるということではなく、今後、このような事案が起きないことが一番ですが、まずは日米双方の専門家同士が認識をしっかり共有した上で、今後、相互訪問が必要であると判断した場合に、お互いに行き来できるようになるという枠組みを作らないと効果が出てこないのではないかと判断をした場合は、お互いに行き来できるということになるという枠組みをつくらないと効果が出てこないのではないかという判断をして、まず、こういった会合を実施させていただいたということでございます。

Q:派遣の前には会合を行い、派遣という形でなくて相互訪問という形で実現させていきたいということでしょうか。

A:そうです。話し合いがキックオフしたばかりですが、順次相互理解が深まっていけば発展をしていくことになると思っております。

Q:相互訪問は現時点では米側と合意はしていないということですか。

A:まだ合意はしていないけれども、アジェンダに上げていきましょうという議論はあったと承知をしております。誤解の無いように申し上げておきますが、自衛隊が米軍の整備を検査したりはしませんが、わが方も米軍に検査させるなどということはあり得ないわけであり、お互いが航空機の整備についてどういう方法でやっていくのかという知見を交換し、必要があれば、お互いの現地を訪問することができるようにしていくために会合を開かせていただいたということでございます。

Q:お互いにということですけれども、日本側としては、米側がどのような状況で確認検査しているのかを見たいという希望があり、米側はその件についてまだ了承していないということでしょうか。

A:その件についての話し合いはもたれたということですが、昨日の1回目で同意がなされたということではなく、継続的に議論がされていくということだと思いますが、そのような方向に発展してくれるものと期待をしています。

Q:日本側が提案しているということでしょうか。

A:そうです。

Q:先日の参議院予算委員会において、共産党の小池委員長の「自衛官による普天間基地への立入り調査は行ったのか」という質問に対して、大臣は「速やかに実施するように指示しているところであり、近々何らかの形で実施できる方向で現在、最終調整中であるという報告を受けております」という答弁をされました。実施、最終の調整というのは、昨日の初会合を指しているのであって、自衛官の派遣について言及されたことではないという理解で良いのでしょうか。

A:何らかの形で実施できる方向でと申し上げたと思いますが、ずっとスタックしている状況は前に動かさなくてはいけないと、それを急ぎなさいということをずっと言ってまいりました。まず、専門家同士が膝を交えてしっかりと議論するのが必要だということで、昨日、第1回目の会合が開かれたということでございますので、国会で申し上げたことが一つ前に進んだと御理解いただければと思います。

Q:大臣の御就任前ではありますが、当時、米軍の管理権は米軍という認識の中で、なぜ一度は、基地に入って状況を確認するということになったのでしょうか。目的は何でしょうか。

A:前大臣の御発言の真意までについて、私は憶測でしか申し上げられませんが、先程も御紹介したように、前大臣としても、米軍の整備状況を検査するのではなく、あくまでも情報を提供してもらって確認するという手段の一つとして、現地で訪問するという方法があるということを仰ったのではないかなと推測いたします。

Q:その当時、真意はともかくとして、必要であるとのことで基地の中に入って確認しようとされたわけですが、現状まだ果たされていないわけですが、いかがお考えでしょうか。

A:個別の事案ということではなく、今後、お互いにそのようなことができるような態勢を整備させていただきたいと思っておりますし、今後、そのようなことが起きないことが最も望ましいわけですが、しっかりした形でお互いの情報提供ができるようになると考えております。

Q:あってはならないことだとは思いますが、もしあった場合には、立ち入って確認するということではなく、米軍から十分情報提供を受ける方向で安全を担保していくというお考えでしょうか。

A:そうです。先程も申し上げたように、必要があるという場合は、相互訪問もできるようにしていくような枠組みに発展をさせていきたいと考えております。絶対に行かないということではなく、共同訓練も数多く行っておりますし、そのようなことはあってはならないことですが、場合によっては、自衛隊機が事故を起こし、地域住民や米軍を巻き込むことも絶対にないとは言い切れないわけで、そういったことを含めてお互いが情報をしっかり提供・交換できるようにすべきだと考えております。

Q:昨日発表された大臣の沖縄訪問についてお伺いします。玉城沖縄県知事とも会談を御予定されているということですが、普天間基地の辺野古移設含めて、具体的にどのようなテーマで会談・意見交換したいとお考えでしょうか。

A:なるべく早く現地で玉城県知事はじめ関係者の方にお会いして、説明をしたいと考えておりましたが、今のところ、明日、沖縄県知事、名護市長や宜野湾市長にお目にかからせていただく予定でございます。一方、御承知のように、玉城沖縄県知事は菅官房長官と面談をしており、その中で向こう一ヶ月、杉田官房副長官と謝花副知事の間で協議をしましょう、しかし、お互いの考え方は違いますよねと、政府として辺野古移設作業は進めさせていただくと、そして沖縄としては係争委員会への提訴はするという状況ではありますが、話合いは両者の間でやっていこうということになっておりますので、私としては、そうした政府の考え方を踏まえて、できるだけ丁寧に、我々の考え方を説明して、御理解をいただきたいと思っております。

Q:丁寧に説明とありましたが、現在、辺野古移設の埋立ての土砂搬出を巡って、いわゆる本部港の使用許可が得られない問題が発生しています。この問題についても協議されるお考えはありますでしょうか。

A:沖縄県知事との間では、細部のお話になるかわかりません。本部港につきましては、引き続き、本部町との間で岸壁使用許可申請に係る協議を沖縄防衛局が行っていると報告を受けておりますし、しかるべき段階で適切に許可が得られるように、調整をしっかり進めてまいりたいと考えております。

Q:一部報道において、ステルス戦闘機のF―35Aを20機追加取得する件が報じられておりますが、事実関係を教えて下さい。

A:そういった詳細はまだ調整している段階で、決まっているわけではありません。年内を目途に大綱・中期防を策定していくわけであり、将来の戦闘機体系全体の在り方について、引き続き、精力的に検討を進めてまいりたいと思っております。

Q:先日、アメリカの中間選挙でねじれ議会という結果が出ましたが、その結果をどう受け止められているのか、また、日米の防衛協力にどういった影響・変化があるとお考えでしょうか。

A:中間選挙の結果については、上院では共和党、下院では民主党がそれぞれ多数、過半数を獲得したということは承知しておりますが、アメリカの選挙にかかわることでございますので、その影響について、政府としてコメントすることについては差し控えたいと思います。ただ、日米同盟について影響を受けることはないのではないかと思っております。わが国としては、引き続き、日米同盟に基づく米国との連携強化をしっかり図っていきたいと思っております。先ほど申し上げた点で訂正がございます。本部町との協議ですが、局と本部町ではなく、事業者と本部町との協議を行っているということでございます。

Q:先ほどの事故の再発防止と対策を指示したということですが、具体的にはどういったことをすり合わせされたのか、どういったことを念頭にそのようなことを言われたのでしょうか。

A:F-2の事案と三沢の事案は少し性質が違うと思いますが、それから三沢の事故については隊員が負傷中であり、また、警察が捜査を行っておりますが、原因について明確になっているわけではありません。いずれにしても、自衛隊の車両運行によって地域住民の皆様に大変な御迷惑をおかけしたことは事実でございますので、こういうことが二度と起こらないようにしっかりと対応すべしということを申し上げました。F-2についても、接触して隊員に事故もなく、地域に影響をもたらしたということもなかったのは不幸中の幸いですが、航空機の接触というのは大変な事案でございますので、こういうことが起こらないようにということも含めて指示をさせていただいたところでございます。

Q:飛行安全の会合に関して、一度日米で合意したものが9ヶ月に亘って店晒しになってしまった原因は、日米間の認識のすり合わせが不十分だったことに原因があるのか、それとも防衛省の発信の仕方で誤解を招いたことに原因があるのか、あるいは報道の方法が誤っていて米側に反発を受けたということが原因なのか、どこに原因があったとお考えでしょうか。

A:一つに特定することは難しいと思うのですが、そういった様々な要素が絡まって前に進まなかったということではないかなと思っております。大事なことは、前に向かって進むということだと思いましたので、まず協議の場を設けて、そこでしっかりと議論をして今後の取組についての方針を決めるべきだということで、昨日の会議が開かれたということでございます。

Q:メディアの報道の影響という部分なのですけれども、仮に誤解を呼ぶような報道がなされた時に、それを米側にそれが間違っていると伝えられないくらいに日米間のパイプは脆弱なのでしょうか。

A:そのようなことはないと思います。もちろん、協議は続けてきたということだと思いますが、残念ながら前進が見られなかったということですので、昨日の会議を契機にこういった事案にしっかり対応できるような態勢を作っていきたいと思っております。

Q:メディアのミスリードというようなことを仰いますが、具体的に何を言っているのですか。

A:私はミスリードという言い方をしておりませんが、わが方の発言は当然翻訳されたりするわけですけれども、翻訳の中には真意が適切に伝わらないという場合もあり、それに基づいて様々な誤解が生じたりするということもあったのではないかと思っているところです。

Q:具体的に言ってください。

A:特定のメディアの責任にするつもりはありませんので、そういうこともあったと私は考えております。

Q:大臣発言は重いのでメディアのせいにするのであれば、具体的に教えてください。

A:メディアのせいだけにしているわけではないということは、先ほどから申し上げております。ただ、中には我々の仕事の中でもありますが、誤訳ということもあるのだろうと思います。そういうことも一つの要因であったということを申し上げているところでございます。

Q:一つの要因というのであれば具体的に教えてください。どのような報道があったから駄目になったということを教えてください。

A:用語で言いますと、インスペクション、検査ということは防衛省・自衛隊としては、申し上げたことはなかったわけでありますけれども、そのように訳して報道されたという事例もあったと承知しております。

Q:それは英字紙がそのような誤訳をしたということを言っているのですか。

A:特定のメディアの名前を挙げるつもりはございません。

Q:それはメディアの責任になるのですか。

A:メディアの責任になるとは申し上げておりません。一つの要因もあったのではないかということです。

Q:一つの要因ということはメディアの責任ということなのでしょうか。

A:いずれにしても、特定のメディアの名前を挙げるつもりはありませんし、これ以上の詳細については、日米間のやり取りのことでもありますので、お答えは控えさせていただきたいと思います。

Q:防衛省の責任とメディアの責任はほぼ同等なのですか。

A:そのようなことは申し上げておりません。

Q:並列的におっしゃいましたよね。

A:幾つかの要因があったのではないかという私の考えを申し上げたところです。

Q:メディアの責任というのであれば、はっきりしてください。

A:はっきり申し上げて良いことと、そうではないことはあろうと思います。いずれにしても、飛行安全のためのお互いの情報交換ということは一歩前に進めていきたいと決意しております。

以上