防衛大臣臨時記者会見

日時
平成30年10月19日(18:40~18:53)(日本時間)
場所
シャングリラホテル Garden Wing983
備考
日中防衛相会談、日星防衛相会談

1 発表事項

 私から日星防衛相会談、日中防衛相会談の結果について御報告したいと思います。まず、16時5分から45分まで約40分間、中国の魏鳳和国防部長と会談を行いました。その後、17時から約20分間、シンガポールのウン国防大臣と会談を行ったところでございます。先にシンガポールの方から御報告したいと思いますが、シンガポールとの防衛相会談では、これまでの議長国としての取組への敬意と感謝を述べるとともに、艦艇、あるいは航空機の寄港(寄航)を通じて、協力を更に深化させることで一致をしたところでございます。それから、日中防衛相会談でございますが、総理訪中を翌週に控えたこのタイミングで、3年ぶりとなる防衛相会談を実施できたことは非常に意義深いことであったと思います。今回の会談では、魏国防部長との間で、今回の防衛相会談を日中の防衛交流の本格的改善の契機としていこうと、そしてハイレベル交流、政策対話、部隊間交流等の各種防衛交流案件をこれから具体化していくとの方針で一致をしたところでございます。また、6月にスタートしております「日中防衛当局間の海空連絡メカニズム」に関しましては、これが日中防衛当局間の信頼醸成に資する形で運用されることが重要であるという認識を共有するとともに、ホットラインの早期開設について一致をみました。そして、地域情勢についても議論を行いましたが、特に北朝鮮に関しては、安保理決議の完全な履行が必要であるとともに、「瀬取り」への対応に関しても、これも重要であるので、中国側とともに取り組んでいきたい旨を述べたところでございます。今回の日中防衛相会談を契機といたしまして、日中間の防衛交流を着実に実施いたしまして、両国の信頼醸成・相互理解を深め、これに続く安倍総理訪中につなげていきたいというふうに考えているところでございます。冒頭、以上です。

2 質疑応答

Q:今回、日中で様々な信頼醸成措置について冒頭言及されていらっしゃいましたけども、今後、今回の会談をベースにしてどのように活かしていきたいとお考えでしょうか。

A:魏鳳和中国国防部長との会談では、今回の会談を本当に日中間の防衛交流の本格的改善の契機としようということで、意見の一致をみました。従って、そこで様々な提案が出たのですけれども、各種防衛交流案件を着実にこれから具体化していくという方針で一致をみたところでございます。是非、これを機に両国の相互理解・信頼醸成を深めていきたいと考えているところです。

Q:今日の昼前後、マティスさんと話をされた際も言及されてましたけれども、中国は東シナ海・南シナ海で海洋進出を強めていて、日本としても白書で深刻な懸念を示していると、それについては魏鳳和さんに対して、大臣からどういうことを言われて、また、先方はどういった反応を示されたのでしょうか。

A:東シナ海・南シナ海についても議論を行いました、と言いますか、私から意見を申し上げました。東シナ海については、既にかつて首脳間で合意したように、本当にここを平和・協力の海にしていかなければいけませんよね、ということを話させていただきました。それから、南シナ海についても、東シナ海にも言えることかもしれませんが、一方的な現状変更の試みが見られるということについても、指摘をさせていただきました。中国からは、東シナ海も南シナ海も安定していることが大事であるという話がありましたし、多少、わが方と見解が少し違うところもありましたが、そこは細かいやり取りになりますので、具体的には控えさせていただきたいと思いますが、東シナ海・南シナ海をいずれにしても、安定させていかなければいけないという認識では一致することができたのではないかなと思っております。

Q:それは南シナについては、懸念を示したし、一方的な現状変更は認められないというふうに伝えられたという認識でよろしいのでしょうか。

A:そういうふうにお伝えをいたしました。

Q:認められないと。

A:はい。

Q:南シナ海に関してなのですが、先の日米でも話題になったことですけれども、南シナ海における米軍の行動であったり、自衛隊の活動であったりに関して、何か中国側から言及はありましたでしょうか。

A:わが方の活動についての特段の言及はなかったように思います。ただ、中国もASEANの皆さんと会合を持ったりしていますが、ここは非常に安定的に、南シナ海というのは保たれているのだというようなお話がございましたけれども。

Q:本来、防衛とはちょっと違う話になりますが、一帯一路なんかへの日本の協力とかそういった話というのは。

A:そのようなどちらかというと外交マターの話はあまり出ませんでした。

Q:海空連絡メカニズムの話ですが、これは5月に合意して6月に運用開始ということになったとはいえ、まだホットラインが、ということですが、この間のホットラインが中々開設されなかったのは、どこに課題があるというふうに両者の中で認識が共にされて、早期開設に向けて何が必要だということで一致されたのでしょうか。

A:そういう細かい話までは今日は立ち入らなかったのですが、今までも事務レベルで色々協議は行っていたのだと思いますが、今日、防衛相会談でできるだけ早期に開設しようということで合意をみたわけですから、これから事務レベル間の協議も加速していくのではないかというふうに期待をしております。

Q:次の首脳会談までに、といった時間を区切ったというわけではないのでしょうか。

A:そこまでの話には至っておりませんが、できるだけ早期にやろうということで合意をみたということでございます。

Q:東シナ海について言及される際に、例えば尖閣諸島であるとか、ガス田であったりとか、具体的な事象について触れて大臣の方から言及されたということなのでしょうか。

A:具体的な地名等を挙げての言及はいたしませんでした。というのも、翌週に総理の訪中を控えているというタイミングでの防衛相会談ですから、やはり日中両国間の信頼醸成をしっかり図って日中関係の改善というものに資するものにしようというのが、本来、今回の会談の大きな目的でもございましたので、いわゆる東シナ海・南シナ海の安定が必要だと、自由な航行が必要だという話はしましたが、個々具体の話はいたしませんでした。

Q:今回3年ぶりに着座での正式な会談ができたというのは、今回の首脳間の関係改善のそういう流れがあって、今回の会談ができたというふうに大臣としてはお考えでしょうか。

A:そうですね、魏鳳和国防部長は、習近平国家主席と安倍総理の間で日中関係を改善させていこうという両首脳の決意に基づいて、我々も防衛交流をしっかりやっていきましょうというお話がございましたので、中国側もそのことを強く意識しておられるというふうに感じました。

Q:日米との間では、特にマティス長官は、ペンス副大統領の発言も引用するなどして中国の動きにかなり強い懸念を示して、大臣もそれを支持すると、一方で、今回、日中の間では、非常に友好的な信頼醸成をすると。同盟国と大国の隣国の動きに懸念を示しているという間で、今後、大臣として舵取り、防衛政策をとっていこうと、そのバランスをどうとっていこうとお考えでしょうか。

A:確かにバランスのとり方は難しいですよね、しかし、東シナ海の問題、南シナ海の問題、自由で開かれたインド太平洋を作っていこうという私ども日本の考え方からすると、やはり中国の一方的な現状変更の試みというのは、これは好ましくないことだということは、様々な機会を通じて申し上げ、伝えていかなければいけないと思います。一方で、中国は大事な隣国ですし、日本とは戦略的な互恵関係にもあるわけですし、日中関係が今、改善の方向に向かっているところですから、一方では信頼醸成のための努力もしっかりしていかなければいけないというふうに考えております。

Q:中国側から日米同盟そのものに対する言及というのはあったのでしょうか。

A:それについては、特になかったと思います。

Q:ハイレベルの交流ですが、佐官級の交流については既に実施していると思いますが、更に将官クラスとかに関して具体化していく中でも、今回、日中の間でどこまでその話については詰められてきているのでしょうか。

A:私の方からは、例えば、統幕長とか参謀本部長というのでしょうか、中国側は。そういうトップレベルの交流を含めて、是非やりましょうと。それから防衛大臣の交流も是非やりましょうという提案もさせていただきました。そのいちいちに国防部長がお答えなったわけではありませんが、提案を踏まえて是非、協議を進めていこうというお返事でありました。

Q:それは相互訪問というイメージでしょうか。

A:私が申し上げたのはそういうことです。

以上