防衛大臣臨時記者会見

日時
平成30年10月2日(22:45~23:31)
場所
防衛省記者会見室
備考
岩屋防衛大臣就任会見

1 発表事項

 大変遅い時間になりまして、申し訳ありませんでした。この度、防衛大臣を拝命した岩屋毅であります。どうぞよろしくお願いします。まず、就任に当たって一言ご挨拶を申し上げたいと思います。防衛大臣を拝命しまして、国の存立と国民の生命・財産を守るという非常に崇高で重要な使命を担うことになりました。職責の重みを痛感しておりますし、身の引き締まる思いでございます。今般の就任に当たりまして総理からいくつかご指示を頂いておりますが、その概要は、まず国の防衛の3つの柱をしっかりと充実してほしいということです。一つ目はわが国独自の努力によって日本の防衛力を充実・強化していってほしいということ、それから2つ目は言うまでもなく日米同盟を強化することによって、抑止力をしっかりと向上させていってほしいということ、それから3つ目は多国間協力です。多国間、2国間の協力を更に進めることによって地域の安定化に資するということをしっかりとやっていってほしいと。そういう3つの柱というものを含めて年末までに新たな大綱・中期防を策定していくということでございますので、それに向かって防衛省としてもしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。更には、沖縄につきましては、抑止力を維持しながら沖縄の負担をできるだけ減らしていく、出来ることは何でもやっていく、目に見える形で答えを出していくということが政府の考え方でございますので、その方針に基づいて事業を着実に進めて参りたいと思っております。更には、毎年大規模な自然災害が続いておりますし、先般も地震があり、台風がありました。そのたびに自衛隊が出動し、対処しておりますが、こういう災害対処のための取組も更に強化をしていきたいと思っております。それから、南スーダンやイラク日報問題等で国民の不信を招いたという点もございました。再発防止については、小野寺前大臣の下でしっかりと方針を立てて頂いておりますが、更に充実・強化をして、信頼回復をしっかりと図って参りたいと思っております。これらの課題について、防衛大臣としまして約25万人の自衛隊員の皆さんと共に国民の皆様の負託に応えるために、わが国と世界・地域の平和と安定にしっかり貢献して参る所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2 質疑応答

Q:まず、沖縄県知事選で米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設計画に反対する玉城デニーさんが当選されましたが、防衛大臣として辺野古移設問題にどう向き合っていくお考えでしょうか。また、沖縄県による辺野古沿岸部の埋立て承認撤回に対しての法的措置の時期や内容についても教えて下さい。

A:まず、沖縄の選挙の結果については、防衛省としてコメントするということは控えたいと思いますが、従来から一貫して申し上げているように、やはり沖縄については抑止力を維持しつつ、しかし、過重な沖縄の負担を目に見える形で極力減らしていくという政府の方針の下に、これからも丁寧に沖縄県と話し合いをしながら、事業を着実に進めさせていただきたいと思っております。なお、お尋ねの件につきましては、現在事業者であります沖縄防衛局において処分理由の精査を行っているところであり、これはかなりの分量、16項目25ページということでございますので、精査を慎重に行っているところでありまして、その上で必要な法的措置をとることになると考えていますが、その具体的な時期については、今の段階では予断をもって申し上げることは差し控えたいと思います。

Q:年末に向けて防衛大綱・中期防の策定に向けた議論が既に始まっていますが、大臣は5年前の防衛大綱の策定の折には、自民党安全保障調査会長として「敵基地攻撃能力」の保有の検討を明記する自民党の提言をまとめたことがおありなのですが、今回の大綱・中期防におきましてはどのような防衛力整備が必要だとお考えでしょうか。

A:私が安保調査会長だった時のことというのは正確に思い出せないのですが、「敵基地攻撃能力」を「保有」すべきだとまでの中身ではなかったと思います。

Q:「検討」です。

A:「検討」ですよね、だから「敵基地攻撃能力」を保有することが果たして適切かどうかということについて、しっかりと検討してみてはどうかという内容だったと思います。「敵基地攻撃能力」というのは基本的には、米国に依存しているという状況にあって、現段階でその考え方は、政府として変わっているわけではないということだと思います。

Q:2023年に導入を目指している地上配備型迎撃システム、イージス・アショアについて地元から反対の声が根強くあるのですが、北朝鮮情勢が対話路線ということを踏まえまして、イージス・アショアの実用性をどう考えているのかということと、地元に今後どのように対応されるかということをお聞かせください。

A:この間、南北首脳会談や米朝首脳会談が行われて、朝鮮半島の完全な非核化ということに関して一応合意が出来たということについては歓迎をしたいし、そのプロセスが着実に進んでいくことに期待をしたいというふうに思っておりますが、実際にはまだ入口に立ったばかりであって、具体的な進展ということはまだ見られない状況だと思います。そして、わが国の防衛ということを考えれば、日本に届くミサイルが数百発はあると言われている中にあって、やはり弾道ミサイル防衛ということはわが国防衛にとって極めて重要な要素であることに変わりはないと思っております。したがって、現在2段階になっている弾道ミサイル防衛というのを、イージス・アショアを加えることによって3段階にして、より堅固なものにしていこうという考え方の妥当性というのは現段階で変わっていないというふうに思っておりますし、そういう装備というのはいざという時に急に入れる訳にはいかなくて、相当の年数やコストがかかるということでありますので、この段階でしっかりと整備する必要があるというふうに思っております。現地につきましては、これから更に詳しい調査を行って、調査結果をまた丁寧に説明をしながら、御理解を得るべく努力を続けて参りたいというふうに考えております。

Q:これまで、このアショアについては強い地元からの反発も出ています。ここまでの進め方に対して防衛省の進め方が適切だったのかという批判もあります。大臣はこれまで国防族の一員として、この一連の経緯を見ていらっしゃってどの辺に課題があったとお考えでしょうか。

A:現在、現場の反応が非常に厳しいということは承知しておりましたが、具体的な取組がどう進んだのかということは、私も今日就任して中に入ったばかりですので、それはしっかり説明を受けて、もし足らざる点があればしっかり対策を講じていきたいと思っております。いずれにしても、先ほど申し上げたような理由で、これはわが国の防衛にとって必要な装備だと思っておりますので、今まで以上に丁寧な作業・説明を続けて、何とか現地の御理解を得られるよう引き続き努力をしてまいりたいと思います。

Q:安全保障法制の議論が進んでいる2015年頃、大臣は与党協議会のメンバーだったと思うのですが、安全保障法整備に係る自衛隊員のリスクに関して高まる可能性があるというふうに述べられていたと思うのですが、これはその当時の政府の見解とは違う見解だったと思うのですが、今現在どのようにそのリスクについてお考えでしょうか。

A:当時、リスクが増えるのか増えないのかのような議論が国会で中心に行われていたと思うのですが、私があの段階で申し上げたのは、あくまでも自衛隊、自衛隊員の安全を確保する、どういうオペレーションであっても、それが最優先であるということ、そういう考え方に基づいて、新たな任務を付与するに際して、例えば駆けつけ警護だとか安全確保活動等によりリスクが増える可能性はない、というのは正確な説明にならないのではないかと思っていたので、つまり、逆にそのことによって、国民の理解があまり進まないということではいけないのではないか、という観点で申し上げたのですが、当然、リスクが増える可能性を極小化しなければいけない、ありとあらゆる方法をもって、厳しい訓練を繰り返すということも含めて、そのことによって自衛隊の、あるいは隊員の安全を確保することが何より重要だという観点で申し上げた訳であって、それほど時の政府の思いと違うことを申し上げたつもりはなかったのですが、リスクがあるかないかという二元論みたいな議論というのは、私は当時有効ではないというか、いささか不毛な議論なのではないかと感じていたので、敢えてそういう言い方をした次第です。ただ、自衛隊のオペレーションというのは訓練一つとっても、これまで創設以来、千数百名の隊員が訓練で殉職されているということからわかるように、全てのオペレーションに常に危険が伴っています。災害対応だってそうです。それを極力、まさに極小化していくという努力はこれからもしっかりやっていかなくてはいけない、これは海外のオペレーションでもみんな一緒だというふうに思っております。

Q:大臣はかつて党内の議員連盟で、日米地位協定の改定に取り組まれたことがあるかと思うのですが、当時と比べて、日米地位協定の改定の必要性についてどのように考えるかというのと、日米地位協定に課題があるとすればどのあたりに課題があるとお考えでしょうか。

A:日米地位協定については、安倍政権の下でも様々な努力を行ってきていて、ご承知のように二つの補足協定というものも作られております。一つは環境補足協定、もう一つは軍属補足協定、いずれも法的拘束力を有する日米地位協定の補足協定でございますから、従来の運用改善というものとは、一線を画するものであったと思います。こういう取組をさらにこれからも積み上げていくことが大事だと思っておりまして、日米地位協定のあるべき姿というのをこれからも不断に追及していきたいと思っております。

Q:憲法でも度々議論になることですけれども、国内防衛産業の技術生産基盤についての現状をどうお考えかということと、F-2後継機の開発について、現時点でどのようなお考えをお持ちかをお聞かせください。

A:国内に防衛産業基盤というのは、それもまたわが国の抑止力を構成する重要な要素だと思うので、国内防衛産業基盤を維持できる方策を我々は考えていかなければならないのではと思っております。今、お尋ねのF-2後継機については、まさにこれからの検討ということになります。オプションは色々とあるのだろうと思いますけれども、私は何らかの形でわが国の防衛産業基盤・技術がそこに活かされる方向を模索していくべきではないかと思っておりますが、いずれにしても、今、何か方向が決まっているというわけではなくて、これからの検討ということだと思います。現時点においてはまだ何ら決まっていないことです。

Q:沖縄関連に戻るのですが、先の知事選についてコメントは控えるということなのですけれども、総理は依然として沖縄に寄り添うという言い方をよく使われるのですが、選挙でこれだけの民意が示されている中で、大臣としてどう寄り添えば理解が得られるとお考えでしょうか。

A:総理をはじめ、関係大臣がコメントされたように、与党としては、沖縄の選挙結果はもちろん真摯に受け止めなければいけないということだと思いますが、防衛省としてコメントするのは適切ではないという意味で、先ほどそう申し上げたわけでございます。これからも様々な機会を通じて、新しい知事さんをはじめ沖縄の方々と我々が対話・会話をしていかなければいけないと思っております。今、何か具体的に日程が決まっているわけではありませんが、そういう思いを持ってこれから沖縄の方々に接してまいりたいと思っております。

Q:大臣はこれまで、国防・防衛に関して、政治家として携わってこられましたが、この大臣の在任期間中に総理からの御指示に関わらず、成し遂げたいこと、あるいは道筋をつけたいことは何かございますでしょうか。

A:第二次安倍政権が発足して、短い間に大変大きな改革をたくさん、安倍政権は行ってきたと思います。NSCを作り、初めての国家安全保障戦略を作り、大綱・中期防を書き換え、武器輸出三原則も見直し、特定秘密保護法も作り、平和安全法を作ったということをこの5年間でやってきたわけで、私は党の立場からそれぞれに関わってまいりました。大事なことは、作った枠組みをしっかりと運用して、わが国の安全というものを確保するだけではなく、地域の安定化を図っていかなければならないと思いますので、まずはこれまで我々も関与してやってきた成果を有効に活用して、所期の目的を達していくことが当面の最大の目標でございます。

Q:大綱の見直しの中にも掲げられておりますが、サイバー、宇宙、電磁波そしてAIや電子戦とかあるかと思いますが、元々、日本より相対的に現時点において、中国やロシアの方が進んでいるという指摘もありますが、今後の強化策、それは防衛産業の点でも仰っておりましたが、それらの件についてどのようにお考えでしょうか。

A:政府には有識者会議が設置され、検討がスタートしておりますし、防衛省の中には委員会ができて、大臣が長になるということになりますので、私が長になって検討を進めさせていただきたいと思っておりますし、自民党から出てきた提言の中にはクロスドメインという言葉が使われておりましたが、陸・海・空だけではなく、宇宙、サイバー、電磁波等の様々な領域に防衛の課題は広がってきていることは事実であるので、有識者会議でもここに言及されたレポートが出てくると思いますし、防衛省の中でもしっかり研究・勉強をして、次の大綱に反映させ、さらには中期防衛力整備計画にもしっかりと反映させていきたいと思っております。

Q:先ほどの官邸の会見において、防衛費について自民党から提言のあったGDP2%を参考にという文言に関して、2%にはあまりリアリティがないと仰いましたが、現状、防衛費は約1%弱で推移しておりますが、現在の防衛費の水準について、大臣の御見解をお願いいたします。

A:先ほど官邸で申し上げたのは、当時、私は党の議論に参加しておりましたが、NATOでは2%を各国ともに目標にしているということは承知しておりますし、ヨーロッパにおいては各国ともに努力していることも念頭に置きながら、今後の大綱・中期防を考えていかなければならないとは思っておりますが、だからと言って2%という数字が先に来るということではなく、日本の防衛にどのような装備が必要で、どのような体制が必要なのかということを子細に積み上げていった結果で、概ねこのくらいの水準が必要だという数字が出て来るということであると思っております。最初から数値目標に向かっていくということでは、国民の御理解が得られないのではないかということを申し上げた次第であります。今の安全保障環境を考えると、現状のままで大丈夫かというと、そこはまだ足りない部分もあると思いますので、妥当な水準で防衛費が増えていくということには、結果的にはなっていくと思いますが、最初からGDP費の数値を目標にして、作業していくことは違うのではないかということを申しあげた次第であります。

Q:妥当な水準というのは念頭にはどのくらいであると思われますか。2%はリアリティないと言えるのであれば、妥当というのはどれくらいでしょうか。

A:それも一種の数値目標であり、日本のGDPは550兆円程度になっており、600兆円を目指しております。2%といったら、現在の倍になります。

Q:必要なものの積み上げによって、おおよそこれくらい必要かなというのはあるのでしょうか。

A:その作業をこれからしっかりと行うということであり、これがどれくらいになるということを申し上げる段階にはないと御理解をいただきたいと思います。

Q:提言に、御自身も仰っているように、自民党の安保調査会の幹部として、取りまとめをされましたが、リアリティのない提言を出されたということでよろしいでしょうか。

A:2%を参考にという表記はリアリティを欠いているということではありません。

Q:参考にせよということでよろしいですか。

A:参考にするというのは、様々なグラデュエーションがあるのではないでしょうか。参考にするというのは目指すということではありません。つまり、NATO各国がそういう努力をされているということを念頭に置きつつ、という意味合いであると思います。現状で果たして十分なのかというと、それは十分ではないのではないかという共通の問題意識は当時あったと思いますし、それが党の提言に反映されているということだと思いますし、その提言はしっかりと受け止めて、検討していきたいと思いますが、今の段階でどのくらいの水準になるかというのは申し上げる時期ではないと思います。

Q:防衛予算に関連して、後年度負担が高額で推移していて、来年度の概算要求ではこれまでの後年度負担のつけがまわってきているような状況で、なおかつ、新たな後年度負担がかなりあがっているという状況で、予算編成のあり方については、どのような問題意識を持たれていますか。

A:これまでの装備調達の後年度負担がどんどん積み上げられてきているということは、事実だと思います。いずれにいたしましても、31年度の予算案における新規後年度負担につきましては、年末までのこれからの予算編成過程においてさらに検討することとなります。国会でもこれについては色々議論されておりますけれども、ここのところ重要な装備を厳しい安全保障環境に併せて導入をしてきたということが、そういう結果をもたらしたということだと思いますので、そういう事実を踏まえた上で、これからの単年度の予算はもちろんですけれども、まず次の大綱・中期防というものをどう作るべきかという検討をしっかり重ねていきたいと思っております。

Q:防衛予算に関連してなのですけれども、先ほどまだ足りない部分があると思うというふうにおっしゃられましたけれども、これまで安全保障政策に関わってこられて、どういった部分が特に足りないというふうにお考えになっているのか。あるいは法律的にもっとできる部分があるとか、お考えをお聞かせください。

A:例えば、先ほど課題に挙げた陸・海・空という領域のみならずサイバーであったり宇宙であったり、その他の新しい領域などについてもまさに総合的に対応できる防衛力を整備しなければいけないということからすると、やはりまだ足らざるものがあると、そこには当然のことながら節約はしつつも人員も予算もかかっていくということになると思います。しかし、際限なく増やしていくというわけにはいかないと思うので、どこまでが最小限必要なのかということをしっかり精査した上で、それをこれから積み上げていきたいと思っております。

Q:過去の発言になって恐縮なのですけれども、野党自民党時代に大臣がFMS調達に触れて、よその国が作ったものを言い値で買う、ブラックボックス付きで買うと、いつできるかわからない、価格もどうなるかわからないという調達の仕方は、やはり将来に向けて考えていかなければいけないというふうに述べていて、従前FMS調達については前大臣の下でも透明化、改善を図られているとは思うのですけれども、現状どのように御覧になっているかということと、更に改善すべき点はどの辺りにあるとお考えでしょうか。

A:よく野党時代の発言を拾ってきていただいたというふうに思いますが、FMSというのは釈迦に説法ですけれども、経済的な利益を目的とした装備品の販売ということではなくて、米国の安保政策の一環として同盟諸国等に装備品を有償で提供するものであります。これはわが国の防衛力を強化するためには、そのような高性能の装備品をその方法で調達できるという意味では、非常に重要なものだというふうに考えております。これがどんどん増えていったというのは、御承知のとおり、イージスシステムとか、F-35戦闘機といった、わが国防衛に不可欠な装備品がその方法によってしか調達することができなかったということが主因でございます。わが国だけではなくてイギリスとか、あるいはフランスとかオーストラリアといった国々もこのFMSという調達方法を活用しておりますし、米国との同盟関係にあればこそ、そういう装備の導入が可能になっているということですから、野党時代の私の発言は少し足らざるところがあったのではないかと思いますが、FMSそのものが宜しくないと言っているわけではなくて、ただ、それだけに頼らず、わが国に必要な装備品を調達できるという方途もさらに拡充していかなければいけないと思っているところです。

Q:中国の軍事活動が日本周辺で活発化していますが、大臣としてはどういった対応が必要かというふうにお考えでしょうか。

A:わが国周辺海空域で非常に活発な活動を中国が展開していることは御承知のとおりでございまして、更に南シナ海では御案内のような活動が今なお行われております。そういう意味で言うと、こういう中国の活動というのはわが国のみならず地域の安全保障にとって懸念材料であることは事実だというふうに思います。従って、国際社会と連携して、できるだけそういう力による現状変更のような行為は、これをできるだけ止めていただくという方向に導いていかなきゃいけないと思っておりますが、一方で中国は大事な隣国でありますし、戦略的互恵関係を結んでいる国でもありますから、信頼醸成ということも大事であって、従って、先般ようやく発足した海空連絡メカニズムみたいなものをしっかりとワークさせて、信頼醸成もしっかり図って行かなければいけないと思っています。

Q:「いずも」の改修についてのお考えを伺いたいのですが、防衛省は護衛艦「いずも」の改修をF-35Bを念頭に民間の会社に委託をし、調査研究を行いました。また、自民党の政府に対する提言の中でも、多用途運用母艦という表現を使って、構想・検討をということを求めていたかと思うのですが、大臣の立場で多用途運用母艦について、どのようにお考えでしょうか。

A:自民党の提言をいただいたばかりでございますので、これからじっくり検討していきたいと思っております。この段階で多用途運用母艦ということに関して、何か具体的な考え方を持っているわけではありませんが、提言も踏まえた上で、これからじっくり検討をしていきたいと思います。

Q:自民党の提言にあった「敵基地攻撃能力」については、これから防衛省の中で検討していくということでしょうか。

A:「敵基地攻撃能力」については、先ほども申し上げたように、日米の役割分担の中で基本的には、米国の打撃力に依存をしているわけで、その考え方は政府として変えているわけではありません。ただ、自民党の提言を受け止めた上で、考えてはみますけれども、今の段階で日米の役割分担について、防衛省として何か変えて行こうという思いがあるわけではありません。

Q:佐賀空港への陸自オスプレイ配備計画について確認したいのですけれども、佐賀県知事はすでに受け入れ表明をしていらっしゃるのですが、地元の漁協などの理解がまだ得られていない状況ですけれども、今後、どのように対応していくお考えでしょうか。

A:8月に佐賀県知事から受け入れについての表明をいただいたと承知をしておりますが、これから有明海漁協さんと県の方で話し合いが必要だと承知しておりますので、防衛省としても県と漁協さんの話し合いというのをしっかりサポートしていきたいと思っております。

Q:大臣として就任されたので、改めて地元に行かれるというお考えはありますでしょうか。

A:必要とあれば適切な時期に訪問したいと思いますが、今の段階では何か具体的に決めているわけではありません。

Q:自衛隊の部隊配備についてお聞きしたいのですけれども、中国の話も出ましたけれども、南西諸島防衛重視という流れの中で、例えば北海道内では、部隊の削減ですとか、隊員の削減が進むのではないかと不安の声が出ていますけれども、全国の部隊・隊員の配置についてどのようにお考えかお聞かせください。

A:日本の防衛上、南西の守りが従来に比べて、どんどん重要になってきているということは、事実だと思います。しかし、北海道は大きな訓練場も含めてわが国の防衛に多大な協力・貢献をしてきていただいておりますし、そういう訓練場を含めた機能というものの重要性というのは、それが落ちているというわけではないと思いますので、そのようなことを踏まえた上で、今後の部隊編成を考えていきたいと思っております。

Q:大臣は日中戦争から太平洋戦争に至る戦争は侵略戦争だとお考えでしょうか。

A:いわゆる歴史認識ですけれども、先に安倍総理が新たな談話を発表されたものに集約されていると考えております。

Q:大臣の言葉で聞かせてください。侵略戦争と考えますか、考えませんか。

A:まさに安倍談話に私は集約されていると思いますし、私自身も談話の中身というものに当時非常に共感・共鳴をしましたので、まさにそこに集約されていると思います。

Q:侵略戦争だと考えますか、考えませんか、御自身の言葉で語ってください。

A:私が独自の見解を述べる立場にはないと思っております。

Q:これだけの大きな軍事組織を監督される立場になられたわけですから、侵略戦争について語られないというのはおかしいのではないですか。

A:したがって、先ほどから申し上げておりますように、安倍総理の談話を私も支持しております。

Q:御自身の言葉で語っていただけないですか。

A:これが自分の言葉だと思いますが。

Q:横田基地への米空軍オスプレイ配備についてお尋ねします。空軍オスプレイは、敵基地に特殊部隊を送り込んだり、人質を奪還する特殊任務に使われると思うのですけれども、横田基地は朝鮮国連軍後方司令部の役目がありまして、ここへのオスプレイ配備というのは、米軍が北朝鮮攻撃を想定していると思えるのですが、いかがでしょうか。

A:米軍の北朝鮮攻撃というのは、少なくともこの段階においてはあまり蓋然性がないような気がしますが、政府としては、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、高い性能を有するCV-22が配備されたということは、米国のアジア太平洋地域へのコミットメント、それから即応態勢の整備の観点から日本の防衛に資すると考えております。一方、オスプレイについては、周辺住民の皆様の生活への最大限の配慮が大前提でございますので、米側に対しまして、累次の機会に安全確保の徹底や情報提供などを申入れていきたいと思っております。

Q:米軍の運用の安全性に関連してですが、今年の前半、1月頃に米軍機の緊急着陸のような事案がありまして、小野寺大臣が特にAH-1Zについて、普天間基地に自衛官を送って、機体の運用状況・整備状況等をチェック、検証したいということをおっしゃったのですけれども、今、半年以上経っても何らアクションがとられなくて、防衛省はずっと米側と調整しているということを言い続けているのですけれども、まったく実現しないのですが、こういうことがあると、先ほどおっしゃったような申入れというのは、非常に空々しく聞こえて、何もやっていないじゃないかと、事実上何も出来ていないじゃないかと、そういう批判を浴びざるを得ないと思うのですけれども、こういった点については、大臣はどのように米側に求めていくお考えでしょうか。

A:言うまでもないことですけれども、米軍による事件・事故というのはあってはならないことであって、これまでも累次の機会を捉えて、航空機の点検・整備の確実な実施、安全管理の徹底等を強く申し入れているものと承知しております。米軍の運用にあたりましては、これからも安全面で最大限、配慮するように引き続き、小野寺前大臣も努力していただきましたが、私も最大限の努力をしていきたいと思っております。

Q:先ほどのAH-1Zに関しても、引き続き米側に先ほどのような検証を求めていくお考えでしょうか。

A:その事案については、詳しく把握しておりませんので、必要とあらば事務方から回答させます。

以上