防衛大臣記者会見

日時
平成30年9月11日(10:48~11:00)
場所
防衛省記者会見室

1 発表事項

 現在、自衛隊では、人員25,100名、航空機46機、艦船9隻の態勢で、厚真町をはじめ2市5町において、被災者の当面の生活支援を中心とした活動を継続して実施をしております。具体的には、招集した即応予備自衛官も加わって、給水支援21ヶ所、入浴支援8ヶ所、給食支援5ヶ所を行っているほか、山腹が崩落した厚真ダムの土砂・流木の撤去や、寸断された道路の復旧活動を行っております。また、昨日も、関係省庁からの要請に基づき、食料や発電所用機材などの輸送を行っております。明後日13日から、防衛省の契約フェリー「はくおう」を活用しまして、苫小牧西港において、入浴サービス等を行う予定であります。このほか、逼迫している電力事情を踏まえ、北海道内の自衛隊施設54ヶ所において、自家発電を活用するなどして、最大限の節電に努めております。防衛省・自衛隊としては、引き続き、関係省庁や自治体等とも緊密に連携して、被災者の生活支援に全力で取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:名護市辺野古の埋立てを巡って、沖縄県が承認を撤回したことに対し、法的対抗措置はどのような形で、いつ、取ることを検討していらっしゃいますでしょうか。

A:御指摘の件については、事業者であります沖縄防衛局において、処分理由の精査を行い、その上で、総合的に検討して判断することになると考えております。現段階で予断を持ってコメントすることは差し控えます。

Q:冒頭、御発言いただきましたけれども、地震、台風と大規模災害が続いておりますけれども、今後、即応性を高めるなど、何らかの体制の強化を検討されるお考えはありますでしょうか。

A:今回の災害派遣に際して、自衛隊では、地震が発生した直後から、直ちに近傍の基地から戦闘機やヘリコプターを離陸させ、上空からの情報収集を開始するとともに、約30分後には、初動対処部隊ファスト・フォースをはじめ、準備が完了した部隊を次々と被災地に向け出発をさせております。即応体制をしっかりするということが大事だと思っております。また、今後、台風等の災害が発生する可能性も当然ありますので、新しい災害の発生に備え、万全の態勢をとり続けて行きたいと思っております。

Q:ロシアの関係ですが、本日から「ヴォストーク2018」という大規模な演習が始まります。過去最大規模で中国も初めて参加するということですけれども、御所感をお願いいたします。

A:中国国防部は、9月11日から15日の間、兵力約3,200人、各種装備約900台、固定翼機・ヘリコプター30機が、ロシア軍の大規模演習「ヴォストーク2018」に初めて参加する旨発表したと承知しております。そして、ヴォストーク演習が今日からスタートすることになるのだと思います。今回の演習に初めて中国軍が参加するという背景でありますが、中国及びロシアが軍事面での連携強化を演出して米国を牽制するものといった見方があることは承知しております。他国の演習内容の一つ一つにコメントすることは差し控えますが、私どもとしては、こうしたヴォストークのような大規模演習が4年ぶりに極東方面で行われること、また、この演習に中国が初めて参加することも踏まえて、引き続き、重大な関心をもって注視していきたいと思っております。

Q:先日の台風21号では、関西空港が高潮による浸水被害で一時閉鎖されるといった被害がありました。同様に海を埋め立てて造る辺野古ですけれども、辺野古についても高潮ですとか、津波に関してのリスクについて、どのように認識され、どのような対応をとられているのでしょうか。

A:今、辺野古の設計をする中で様々なリスクに対応した形で計画をしているのだと思っております。また、今回の関西空港の場合には、特に橋でつながれた空港ということでの脆弱性が出たと思いますが、辺野古の基地建設においては、陸地を埋め立て拡張するという形でありますので、そのような橋による脆弱性はないと思っております。

Q:確かに橋による脆弱性はないと思うのですが、海に面していて、しかも軟弱とされる地盤を埋め立てて行う工事ということで、地盤沈下のリスクであるとか、あるいは、高潮や津波による浸水という可能性は十分あり得ると思うのですが、その辺りの危険性についてどのように見積もっていらっしゃいますでしょうか。

A:当然、基地を建設するにあたりまして、そのようなリスクを十分勘案した上で設計をされているものと承知をしております。

Q:トランプ大統領が金正恩委員長からの書簡をもらった上で、次の米朝首脳会談に前向きな考えを示していますけれども、そうした動きを大臣としてはどういう意図を持って観測しているのか、また、2回目の米朝首脳会談が今後の朝鮮半島の緊張緩和に向けてどういった意味を持つとお考えでしょうか。

A:10日、ホワイトハウスのサンダース報道官は、トランプ大統領が金正恩委員長から2回目の米朝首脳会談を要請する書簡を受け、既に同会談について調整中であるという発言をしたということは承知しております。防衛省としては、現在、外交努力が北朝鮮の非核化を成し遂げようとしている中で、北朝鮮による具体的な行動を含め、今後の動きをしっかりと見極めていきたいと思っております。

Q:先般の北朝鮮の軍事パレードで、弾道ミサイルが今回なかったと思うのですが、その点について、全体的な認識も含めてどのように見ていらっしゃいますか。

A:今回の軍事パレードの様子について放映された内容を見る限り、戦車、装甲車、自走砲などの通常兵器は登場したものの、ICBM級を含む弾道ミサイルは確認されなかったということであります。この点は、非核化に向けて協議している米国を刺激しないとの配慮があったという見方が示されているということは承知をしております。私どもとして、パレードの一つ一つにコメントする必要はないと思いますが、大切なのは、核・ミサイルが廃棄されるといった具体的な行動が見えるということが重要です。パレードに出たか出ないかということで特にコメントする必要はないと思います。

Q:災害派遣についてですが、今後、体制面や装備の面で工夫したりとか、強化することはありますでしょうか。

A:災害が発生する、そして防衛省が出動するたびに防衛省としては、研究本部を中心にそれぞれの教訓をしっかり収集し、次への対応に万全を期すという体制を取らせていただいております。なお、今後新たに様々な災害が発生する可能性があります。例えば、南海トラフ地震や、首都直下地震を始めとする各種災害へ、より迅速かつ効果的に対応できるように、例えば平成31年度概算要求で、大規模災害時に被災者救援や、被災地への救援物資の輸送を迅速に行うための多用途ヘリコプターや航空機の取得、山林火災における災害派遣時に迅速かつ有効な消火活動を実施するための空中消火器材、災害時の対処能力の向上のため、大規模災害や特殊災害に対応する統合防災演習等の実施などを、予算に計上しております。防衛省としては、今まで得た教訓を基に、今後とも災害対応能力を向上する考えであります。

Q:災害派遣についてですが、現状では都道府県知事の要請による災害派遣要請を受けてからの派遣が原則としておりまして、被災を受けた自治体のそれぞれの力の格差もあることから、プッシュ型等々取り組まれていると思うのですが、一方で、防災省という、言わば防災に関しても中央省庁で一元化して対応するというアイデアもありますが、防災省のアイデアに関して大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:政策の中では様々な議論があっていいのだと思うのですが、少なくとも現在の災害対応について、何か現在の組織で問題があるとか、今回の北海道での災害に対して、その支援に何か問題が出ているとか、そういうことはないと思っております。先ほどの、各自治体からの要請で自衛隊が出ていくのが当然基本ということになってります。自治体においては、災害の経験がない自治体もあり、速やかな対応がもしかしたら、しにくい場合もあるかもしれないということを私どもも考えまして、今回の災害においても、災害発生時には必要な自治体、これは都道府県だけではなく、市町村にLOを派遣し、逆にこちらから「このようなことが対応できますが、ニーズはどうでしょうか」という対応で速やかに自衛隊が展開できるようにすることも大事であると思っております。今後とも自治体との連携が重要であると考えております。

Q:防衛大臣としては、現状では対応できていて、防災省というアイデアにニーズはあるとお感じになっていないという理解でよろしいでしょうか。

A:私どもとしては、政策面で様々な議論があることは重要だと思っております。現時点で、防災省がないから速やかな対応ができないということではないと思います。

Q:北海道の地震の関連ですが、現在の人員の態勢は、メドとしていつ頃まで維持されるお考えでしょうか。

A:私どもとしては、先ほどお話をしました、25,000人態勢というのは、今日現在は維持していくということになります。今後、人命救助等のニーズが一段落ついたということになりますと、生活支援のフェーズに入っていきます。ただ、余震も続いておりますので、万が一、また大きな余震があり、再び災害が起きた場合でも速やかに対応できるように、その準備は整えております。先ほどお話しましたように、現場で活動する隊員を含めて、既に行方不明者の捜索等のニーズは終わっているということもありますので、必要に応じた形で縮小を検討しております。

以上