防衛大臣記者会見

日時
平成30年8月7日(11:02~11:17)
場所
防衛省記者会見室

1 発表事項

 東北地方を通過した低気圧により、山形県では局地的な大雨になり、戸沢村においては、一部地域で浸水に伴う孤立者が発生いたしました。その後、孤立地域は解消したものの、戸沢村の中央公民館などに避難者がいるため、昨日6日でありますが、12時24分に山形県知事から神町駐屯地の第6師団長に対して、給水支援及び給食支援に係る災害派遣要請がありました。要請を受け、速やかに神町駐屯地の第20普通科連隊の隊員約40名が戸沢村役場に前進を開始し、昨日16時頃到着し、戸沢村保健センター、蔵岡公民館の2ヶ所で給水支援を開始いたしました。本日も引き続き、3ヶ所において給水支援、戸沢村の中央公民館で給食支援を実施しております。防衛省・自衛隊としては、引き続き、災害派遣活動に万全を期してまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:先日3日までロシアを訪問されておりましたけれども、日露「2+2」を含めて今回の訪問はどういった成果だったのかについて教えていただきたいのですが。

A:7月31日に、日露「2+2」及び日露防衛大臣会談を開催いたしました。「2+2」においては、安全保障分野における信頼醸成、アジア太平洋の地域情勢、非伝統脅威における協力等について議論を行い、特に、北朝鮮問題について、日露共通の目標である北朝鮮の非核化に向け、引き続き、連携していくことで一致をいたしました。日露防衛大臣会談においては、北朝鮮問題、イージス・アショアを含む我が国の防衛政策の最近の動き、防衛交流に関して特に議論をいたしました。会談では、引き続き、防衛交流を実施していくことを確認するとともに、本年後半の河野統幕長の訪露、本年10月のロシア太平洋艦隊の函館寄港を進めていくことで一致をいたしました。また、これらの会談において、我が国のミサイル防衛システムについては、導入予定のイージス・アショアを含め、我が国の国民の生命・財産を守るための純粋に防御的なシステムであるとともに、我が国が主体的に運用するものであり、ロシアを含めた周辺国に脅威を与えるものではないという旨を重ねて説明いたしました。防衛省・自衛隊としては、今回の会談におけるやりとりを踏まえ、引き続き、防衛交流・協力を継続していくことにより、両国の相互理解を更に深め、信頼醸成の強化に努めていきたいと思っております。

Q:関連してなのですが、イージス・アショアについてはロシア側から懸念が繰り返し表明されておりますけれども、今後どのように日本政府が説明していくのでしょうか。

A:私どもとしては、我が国のミサイル防衛については、導入予定のイージス・アショアを含め、我が国の国民の生命・財産を守るための純粋に防御的なシステムであるとともに、我が国が主体的に運用するものであり、ロシアを含めた周辺諸国に脅威を与えるものではないということ、これを今後とも丁寧に説明をしていきたいと思っております。

Q:就任されてから1年経ちましたが、この1年、日本を取り巻く周辺の安全保障環境の変化をどのように評価されているかということと、加えて防衛省では「日報」の問題がでましたが、自衛隊を抱える組織として、課題を含めてどのように総括をされていますでしょうか。

A:二度目の大臣就任となりましたが、早くも1年が経ったということであります。この1年間、我が国を取り巻く安全保障環境の厳しさを痛感した1年であったという印象を持っております。就任後4ヶ月の間に、北朝鮮は、過去最大規模の核実験と3回もの弾道ミサイル発射を強行いたしました。先の米朝首脳会談後も北朝鮮による核・ミサイルの廃棄が具体的に進展しているわけではないと、今でも認識をしております。我が国のほぼ全域を射程に収める弾道ミサイルを多数保有し、実戦配備している状況に変化はありません。中国は海上・航空戦力を中心とした軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、潜没潜水艦や水上艦艇を尖閣周辺の我が国接続水域に入域させるなど、東シナ海や南シナ海をはじめとする海空域などにおいて、質・量ともに活動を急速に拡大・活発化させております。また、ロシアも、北方領土への地対艦ミサイル配備を発表するなど、極東地域への軍事活動を活発化させております。国民の命と平和な暮らしを守るため、引き続き、我が国を取り巻く安全保障環境を直視し、あらゆる事態に対して万全の対応を期すとともに、防衛大綱の見直しに当たっては、サイバー空間や宇宙空間などの新たな領域の重要性も踏まえ、従来の延長戦上ではない、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めてまいりたいと思います。また、この1年、同盟国である米国との間では「2+2」をはじめ、マティス米国防長官との会談を重ね、北朝鮮問題や東シナ海・南シナ海を含む地域情勢等について、認識・方針をすり合わせてまいりました。マティス長官との強い信頼関係を築くとともに、日米同盟の強固さを示す重要な機会であったと考えております。引き続き、同盟の抑止力と対処力を一層強化し、日米安保体制の信頼性の向上に努めてまいります。また、加えて、英国、フランス、ロシアとの「2+2」会談を行い、各国と安全保障の協力について努めてまいりました。南スーダン「日報」及びイラク「日報」の問題を巡り、国民と我々をつなぐ公共財である公文書の不適切な取扱いなどから、国民の皆様に大きな不信を招く結果となったということは大変遺憾に思っております。引き続き、防衛省・自衛隊の25万人の先頭に立って、再発防止策を徹底し、国民の信頼回復に努めてまいります。また、このほか、米軍や自衛隊の航空機事故が相次いだ1年でもありました。引き続き飛行の安全に努めてまいりたいと思っております。

Q:イージス・アショアについて、一基あたり1,350億円となっていることで野党側からは批判も出ていますが、今後どのように高額の装備について説明していきたいとお考えでしょうか。

A:今回のアショアについては、ロフテッド軌道、あるいは同時対処能力の向上、様々な能力向上をする中で、現在のイージス・システムよりも、より高度なイージス・システムを導入するということを検討しております。その中で、今後とも価格の低減に努力していきたい、そのように思っておりますし、国会での様々な質問に対しても丁寧に対応していきたいと思っております。

Q:一方で地元からは、PAC-3の展開を縮小するなど、対応がちぐはぐであるような印象があるというような批判も上がっていますが、地元に対してどのように配備について理解を求めていくお考えでしょうか。

A:現在、米朝の会談、協議が行われている最中ということでありますので、私どもとして、直ちに北朝鮮が弾道ミサイルの発射等、実験を含めて繰り返すというのは、今この瞬間は想定をし難い状況にあるということで、現在、PAC-3の態勢を今後のためにも、整備、そして訓練の態勢ということで、一度配備しているところから原隊に戻しているということであると思います。ただ、北朝鮮は現時点でも核・ミサイルの具体的な廃棄に向けた動きはしておりません。私どもとしては、脅威は変わっていないと思っております。それに対して、必要な態勢をとっていくということなのだと思います。

Q:戦闘機を搭載した空母というのは、大臣は攻撃的なものだと思われますか、それとも防御的なものだと思われますか。

A:それぞれ装備については、当然、どのような運用形態があるかということで判断されるということだと思いますし、日本として特にそのような装備について検討はしておりませんので、今のお答えについて、どのようなお答えをしていいか差し控えさせていただきます。

Q:一般的に戦闘機を搭載した空母というのは、パワープロジェクションなど、戦力投射ができるということで、一般論としてどのように思われているかということをお伺いしたいのですけれども。

A:あくまでも、それぞれの国が自国の装備を備える中で、どのような展開をしていくかということの判断で考えられるべきものだと思います。

Q:漫画で空母「いぶき」がございますが、大臣の御感想を伺いたいのですけれども。

A:すみません。読んだことはございません。

Q:昔、「正論」の中の対話で仰っているので、確認したかったのですけれども。

A:今時点で、内容について記憶しておりません。

Q:「あまりにリアルで驚きました」とおっしゃっていたのですが。

A:そうですか。その時は、何らかの形で表紙とかを見たのかもしれませんが、今現在は記憶にありません。

Q:来週、終戦の日を迎えますけれども、現職閣僚として参拝についてのお考えについてお願いします。

A:先の大戦で、この国を守るために様々な思いで亡くなられた皆様の御霊に対して、尊崇の念を抱くということは、私も一国民として同じ気持ちを持っておりますが、特に、参拝をするような予定は持っておりません。

Q:沖縄県が予定している、辺野古埋立て承認撤回に伴う聴聞について、沖縄防衛局が期日の延期を求めたところ、沖縄県は昨日、延期を認めないとの回答を沖縄防衛局に出しました。県の対応について、受け止めをお願いいたします。

A:去る7月31日に沖縄県から通知されました聴聞の期日について、8月3日、沖縄防衛局から県に対して、聴聞の期日を早くとも9月3日以降に変更していただきたい旨の「聴聞等変更申出書」を提出いたしました。これに対し、昨日、沖縄県から沖縄防衛局に対し、聴聞の期日に出頭できない又は困難なやむを得ない理由には該当せず、当該期日の延期の申し出を認めることはできない旨の回答があったと承知しております。沖縄防衛局においては、現在、聴聞通知書や閲覧した資料の内容を精査しており、その内容・分量に照らし、準備に相当日数を要することから、聴聞の期日の延期を申し出たところでありますが、沖縄県側の理解が得られなかったことは誠に残念と思っております。防衛省としては、このような状況を踏まえ、当該期日に向け、所要の作業を加速してまいりたいと考えております。

Q:そうすると明後日、9日が県が設定した期日ですけれども、その期日には沖縄防衛局の職員が出席して聴聞に応じるということでよろしいでしょうか。

A:行政手続法においては、聴聞の期日に出頭するか、これに代えて陳述書等を提出することができるということは承知しております。検討の上、適切に対応したいと考えております。

Q:出頭するか、もしくは陳述書で対応する、いずれかで対応するということでよろしいでしょうか。

A:現在、資料等の内容を精査し、その検討を行っているところでありますので、検討した上で、適切に対応したいと思っております。

Q:自衛官の採用年齢の引き上げについて検討していると思いますけれども、検討状況と、大臣が必要性についてどのようにお考えかお願いします。

A:採用年齢の引上げについての報道があることは承知をしております。自衛官、特に一般曹候補生及び自衛官候補生の採用環境は、少子化による採用対象人口の減少や高学歴化、有効求人倍率等の上昇により、より一層厳しさを増していると承知をしています。防衛省としては、自衛隊の活動を支える人的基盤の充実強化に係る施策について、不断の検討を行っているところであります。自衛官の採用上限年齢の引上げについても検討をしておりますが、具体的な内容について、現段階で確たることをお話する段階にはないと思っております。

以上