防衛大臣記者会見概要

日時
平成30年7月20日(09時30分~09時53分)
場所
防衛省記者会見室

1 発表事項

 平成30年7月豪雨に対する対応について、御報告いたします。防衛省・自衛隊は、広島・岡山・愛媛3県で、人員約31,250名、航空機38機、艦船28隻の態勢で活動にあたっております。岡山県倉敷市真備町における、ガレキの撤去については、現在、隊員約1,500名、重機やダンプカー約150台で対応し、昨日まで、約3,000台、約15,000トンのガレキを撤去しました。発災から2週間となりますが、未だ行方不明者の方がおり、また、多くの避難者がいる現状において、防衛省・自衛隊としても、行方不明者捜索に全力を挙げるとともに、生活支援にもしっかりと対応していきたいと思っております。連日35度を超える酷暑が続き、活動が長期化する中、自衛隊員にも熱中症の症状がみられるものが50名近くに上っています。いずれも隊員を逐次交代させつつ、水や冷却材の入ったクールベストなどを支給し、自衛隊医官も巡回させて隊員の健康管理に努めながら活動を続けていく考えです。

2 質疑応答

Q:18日、石垣市中山市長が陸上自衛隊の配備を受け入れることを表明したところであります。この空域ですと中国軍機の活動が目立っているところもありますが、今回の意義や能力強化の期待について教えていただけますでしょうか。

A:防衛省としては、安全保障環境が厳しさを増している中、島嶼部の防衛態勢強化は極めて重要な課題であると考えております。南西諸島においては、沖縄本島及び与那国島以外に陸自部隊が配置されていない中、石垣島への部隊配備は、南西地域における自衛隊配置の空白状況を解消し、南西防衛態勢の強化につながる極めて重要な位置付けと考えております。今月18日に中山石垣市長から私に対し、石垣市への陸上自衛隊配備について了解する旨お伝えいただき、私からは感謝する旨お話をいたしました。今後、用地測量調査等の業務を通じて、配備に向けた諸手続きを進めてまいる所存であります。用地取得や工事着手の時期については、相手方との関係もあり、現時点において決まったものはありませんが、石垣市とも相談しながら、地元の皆様への丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。

Q:イギリスが今の戦闘機のユーロファイター・タイフーンの後継機種でテンペストという名前の機種ですが、日本との共同開発を検討している、打診しているという話が出ています。イギリスとは去年8月に日英首脳会談で航空機分野での協力が決まった経緯があると思うのですが、今進めているF-22やF-35といった、いわゆる次期戦闘機の検討に今回の件が与える影響は如何でしょうか。

A:英国国防省は、16日、ファンボロー・エア・ショーにおいて、新戦闘機「テンペスト」の実物大モデルを公表するとともに、「戦闘航空戦略」を発表したと承知しております。そして、英国側は、当該文書の中において、国際共同開発のパートナーを模索すると述べております。他方、将来戦闘機、F-2後継機でありますが、現在、国内開発、国際共同開発、既存機の能力向上といった選択肢を含め、防衛省内で議論を重ねながら様々に検討を行っているところであります。その一環として、英国側との間では、将来の共同事業の可能性についての意見交換を行っています。英国が今般発表した戦略が、日英間の共同事業の可能性に対してどのような影響を与えるのかについては、今後、英国側との協議や意見交換などを通じて見極めていく考えあります。いずれにしても、現時点において、将来戦闘機については、どのような開発に係る判断を行うか、何ら決まったものはありませんが、引き続き、国際共同開発という選択肢も含め、関係部署が連携して検討を進めていきたいと思っております。

Q:豪雨災害の関係ですが、熱中症対策、隊員の交代頻度等については、これは活動を始めた当初よりも対策を強化したというふうに考えてよろしいのでしょうか。

A:私どもとしては、活動開始直後から、現場の部隊を通じて自衛官の健康状況、これは熱中症や、あせもが出る、皮膚のただれとかが出ているという報告を受けております。その中で、特にこの3連休以降、かなり隊員の中で熱中症の症状も見られますので、そういうことも含めて私どもとして、現場と様々な情報交換をしながら健康管理に努めるための補給剤やクールベストの支給などをしているということであります。

Q:ロシアの関係についてお伺いします。18日にロシア外務省は「2+2」を今月31日に開くと公表しました。どのようなことを協議したいとお考えでしょうか。

A:次回の「2+2」におきましては、5月の日露首脳会談で本年後半に開催することで一致しております。日程については今調整中ではありますが、私どもとしてはなるべく早く行いたいと思っております。その中で、内容については、まだ調整中だということでありますが、私どもとしては、特に北朝鮮の問題は、日本の周辺の安全保障環境の中で議論することではありますが、国際社会が共通して北朝鮮の核・ミサイル問題について、一定の方向に導こうという努力をしている中、北朝鮮がまだ具体的に核・ミサイルに向けた行動をとっていない中で、制裁については継続していく、このようなことを日本側としては議論していきたいと思っております。

Q:特に北朝鮮を巡って、安全保障環境を安定させていくためには、ロシアの役割はどのようなものがあるとお考えでしょうか。

A:ロシアも北朝鮮とは国境を接している隣国でもありますし、また、国連を通じての北朝鮮の制裁というのが続けられておりますが、ロシアはP5の一国でもあります。そういう意味ではロシアの役割も大変重要だと思っております。

Q:一方で、日本のイージス・アショアについては、これまでロシア側から懸念の声が出ていますが、この点については、日本側としてどのように理解を求めていくお考えでしょうか。

A:この問題については、今回、議題になるかどうかは分かりませんが、過去、私はショイグ国防長官との議論をしている中で、私どもとしては、わが国が整備を進めているBMDシステムというのは、あくまでも弾道ミサイル攻撃に対して、わが国の国民の生命・財産を守るために必要な純粋的な防御システムであるということを説明しておりますし、今回も、もし問われれば、純粋的な防御システムだということをしっかり説明していきたいと思っております。

Q:石垣島の陸上自衛隊配備についてですが、この配備は、南西諸島の空白と先ほどおっしゃっていまたけれども、尖閣を念頭に置いた配備になるのでしょうか。

A:私どもとして、自衛隊部隊の配置というのは、わが国を守るためということが基本でありますので、そういう意味では私どもとして、わが国を守る体制をとっていくということ、そして、今回の豪雨災害でもありましたが、自衛隊のもう一つの役割としては、例えば災害が起きた時に、しっかりその地域の住民を災害から守るという役割もあります。特に南西地域は離島でありますし、島民の方々が、万が一、災害が発生した場合でもしっかり対応していきただきたいという要請は、当然自衛隊にも来ると思いますので、私どもとしては、国民を守るという意味で自衛隊の配置をしっかりしていきたい、そのような一環だと思っております。

Q:尖閣を念頭に置いているのかどうかということをお答えいただけますか。

A:私どもとしては、日本の国民を守るという目的が自衛隊にありますので、その目的に尽きると思います。

Q:石垣島では、1万人以上の反対署名もあったと思いますが、反対の声というのは防衛省としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

A:私どもとしては、反対をされている皆様の御懸念に答えるべく、丁寧にこれからも説明をしていきたいと思っております。

Q:沖縄県の環境アセス条例が改正され、10月1日に施工されるため、年度内に工事を着工しなければ環境アセスの対象になります。対象になった場合は、少なくともアセスだけで3年ほどかかると見られていますが、配備するという観点からすると年度内に着工したい考えはありますか。

A:石垣島への陸上部隊配備に係る施設整備でありますが、具体的な用地取得範囲や整備内容を調整していく中で、沖縄県の環境影響評価条例の対象か否かは沖縄県と確認をするということになっていくと思います。また、今後の用地測量調査等の業務を通じて、配備に向けた諸手続きを進めていくことになりますが、相手側との関係もありますので、この用地取得や工事着手の時期について、現時点で決まったものはありません。

Q:普天間代替施設建設事業について伺います。沖縄県が月内に埋め立て承認を撤回するため、手続きの「聴聞」を開始するとしています。受け止めと、「聴聞」に応じるお考えはありますでしょうか。

A:報道については承知しておりますが、沖縄県の対応に関する仮定の話でありますので、防衛省としてコメントすることはないと思います。その上で申し上げれば、平成28年12月の最高裁判決の趣旨に従い、今後とも、国と沖縄県の双方が互いに協力して、誠実に対応し、辺野古沿岸域の埋め立て工事を進めていくことになると考えております。

Q:先日、沖縄県は行政指導文書で、軟弱地盤の危険性等を指摘し、工事の問題点を指摘していますが、県の指摘についてはどのように考えますでしょうか。

A:御指摘については、今月17日沖縄県知事から沖縄防衛局長に送付された文書の内容だと承知しております。防衛省としては、文書内容を精査の上、適切に対応していきたいと思っております。

Q:県の指摘は当たらないというふうにお考えでしょうか。

A:私どもとしては、文書の内容を精査の上、適切に対応していきたいと思います。

Q:中国のメディアによると、中国軍が18日から23日の日程で、東シナ海で大規模な射撃訓練を行うということですが、防衛省として把握している事実関係と所感をお願いします。

A:中国軍は、中国軍の部隊の運用上、様々な訓練をされるのだと思っております。私どもとしては、その訓練が行われるという報道は承知しておりますが、具体的に私どもとして何かそれにコメントすることはないのだと思います。

Q:オスプレイの配備計画に関してですが、週明けにも佐賀県を訪問されるという報道がありますが、今現在の御予定等を伺います。

A:佐賀県には陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備についてお願いをしておりますが、佐賀県知事から、米軍オスプレイ事故等を踏まえ、「陸自オスプレイの安全性」について改めて説明してほしいという御要請を従前からいただいておりました。今般、説明内容が整理されたため、佐賀県と日程調整を行った結果、来週23日月曜日に、私が佐賀県を訪問し、佐賀県知事に対して「陸自オスプレイの安全性」について御説明をすることにしております。

Q:今回、他の方ではなくて大臣が自ら行かれるという御判断をされたのでしょうか。

A:まず今年、陸上自衛隊のAH-64の事故等がございました。事故の直後、佐賀県をはじめ地元の皆様に御迷惑をおかけしたということで、私が行って、お詫びをさせていただきました。それ以来、まだ佐賀県の方にお伺いしておりませんので、今回、オスプレイの安全性について説明するということと併せて、改めて自衛隊の事故の現在の状況についてもお話をし、改めてお詫びを申し上げたい、そういう思いを持って、今回、私が行くこととしました。

Q:地元にはヘリの事故に関する最終報告書を待たずに、オスプレイの交渉が再開されるということに懸念も出ていますけれども、この点は如何お考えでしょうか。

A:私どもとして、大野大臣政務官が既にAH-64の事故等について中間報告をさせていただいていると思っております。いずれにしても、私どもとしては、地元の理解を得るために、今回の事故の問題、それから従前から佐賀県から御要請がありました、陸上自衛隊が運用しますオスプレイの安全性の問題、この説明をいただきたいというお話がありましたので、それに誠実に対応させていただきたいと思っております。

Q:通常国会が間もなく会期末ですけれども、いろいろとシビリアン・コントロールの話とか「日報」の話がありましたけれども、大臣は振り返って、どういった点を指摘を受けて、これから防衛省をどのように改革していこうとお考えでしょうか。

A:この国会中、自衛隊で様々な航空機の事故がありました。この事に関しては改めて大変申し訳なく思っております。私どもとしては、今後とも、自衛隊自身の安全な飛行の継続を含めてしっかり指揮をしていくことが大事だと思っております。また、同時に、イラクの「日報」問題を国会でさまざま議論をされました。私どもとして、今日、公文書管理の政府としての方針が出ましたが、これからも情報管理、文書管理、そして情報公開にしっかり対応できるような組織づくりが大切だと思っております。いずれにしても、国会というのは、国民からの要請を受けた代表者である国会議員が、私ども行政府に対して、しっかりした監視をするための重要な役割だと思っておりますので、今後とも、その要請に誠実に対応していきたいと思っております。

Q:オスプレイの配備の関係なのですが、23日に訪問された時は、佐賀県知事だけにお会いになるのか、それとも地元の関係者の方にお会いになるというお考えはないでしょうか。

A:今、調整中ではありますが、私どもとして、佐賀県知事に御説明をし、その後、それほど長時間ではないとは思いますが、関係する佐賀市、漁協等に御挨拶に伺いたいと考えていますが、まだ日程は最終的に調整中だと報告を受けております。

Q:安全性について御説明をされるということでしたけれども、海苔養殖とか漁業への影響を懸念する声もあると思うのですが、その点についても御説明をされるのかをお願いします。

A:私どもとして、佐賀県に対してのオスプレイの安全性の説明ということが重要だと思っております。佐賀空港は、県が管理するところでありますので、まず県からの御理解がスタートだと思っております。

Q:オスプレイを佐賀空港に配備する意義についてお願いします。また、石垣島の陸自施設の配備の意義についてもお願いします。

A:私どもとしては、特に、南北に非常に長い国土を有する日本、そして、特に島嶼部も多い島国の日本でありますので、日本を守る装備の中で、オスプレイの持つ能力というのは大変重要なものだと思っております。私どもとしては、安全な運行に努めながら、オスプレイをわが国の防衛のために役立て、また、災害救助等にも大変価値がある航空機だと思っております。導入を決めた当時も私は大臣でありましたが、今でも鮮烈に覚えておりますのは、導入についての要望が、小笠原の父島から、これは村長からも議会からも要請があり、具体的に米軍に協力していただき、実際小笠原でのオスプレイの運用の試験も行いました。私どもとして、急患空輸を含め、様々な人命救助にも役立つ航空機だと思っております。また、石垣への配備ということになりますが、南西地域は、非常に離島が多い地域であります。そのような所に、自衛隊が、特に陸上自衛隊が配備されておりませんでしたので、わが国を隙間なく守るためにも重要な場所であると思っております。

Q:先ほど、「日報」問題で、いくつか再発防止のメニューがあったかと思いますが、再発防止策について、現在の検討状況等、決まっているものがあれば教えてください。

A:防衛省・自衛隊として、特に自衛隊が海外で活動する「日報」というのが、重要な資料ということで、統幕で一元管理をするということは従前から行っております。その中で、今回の問題の発端というのは、文書を公文書、私文書という考え方が、しっかりと職員・隊員に行き渡っていなかったということがあります。「日報」も含めて重要な公文書であるという認識を持つということを徹底させていきたいと思っております。そのためにも、様々な教育制度を充実させ、対応していきたいと思います。また、今回の公文書管理の政府全体の対応としては、内閣府に統括の審議官級のポストができるということでありますが、同時に各省にも、それに対応するような担当を決めるということでありますので、政府全体の改善策に防衛省としてもしっかりと対応できるようにしていきたいと思っております。

以上