防衛大臣記者会見概要

平成30年7月10日(10時53分~11時08分)
(於:防衛省記者会見室)

1 発表事項

 今般の大雨に対する防衛省・自衛隊の災害派遣活動等について御報告いたします。防衛省・自衛隊においては、これまでに中部方面隊及び西部方面隊を中心に最大74箇所の自治体に連絡員約300名を派遣し、被災自治体と緊密な連携を図りながら、現在、1府4県において、陸・海・空の活動人員を約29,500人、航空機38機、艦艇13隻に増強して災害派遣活動を行っております。昨日、自衛隊は、例えば、広島県尾道市における土砂災害行方不明者の人命救助、愛媛県松山空港における物資輸送、広島県呉市における交通船を活用した給水支援、広島県呉市における入浴支援のための江田島市・呉市間におけるLCACにおける輸送支援などを行ってまいりました。これに加え、本日、広島県広島市宇品港から海自呉基地まで輸送艦「しもきた」を活用しまして、道路が寸断され燃料が枯渇している呉地区に対し、タンクローリーの輸送支援を行います。また、広島市から呉市にパン24,000食をヘリで空輸をいたします。防衛省・自衛隊としては、引き続き、人命救助を行いつつ、避難所での生活等を余儀なくされている被災者の方々に寄り添った、きめ細やかな生活支援活動を全力で行ってまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:米国のポンぺオ国務長官が、平壌で行われた米朝高官協議後の8日に、「河野外相と北朝鮮に対する最大限の圧力を維持することについて議論する」とツイートを投稿しています。先月の米朝首脳会談後に「最大限の圧力」という言葉を米国高官が使うのは初めてだと思います。トランプ大統領は、「私が『最大限の圧力』と言い出したら、交渉はうまくいかなかったと思っていい」と先月発言していますが、ポンぺオ国務長官のツイートを含め、今回の米朝高官協議の評価について、あるいは北朝鮮の現状について、大臣はどのように分析されていますでしょうか。

A:トランプ大統領が、先月12日の米朝首脳会談に先立って行われた日米首脳会談後の会見において、「最大限の圧力」という言葉を使うのは、北朝鮮との交渉がうまくいかなかった場合である旨の発言したこと、そして、ポンぺオ米国務長官が、8日に行われた河野外務大臣との会談について、「北朝鮮に対する最大限の圧力を維持することについて議論するため」であったと、ツイッターで述べたことは承知をしています。このことが今回の米朝協議が不調であったことを示唆しているのではないかとの御指摘でありますが、今回の訪朝結果については、8日の日米外相会談や総理表敬の際、ポンペオ長官から、生産的な協議を行い、進展を得たとの説明を受けているところ、政府としてもそのように受け止めていると承知をしております。防衛省としては、北朝鮮によるわが国を射程に収める数百発の弾道ミサイルの実戦配備などから、北朝鮮の核・ミサイルの脅威についての基本的な認識に変わりはないとしているものであります。ただ、現在、外交努力が北朝鮮の非核化を成し遂げようとしている中では、北朝鮮による具体的な行動を含め、今後の動きをしっかりと見定めていきたいと思っております。

Q:米朝の関連ですけれども、大臣は当初から、北朝鮮の融和的な姿勢に、これまでの交渉の歴史から懐疑的な見方も示されてきましたけれども、今回、米朝協議が行われたわけですが、具体的な時期やプロセスについては示されないとするも、本当に進展しているのかという見方もありますが、今現在、この北朝鮮の姿勢について、改めてどのように御覧になっていますでしょうか。

A:外交当局が、特に米朝で交渉している最中だと思いますので、私どもとしては、その行方について見極めていきたい、見守りたいと思っておりますが、少なくとも、北朝鮮が核・ミサイルの廃棄に具体的に着手しているわけではありませんので、私どもとしては、日本に対する脅威は変わっていないと認識をしております。

Q:ポンペオ長官は、圧力という言葉に言及しましたが、日本の防衛当局として、やはり圧力は北朝鮮の非核化に必要だというふうに思われますでしょうか。

A:私どもとしては、今回、米朝会談を含め、北が対話の姿勢を示してきたというのは、国際社会が一致して、経済的、あるいは私どもは防衛当局としての圧力を掛け続けてきたことが、今回の北の対話に繋がったのだと思っております。ただ、私どもが求めるのは、核・ミサイルのCVIDでありますので、それがしっかり成し遂げるまで、この制裁というのは引き続き必要だと思っております。

Q:今の状況であれば、圧力を掛け続けるという姿勢に変わりはないということでしょうか。

A:確かポンぺオ長官も同じようなことを言ってらっしゃったと思うのですが、日本全体として、政府として、どう考えるかは政府全体の対応だと思いますが、防衛当局としては、核・ミサイルの具体的な廃棄が進んでいない中で、警戒は引き続き、続けていくということだと思います。

Q:災害に関連してなんですけれども、自衛隊の活動が今後、長期化していくことが予想されますが、課題と態勢等について、今の時点で報告があればお願いします。

A:現在は、中方それから西方が中心で部隊を現地に出しております。今後、もし長期化するということであれば、他の部隊から支援を受ける形で継続的な被災者の捜索救助、そしてまた、生活支援等を行う、そのような態勢を組んでいきたいと思っております。

Q:関連してですが、5日の夜に議員宿舎の方で自民党が総理を招いた形で懇親会が開かれています。これに関しては、与党内からも緊張感が足りないのではないかという批判の声が出ていますけれども、政府の今回の初動に関して問題点はなかったという御認識でしょうか。

A:防衛省においては、5日に自衛隊は既に被害が生じる恐れがある自治体への連絡員の派遣を開始しております。6日未明には、京都府及び高知県から水防等の災害派遣要請を受けております。これらの状況については、5日午後以降、私は状況の報告を受け随時指示をしております。自治体のニーズに迅速に応えるようにということで、しっかりとした対応をさせておりました。また、翌6日におきましては、私は近畿・中国・四国を担任します、中部方面総監と第3師団の司令部を視察し、豪雨状況の把握、そして指示等をさせていただきました。翌7日の朝の閣僚会議に出て、この状況については報告をし、対策本部として認識を共有したということであります。私どもとしては、これらの一連の対応について特に支障はないと思っております。

Q:関連してですが、昨日、自民党の竹下総務会長は、今回、懇親会を開いたことに関しては、ここまでの被害になることは予想できなかったと、批難については受けるとおっしゃってますが、政府としては対応に関しては問題ないということでしょうか。

A:政府としてはというよりは、私は防衛省として、5日既に午後の時点で連絡員を派遣し、情報収集に対応しておりますし、私もその会に出ておりましたが、指示をし終わった後、議員宿舎において待機をしておりましたので、その際、集会場で行われた場所に行って、顔を出したということでありますが、特に防衛省からは随時連絡が来ておりましたし、その都度指示を出しておりましたので、特に支障はないと思っております。

Q:中国情勢ですが、アメリカ海軍の駆逐艦が台湾海峡を通過したという報道がありますが、防衛省として把握している事実関係と受け止めをお願いします。

A:御指摘の報道については承知をしておりますが、米軍の行動の一つ一つについてお答えする立場にはありませんが、その上で申し上げれば、地域の安全保障環境が厳しさを増す中、米国によるコミットメントは極めて重要と認識しております。また、マティス国防長官は、先日のシャングリラ会合において、台湾との協力にしっかりとコミットし、現状変更のための全ての一方的な取組みに反対する旨を述べたと承知をしております。いずれにしましても、近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中、中台の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化をしており、その差は年々拡大する傾向がみられると思います。防衛省としても、引き続き関連動向を注視していきたいと思っております。

Q:中台の軍事バランスに関してですが、緊張感が増す地域の一つであるかと思いますが、この中台という中で、在日米軍の役割、在日米軍と自衛隊の協力はどのようにお考えでしょうか。

A:これは中台という個別の案件だけではなく、この東アジア全体として、米軍のプレゼンスというのは、地域の安全保障上の重要な役割を果たしていると思っていますので、私どもとしては、今後とも米軍のプレゼンスは重要だと思っています。

Q:今日の閣議で来年度予算の概算要求基準が決まりましたけれども、防衛費は4年連続で過去最高で伸びていて、来年度予算に向けて防衛省として、どういった基本的な考え方で概算要求をするのか、お考えをお願いします。

A:私どもとしては、わが国を取り巻く安全保障環境の状況、効果的かつ効率的な防衛力の構築、そしてまた、わが国の厳しい財政状況、防衛産業含む経済状況、技術動向等、様々な観点から必要な防衛力を整備する中で、積み上げた形で防衛費の適切な規模を考えていきたいと思っておりますし、もちろん、今日の閣議で総理からの御指示もございましたので、それに沿って必要な体制を整備していきたいと思っております。

Q:昨年は北朝鮮のミサイルの件などが続いて、今年に入ってから北朝鮮の挑発が減って、米朝で非核化の動きが続いていますが、こういった周辺環境の変化というのが、予算編成に影響を与えるところがあるのかということについてはいかがでしょうか。

A:私どもの認識としては、確かに米朝を含めた対話というのが雰囲気として感じられますが、具体的に北朝鮮が、核・ミサイルの廃棄に向けた動きを示しているわけではありません。私どもとしては、北朝鮮の脅威は変わらないという認識を現時点で持っております。

Q:昨日、普天間飛行場の負担軽減推進会議の作業部会が開かれまして、宜野湾市から騒音問題などに関する、米軍も含めた実務レベルの会議体の設置要望がありました。国側から検討する旨回答があったとのことですが、改めて設置するお考えはありますでしょうか。

A:昨日、普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会が開催されまして、宜野湾市から、いくつかの御要望をいただいたということは報告を受けております。今、お話がありました騒音問題などであります。私どもとしては、これまでも宜野湾市から御要望をいただいたことから、騒音対策については、現地実務者レベルで率直な意見交換をする場を設けられるよう米側と必要なやり取りを行っているところでありますし、このようなことに関しては、すでに既存の枠組みがありますので、その既存の枠組みを活用しながら解決をしていきたいと思っております。

Q:今回要望を受けてという形ではなくて、従前からそういった米側とのやり取りをされていたという事でしょうか。

A:従前から米軍とのやり取りでは、これは防衛省だけではなくて、外務省も含めた形で既存の枠組みがあると報告を受けておりますので、その枠組みの中で対応していくことになるのだと思っています。

Q:新しい取組みではないという事でしょうか。

A:私どもとしては、既存の枠組みの中で対応できるものと思っております。

Q:関連でもう一点ですが、普天間の返還期日を早期に確定してほしいとの要望がありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

A:まず、普天間飛行場の返還期日を確定させることについては、跡地利用を円滑に進める観点から重要であると考えております。今後の工事の見通しについては、作業の進捗状況や気象・海象条件等を踏まえながら進めていくことになるため、現時点で確たることを申し上げることはできないと思いますが、いずれにしても、一日も早い普天間飛行場の移設・返還に向けて、引き続き、米国と緊密に協議しながら、関係法令に基づき、自然環境や住民の生活環境にも最大限配慮し、工事を着実に進めていきたいと思っております。また、要請いただいた騒音対策についての意見交換の実施については、引き続き、米側にしっかり働きかけていきたいと思っております。

(以上)

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