防衛大臣記者会見概要

平成30年6月8日(09時17分~09時40分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:本日、日米首脳会談が行われました。北朝鮮への対処方針を確認したほか、総理は日朝首脳会談へも前向きな姿勢を示しましたが、大臣の御所感をお願いします。

A:日米首脳会談において、安倍総理とトランプ大統領は、6月12日に予定されている米朝首脳会談への対応を含め、北朝鮮問題に関する今後の方針について綿密なすり合わせを行ったと承知しております。両首脳は、米朝首脳会談が、核・ミサイル、拉致問題といった諸懸案が前進する歴史的な会談となるよう日米、日米韓で緊密に連携していくことで一致しております。また、拉致問題に関しては、トランプ大統領から、改めて、米朝首脳会談で拉致問題を提起する旨の力強い発言があり、両首脳で、引き続き拉致問題の早期解決に向けて、日米で緊密に協力していくことを再確認したと承知しております。米朝首脳会談が開催される直前のタイミングで、日米の首脳間で直接、今後の方針を確認することができたことは極めて有意義であったと思っております。

Q:総理が日朝首脳会談に前向きな姿勢を示した件は如何でしょうか。

A:これは、北朝鮮が拉致問題について前向きな姿勢を示すということが、米朝首脳会談の中で確認をされれば、当然、拉致問題は日本が抱える重大な案件でありますので、日朝での会談が行われ、少しでもこれが前に進むように行うということが基本だと思っています。

Q:本日、海空連絡メカニズムが運用開始されました。ホットラインのルートについては、その都度の協議に預けるとして、予め決めていないということもありますが、日中の衝突回避にどのような役割があると考えていますか。

A:先般、10年間に及ぶ交渉を経まして、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムに関する覚書に署名し、本日、運用を開始するに至ったことは、日中両国の相互理解及び相互信頼を増進する上で重要な一歩であり、両国の不測の衝突を回避する意味でも大きな意義があると思っております。今後は、このメカニズムが日中両国の防衛当局間の信頼関係の構築に資する形で運用されることが重要であります。この観点から、防衛省として、このメカニズムがその目的に確実に資する形で運用されるよう、年次会合や専門会合等の機会を活用しつつ、引き続き取組んでいく考えであります。なお、ホットラインについては、御指摘のとおり、通話の都度、事前に日中防衛当局間で調整した上で、具体的な通話者を確定することとしており、現在、可能な限り早期に開設すべく、技術的な調整を行っております。このメカニズムの構築を契機として、相互理解及び相互信頼を増進し、誤解等に基づく衝突のリスクを減らすべく、両国の防衛当局間の対話と交流を更に促進していきたいと考えております。

Q:河野統幕長が5月28日付で歴代最多の3回目の定年延長となりました。延長の理由と今後に期待することをお願いします。

A:河野統幕長については、28年11月に半年の勤務延長を、昨年5月に1年の勤務延長を行い、先月、5月28日付で、三度目となる1年の勤務延長となりました。長期間にわたり、統幕長としての重責を担っていただいていると考えております。現在、安全保障環境が厳しい中、自衛隊の運用を担う統合幕僚監部の長としての職務において、河野統幕長においては、最高の専門的助言者として、私をしっかりと補佐してくれるものだと期待しております。早速、先週、5月30日に行われました日米韓3ヶ国、ダンフォード、チョン、米韓それぞれの統合参謀本部の中心の方と、3ヶ国の統合参謀本部のトップの会談を行ったと承知しております。現在の安全保障環境の中で、日米韓、あるいは他国との関係を緊密にする上で河野統幕長にはしっかりとその責務を果たしていただきたいと思っております。

Q:F-35戦闘機について、米政府の監査院が966件の技術的問題を指摘しました。大量生産に入る前の改善を求める内容となっていますが、空自の調達計画への影響は如何でしょうか。

A:F-35については、米国時間の今月5日に米国の会計検査院が米議会に提出した報告書において、F-35に搭載するソフトウェアを中心に多数の課題がある旨、指摘をされております。米国防省は、当該報告書における指摘について、既に改善のための取組みを開始しており、重要な欠陥と指摘されるものについては、来年10月を予定しております量産段階への移行前に改善する計画であるということであります。防衛省としては、F-35の導入・配備を開始しておりますが、実運用の開始は平成32年度以降を見込んでおります。今回の指摘の内容について米国に改めて確認し、空自機についても改善すべき点があれば、逐次修正していくことになります。いずれにしても、現在、三沢基地においては、本日、新たに配備するF-35を含め8機が運用態勢に入るということになります。既に運用性能に関する試験等を行っているところであり、現時点で試験段階の運用や、飛行の安全性に影響する問題は起きておりません。F-35Aの高い性能等を踏まえれば、わが国の防衛力の強化に大きく貢献する機体であり、引き続き、現行計画のとおり導入を進めていく考えであります。

Q:米朝の前に日米首脳会談を行った関連ですけども、トランプ大統領は「最大限の圧力」という言葉を使いたくないという発言を述べていますが、今回の日米首脳会談を御覧になって、日米の「圧力」に対する考え方というものに齟齬はないとお考えですか。

A:先般のマティス国防長官との間の会談の中においても、「圧力」を継続していくということ、これは揺るぎないということを確認しております。また、トランプ大統領も、北朝鮮が非核化するまで制裁を解除しないということを明確にしておりますので、私どもとしては、「圧力」は継続されるものと思っております。

Q:海空連絡メカニズムについて、ホットラインを今後詰めるところがあると思うのですけども、いざという時に繋がらなかったり、そういう懸念も若干あると思うのですけども、今後、その実効性を高めていくものにするために何が必要になってくるとお考えですか。

A:まず、今回スタートするのは、現場レベルで不測の事態を避けるために連絡を取る体制ができているということであります。そしてそれが更に両国間の大きな問題になるということになる可能性があれば、それはしかるべきレベルでの速やかな電話会談ということが今回の連絡メカニズムの中心であります。そしてまた、年次会合、あるいは専門会合等でこの運用が円滑に機能するようにということを進めていくことが大切だと思っています。いずれにしても、10年かかりましたが、ようやくスタートすることになりました。これから現場での信頼醸成、そしてまたホットラインの確立、そして年次会合、これを逐次整備する中で信頼醸成に努めていきたいと思っております。

Q:先般、沖縄防衛局の職員の方が軍用地に関する書籍を出版していたということがあったと思うのですけども、防衛局の職員がこうした軍用地の新規購入ができるような状態になっていることは、主権との関係もあるので中々規制するのは難しいと思うのですけども、この点について、大臣は問題認識はお有りですか。

A:先般、本を出版した職員に関して、上司に事前の相談もなく行っていたということ、そしてまた、内容に関しては、本来、職員が職務上関わっている内容でもありますので、今後速やかに処分をするという報告を受けております。私どもとしては、疑念を持たれるような行動があってはならないということでありますので、軍用地の取得を含めて、その職務に関して疑念を持たれるようなことがないようにしっかりと指導をしていきたいと思っております。

Q:指導というのは、軍用地の新規取得は控えましょうといった、内部で努力目標のようなものを定めるということでしょうか。

A:私どもが承知しているのは、軍用地取得に関しての出版をしたということで、当該職員について、処分を検討しているということであります。取得をしていることについては、詳細な報告を受けておりませんので、そのような事実が沖縄の中で問題になっているとすれば、速やかに報告を受けたいと思います。

Q:先般、うるま市で発生した、軍属による殺害事件の補償に関して、米国側と調整中かと思いますが、日米で何らかの補償金を支払う、米側で一定額を支払うということを合意したという報道がありましたが、事実関係をお願いします。

A:補償問題については、現在、日米間で協議中であり、詳細についてお答えすることは差し控えますが、いずれにしても、日本政府としては、ご遺族に対し適切な補償がなされる必要があると考えており、補償がなされる方向で努力をしていきたいと思いますし、現在、日米間で調整をしております。

Q:補償の問題で、先日6日に沖縄の自民党県議から大臣が要請を受けられましたが、大臣はその中で、「米側が一つの判断をする必要がある」というふうにおっしゃっておられましたが、「一つの判断」の意味を教えてください。

A:お尋ねの「一つの判断」とは、容疑者に賠償資力がない状況において、被害者救済の観点から、まずは米国政府がどのように対応するか判断する必要があるという趣旨で述べたものであります。

Q:普天間代替施設建設事業についてお伺いいたします。海域への土砂投入の前に沖縄県の赤土等流出防止条例に基づいて通知をしなければなりませんが、その準備状況についてお願いいたします。

A:お尋ねの沖縄県の条例に基づく手続きについては、5月28日に開催した環境監視等委員会で赤土等流出対策について説明し、委員から指導・助言を得たところです。なお、具体的な通知時期については、申し上げる段階にはありません。また、埋立工事の具体的な実施時期等については、今後の護岸の概成状況、気象・海象の状況等を踏まえる必要があることから、現時点において、確たることを申し上げることは困難であります。いずれにしましても、防衛省としては、一日も早い普天間飛行場の移設・返還を実現するため、関係法令に基づき、自然環境や住民生活にも最大限配慮しつつ、辺野古移設に向けた工事を着実に進めていく考えであります。

Q:日中海空連絡メカニズムが実施され、中国と日本の防衛交流の現状を日本側がどのように見ていて、今後どのように中国と防衛交流を進めていくお考えでしょうか。

A:日中防衛交流については、先般、佐官級の交流が復活し、佐官級の方々が防衛省を訪れ、私もお会いいたしました。また、先般のシャングリラにおいても、中国の代表の方と立ち話ではありますが、様々な意見交換をいたしました。いずれにしても、中国のみならず各国との防衛交流というのは、お互いの信頼醸成をつくる上で重要なことだと思っております。

Q:先日、自民党から防衛大綱に向けた提言を受け取られたかと思うのですが、読まれた感想と、今後の防衛大綱策定に向けた議論の中でどのように取り入れていくお考えでしょうか。

A:将来にわたる、わが国の安全保障に関して、そのような将来を見据えた形での御提言をいただいたと思っております。いずれにしても、私どもとして、その御提言も踏まえつつ、必要な防衛力整備を省内で議論し、また、政府内で共有しながら、防衛大綱に反映していきたいと思っております。

Q:冒頭の質問に関連してなのですけれども、河野統幕長の定年延長なのですが、一年間の定年の延長ですけれども、任期に関しては、延長した定年までなのか、それより前なのか、現在どのようにお考えでしょうか。

A:私どもが今回判断を行ったのは、あくまでも一年間の定年の延長ということであります。今後、私どもとして安全保障環境、そしてまた防衛省の体制を踏まえながら、河野統幕長にはしっかりと任務に当たっていただきたいと思っています。

Q:先ほどの防衛大綱の提言ですけれども、自民党の提言の中では、NATOのGDP比2%目標を参考にするという内容があったのですけれども、大臣としては、この防衛費について、GDPの数字を参考にするということの考えについてはどのようにお考えでしょうか。

A:私どもとしては、必要な装備を私どもの様々な任務に合わせ、そして、効率的な防衛力整備を行うという中で、最終的な積み上げた金額が、私どもが要求をさせていただく防衛費ということになると思っています。いずれにしても、何らかの枠があってということではなくて、必要なものの積み上げということが基本だと思っております。

Q:そういう枠を設けるというのは、考え方としては適切ではないということでしょうか。

A:それは、おそらく防衛力整備をさらに進めてほしいという党の議論の中から出た数字かとは思いますが、私どもとしては、GDPと機械的に結び付けるということは、適切ではないと思っております。

Q:日米首脳会談ですけれども、日米首脳会談の中でトランプ大統領が、日米の貿易に絡みまして、数十億ドルのさらなる製品を日本が購入することになるだろうと、防衛装備品についても購入することになるだろうという、期待のような、要求のようなものを示されているのですけれども、まずそれに対しての御所見は如何ですか。

A:私どもとして、従前からトランプ大統領がそのような発言をしているということは承知をしておりますが、いずれにしても、現在の大綱・中期防の中で、私どもとして、FMS調達をするものは決めております。特に、米大統領が発言したからそのようなことを考えるというよりは、むしろ当初から必要な防衛力整備の中で必要なものを積み上げる、その中で米国からのFMS調達もあるということではないかと思います。

Q:関連しまして、その後のブリーフィングで日本側としては、日本が今買っているものとか、これから買っていくものについて説明をして、トランプ大統領からも理解を得たという説明もあったのですけれども、それはやはりトランプ大統領と日米の貿易の話になってきますと、これからもまた買ってくれという購入の圧力が高まっていくかと思うのですが、マティス氏ともされていると思うのですが、これに対してはどのような説明をされていくお考えでしょうか。

A:私ども防衛当局の議論では、そのような議論にはなっておりませんが、日米首脳間で、従前から貿易摩擦の議論が起こり、その時に安倍総理から、例えば、自動車に関しては、かなりの部分がアメリカの現地生産になっており、そして、それがアメリカの雇用にも大きく寄与しているという事実関係をトランプ大統領に説明をしているというふうに承知をしておりますので、こういった説明をする中で、両首脳間が一定の納得感を持ちながら、この貿易摩擦の解消に向けて努力をしていくことが大事だと思っています。

Q:先般、大臣は、佐賀県にオスプレイの安全性について説明を再開したい旨おっしゃっていましたけど、その後の調整状況や、どなたを派遣してどういうふうに説明するか、そういうことが決まっていれば教えて下さい。

A:先般、大野政務官を派遣し、AH-64の事故に関しての報告をさせていただきました。私どもとしては、まず、今年起きてしまいましたヘリの事故の原因等の報告等をさせていただいて、その上で、従前から佐賀県からも御要請がありますオスプレイに関しての安全性についての説明をするという手順で、地域・自治体に対して丁寧に説明をしていきたいと思っております。まだ具体的な日程、詳細については決まっているわけではありません。

Q:米軍属の事件の補償関連なのですが、先ほど「一つの判断」について、容疑者に賠償資力がない中で米国政府はどのように対応しているか、判断する必要があるということなのだと思うのですが、大臣としては米国政府が賠償を容疑者に代わって肩代わりして賠償すべきだというお考えでしょうか。

A:私どもとしては、まず被害に遭われたご家族、ご本人には本当に心痛な思いであります。そして今、司法の判断で、賠償額が決められたという事も承知をしています。本来であればその加害者がその賠償を支払うのが基本でありますが、その資力がない場合、今回この容疑者は軍属の扱いでありますので、当然、米国政府がその足りない部分、あるいは払えない部分を補償するというのが基本だと思っております。

Q:防衛大綱ですが、前回の見直しの時は、中間報告を出されていると思うのですが、今回も同じようなスケジュールで進んでいくのでしょうか。

A:まだ、その中間報告も含めて具体的な内容は決まっておりません。

Q:間もなく米朝首脳会談が迫ってきておりますが、大臣として、私の印象では、これまで会談の見通し、特に北朝鮮の非核化については非常に慎重な御発言が多かったようにお見受けしているのですが、現時点で北朝鮮の非核化に向けて進展を期待されているお気持ちと、懐疑的なお気持ちと、今はどんなお考えをお持ちでしょうか。

A:どの国も、どの国民もそうですが、核やミサイルのような脅威がなくなる事が平和国家をつくる上で重要な事だと思っています。特に北朝鮮に関しては、累次北朝鮮が過去行ってきたことを見れば、易々と信じる訳にはいかないという懐疑的な気持ちを持つ方も多いと思います。私どもとしては、外交努力でこの問題を解決していただきたいと思っていますが、少なくとも防衛分野を司る私どもにとっては、本当の意味で、それが検証可能な形で実現するまで気を許してはいけない、それが私ども防衛当局の役割だと思っています。

(以上)

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