防衛大臣臨時記者会見概要

平成30年6月3日(11時33分~11時43分)(日本時間)

1 発表事項

 本日、8時45分から約60分間、マティス米国防長官及びソン・ヨンム韓国国防部長官と日米韓防衛大臣会談を実施し、北朝鮮を中心とした地域情勢及び日米韓防衛協力の進展などについて議論をいたしました。まず、北朝鮮情勢について、北朝鮮が、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で具体的な行動をとることが非常に重要であり、具体的な行動を取らせるべく、日米韓で緊密に連携していくことで一致をいたしました。さらに、情報共有、ハイレベルでの政策共有、共同訓練などを含む日米韓三ヶ国の取組みについて、継続していくことで一致をいたしました。また、海洋の安全保障を含む地域の課題について協議をし、航行及び上空飛行の自由は確保されなければならず、全ての紛争は国際法に従って、平和的手段により解決されるべきであることを再確認いたしました。わが国としては、日米韓の防衛協力は、それぞれの国家の安全のみならず、地域の安全保障にも寄与するものという認識の下、今後とも日米韓防衛実務者協議の枠組みを活用して三ヶ国の防衛協力を推進していくという所存であります。続いて、10時から約20分間、ソン韓国国防部長官との間で日韓防衛大臣会談を実施いたしました。今回の会談では、まず、北朝鮮情勢について、ソン長官との間で、北朝鮮から更なる具体的な行動を引き出すべく、国連安保理決議に従って、日米韓を始めとした国際社会と緊密に連携していくことを改めて確認いたしました。また、日韓防衛協力・交流については、今後とも幅広い分野での協力を進め、両国防衛協力・交流の基盤を確立していくことで一致いたしました。本年10月に実施予定の韓国軍創設70周年記念国際観艦式には、日本から艦艇を派遣すべく、調整していくことを確認いたしました。限られた時間ではありましたが、ソン長官との率直な意見交換を通じて、日韓・日米韓防衛協力を更に発展させていくことを確認でき、非常に有意義な会談となったと考えております。

2 質疑応答

Q:まず日米韓ですけれども、冒頭、大臣の方から、北朝鮮について、圧力や制裁といった言葉は特に聞かれなかったのですが、その点については、会談の中でどういった一致を見たのでしょうか。

A:圧力は引き続きかけ続けていくということで、日米韓は一致をしておりますし、また、私どもとして、共通の認識でありますが、具体的な行動を引き出すべく、今後とも協力をしていくということになると思っています。

Q:マティス長官からは、防衛協力が外交の助けになるという発言もありましたけれども、そういった認識でも三ヶ国は一致したと考えてよろしいのでしょうか。

A:日本にとっては、最終的にこの北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題の解決というのは、外交努力で解決すべきものだと思っています。ただ、その外交の後押しをするのが、防衛間の協力だと思っています。今回、防衛大臣会談が日米韓で開かれたということは、今月12日に開催予定でありますが、米朝首脳会談の後押しに当然なるものだと私どもは思っております。

Q:マティス長官から、中国に対して、非常に厳しい言葉での非難がありましたけれども、この点について、一致した点、どのようなものがあったのでしょうか。

A:私どもとしては、自由で開かれたインド太平洋ということが大切だと思っていますし、それから、これは南シナ海、あるいは東シナ海、様々なところで力による現状変更はあってはいけない、国際法によってしっかり解決すべき、このことについては、日米韓で一致していると思っております。韓国もやはり中国と様々なところでこの問題についての懸念があるということも示されましたので、私どもとしては、共通歩調で、国際的なルールに従って、この問題の解決を中国にも対応していきたいと思っております。

Q:圧力の継続に関して確認ですが、韓国もその点は今回の会談で一致されているのですか。

A:この問題が解決するまで、引き続き圧力を継続していくということは一致をしております。

Q:「瀬取り」に関して、韓国が関与を疑われる事例もありますが、その点について大臣から言及はありましたか。

A:これは、むしろ私ども国際的な協力の下、「瀬取り」を行っておりますし、韓国政府自体も公海を含めた形で警戒監視を行っていると認識をしておりますので、こういう国際的な関心については、共通にやっていきたいと、そのようなことを私の方から申し出をさせていただきました。

Q:バイ会談ででしょうか。

A:これは三ヶ国の会談であります。

Q:「瀬取り」の継続については一致したということでよろしいでしょうか。

A:これは、北朝鮮は具体的に何ら約束を、あるいは実際の行動をとっておりませんので、それは今後とも「瀬取り」は継続していくということになるのだと思います。

Q:圧力に関して、大臣は、「何も北朝鮮は約束していない」ということで圧力の必要性を述べられていますが、一方、韓国のソン長官は、「疑っていたら何も協議が進まない」という趣旨のことを述べられています。この辺、両者に隔たりはないのかということ、加えて、今回の会談の中で北朝鮮を巡る対応について、その辺の両者のすり合わせというのはされたのでしょうか。

A:まず、このような国際社会の一致した圧力があって、北朝鮮が今対話の方向に踏み出しているということでありますので、当然圧力と対話というのは両立をして行っていくということだと思っています。ただ、私どもが目指すゴールは、これは一緒でありますので、北朝鮮の核・ミサイルの完全なCVIDが私どもは重要だと認識をしておりますし、また、日本にとっては拉致問題の解決について、しっかり努力するということ、これが日本の認識ですし、特に、この核・ミサイルの、完全な、不可逆的な解決については、日米韓が共通の目標として認識している、これは間違いないと思います。

Q:韓国側からも明確にCVIDに向けて努力していくという御発言というのはあったのでしょうか。

A:それは、日米韓三ヶ国の共通認識として、私どものゴールはCVIDをしっかり北朝鮮に求めていくということだと思います。

Q:CVIDに向けてなのですが、昨日、大臣はスピーチの中で、IAEA含めて国際機関への日本の要員派遣の話をされていましたが、具体的なプロセス、あるいは方向について、日米韓の中で議題には乗っているのでしょうか。

A:今日はそこまで具体的な言及はありませんでした。ただ、昨日私がお話したのは、やはり検証可能な、ということであれば、当然、国際社会、あるいは国連の機関の中で検証していくということが基本であるし、日本としては、その点について協力する姿勢があるということを示させていただいたということだと思います。これは、防衛大臣の発言というよりは、外交当局が本来議論するべきことだと思いますので、あくまでも日本の考え方ということで対応させていただいたということであります。

Q:トランプ大統領が、「最大限の圧力」という発言は使わないというような話もありましたけれども、この言葉について、今回、会談で何か議論になったのでしょうか。

A:基本的には、圧力を継続していくということは、三ヶ国で一致しているということであります。それをもって、やはり北朝鮮に対して対話を求めていく、それが今の国際社会の一致した方向だと思っていますので、それは変わらないと思っております。

Q:南シナの軍事化についてお伺いしたいのですが、マティス国防長官はかなり批判を強めていますが、これに対して軍事化を止めるために、日本に対して何らかの具体的な協力を求められたことはあったのかということ、また、会談で出ていないとしても、日本として、今後軍事化を止めるために具体的に何か措置を取っていきたいと考えるのでしょうか。

A:まず、中国に対してこのような一方的な力による変更はあってはならない、また、国際的なルールに基づいて対応するということ、これは基本だと思いますし、マティス長官からは、これは、やはり外交的にしっかり中国にも伝えていくことが大事だと、国際社会の取組みが重要だということ、これが基本的なことだと思いますので、私どもとしては、外交の努力によって、中国もこの国際社会のルールをしっかり認識していってくれるものと期待しております。

Q:南シナ海では、米軍は「航行の自由作戦」や、外交と並行して軍事での関与もしていますが、その辺について日本に協力を求めるという点はなかったでしょうか。

A:米国はこの問題について自国の取組みということを行っておりますし、日本として、例えば南シナ海のそれぞれの国で独自に自国の監視能力を高めるために能力構築支援などをやっていくこと、これは国際社会として、通常どの国もその能力を持つことは重要だと思っておりますので、そういうキャパシティービルディングについては、日本としても今後ともやっていくということはお話をいたしました。

(以上)

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