防衛大臣臨時記者会見概要

平成30年6月2日(15時38分~15時50分)(日本時間)

1 発表事項

 先程、ウィリアムソン国防大臣と日英防衛大臣会談を、ロレンザー ナ国防大臣と日フィリピン防衛大臣会談をそれぞれ実施し、二国間防衛協力及び地域情勢等について議論をいたしました。北朝鮮に関しては、両会談において、私の方から、米朝首脳会談を核・ミサイル、拉致が実質的に前進する機会とすることが重要であるという旨を述べ、国際社会の圧力により、北朝鮮は政策を変えつつあるが、北朝鮮が具体的な行動をとるまで制裁の手を緩めてはならない旨強調いたしました。これに対し、ウィリアムソン国防大臣からは、日本の立場に同意する旨、また、ロレンザーナ国防大臣からは北朝鮮が核を放棄することを望む旨、応答がございました。また、日英防衛大臣会談では、私から、北朝鮮による「瀬取り」対策のための情報収集活動における協力は、国連安保理決議の実効性を確保する上で有意義であった旨、述べた他、ウィリアムソン大臣との間で、共同訓練や装備技術協力等の分野での防衛協力を進めていくことで一致いたしました。日フィリピン防衛大臣会談では、冒頭、私から、先般のTC-90の残り3機を移転したとともに、今般、フィリピンからの申し出を踏まえまして、陸上自衛隊で不用となった多用途ヘリコプターUH-1Hの部品等を無償譲渡することを決定した旨、お伝えをいたしました。先方から、日本の協力への謝意が示され、引き続き、両国の防衛協力を推進していくことで一致いたしました。また、ロレンザーナ大臣からは、南シナ海に関して、日本がフィリピンの立場を支持していることに感謝する旨言及がありました。

2 質疑応答

Q:北朝鮮の非核化について、今御紹介をいただいたものについて、両国から更に詳しく言及がありましたら教えてください。

A:北朝鮮が実質的に行動をとるまで、圧力を緩めるべきではないということに関しては、同意をしていただいたと思っております。

Q:トランプ大統領が、12日のシンガポールにおける米朝首脳会談を正式に発表いたしましたが、受け止めと、圧力の維持についてトランプ大統領が様々な発言があるようですが、それについてお願いいたします。

A:10日後になりますが、このシンガポールにおいて、初めての米朝首脳会談が行われるということ、私どもとしては、この会談において北朝鮮が拉致、核・ミサイルの解決をしっかりと約束するということ、特に、私どもとしては、その約束が実効ある形で、そして、証明できる形で行うことが大事だと思っております。トランプ大統領から圧力についての言及がありましたが、いずれにしても、現在の圧力は北朝鮮が方針を変えるまでは継続していくということは変わりがないと思いますし、本日はマティス長官とも会談をした中で、圧力については継続して、北朝鮮が明確な政策変更があるまでは続けていく旨、一致していると思います。

Q:マティス長官が午前中のセッションで今回の米朝首脳会談では在韓米軍については議題にならないのではないかという見通しを示しましたが、在韓米軍の必要性等について、改めてどのようにお考えでしょうか。

A:現在、米朝の協議の中ではもちろん、在韓米軍についての議論はないというふうに報告を受けておりますし、また、私どもとしては、在韓米軍というのは東アジアにとって、大変、重要な存在であると思っております。やはり、東アジア全体を見れば、急速に軍事力を増強するような国もありますし、まだまだ安全保障上、非常にバランスについては注意を払う地域でありますので、この地域への米国のプレゼンスというのは安全保障上、重要なものであると思っております。

Q:トランプ大統領は対話が続いている間は、これ以上の制裁は課さないとも発言されておりますが、大臣が仰るように、北朝鮮が約束をしていない状況で、交渉の行方によっては更なる制裁を課すという構えも必要なのではないかと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

A:トランプ大統領は、常日頃から、今回は圧力をかけた形で北朝鮮が政策の変更、あるいは対話を求める方向にきたと仰っております。私どもとしては圧力が有効に機能していると思っておりますし、北朝鮮がその中で私どもが望む方向に政策を変えていくということ、これを確認することが大切だと思っております。また、もしこれが思うような形で進まなければ、当然、トランプ大統領も、圧力について新たな考えを示されるのではないかと承知しております。 

Q:先ほどの演説の質疑の中でもありましたが、短・中距離弾道ミサイルと拉致問題の解決を北朝鮮に求めている日本の基本姿勢をもう一度御説明をお願いいたします。また、先般のハワイでの日米防衛相会談で、その点についてどのようなやりとりがなされたかを教えてください。

A:先般のマティス米国防長官との防衛相会談においては、むしろ、マティス米国防長官から、日本の立場をよく理解して、短距離を含む弾道ミサイルの解決をしっかりとやると、そして、拉致問題は日本が高い関心を持っていることは十分に認識をしていると、当然、この問題についても米朝首脳会談の中で議論になるであろうとの見通しは示していただきました。今日、質問があったように、短距離弾道ミサイルは米本土までは届かないかもしれませんが、日本や韓国にとっては脅威ということになります。そして、日本には在日米軍もあれば、多くの諸外国の方が日本にはいらっしゃいます。いずれにしても、短距離弾道ミサイルであっても国際的な脅威には変わらないと思っております。また、今日は、拉致の問題について質問がありましたので、私が言及したのは、先般、多くの北朝鮮の漁民の方が日本で遭難されて、そして、救いを求めてきたときに、私どもはしっかりと保護し、そして、北朝鮮にお帰りいただくような形で人道的な対応をとりました。当然、北朝鮮は、私どもが求めている拉致問題については明確な形で日本の要請に応え、人道的な問題でもありますので、一刻も早く解決するということ、これは、核、大量破壊兵器の廃棄、そしてまた、短距離・中長距離の弾道ミサイルの廃棄と同じ考えで拉致問題も解決に向けて国際社会に訴えていくということであります。

Q:北朝鮮問題について、日本政府としては、圧力ということを掲げて今まで訴えてきたわけですが、この段階になって、トランプ大統領からも「圧力と言いたくない」という発言が出たこと自体については梯子を外された格好にもなっていますけれど、どのようにお考えでしょうか。

A:私はそうは思っていません。また、トランプ大統領の意図というのは、まだ詳細に承知しておりませんが、いずれにしてもトランプ大統領は「圧力を継続していく」ということでお話をされております。今後、米朝会談に向けて、おそらく様々な両国間の駆け引きがあるのだと思います。いずれにしてもその米朝の会談の中で私どもが望むような形でしっかりとした決着ができることが大切ですので、その過程においての様々なやりとりというのは、今水面下での駆け引きが行われている、その中の一端ではないかと思っています。

Q:中国側から接触があったのか、接触があったのであれば、答えられる範囲でお話しください。

A:立ち話ではありましたが、中国の代表の方と長時間お話をさせていただきました。内容については北朝鮮に対しての政策変更に関しては、中国が重要な役割を握っているということ、そして、中国及びロシアが安保理決議に協力をした形で前に進んでいるということは評価すべきであるというお話しをしました。他方、やはり開かれたインド太平洋という考え方の中で、「航行の自由」、「法の支配」が大事だということは、私どものほうからもお話をさせていただきましたし、先方もそのとおりだというお話はされておりました。また、日中の連絡メカニズムが今月8日だと思いますが、機能し始めるということでお互いにこれから偶発的な衝突がないように、この仕組みをうまく使ってやっていきましょうという合意があったと思います。

Q:インド太平洋軍への改編なのですが、フィリピン側から、今日、これについての評価なり言及というのはあったのでしょうか。

A:私ども、このインド太平洋の米軍の改編ということではなくて、むしろフィリピン側に、一部報道で資源的な問題がもし影響するのであれば、ドゥテルテ大統領の発言として中国とも辞さずというようなお話しがあったというふうに承知をしていますので、私どもとして今しっかりフィリピンと中国の間で資源の問題についてどのような状況になるかということはお伺いをしましたが、基本的にはあくまでもそういうことがないようにということでドゥテルテ大統領が発言したことであって、現実にそのような緊迫した状況にあることではないというお話しはありました。

Q:米朝のかけ引きを見守るというお話しでしたけれども、そのような中で今日スピーチの中で大臣は「最大限の圧力」という単語を使われたことは国際的な包囲網が緩まないように、日本として枠組みを崩さないようにしていこうという懸念があったというメッセージと受け取ってよろしいでしょうか。

A:北朝鮮には何度も裏切られているということ、今日参加している各国の皆さんに、もう一度その認識を持っていただくということだと思います。ですから、北朝鮮を私どもが望む方向に導いていくためにも圧力を緩めるということはむしろ間違ったメッセージを北朝鮮に伝えることになりかねないという懸念から、今日はあえてスピーチの中で「圧力」の言葉を明確に使わせていただきました。

Q:午前中のセッションを拝見していて、日本と韓国の間で、ミサイルをめぐる見解や対応をめぐる見解で相違があるように感じたのですが、北朝鮮をめぐる今後の日韓の連携についてはどのようにお考えでしょうか。

A:最終的なゴールとしては、これは北朝鮮の核・ミサイルに関してはCVIDでしっかりさせるということは同じだと思っています。南北の対話がスタートした中で、米朝会談までいけましたので、そういう意味で韓国の今回の対応については評価をするという発言はさせていただきました。ただ、最終的に日米韓がしっかりとした連携をとる必要がありますので、明日、日米韓3ヶ国の会談も予定されておりますので、その中でそれぞれの政策をしっかりすり合わせていきたいと思っております。

Q:中国はどなたと何分くらいお話をされたのでしょうか。

A:何雷中国軍事科学院副院長と、立ち話ですが、おそらく20分弱はしていたと思います。こちらが日本語と英語、そして向こうが英語と中国語のやりとりですから、当然、時間はかかりますが20分くらいはやっていたと思います。

(以上)

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