防衛大臣記者会見概要

平成30年3月6日(09時30分~09時46分)

1 発表事項

 AH-64D墜落事故に係る事故調査への民間有識者の参加について御報告いたします。先月5日に発生した陸上自衛隊AH-64Dの墜落事故については、現在、陸上幕僚副長を長とする航空事故調査委員会において事故原因の調査・分析が進められているところです。今回の事故が、住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたことを踏まえ、幅広い観点からの事故原因等の検討・分析を行うため、民間の有識者の専門的・技術的知見を取り入れるべく検討を行ってまいりましたが、このたび、調整が整い、後藤昇弘氏 九州大学名誉教授、板東舜一氏 株式会社ビー・アイ・テック代表取締役社長のお二人に航空事故調査委員会の特別評価委員として参加いただくことになりました。後藤氏は国土交通省の運輸安全委員会委員長も務められた航空事故調査の第一人者であり、また、板東氏は、長年にわたりヘリコプターの研究や設計に携わってこられたわが国屈指の専門家です。事故原因の調査については、航空事故調査委員会では、これまでも、回収した部品の破損状況の確認やフライト・データ・レコーダーの解析を進めているところですが、お二人には、それぞれの専門的分野で培われた経験・知識を十二分に発揮して事故調査に参加していただきたいと考えており、その御意見を取り入れながら徹底した原因究明に全力を挙げてまいります。

2 質疑応答

Q:昨日、中国の全人代が開幕し、2018年の国防予算案も発表されました。国防費が前年実績比8.1%の1兆1069億5100万元とされていますが、中国の軍備状況についての認識をお聞かせください。

A:中国は、昨日から開催している第13期全国人民代表大会 全人代第1回会議に先立ち、2018年度の中央本級支出における国防予算については、対前年実績比8.1%の伸びの、約1兆1070億元になると公表した旨承知しております。中国の公表国防費は従来から継続的に高い伸びで増加を記録しており、過去10年間で約2.7倍、過去30年間で約51倍に増加しております。また、予算の内訳などの詳細が不透明であるほか、公表国防費は軍事関連予算の一部にすぎないとの指摘もあります。このような国防費の高い伸びを背景に、中国は、軍事力の広範かつ急速な強化や積極的な海洋進出等を進めており、こうした中国の軍事動向はその不透明性とあいまって、わが国を含む地域・国際社会の安全保障上の強い懸念となっております。防衛省としては、引き続き、国防費を含めた、中国の国防政策を注視するとともに、透明性の向上や国際的な行動規範の遵守につき、関係国と連携して中国に働きかけていく所存でございます。

Q:佐賀の目達原駐屯地の陸自ヘリの墜落から1ヶ月になりました。原因究明中ではありますけれども、現状の把握状況について教えて下さい。

A:今回の事故は、国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が、住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたものであり、極めて遺憾であります。改めて心よりお詫びを申し上げるとともに、この1ヶ月間、不安と不自由を余儀なくされている被害者の皆様にお見舞いを申し上げます。安全の確保は最優先の課題であり、陸上幕僚副長を長とする航空事故調査委員会において、現場で回収した部品の破損状況の確認や海外企業によるフライト・データ・レコーダーの解析といった事故原因の調査・分析を進めているところでありますが、先ほどお知らせしましたとおり、お二人の有識者に御参加いただくことになりましたので、徹底した原因究明に向けて、事故調査を本格化させていきたいと考えております。

Q:北朝鮮で、文在寅大統領の特使と金正恩委員長が会談をいたしまして、北朝鮮は「満足のいく合意に達した」というふうに発表していますけれど、受け止めと、これまで圧力をかけるという方針に変更があるのかどうかについてはどうお考えでしょうか。

A:御指摘の報道については承知をしております。今般の韓国の対北朝鮮特別使節団と金正恩委員長との会談については、まだその詳細が明らかにされておらず、コメントは差し控えさせていただきます。その上で申し上げれば、今般の韓国による北朝鮮への特使派遣を含め、北朝鮮への対応に当たっては、北朝鮮との過去の対話が非核化につながらなかったという教訓を十分に踏まえて対応しなければならないと思っております。北朝鮮に対しては、北朝鮮が、完全で、検証可能な、そして不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄するとコミットし、これに向けた具体的な行動を示すよう働きかけることが重要であります。いずれにしても、日米、日米韓の間でしっかりと情報共有をしながら、対北朝鮮政策について綿密にすり合わせを行っていくことが大事だと思っています。

Q:今おっしゃったように、日米韓が特に中心になって、国際社会で一致した圧力をかけていくという局面で、今回、韓国が一連の融和路線として金正恩委員長との会談に踏み切ったと思うのですけれど、こうした韓国の姿勢に対してはどのように評価をされていますか。

A:私どもとしては、従来から日米韓の中で、これは同じ足並みでありますが、北朝鮮が検証可能な、そして不可逆的な方法で核・ミサイル計画を放棄するということをコミットし、これに向けた具体的な行動をとるということが対話の前提・目的だということになりますので、当然、韓国側もそれをよく理解して、今回の行動をとっていると思っています。

Q:今、おっしゃった、核・ミサイル計画を放棄することに関するコミットであるとか、具体的行動というのは、具体的にどういったものを大臣は想定していらっしゃいますでしょうか。

A:今、お話したとおりだと思います。北朝鮮が、核・ミサイルに関しての、検証可能な、不可逆的な放棄に関することについて、しっかり誠意をもって対応するということだと思います。

Q:例えば具体的に、IAEAの査察の受け入れであるとか、何か具体的な行動というのは何を指しているのかというのが、イメージできないのですが。

A:具体的に何を求めていくかというのは、日米韓の中で連携して調整していくことだと思っています。

Q:日米韓では何らかの合意やどういった行動がそれを指すのかというのは、コンセンサスはあるのでしょうか。

A:当然、日米韓の中で、従来からこの問題については議論をされております。どのような具体的な内容が詰められているかということは、差し控えさせていただきますが、いずれにしても、常に情報は共有しているということだと思います。

Q:ロシアのプーチン大統領の年次教書演説で、新型の兵器等、あるいは、日本のイージス・アショアを無力化するといったような話がありました。大臣の受け止めをお願いします。

A:今月1日、プーチン大統領は年次教書演説の中で、米国をはじめとする、ミサイル防衛システム配備への対抗として、複数の新型兵器を紹介されたということを承知しております。年次教書演説で紹介された新型兵器について、逐一コメントすることは控えますが、ロシアはこれまでも核戦力の近代化を優先させる方針に従って、新規装備の開発・導入の加速化に努めております。また、ロシアは、米国のミサイル防衛システムの欧州及びアジア太平洋地域への配備に反対し、ミサイル防衛システムを突破できる核戦力を追及していく旨表明しております。今後もその動向には注視をしてまいりたいと思います。その上で申し上げれば、イージス・アショアを含め、わが国が整備を進めているBMDシステムは、北朝鮮が核・ミサイル開発を進める中、弾道ミサイル攻撃に対して、わが国国民の生命・財産を守るために必要な純粋に防御的なシステムであり、そして、わが国が主体的に運用するものである、ロシアを含め、周辺諸国に脅威を与えるものではないということ、この考え方はこれまでもロシアに対して、説明をしております。北朝鮮の核・ミサイル開発が、これまでにない重大かつ差し迫った脅威となっている中、防衛省・自衛隊として、国民の命と平和な暮らしを守るため、最速のスケジュールでイージス・アショアの導入を進めることも含め、一層の万全の備えを構築していきたいと思っております。

Q:北朝鮮の話に戻るのですが、対話は、検証可能な非核化が前提とおっしゃっていますけれども、今回の特使団の派遣というのは、そういう前提がなされないまま行われた対話という認識をお持ちなのでしょうか。

A:私どもとしては、当然その議論の中で、核・ミサイルの問題がしっかりと協議をされる、そして、北朝鮮がそれに対して、検証可能な、不可逆的な放棄に向けた行動を取ることがこの議論の中で行われるということが大事なのだと思っております。

Q:そういった姿勢を北朝鮮が示さない限りは、こういう形での対話は中断すべきものでしょうか。

A:最終的に求めていくものは、北朝鮮の基本的な政策の変更でありますので、それに向けて、様々なアプローチがあるということは大事なことだと思っています。

Q:ヘリの事故の件で、民間の有識者をこのような形で参加させるというのは、過去の事例はあるのでしょうか。

A:過去に例がないと報告を受けておりますが、今回は、私どもの方で、しっかり外部の意見を取り入れるという中で、知見のある有識者に入っていただいたということであります。

Q:過去にも事故は発生していると思うのですけれども、過去と今回の事故との違いは何でしょうか。

A:これはまず、民間の方々に被害を与えたということ、そしてまた、今回の航空機の事故の事案はしっかりとした検証・調査が必要だという、そういう中での判断で、このような対応をさせていただきました。

Q:参加有識者が、状況によって追加される可能性がありますとあるのですけれども、これは追加される場合も特別評価委員の肩書で追加される可能性があるという理解でよろしいでしょうか。

A:まだ具体的なことは決まっておりません。あくまでも今回はこの2名の有識者に外部から入っていただきたいということになります。

Q:一部報道でありましたF-2の後継機ですが、国産を断念したという報道がありますけれども、事実関係を教えていただけますでしょうか。

A:現在、F-2の後継機については、国内開発、国際共同開発、既存機の能力向上等といった選択肢を含め、防衛省内において様々な検討を行っておりますが、現時点において、F-2後継機についてどのような判断を行うかについては、何ら決まっておらず、国産開発を断念したという事実はありません。開発に係る判断については、防衛大綱の見直し及び次期中期防の策定に向けたスケジュールを見据えると、本年中に行うことが想定をされております。いずれにしても、わが国を取り巻く安全保障環境を見据え、将来の戦闘機体系全体のあるべき姿について、引き続き関係部局が連携して検討を進めているということであります。また、情報提供依頼 RFIでありますが、これは提案する意向のある米国、英国の企業に対して行っておりますが、これに関する細部の調整状況については相手方との関係があり、詳細については控えさせていただきますが、基本的に様々な情報収集の一環として行っているわけで、決してこれをもって国内開発を断念したということが決まっているわけではありません。

Q:防衛研究開発費ですが、同じ財政規模の他の国と比べても日本は小さな部類だと思うのですが、現状の開発予算は十分であるかどうかという認識をお願いします。

A:研究開発費の額というのは、その国が置かれた安全保障環境や技術力、装備体系等によって大きく異なるため、一般には比較は困難だと思っております。防衛省としても、新しいF-2の開発の時には、研究開発額が大変増えましたし、また、C-2、P-1の開発中の場合には研究開発費が増えたという実績もありますので、その時点で研究開発費が低いか高いかというのは一概には比較できないと思います。いずれにしても、技術革新が急速に進展する中、着実に必要な研究開発を実施していくとともに、先進的な民生技術の活用や安全保障技術に関する各関係省との連携もしっかりして取組んでまいりたいと思います。

Q:「いずも」とF-35Bの件ですが、大臣は3月2日の参議院予算委員会で調査していることをお認めになりました。ところが、昨年12月26日の記者会見で、「検討していることは一切ない」とおっしゃいました。その時点では、既にもう調査は始まっていると思うのですが、なぜそのようなことを大臣会見で言われたのか教えてください。

A:私が発言をしましたのは、「いずも」の空母化に向けたような具体的な検討を行ってきた事実はないということを累次お話ししております。今回の調査については、あくまでもDDHの航空運用の能力向上に係る調査研究という調査の一環として行われていることでありますので、決してこれが「いずも」の空母化に向けた具体的な検討の一環ということではないというふうに承知しております。

Q:大臣は、昨年12月26日の記者会見の時点で、そういった調査研究が行われていることを知っておられたのか、あるいは知らなかったのか教えてください。

A:その時点では知りませんでした。

Q:それは、省内を把握できていなかったということでしょうか。

A:そうではなく、この調査研究というのは海上幕僚監部が行った調査研究ということであり、調査費も378万円ということで、非常に少額でありますので、私のところに報告をするような内容ではないと承知しておりますが、ただ、国会でそのようなものがあるのではないかという質問がありましたので、私の方で調査をさせ、報告をさせた中で、調査をしているのだなと、ただ、様々なDDHの航空運用の向上ということでの一環でありますので、決して、F-35Bを搭載するとか、あるいは空母化に向けた具体的な検討ということではないというふうに承知をしております。

Q:空母化ということは見解の違いがあると思いますが、大臣は昨年12月26日の会見で「私は省内全部の意見を掌握している立場ではありますが」とおっしゃって、否定されています。省内を把握できていなかったということをお認めになりますね。

A:この調査・研究ということが、昨年の4月に始まった調査ということで、前大臣の時に調査をされた内容かと思います。ただ、具体的に私の所に最終的に報告がくるとすれば、調査・研究の報告がまとまった段階で、来るかも知れませんが、そういう意味ではこの時点ではこのような調査をしているという報告は来ていなかったということであります。

Q:「いずも」を改修するという検討段階こそ378万円であっても、調査費を計上して調査をしているわけが、検討があるから調査費を計上して貴重な税金の調査費を計上して調査をしているわけです。全く検討をしないで調査をさせるのは予算の無駄じゃないですか。

A:これはF-35Bということだけではなく、「いずも」は今後40年以上使う、将来に発展性があるそのような船だということで、これは建造時から将来の発展性について検討するというのが、一つの方向だと承知をしていますので、そういう中でどのような発展性があるのかということの調査の一環ということで、海上幕僚監部が行ったものと承知をしております。

Q:「いずも」の改修やF-35Bの導入を検討しているからこそ、調査費を計上して調査をされていると承知していますが。

A:そういうことではありません。あくまでもどのようなこのような船の活用方法があるかということの、公表されている公刊情報を集めるという調査でありますので、これをもって何か「いずも」のF-35B搭載に対する調査というふうにはつながらないと思います。

Q:検討しないでそんな調査費を計上していたら際限なく調査しなければならないと思いますが。

A:あくまでも調査ということよりは、情報収集ということですので、広く情報収集をした中で、その次の段階でいろんな調査があると思います。

Q:検討しているから、調査費を計上した上で情報収集なり、調査・研究をされると思いますが。

A:そういうことではなく、広く情報を集めるという一環での今回の調査費ということになります。

Q:昨年12月26日に会見で否定されていることは、これはミスリードですか、それとも省内を把握できていなかったということですか。

A:具体的に私が話をしたのは、「いずも」の空母化に向けた具体的な検討を行ってきた事実はないということでありますし、省内でそのような議論が具体的に行われていることもないということをもって、そのような発言をしたと思います。

以上

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