防衛大臣記者会見概要

平成29年12月26日(11時15分~11時31分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:今日が、今年最後の閣議後会見になりますので、今年一年間、日本を取り巻く安全保障環境について振り返っていただきますでしょうか。また、来年以降の見通しをお願いします。

A:今年を振り返りますと、現在の安全保障環境というのは、3年前、私が大臣になった時に比べても、その環境が一層厳しさを増しているという実感を持っております。北朝鮮は、昨年来、過去最大出力「広島型の10倍」と言われておりますが、その最大出力と推定される規模の核実験を含む3回の核実験のほか、わが国を飛び越えたものやICBM級の長射程のものを含む40発もの弾道ミサイルの発射を強行いたしました。北朝鮮の核・ミサイル開発は、わが国の安全に対する、より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となっております。また、中国は、透明性を欠いたまま軍事力を強化するとともに、東シナ海、南シナ海の海空域において、既存の国際秩序とは相いれない独自の主張に基づく力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続しております。さらに、大量破壊兵器等の拡散や国際テロの深刻化、サイバー空間や宇宙空間などの新たな領域における課題の顕在化等、グローバルな安全保障上の課題は広範かつ多様化しています。このように、わが国を取り巻く安全保障環境の現状は、戦後、最も厳しいといっても過言ではないと認識しております。防衛省としては、引き続き、こうした厳しい現実に正面から向き合い、安全保障環境の変化に的確に対応するための万全の備えを行い、国民の命と平和な暮らしを守り抜くという政府に課せられた最も重要な責務を全うしていく考えです。

Q:護衛艦「いずも」についてお伺いします。一部報道で、「いずも」を空母に改修し、また、最新鋭のステルス戦闘機F-35Bも、「いずも」で運用することを検討していくとの報道がありましたが、事実関係をお願いします。

A:防衛省におきましては、防衛力の在り方に関して不断に様々な検討を行っておりますが、御指摘がありましたようなF-35Bタイプの導入や、「いずも」型護衛艦の改修に向けて具体的な検討は、現在、行ってはおりません。

Q:護衛艦「いずも」の空母改修報道についてお伺いいたします。大臣は先ほど、「現在は行っておりません」とお答えになりましたが、島嶼防衛と日米同盟の強化に向けて、検討していく、若しくは次期防衛大綱及び中期防を含めて議論をしていくことは適切だというふうにお考えになりますでしょうか。

A:防衛省におきましては、防衛力の在り方に関して不断に様々な検討を行っていくことは必要だと思っております。

Q:空母を保有すること自体については、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:私どもとしては、安全保障上、わが国の防衛力の在り方について、不断に様々な検討を行っていくということでありますが、わが国が専守防衛を国として、今後とも堅持していくことは変わりないと思っております。

Q:専守防衛と空母の保持は、特に矛盾しないとお考えでしょうか。

A:私どもとしては、あくまでも専守防衛という考え方、そして防衛力の在り方については、今後とも不断に様々な検討を行ってまいります。

Q:空母という装備を持つことが、イコール専守防衛を否定するものではないといことでしょうか。

A:私どもは先ほどからお話ししておりますように、現在、具体的な検討を行っておりませんので、お答えは差し控えさせていただきます。

Q:「具体的な検討は行っていない」というのはどういうことでしょうか。

A:御指摘は、報道にあった「いずも」についてのF-35Bの導入ということだと思いますが、そのことについてのお答えです。

Q:省内で具体的な検討をされているではないですか。

A:私どもとして、導入に向けた具体的な検討というのは行っておりません。

Q:導入に向けた具体的な検討をされているではないですか。

A:御指摘については、私は省内全部の意見を掌握している立場ではありますが、私としては、今言った見解であると思っております。

Q:防衛大臣として、将来の大きな動きを把握されていないのですか。

A:私としては、あくまでも報道ということで承知しております。

Q:全く聞いたことはないのですか。

A:当然、わが国の防衛を全うするために、様々な検討を不断に行っているとは承知しておりますが、具体的な検討という形ではないのだと思います。

Q:その中に空母の話は含まれているのですか。

A:私としては、あくまでも様々な検討ということだと思っております。

Q:防衛大臣として「いずも」あるいはF-35Bについて報告を聞いたことはないのですか。

A:私どもとしては当然、「いずも」がどのような運航をするかということ、そして、F-35Aタイプは既に導入を決めて、1号機が来年には入ってまいりますので、その系統のBタイプやCタイプというのがあるということは当然承知しております。

Q:Bタイプ、Cタイプがあるのは承知されていると思いますが、その導入に向けて検討されているということはないのですか。

A:今のところ、具体的に決まっていることはありません。

Q:具体的な検討を行っているわけではないという御回答は、F-35Bの導入と「いずも」の空母化、両方でしょうか。

A:そうです。

Q:一体の話ではなくてもでしょうか。

A:正確にお話をしますと、防衛省においては、防衛力の在り方に関して、不断に様々な検討を行っておりますが、報道等に御指摘のありました、F-35Bの導入や「いずも」型護衛艦の改修に向けて具体的な検討は行ってはいないということです。

Q:安倍政権発足から今日で5年となります。2度目の大臣ということになりますけれども、5年間を振り返ってみて如何でしょうか。

A:安倍政権になって経済政策、あるいは外交・安全保障政策、様々な難しい問題については安倍総理は積極的に取組まれてこられたと思っております。また、その間、国民の皆様から選挙を通じて様々な評価をいただいていると思っておりますが、私どもとしては、これからも謙虚に国政に専念していくことが大切だと思っております。

Q:「いずも」について、大臣は「現在、具体的な検討を行っていない」と「現在」と「具体的」という言葉をつけてお話されていますけども、日本が空母を今後配備していくということ、島嶼防衛に関してF-35Bのような戦闘機を配備していくということ、そういった全体の議論というのが行われるという認識で良いのでしょうか。

A:当然、わが国の防空を全うするために、様々な検討を不断に行っていくことが大切だと思いますし、そのためにはどのような装備が必要かということ、それは当然検討していく重要なことだと思っています。ただ、具体的に何か決まっているということではありません。また、従前からお話していますように、専守防衛ということ、この基本も変わっておりません。

Q:現状の南西方面の航空展開能力に現在の安全保障環境から考えて不足があるという認識はございますでしょうか。

A:当然私どもは、様々な脅威見積りをしながら、今後どのような防衛力整備をしていくかということは、不断に見直していくことが大切だと思っています。その中で特に、南西地域においては、今後、陸上自衛隊の展開もありますし、あるいは水陸機動連隊等の新編もあります。様々な総合力を高めていくことが大切だと思っています。

Q:日本が、迎撃ミサイル、イージス・アショアを2023年度に導入するということが発表されております。ヨーロッパのイージス・アショアや韓国のTHAAD、PAC-3等のミサイル防衛システムというのは米軍が配備したもので配備先の国が購入したものではない一方で、イージス・アショアを米国からお金を支払って購入したのは日本だけであり、日本はトランプ政権の米国にカモにされているのではないかという国民の疑念の声があります。こうした国民の声についてはどのようにお考えでしょうか。

A:私どもとしては、日本の防衛に資するということで、イージス・アショアの導入について、今予算の中に入れさせていただき、国会の審議を仰ぎたいと思っております。あくまでも、これは、わが国防衛で必要だということ、自衛隊が運用するということで対応していくことであります。また、この検討というのは、トランプ政権、あるいはトランプ大統領の発言とは関係なく、私どもとしては様々な検討を行ってきた中で、今回予算要求をさせていただくということで御理解いただければと思います。

Q:政府は、攻撃型空母に関しては、憲法上自粛するというような解釈をされていると思うのですが、防御型の空母ならば、これは法的には可能かどうかの見解をお聞かせください。

A:まだ具体的に検討が行われて、そして、どのような装備を考えるかということを決めているわけではありませんので、仮定の御質問についてはお答えは差し控えさせていただきますが、あくまでも、専守防衛という考え方には変わらないということであります。

Q:専守防衛の定義について改めて教えていただけますでしょうか。空母というのは、攻撃型と防御型、なかなか区別しにくい戦力投射をできる兵器だと思うのですけれども、そこの整合性をどのようにお考えか教えてください。

A:従前から専守防衛の様々な装備の中で、私ども考えるのは、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためのみに用いられる、いわゆる攻撃的兵器を有すことは、わが国の自衛のための必要最小限度の範囲を超えることから、いかなる場合にも許されずということで、従前からお答えをさせていただいております。

Q:万が一、空母のような兵器を持つ、戦力投射能力のある兵器を持つことになった場合は、制御的に運用すれば問題ないということでしょうか。

A:あくまでも、従前から、わが国の方針というのは、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためのみに用いられる、いわゆる攻撃的兵器は保有しないということであります。その判断で対応していくことになると思います。

Q:それでは防御型の空母でしたら、保有できるというお考えなのですか。

A:私どもとしては、今までの専守防衛の考え方は変わらないということであります。

Q:大臣御自身は防御型の空母でしたら、専守防衛の原則を外さないと考えられますか。

A:防衛省としては、わが国の防空を全うするため、様々な検討を不断に行うことは大切ですが、F-35Bの導入に向けた具体的な検討というのは行っていないという答えに尽きると思います。

Q:大臣に伺いたいのは、専守防衛という原則を踏まえて、防御型の空母でしたら保有できるかどうかということを伺いたいのです。

A:専守防衛という考え方は、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器は保有しないという範囲でありますので、そこで判断することになるのだと思います。

Q:防御型の空母でしたら保有できるというお考えなのですか。

A:空母がどのような能力を持つかということは、改めて、私ども日本は持っておりませんので、ここで論調することはありませんが、少なくとも、性能上専ら相手国の国土の壊滅的な破壊のためのみに用いられる、いわゆる攻撃的兵器を有することはないということであります。

Q:壊滅的な破壊をもたらさないような防御型の空母でしたら保有できるというお考えなのですか。

A:現在、空母というのは、わが国は保有しておりませんので、またF-35Bの自衛隊への導入についての具体的な検討もないということですので、仮定の御質問にはお答えは差し控えさせていただきます。

Q:仮定の質問ではなく、具体的に検討されているから聞いているのです。

A:従前からお答えをしているとおりでございます。

Q:政府がイージス・アショアを導入するのは2023年と6年も先になるのですが、イージス・アショアは、現在の緊迫した北朝鮮情勢の対応策として、役立つとお考えでしょうか。

A:私どもとしては、脅威見積りに合わせて対応してまいります。ただ、装備においては、決定をしてから、どうしても、導入には時間がかかるということも事実であります。その間、私どもとして、現在あるイージス艦等でしっかり対応するような、万全の態勢をとっていきたいと思います。

以上

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